B’z
(ビーズ)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥ロック

LOOSE / 1995年作 / 87点
日本ロックシーンの頂点に君臨し続ける2人組みの8枚目のアルバム。95年発売。
「ビーズ!? ポップスじゃねえか!」と怒るメタルファンも多いかと思いますが、私は格好良いと思ったものはメインストリームだろうが好きなのです! 稲葉さんの見事なハイシャウト、松本さんの無駄の無いクールなGtプレイ、キャッチーなメロディ、とちゃんと聞けばロックファンなら皆好きになると思うんですけどね〜。
で、この作品です。元々彼らはTMネットワークの対抗馬的な存在としてデビューしたらしく、初期はデジタル色(打ち込み系)が非常に濃かったのですが、次第にルーツであるハードロック色が濃くなっていきます。この作品はちょうどその過渡期の作品、なんて言われてます。
まだ打ち込み系の音もあるし、ファンキーなノリの曲もあるものの、どれも一般受けしそうなキャッチーなメロディがズラリと並んでいます(現に300万枚も売れたし)。
お気に入りはご存知「LOVE PHANTOM」。海外ドラマ「Xファイル」のテーマソングとして使われ、私も見ていたので一際印象に残っています。あと「夢見が丘」や「砂の花びら」みたいな壮大なバラードも好きです。

Treasure / 1998年作 / 81点
総売上1000万枚を突破したモンスターベストアルバム2枚の「銀盤」の方。
私は「LOOSE」以前は持っていないのでベストで補完しています。正直、初期の頃の曲(デジタル系の曲)はあんまし好きではないんですが(「Preasure」は持ってないし)、このアルバムの中にはメタルファンでも悶絶する曲が入ってます。
それは「Pleasure'98 〜人生の快楽〜」です! これは名曲でしょ! メタリックなリフ、マイナーな歌メロ(歌詞も切なくてイイ!)、爽快な疾走感、サビの前のDrロール、完璧だ! この曲は通常のアルバムには収録されてないっぽいので、この為だけに買っても損ではないです! 100回聞いても悶絶する!
ピアノのメロディが切なすぎる「もう一度キスしたかった」や、全編英語歌詞の「Real Thing Shakes」(ちょっとエアロっぽい)なども秀逸。
これだけ持ってればカラオケで1時間は困りませんよ。

Brotherhood / 1999年作 / 86点
10枚目。
元Mr.Bigのビリー・シーン(b)とパット・トーピー(dr)が参加した事でも話題になった本作は打ち込み一切無しのハードロックアルバムになっています。
今までの彼らの中でも最もダークでヘヴィな作風で、B'z史上最速と言われているシングル「ギリギリchop」もアルバム用に更にヘヴィになっているのが素晴らしいです。
ただ、その分いつものキャッチーさに欠けている部分があり、良作と駄作との差が激しいと思いました。個人的には頭4曲が強力です。
お気に入りは「ながい愛」。美しいストリングスと、松本さんの超ヘヴィなGtが絡むパワフルバラード。シンガロングを誘う「Brotherhood」もいいと思いました。

ELEVEN / 2000年作 / 75点
11枚目。だから「ELEVEN」(11)。
前作と同じ路線。ただ、そこから更に実験要素を入れた感じで、ラップが入っていたり、サイケな雰囲気が入っていたりします。ちょっと焼き付け刃っぽいけど(汗)。
ただ、前より更に良し悪しの差が激しくなった感じがあり、個人的には「Seventh Heaven」「RING」「煌めく人」「juice(PM mix)」以外はパッとしなかった感じ。4曲あればいい方なのかもしれませんが。。

