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「機動戦士ガンダム」 / 87点 1979年4月〜1980年1月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野喜幸 監督‥‥‥富野喜幸 声の出演‥古谷徹 鈴置洋孝 池田秀一 井上瑤 田中崇 潘恵子 |
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遥かなる未来の宇宙を舞台に、独立を考えるコロニー国家ジオン軍と地球連邦軍との戦いを描いた作品。今更説明するまでもない、日本アニメに燦然と輝く傑作SFアニメシリーズ第1弾。。 内気な少年アムロ・レイはふとした事から連邦軍のモビルスーツ「ガンダム」に乗る事に。大人の事情に反発を覚えながらもアムロは成長し、そして壮大な戦いが描かれていくという内容です。最初に放送された頃は難解なお話だったからか途中で打ち切られ、再放送の時に人気が爆発したという経緯があったりします。 さて、今更語るまでもないとは思いますが、独立戦争というテーマ、内気な主人公、「コロニー」「ニュータイプ」「宇宙(そら)」などの造語、やはり設定からして他とは一線を画すものを持っていたと思います。 またガンダム、ジム、ザクなどのロボットの造形、仮面を被っている敵など、様々な面で圧倒的な個性を発揮。今のSFアニメは必ず本作の影響下にあると言っても過言ではないかもしれません。 しかし、やっぱしこれを子供で理解するのは難しいでしょう。独立戦争以外にも男女の関係、「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」などの台詞の妙など、子供をおいてけぼりにしてる感はありますからね。私も小学生の頃、再放送を見ても意味分からなかったですもん。だからこそ今でも語り継がれてるとも思いますが。 20年以上も前の作品なので、クオリティこそ高くないですが、内包された壮大なテーマ、格好良すぎる台詞、見たら忘れられない数々の名シーンと、傑作の名に相応しい作品だと思います。 今からでも遅くないから見てみ。 |
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「機動戦士Zガンダム」 / 92点 1985年3月〜1986年2月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥飛田辰男 松岡みゆき 岡本麻弥 小杉十郎太 井上和彦 |
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初代の5年後に作られた続編。お話はジオン軍崩壊後、連邦軍のトップだけで結成されたティターンズの横行に対して反旗を翻したエゥーゴとの戦いが描かれています。歴代のガンダムの中でも最も評価の高い作品ですね。ちなみに富野喜幸さんと富野由悠季さんは同一人物です。 で、内気というよりただの生意気なガキに近い美少年カミーユ・ビダンがティターンズのジェリドに馬鹿にされた事からエゥーゴに参加し、戦争に突入していくという展開で、本作が前と違う所はまずは絵です。 前よりもすっきりとしていて、グッとレベルアップしたと思います。またキャラも大人っぽくなってるし、敵なども単純な敵ではなく、それぞれに事情を抱えてる人が多く魅力的。個人的には「世界を支配するのは女だと思っている」という歴史的名言(?)を残したパプテマス・シロッコが大好きです。彼の乗るモビルスーツ・ジオも大好きです。 ロボの造形もスマートになったし、お話の展開も戦争のイメージを強く打ち出した残酷なものになり、素晴らしい出来だと思います。強いて言えばタイトルのZガンダムが20話を過ぎた辺りからでないと登場しないってのはどうかと思いますが。 後半になるとハマーン・カーン率いるアクシズ軍も参戦し、泥沼に拍車がかかりますが、カミーユにはシロッコ、ハマーンにはクワトロと明確な図式が出来ていたので、混乱とかはしませんでした。 歴史に名を残す衝撃的な結末も大いに見応えあり。ガンダム好きというか、アニメ好きなら絶対逃してはならんぞ! |
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「機動戦士ガンダムZZ」 / 90点 1986年3月〜1987年1月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥矢尾和樹 松井菜桜子 本多知恵子 堀内賢雄 原えりこ |
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「Zガンダム」から1年後に作られたテレビシリーズ第3弾。 ストーリーはティターンズ崩壊後、残ったアクシズ軍と連邦軍との戦いが描かれています。主人公はシリーズで最も明るい性格のジュドー・アーシタ。 暗めだった「Z」を教訓にしたのか、本作は全体的に明るいトーンの作品になっています。大人の事情に反発を覚えながらも、それを受け入れているキャラ達がその要因でしょう。敵のマシュマーやゴットンなんかは漫才コンビみたいな感じです。 ただ、クオリティは前同様にいいし、決して戦闘シーンがおざなりになっているわけでもないので、私は「Z」と違う感覚で見れて面白かったです。ガンダム史上初の合体型のガンダムも格好良かった。デカいし(笑)。 それと本作の見所(?)は華麗な女性陣でしょう。未だに高い人気を誇っているプルを始め、理想的妹キャラのリィナ、明るい性格のエル、そして知的美人のルーなど、戦争の悲惨さが霞んでしまうくらい美少女陣が豪華。 しかし、後半になるといつものパターンに戻り、壮絶な死闘が展開。マシュマーも激烈な勢いで迫ってくるし、グレミーの乗るクインマンサとルーのZとの戦いは圧巻。ハマーン対ジュドーの戦いも歴代のバトルに決して引けをとりません。 全体的にはガンダムらしくないポップさによってテーマがぼけてしまった感じがした気もしましたが、総じて非常に出来の良い作品だったと思います。 「Z」を見たなら、こっちも当然見るべきでしょう。 |