GREEN / 2002年作 / 74点
12枚目。タイトルは「青臭い」という意味。
前2作がロックアルバムだった為か、打ち込みを多用したポップスに変貌。「ときメモ」のタイアップ曲まであり、前とはかなり印象が違います。出だし1曲目からTMネットワークみたいだし。
やっぱり私はヘヴィな音が好きだと再確認した1枚です。個人的には捨て曲の方が多く、やはり打ち込みの音がグルーヴ感に欠け、いまいち体がノレません。夏をイメージして、爽快な曲を並べたようですが、ハイな気分の時に聞けばまた印象も違うのかも。
お気に入りは「FOREVER MINE」。一番ロックしてて格好良いと思います。

BIG MACHINE / 2003年作 / 84点
また、ハードロック風に戻った13枚目。
ただ、今回は「ハード」とつけていいのか? と思う程、シンプルなロックナンバーが多いのが特徴です。
その分、非常に聞きやすく、ポップなB'z好きもロックなB'z好きも、拒絶反応を示すような事は無いと思います。ソツが無い為、強烈な一発が無いとも思いましたが、全体的に見れば「GREEN」よりも遥かに良い印象でした。
お気に入りは「Nightbird」。幻想的でダークなバラード。シングル系じゃないバラードで気に入るのって珍しいです。

THE CIRCLE / 2005年作 / 86点
14枚目。
路線は前と同じロック路線。というか、ここまで枚数を重ねてくると、ロックだとかポップだとか言う前に完全な「B'z節」であり、そういう記述はあまり意味が無くなってきた感じがします。
ただ、今回は今までのロック路線の中でもキャッチーな歌メロのものが多く、最近のアルバムの中では一番さっくりと、しかしがっつりと聞ける作品だったと思います。
お気に入りは「アクアブルー」。本作唯一のシングル「愛のバクダン」が出来るまでシングル候補だったらしい曲で、切なさと爽快さが混同するメロディが秀逸です。珍しくパンクのような疾走感が味わえる「パルス」も良かったかな〜。


BACKYARD BABIES
(バックヤード・ベイビーズ)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥ロック

TOTAL 13 / 1998年作 / 80点
スウェーデン出身の悪ノリロックバンドの2枚目。
ハノイロックス、ガンズアンドローゼスを彷彿とさせるスリージーで超パワフルで、勢い満点のロックンロールです。
アメリカンな程陽気でもなく、イギリス程陰鬱でもない、北欧ならでは哀愁を(ほんのりとだけ)まとまったままロックンロールする様は危険な香りと格好良さがプンプン立ち込めています。
ただ、どの曲も考えられる限りの音をギュウギュウに詰め込んでいるので、聞くのにはかなりの体力が要ります。更に似た曲ばかりなので、一気に聞くとどれがどれだか分かりにくいという欠点もあり。
お気に入りは「LET'S GO TO HELL」。ロックバンドにしてはありえないくらい爆走する曲。単体だとどれも格好良いんですけどね〜。
鬱憤を晴らしたい時に聞けば史上最強のアルバムである事間違い無し。

MAKING ENEMIES IS GOOD
 / 2001年作 / 70点
3枚目。
前作で聞けた猛烈なまでの爆走感はかなり抑え目になっており、ズッシリと腰を落ち着かせたミドルナンバーが主体になっています。
はっきり言ってしまうと、これはダメです。元々優れた歌メロセンスのあるバンドではなかったので、ミドルをメインにする事でその欠点がもろに露呈してしまったと思います。そんな欠点をカバーしていたのが「爆走」であり、それを無くす事は孫悟空がかめはめ波を捨てるのと同じだと思います。
後半になればチラホラと歌メロの良い曲も出てきますが、前半は聞いててかなり辛かったです。
お気に入りは「P.O.P」。彼らの中では珍しいくらいサビメロが印象的な1曲。こういうのも書けるなんて意外でした。
次は歌メロを充実させるか、再び爆走をかましてほしいです。

STOCKHOLM SYNDROME
 / 2003年作 / 78点
4枚目
前作のレビューで「次は歌メロを充実させるか、再び爆走をかましてほしいです」と書きましたが、結果は前者でした。爆走感は前作とほぼ同様ですがこれまでの中で最も歌メロが充実しており、最初の印象はすこぶる良かったです。
が、冷静に聞くとまだまだ詰めの甘い楽曲が散見でき、やっぱり2枚目を超える事は出来ていないと思いました。
ただ、確実に良くなってきてはいるので、今後更に精進していけば、日本でもビッグネームとして扱われるようになるのではないか、と思います。
お気に入りは「Say When」。カッコイイサビメロも当然いいんですが、ドレゲンのかき鳴らすGtがとにかくカッコイイ。というか、ドレゲンのGtはどの曲でも超がつくほどクールで最高です。もはや歌メロよりこの人の弾くGtを追っています(汗)。
個人的に行ってほしい方向とは違ってきていますが、これも悪くはないです。

PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE PEOPLE LIKE US

2006年作 / 73点
5枚目。
う〜〜ん、どんどんと勢いが落ちていってますね。もう歳なんでしょうか?(年齢知りませんけど)
前作のスタイルを更に前進させており、爆走曲は1曲も入っていません。逆にこれまでほぼ収録される事の無かったバラードが入っており、もはや「悪ガキロック」とは呼べない、しっとりとした代物になっています。
メロディは前作同様、比較的キャッチーで分かりやすいものが並んでいますが、やはりまだまだ満足出来るレベルには至ってなく、結果非常に中途半端な作品になってしまったと感じました。
お気に入りは「Roads」。前述したバラードです。殺風景な荒野を連想させるブルージーなGtが魅力的な1曲です。
もう爆走はしないんでしょうかね〜。だとしたら残念です。


BAL−SAGOTH
(バル−サゴス)
出身地‥‥イギリス
ジャンル‥‥シンフォニック・デスメタル

THE POWER COSMIC / 1999年作 / 73点
大英帝国出身のやりすぎシンフォニックデスメタバンドの4枚目。
大仰でややスペーシーでファンタジックなKeyがアルバム全体を支配しているシンフォニックなデスメタルで、一部では「やりすぎデスメタ」とも呼ばれています(笑)。
デスVoは超がつく程おまけ程度。世界観を出す為か、朗読的な演出もされています。他の楽器はプロダクションが悪いせいかあまり目立ってないですが、平均的に上手いです。
このバンドの聴き所は前述したように、暗黒性の欠片も無い「僕達、スターウォーズとかロード・オブ・ザ・リングが大好きです!」と言いたげな大袈裟で壮大なシンフォニックアレンジに尽きます。
とにかく全編、鬱陶しいくらいにKeyが前に出ており、アメコミみたいなジャケから想像出来る世界観が見事に描かれています。
ただ、勿論ながらラプソディ程垢抜けてるわけでもなく、更にどの曲も結構なプログレ変調がある為(Drが結構凄い)、凄い事をやってるというのは分かるんですが、いまいち「核」が見えてこないんですよね。プロダクションが良ければもうちょっと印象も違っていたかも。。
お気に入りは「CALLISTO RISING」。Keyは勿論、Gtまでクサすぎる名曲。


BATTLE BEAST
(バトル ビースト)
出身‥‥‥フィンランド
ジャンル‥メロディックパワーメタル

UNHOLY SAVIOR / 2015年 / 85点
フィンランド出身のメロパワバンドの3枚目。
キーボードをたっぷりと使ったキャッチーで分かりやすい女性ヴォーカルメロディックパワーメタルです。キーの使い方が今風ではなく、ちょっと80年代風なのが特徴と言えるかも。
疾走する曲は2曲程度しかありませんが、そんな事は些細な事と思えるほど、歌メロがキャッチーで聴きやすく、それでいながらヘヴィメタルらしいパワフルさも感じられる、実に美味しい作品です。楽器陣の演奏も完璧ですが、特に本作をメジャーレベルにまで押し上げているのが、ヴォーカルのノーラ・ロウヒモです。男顔負けのパワフルな歌唱から女性らしい繊細な歌唱までパーフェクトに歌いこなす彼女がこのバンドのレベルを上げているのは間違いありません。見た目もかなりパワフルです(笑)。
会心の一撃な曲こそ見つけられませんでしたが、全ての曲が余裕で合格レベルという質の高さ。唯一気になったのがGt兼リーダーのアントン・カバネンによる男性ヴォーカルがあまりに個性的過ぎて受け付けなかった事くらいかな。
お気に入りは「Unholy Savior」。表題曲であり、BATTLE BEASTというバンドがどういう音楽を作っているのか、最もハッキリと表している曲だと思います。ちなみに、ポップ寄りな作風で賛否あったらしい「Touch In The Night」も、かなり好きです。