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「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」 / 87点 1988年公開 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥古谷徹 鈴置洋孝 池田秀一 川村万梨阿 |
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「ZZ」の続編として作られたガンダム初のオリジナル劇場版。 今回はハマーンがいなくなった事で実質リーダーとなったシャア・アズナブル率いるネオジオン軍対大人になったアムロのいる連邦軍との戦いが描かれています。 劇場版なので今までのシリーズに比べると当然短いお話になってます。しかし、その分内容がギュッと詰まってる感じがして、何だか得な気分(笑)。いきなり戦闘シーンから始まるし、νガンダムやサザビーの登場も早い。 劇場版なのでクオリティは勿論過去最高。戦闘シーンの迫力も非常に良かったと思います。ファンネルもテレビアニメ以上に格好良く描けていたし、何と言っても私がガンダムシリーズの中でもベスト3に入るくらい好きなモビルアーマー(人の形をしてない場合はアーマーと言います)のα・アジールが最高に良い。搭乗したクェス・パラヤも含めて大好きです。 ラストは巨大隕石をモビルスーツで止めようとする壮絶なシーンも見れるし、総じて劇場版としては成功だったと思います。アムロの名言「それはエゴだよ!」って今聞くと胸に染みるね〜。 |
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「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」 82点 1989年製作 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥高山文彦 声の出演‥林原めぐみ 浪川大輔 辻谷耕史 |
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ガンダムシリーズ初のOVA。初代の1年戦争時を舞台に、少年の目から見た戦争が描かれています。ちなみに初めて富野さんでない人が監督を務めた作品でもあります。 少年アルはジオン軍の兵士バーニィと親しくなります。彼はそのコロニーで作られているガンダムアレックスを奪取する為に来たのですが、アルと仲良くなってなかなか進まず。そこにおねーさんクリスも出てきて恋までしてしまいます。しかし、時間が流れやがて彼はザクに乗って奪取に。しかしそんな彼の前に一体のガンダムが‥‥となかなかドラマチックなお話です。 というか、この作品はお話が全てなのです。つまり「一般人から見た戦争の悲しさ」がメインであり、その為戦闘シーンなどはガンダムシリーズの中でも最も少ないと思います。 しかし、こういうガンダムがあってもいいと思います。というか、真剣に戦争を描いているガンダムだからこそ、とも言えるかもしれないですね。 自身初の主役だった林原めぐみさんの落ち着いたおねーさん役も上手かったし、私は好きです。結末も何とも切ないし(ついついスパロボで使ってしまう‥‥)。全6巻と案外長いですけど、見るだけの価値はあると思います。 |
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「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」 95点 1991年〜1992年製作 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥加瀬充子 今西隆志 声の出演‥堀川亮 佐久間レイ 大塚明夫 茶風林 |
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第2弾OVA。初代と「Z」の間に起こったジオン残党軍と連邦軍との戦いを描いた内容です。 南極条約で違反されていた核搭載型ガンダム、GP02をジオン軍の名パイロットアナベル・ガトーに奪取された連邦軍はジオン軍掃討を企てるが、逆に核を使われ、甚大な被害を被る。更に「星の屑作戦」(コロニーを地球に落とす作戦)も実行に移され、連邦軍との壮絶な死闘を繰り広げると言った感じです。 時間に関係無く作れるOVAなだけにそのクオリティはシリーズの中でも最高級。機械などの描写は本当に凄いと思います。 またキャラも非常に良い。正直、やや根暗な主人公コウ・ウラキや、誰に好意を持ってるのか分からないヒロインのニナとかはあんまし好きじゃないんですが、とにかく敵であるアナベル・ガトーが最高に格好良い。「宇宙のサムライ」と作中で形容されてますが、正にその通り。芯の通った信念を突き通すその姿は、マジで憧れました。 戦闘シーンも格好良いの一言。後半、コウが軍に無断で乗った超巨大モビルアーマー・GP03とアナベル・ガトーがアクシズから受け取ったモビルアーマー・ノイエ・ジールとの一騎打ちは繊細且つダイナミック。私が今まで見た数多くのアニメの中でも間違いなく最高クラスの戦闘シーンだと断言出来ます。 ラストも涙無しで見れない程に熾烈且つ感動的。人によっては「作りすぎ」と言うかもしれませんが、私はマジ泣きしながら見てました。 未だに私の中でこれを越えるガンダムシリーズはありません。傑作! |
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「機動戦士ガンダムF91」 / 85点 1991年公開 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥辻谷耕史 冬馬由美 池本小百合 高杉哲平 |
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劇場版第2弾。「逆襲のシャア」の約30年後という設定で(初代との関連性はもうほとんど無い)、宇宙海賊を名乗る貴族クロスボーン・バンガードと連邦軍との戦いが描かれています。主人公がシリーズ中、最も冷静且つ大人だったシーブック・アノー。 突如コロニーに戦闘を仕掛けてきたクロスボーン。そこにたまたまいたシーブックはモビルスーツに乗ってそれを撃退。それをきっかけで彼はクロスボーンと戦う事になるんですが、何と恋人のセシリーはクロスボーンのお姫様だった! というおまけ(?)がつきます。 ここまで回を重ねるともはやその作品のオリジナリティを見つける事の方が大変になってきますが、本作の良い所と言えば何だろう? F91が激烈に強い? ヒロインが可愛い? 敵のモビルアーマーの造形が凄い? とまあ、挙げれば無理ではないものの、どれも特別凄いとは思いません。時代の流れに合わせるようにクオリティも確実に上がってはいるんですが、だからこそ本作が傑作とも言えない‥‥。優等生だけどトップにはなれない感じの作品かな? 一つ苦言と言えばF91は「ヴェスバー」という強力が攻撃があったんだから、ラフレシア(ラスボスの乗るモビルアーマー)はそれで倒してほしかったなぁ。 |
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「機動戦士Vガンダム」 / 90点 1993年4月〜1994年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥坂口大助 黒田由美 白石文子 渡辺久美子 檀臣幸 |
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「ZZ」に続く久々のテレビアニメシリーズ。時代は更に進み、女帝マリアをリーダーとするザンスカール帝国に挑むレジスタンスの戦いを描いた作品。主人公はシリーズ中最も若いウッソ・エヴィン。 これまたよくあるパターンの展開で、ふとした事からモビルスーツに乗る事になってしまったウッソは、その驚異的な腕を買われてレジスタンスに入る事に。んで、初恋のカテジナさんが敵に回った事に苦悩しながらも、戦争に突入していく感じです。 本作の特徴はシリーズ中最も女性が多い事。敵の象徴が女性、更にシュラク隊と呼ばれる女性だけで構成されたチームがあるなど、とにかく女性が多い。しかし、残酷描写も過去最高で、気さくなおねーさん達が壮絶に散っていく所はかなり衝撃的です。ジブラルタルの回とか泣いたなぁ。 またロボの造形にもかなりの変化が。タイヤをはめたロボや戦艦が出てくるなど、見た目もそうなんですが、絵柄が若干シンプルになった感じがします。 で、私の評価なんですが、私は「Z」に匹敵する程、非常に良かったと思います。戦争を嫌うヒロインのシャクティ、善悪の判断がつかない程に子供ながらゆっくりと成長していくウッソ。そして、そんな彼らを見守りつつ、自身の信念を通そうとするおねーさん達と、皆役割りをしっかりと果たしている感じがして良かったです。そして戦争の狂気に呑まれてしまうカテジナさんの驚異的な狂いっぷりも最高。ラストのウッソとのバトルは感動しました。 物語も洗脳と言ったものまで出てきて、スケールが大きいし、戦闘もハードで良い。久々のテレビシリーズはその名に傷をつけない名作になったと思います。 |
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「機動武闘伝Gガンダム」 / 82点 1994年4月〜1995年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥今川泰宏 声の出演‥関智一 天野由梨 秋元羊介 山口勝平 山崎たくみ |
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「V」に続く新テレビシリーズ。しかし、この作品だけは他の作品とはまったく別次元の内容になってます。もはや共通点はガンダムという名のロボットが出てくるという事のみ。 年に一度行われる国同士の1位を決める試合。それは各国の代表のガンダム同士が格闘するという形式だった。ネオ・ジャパンの代表で主人公ドモン・カッシュは兄が奪取したデビル・ガンダムを探す為に代表になり、各国の猛者達を戦いを繰り広げる‥‥という内容です。 とにかく他の作品とはまったく異なる作風になってます。まず戦争ではなく、試合として戦いがあるという事。サーベルやライフルではなく主に素手などで戦う形式。と、ブルース・リーかと思えてしまう程格闘チックになってます。 何でも当時ガンダムを作りたくなかった富野さんが「次はプロレスね」とか言ったらしく、上層部がそれをマジでやってこんな作品になったとか。監督の今川さんは迷作「ミスター味っ子」の監督。なら、これはもはや黙認するしかない(笑)。 敵も中国だったら手が竜の形をしていたり、フランスだったらバラの形をしたファンネルを持っていたり、と色々「ダサく」なってます(笑)。ドモンの師匠であるマスター・アジアとの戦いなどは完璧にドラゴンボールの世界。 突っ込み所満載なんですが、ここまでやられると逆に何も言えないっすよ。 ただ、最初こそそんな感じなんですが、メインストーリーであるデビル・ガンダム捜索の話になると、案外シリアスで引き込まれてしまうから不思議。最後は各国のガンダム総出でデビルガンダムと戦うと言った一大スペクタクルに(笑)。つまる所、「リアルな戦争物としてのガンダム」として見なければ、それなりに楽しめはするという事です。 ガンダム史上、最もエロセクシーなヒロイン・レインさんのお色気だけでは全然帳消しには出来ませんし、私は今でもガンダムシリーズとしては認めてませんが、まあこういうのもありって事で(笑)。 |
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「新機動戦記ガンダムW」 / 89点 1995年4月〜1996年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥池田成 声の出演‥緑川光 関俊彦 中原茂 折笠愛 石野竜三 矢島晶子 |
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「G」に続く新テレビシリーズ。一応、元には戻りました。 アフターコロニーなる未来、地球とコロニーの関係は悪化するばかり。そこでコロニー側は5体の超強力なガンダムを地球に送り込み、破壊工作をさせる事に。ガンダムWに乗り込んだ主人公ヒイロ・ユイは完全平和主義を主張するヒロインリリーナ・ピースクラフトに出会い迷いながらも、懸命に破壊工作をしていくが‥‥と言った内容。世界観は一緒ですが、もはや初代との接点はありません。 最初は戦争と言うよりほとんどゲリラ活動に近い感じで、ガンダムもここまで来たか‥‥とちょっと切なくなりました。ガンダムの造形もよりヴィジュアル面を重視する形になり、私はあまり好きではなかったりします。ガンダムが鎌とか使うな。 しかし、後半になるとちゃんと戦争も勃発し、なかなかにあなどれないものに。ヒロインが懸命に平和主義を唱えながらも、戦わずして平和などありえないというリアルな主張なんかはググッと胸に来ましたし、何だかんだ言って5体のロボットも最後の方は好きになっちゃってました(笑)。私が好きだったのは何といってもへヴィーアームズです。2〜3発でやられる敵に数十発撃つ姿勢は最高(笑)。 世の女性オタクを虜にした超美形の5人の青年達や、無愛想この上ないヒロイン、ナルシスティックな敵など、作りすぎな感もありましたが、根幹にはちゃんと今までと同じものを感じましたし、色物扱いするには勿体無い作品だと思います。 これをきっかけに大ヒットしたTWO−MIXの名曲と一緒にどうぞ。 |
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「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz」 86点 1997年製作 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥青木康直 声の出演‥緑川光 関俊彦 中原茂 折笠愛 石野竜三 矢島晶子 |
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人気を博した「W」のOVA版。戦争終了後、突如地球、コロニーに戦争を挑んできた一国家とガンダム達の戦いを描いた作品。 メイン人物、モビルスーツは変わっていませんが、お話そのものはテレビ版とはまったく関係ありません。外伝として捉えるべきでしょう。 で、テレビ版の特徴とも言えたビジュアルを重視したガンダムの造形、美しき5人の青年達と言った点はより強調されてます。ガンダムはデザインが少し変更すらされています。 映像は劇場版(OVA)なので、非常に綺麗で戦闘シーンも撃ちまくり斬りまくりで迫力満点。「いつまで殺しあえばいい?」と苦悩してるわりには思い切りやってますけど。これに関しては文句無いです。 ですが、映画なので時間が短く「えっ? そんな終わりなの?」みたいな感じで終わってしまうのが残念。一応キチッと終わりはしますが、早く終わらせる為なのか、後半は後先考えずかなりムチャクチャやってます。(Wのバスターライフルの撃ち方とか)。これはちょっと頂けなかったな。 テレビが人気になったから作った感はありますが、つまらなくはなかったですよ。 |
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「機動新世紀ガンダムX」 / 83点 1996年4月〜1996年12月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥高松信司 声の出演‥高木渉 かないみか 堀内賢雄 中井和哉 山崎たくみ |
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「W」の次のシリーズ。これまたアフターコロニーなる未来、過去の戦争で人口が激減した地球を舞台に、何かを求めて旅をする一行(ガンダム所有)と、彼らを付け狙う輩との戦いを描いた内容。 主人公ガロード・ランは金の為にガンダムを強奪。しかし、それが原因でガンダムの元パイロット達を同行する事に。彼らは何かを探して旅をしていた。しかし、それを狙うのは彼らだけではなかった‥‥と言った感じの内容です。 途中から朝6時という誰が見るのか謎な時間帯に放送される事になった不運なシリーズ。最初こそ戦争とは程遠い、敵が来てはそれを撃退するだけという単なるロボットアニメなんですが、物語が進むにつれ(何を探しているのか分かりだした頃から)、「W」のように引き込まれていきました。 ただテーマが今までのシリーズの中でも哲学的(?)で難解だった事、キャラの魅力が今までに比べると希薄だった事など、それほど特筆すべき点も無く、地味な印象は拭えません。何でも富野さん以外の人が作ったガンダムの中で初めてニュータイプが出てくるとか、メインメンバーが最後まで死なないとか、色々とあったみたいですが、そんな事はこちら(視聴者)にはあんまし気になる所ではない。 シリーズの名を汚す程ではなかったですが、まあ別に見なくても問題は無いような、そんな感じのする作品っす。ティファは結構私好みでしたけどね。 |
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「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」 / 81点 1996年〜1999年製作 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥神田武幸 飯田馬之介 声の出演‥檜山修之 井上喜久子 小山茉美 玄田哲章 |
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「0083」に続くOVA第3弾。初代の戦争を舞台に、熱血指導官シローとクルーらとジオン軍の戦いを描いた作品。96年〜99年まで4年もかかって完結しました。 時間がかかったわりには「0083」以上にクオリティが高いわけでもないし、少数部隊の案外地味な戦いを描いてるだけで、どうしてそんなに時間がかかったのか分かりません;;(何でも監督さんが亡くなったからとか)。 キャラは皆それなりに個性的で良かったけど、特別とは思いませんでした。まあ、シローとジオン軍のアイナとの恋愛はガンダム作品にしては信じられないくらい熱いものがありましたが(それがテーマだったらしい)、それがいいかどうかは個人の問題。私は別に‥‥って感じです;; 異様に強いグフや、超巨大モビルアーマーアプサラスとのバトルは結構面白かったですが、普通と言えば普通です。 一気にまとめた劇場版もありますので、私はそっちをお勧めします。 |
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「∀ガンダム」 / 85点 1999年4月〜2000年4月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥朴ロ美 高橋理恵子 村田秋乃 大塚芳忠 立木文彦 |
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「X」に続くテレビシリーズ。富野監督久々の作品。 ガンダムという存在が古代の昔話にまでなった未来を舞台に、地球と月との戦いを描いた作品。一応初代と同じ時代らしいですが、作中としての関連性は非常に希薄。ちなみに「ターンエー」と読みます。 ムーンレイスと呼ばれる月生まれの主人公ロランは、地上で暮らしていたが、月からの侵略者達に反感を覚え、遺跡から発掘されたガンダムに乗って戦いを挑む事になる、と言った感じの内容です。 この作品を駄作扱いしてる人は多いです。理由は色々とありますが、第一にモビルスーツの造形だと思います。外国人によるガンダムのデザインは髭らしきものが生えていて何だか間抜けです。他のモビルスーツに関しても今までのスマート且つ格好良いロボは皆無。まずここで往年のファンを失ってます。 更に、作品の雰囲気もSF感は控えめ。宇宙に出ればさすがに雰囲気は出ますが、地球内に関しては牧歌的で、「名作劇場」のような感じです(機械などが発展していないという設定の為)。なので、全体的に今までの硬質な雰囲気ではないんですね。 それがダメだと最初からつまんないかと思いますが、それを許容させすればなかなかに面白い作品だと思います。富野監督本人がメガホンをとってるだけにお得意の「富野節」は全開だし、後半の戦いぶりはロボの造形は置いておくとしてスリリングだったと思います。ラスボスのイッちゃった感も良かったし(モビルスーツの造形は最悪でしたけど)。 見た目こそ違いますが、ガンダムに変わりはありません。見てもいいと思います。 |
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「機動戦士ガンダムSEED」 / 91点 2002年10月〜2003年9月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥福田己津央 声の出演‥保志総一郎 石田彰 田中理恵 三石琴乃 桑島法子 |
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「∀」に続くテレビシリーズ。21世紀初のガンダムシリーズ。「∀」で終わりっぽい感じでしたけど、まだやると聞いてビックリしました。 地球に居を構える連邦軍と、コーディネーターと呼ばれる特殊な力を持ったコロニー連合軍・ザフトとの戦いを描いた内容です。 主人公キラ・ヤマトはコーディネーターである事を隠しながら地球で暮らしていた。しかし、そこにザフト軍が侵入。キラはたまたまそこにあったガンダムに乗って敵を撃退した事から、連邦軍として戦う事に‥‥と本当によくあるパターンです。 「∀」での失敗を教訓にしてか、今までの伝統的なガンダムに近いスタイルで、クールなロボ造形、悲惨な展開、仮面をつけた敵など、それほど奇抜な事はしていません。まあ、パクリも目立ちましたが。 しかし、当時ちょうど9.11〜イラク戦争で世界が揺れていた時期で、「何故戦争をするのか?」と言ったテーマの模索が一貫して描かれていたのが印象的。主人公の苦悩っぷりは過去最高だったし、歴代の中でも最もメッセージ性が濃く打ち出されていた作品だったと思います。 キラ、アスラン、ラクスなどの美男美女キャラクターにばかり目が行ってしまいがちでしたが(同人でのブームは凄かったなぁ)、展開は無難ながらも面白かったし(ただし中盤はつまらないっす)、総じて良作だったと思います。苦言を言うならラストバトルが最後の最後に集約されすぎだった事、そしてキラがたどり着いた結論がいまいち曖昧だった事くらいでしょうか?(まぁ、これは仕方のない事かもしれないですが) TMレボリューション、see−sawの歌う印象的なテーマソングも良かったし、見る価値の十分にある作品だと思いますよ。 |
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「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」 / 86点 2004年10月〜2005年10月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥福田己津央 声の出演‥鈴村健一 保志総一郎 石田彰 田中理恵 坂本真綾 |
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「SEED」の続編。前は連合軍からの視点でしたが、今回はザフト軍からの視点。また戦争すんの? とも思いましたが、まあそこらへんは現実への皮肉かな?(ただの人気継続かもしれませんが) で、クオリティは前作以上。使いまわしが目立ったものの、よく1年に渡ってこれだけの映像を保てたなぁ、と感心。キャラも女王ラクス・クラインの牙城を崩すべく、ホーク姉妹が頑張ってました。男もキラ、アスランに負けじとシンも粘ってましたね。男女ともに同人界で人気でしたな。 で、結論はと言うと、残念ながら前作には勝てないと思います。 まずは散漫さです。今回の主人公はアスランなのかシンなのかと毎回疑問でした。2人とも意見がまったく異なっていた為、テーマが何なのか、分かりにくかったんです。アスランが前と似たような悩みだったので、ストレートに戦いに挑むシンにずっと焦点を当てていれば良かったのにな。ラスト、抽象論に走ったのもちとマイナス。 そして、これが一番大事ですが「Zガンダム」に似すぎです。シン、アスラン、キラはまんまカミーユ、クワトロ、アムロに投影出来るし、ステラはフォウ、百式そっくりのMSが出たりと、いくら何でも少々目につきました。 あと前からですが、ガンダムの名前がダサい。ジャスティスとかフリーダムとかって、もう少しひねった名前にしてほしかった。 とまあ色々と言いましたが、テーマがよく分からなかった点、全体的な散漫さが目立ち、この点です。主人公がいた軍が敗北して終わる形とかは珍しくてなかなか良かったんですけどね。悪くはなかったけど、やはり20年以上続く日本SFアニメの頂点シリーズとしてはやや印象弱しってとこです。 |
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「機動戦士ガンダム00」 / 85点 2007年10月〜2008年3月放送(1st) 2008年10月〜2009年3月放送(2nd) |
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原作‥‥‥矢立肇 富野喜幸 監督‥‥‥水島精二 声の出演‥宮野真守 三木眞一郎 吉野裕行 神谷浩史 恒松あゆみ |
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「SEED DESTINY」に続くテレビシリーズ。タイトルは「ダブルオー」と読みます。 ソレスタルビーイングと呼ばれる組織に属し、世界のあらゆる戦争の火種を刈り取ると宣言したガンダム達の戦いが描かれています。1stシーズンと2ndシーズンに分かれており、間に約半年のブランクがあるという、これまでのガンダムには無かった体制がとられています。 まずクオリティは相変わらず最高品質です。間にブランクがあったとは言え、OVAの「ガンダム0083」に匹敵するのではないかと思える程はレベルには驚きました。後半のバトルは本当、物凄かったですわ。音楽なども申し分無し。L'Arc〜en〜Cielの歌うOPは名曲だと思います。 さて、次に作品の方向性は現実の世界情勢を色濃く反映させた「SEED」と違い、単純に物語だけを追うような感じになっています。その物語は当然ながら戦争がメインですが、それ以上に個人間の因縁めいたドラマが多く、それもあってか登場人物の多さは過去最高。戦争の状況を把握するよりも、とにかく人物名を覚えるのに苦労しました。 宿命のライバル、恋愛関係、親子、子弟、憎しみの関係など、メインキャラは勿論、サブキャラにもドラマチックな展開が用意されており、スピンオフが山程出来てもおかしくなさそうです。刹那とマリナの話とか。 ただし、その反面戦争という面が非常に薄れており、特に後半イノベイターという存在が現れてからはほとんど戦争をしているという感じはせず、戦闘が連続して起こっているだけという印象でした。ヴェーダやトランザム機能、GN粒子など、科学と言うよりどこか魔法めいた力が多かったのも、現実な戦争の色を薄くしていた原因だと思います。 私はガンダムを「戦争作品」として見ている風が強いので上記点数になってしまいましたが、レベルの高いアニメ作品であった事は間違いないと思います。 ところで、最近コミケとか行ってないんですが、女性キャラは人気だったんでしょうか? 私はスメラギさんがすっごく好きでした。 |
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「ガンダム Gのレコンギスタ」 / 75点 2014年10月〜2015年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥富野由悠季 声の出演‥石井マーク 嶋村侑 福井裕佳梨 佐藤拓也 |
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富野由悠季氏が「ターンA」以来、実に15年ぶりに監督を務めたテレビシリーズ。テレビガンダム史上、初めて深夜枠で放送された作品でもあります。 地球と宇宙を結ぶエレベーター「キャピタルタワー」を守る組織「キャピタルガード」の青年ベルリがタワーを狙う海賊の少女アイーダと出会い、戦禍に巻き込まれていくという物語。これまでのシリーズとはほぼ無関係なので、ここから見ても大丈夫です。 まず、結論から言いますと「冨野監督らしさは十分すぎるほど堪能できるが、致命的に説明不足でよく意味が分からなかった作品」だったかなと思います。 「何でそうなのよーっ!」のような「冨野節」は健在すぎるほど健在。御大(冨野氏の愛称)が監督をしていなかった過去作品も意図的に似せようとしてはいましたが、やっぱり本人には到底勝てんわ(笑)。映像クオリティも悪くなかったし、音楽も「アナ雪」で有名になったMay J.さんの歌とかも(合っていたかは別にして)悪くなかったと思います。 キャラクターは昨今の情勢など知るかと言わんばかりにいつもの冨野さんキャラでしたが(個人的には「ZZ」のキャラと似てると思いました)、恒例のマスクキャラや、アイーダさんに代表される女性陣も御大の台詞回しのお陰か個性的だったと思います。個人的にはクリムが好きでしたね。天才を自称する嫌味キャラなんですが、本当に天才クラスの強さを持っているというオチ(?)はあまり無かった気がします(笑)。ミックとのコンビは良かったね。恋愛描写が無いのがいかにも御大らしい。 と、ガンダムの名を汚すような事は無かったですが、致命的に悪かった事もあります。それはとにかく「ストーリー」が分かりにくいという事。 映像として描写されない世界情勢や「メガファウナ」「トワサンガ」「ビーナス・グロゥブ」「カシーバ・ミコシ」と言った固有名詞がほぼ説明無しにボンボン出てくるため、事前に情報を持たないで見たら、まず物語を理解する事は出来ないと思います。後半の三つ巴の戦いなんて、完全においてけぼりを食らってました。。。 更に(悪い意味で)御大のお陰で各キャラの心情も分かりにくい。ベルリがアメリアで戦う事を決意した時、ベルリとアイーダの関係がハッキリした時、マニィが寝返った時など、心情を強く描かないといけない場面もサラッと流しちゃったりするんですよね。 更に更に、本作はMSを敵から奪って使う事が非常に多く、どのMSが味方でどれが敵なのかも分かりにくい。純粋なガンダムタイプはベルリが乗るGセルフだけなので、あとのMSはもうスッチャカメッチャカ(汗)。唯一ユグドラシルだけが分かったくらいです。 私がお勧めするこの作品の見方は「二度見る」という事です。世界情勢、固有名詞の意味をしっかり把握していれば物語も理解ができるはずです。そうしたら、この作品はかなり面白い作品として評価できるのではないか、と思います。 「皆殺しの冨野」を封印したらしく、結末も明るめだったので、何回見ても耐えられそうですしね(汗)。 |
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「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」 / 85点 2015年9月〜2016年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥長井龍雪 声の出演‥河西健吾 細谷佳正 寺崎裕香 金元寿子 梅原裕一郎 |
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再び夕方枠で放送されたガンダム。 火星で大人にこき使われる少年兵・三日月・オーガスやオルガ・イツカらがふとした事で自ら軍隊のような組織「鉄華団」を作り上げ、ガンダムと共に底辺からのし上がっていく様子を描いています。 まず、私が本作を一言で表現するなら「ヤクザガンダム」です(笑)。オルガをリーダーとして設立された「鉄華団」はのし上がる為に宇宙を牛耳るヤクザみたいな集団(タービンズ)と結託します。その過程は杯を交わしたり、「兄貴」と呼んだり、どう見てもヤクザですw 更に敵対する組織「ギャラルホルン」は表向きには警察のような役割を担っており、その小競り合いは、まさしく「ヤクザと警察の戦い」です。 ついにガンダムもヤクザになっちまったか‥‥と思いましたが、最後まで見た後はこれはこれでかなり面白かったなと思いました。過去のどのシリーズよりも残酷で血生臭く人間臭いストーリー展開で、ミカが容赦なく人を殺すシーン(クランクを射殺する場面など)などは色々と問題にすらなりましたからね。冨野氏が監督をすると良くも悪くもどこか浮世離れした感じになるし、「SEED」などは「何故戦争をするのか?」のような国際的なテーマもあったので、ここまで生々しく泥臭いガンダムは新鮮でした。 キャラはオルガの為なら殺人さえも平気でこなすミカ、苦悩しながらも皆を引っ張っていくオルガを始め、特に男性キャラが人間臭くて良かったです。ヒロインのクーデリアは「ガンダムW」のリリーナタイプの女性で、最初こそみんなから嫌われてましたが後半は強い信念の元行動する姿がカッコイイと思いました。個人的には櫻井孝宏氏のイケメンボイスが炸裂しまくっていたマクギリスも好きでしたね。 映像クオリティはさすがのガンダム。本作ではなんとビーム兵器が一切登場しないというかなり実験的なアプローチがされてましたが、これもリアリティがあって良かったですね。ガンダムは「バルバトス」「グシオン」「キマリス」と実質3種類出ていましたが、ハッキリとガンダムカラーになっていたのはミカの乗ったバルバトスのみ。「Gレコ」よりカッコ良かったですww 欠点は後半が急ぎ過ぎだという事。「これ、本当に24話で終わるのか?」と不安になるほど展開が遅く、ラスト2話で怒涛の勢いで物語が展開します。ここはもうちょっとバランスを考えた方が良かったと思います。 あとは「完結していない事」です。一応の完結はしますが、根幹的な部分はまったく解決していません。ただ「鉄華団」は軍隊ではないし、国際的な戦争が勃発してるわけでもないので、何をもって「解決」とするかは難しい所だとは思いますが。 何にしても第二期が決定しているらしいので、そちらに期待しましょう! |
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「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第二期)/ 80点 2016年10月〜2017年3月放送 |
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原作‥‥‥矢立肇 富野由悠季 監督‥‥‥長井龍雪 声の出演‥河西健吾 細谷佳正 寺崎裕香 金元寿子 梅原裕一郎 |
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続編、約半年を経ての第二期です。 見事クーデリアを送り届け、大仕事を成し遂げた鉄華団は順調に成長していくが、またしても彼らに仇なす者達が現れる‥‥。 前の感想で「ヤクザガンダム」と書きましたが、本作でもその方向性はまったく変わっていません。泥臭く、残酷で、無軌道に突き進む鉄華団が鮮烈に描かれています。 カッコイイロックなOP、超ハイクオリティな映像など、良い部分はそのままです。本作の特徴はやはり「ストーリー」と「ガンダム」、この2点に尽きると思います。 まずはストーリーです。ガムシャラに突き進む鉄華団の姿はまさにヤクザの鉄砲玉のようで、自ら危険に突っ込んでいきます。戦闘以外での死も頻繁にあり、昭弘と良い仲が描かれそうだったラフタ、そして鉄華団のリーダーであるオルガでさえ、戦闘ではない形で死亡します。それでも歩みを止めずに突き進んでいく姿こそが良くも悪くもオルフェンズらしさだったと思います。特にマクギリスがギャラルホルンに反旗を翻してからの展開はまさに「破滅」の一言です。「0083」の後半のアナベル・ガトーらジオンの残党の特攻を思わせますな。 そして「ガンダム」です。これは私個人の意見ですが、この破滅的なストーリーありきでバルバトスの造形は出来ていたんだと思います。巨大なハンマーと長い爪、鋭い尻尾で敵を薙ぎ倒していく姿は、飢えた野生の狼を思わせます。凶暴で後先考えない戦い方、この姿もまごう事無きオルフェンズの姿だと思います。単純に見た目のガンダムらしさならマクギリスが最後に搭乗したガンダム・バエルの方がよっぽど「らしかった」と思います。 私個人としては主人公の三日月ですら死亡し、ガンダムも打ち取られて終わるという、あまりにも破滅的なストーリーを「良かった。素敵だった」とは言いたくありませんが、強烈過ぎるほどのインパクトがあった事は間違いありません。今までのどのガンダムとも違う、新機軸のガンダムとして歴史に名を刻むんじゃないかなと思います。何気に2人の女性から求愛されまくっていた三日月君、モテモテでしたなw 最後に最終話でアトラが「暁」という子供を残していますが、あれって実は三日月は死んでいなかったって事なんでしょうかね? それだけが気になります。 |