BRINGER OF PAIN / 2017年 / 90点
4枚目。
これまで全ての曲を作ってきたGtのアントン・カバネンが脱退(他のメンバーとの軋轢でクビに近い形だったとか)。新GtとしてKeyのヤンネ・ビョルクロトの弟であるヨーナ・ビョルクロトを迎えています。曲作りはこの兄弟を中心に、メンバー全員でやったらしいです。
さて、そんな感じで体制が大きく変わった本作ですが、キャッチーな歌メロを中心としたパワフルなメロパワという路線は変わっていません。若干メタル要素が減り、歌メロが更に前面に出た感があり、ココは好みによって賛否別れると思いますが、個人的にはまったく問題無いと思っています。そう思えるくらい、歌メロが印象的で良いんです。ノーラ・ロウヒモ姐さんの歌唱も相変わらず素晴らしい出来栄えです。
1発目を飾るこれぞバトビと言える「Straight To The Heart」、本作で最も疾走感のある「Bringer Of Pain」、北欧バンドらしい哀愁溢れる「Beyond The Burning Skies」、ラジオで流れていもおかしくなさそうなメジャー感のある「Familiar Hell」、勇壮なメロディがカッコイイ「Basterd Son Of Odin」など、どれも秀逸な出来です。ただ、8曲目以降はちょっとパンチに欠ける曲が多い気がします(汗)。
特にお気に入りは「Familiar Hell」、MVが動画サイトで見れるんですが、この曲を聴いてこのアルバムを買おうと決心しましたからね。それくらい好き。
リーダーの脱退も痛手にならず、むしろ更にメジャー感が出た気がします。


BATTLELORE
(バトルロー)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

... WHERE THE SHADOWS LIE / 2002年作 / 80点
フィンランド出身の多分メロデスでいいと思うバンドの1枚目。
「ロード・オブ・ザ・リング」をモチーフにしたと思われる作品で、メンバーの本気度120%のコスプレジャケは凄い! これは是非見て欲しいです。
で、きっと中身もラプソディ系なんだろうな、と思いきや全然違い、正統系のGtリフや荘厳なKeyを配し、デスとソプラノVoで盛り上げるというメロデスでした。ソプラノVoや、物憂げなKeyの音色のお陰もあり、ゴシックに通じる耽美性もかなり感じます。
Gtだけがやたらと前に出ていてうるさいサウンド、どの曲もほとんど同じテンポ&展開、それ以前に突出した曲が無くて全体的に地味、と言った欠点もありますが、地味だからこそどれも「捨てるには勿体無い!」と思わせてしまう魅力があるんですね。どの曲にも魅力的なフレーズや展開があるのも事実。
しかしそれでも地味だな‥‥。
お気に入りは「THE GREY WIZARD」。出だしがちょっとメイデンっぽい。ゴシック要素のあるメロデスが好きな人は是非。

SWORD'S SONG / 2003年作 / 80点
2枚目。
基本的に見た目も音楽性も一切変化無し。ただ、前よりちょっとだけ垢抜けたように思います。Gtの旋律とかが前に比べると聞きやすくなったような‥‥。そんなに変わらないか。
ただ、相変わらずミドルテンポばかりなので、いい加減飽きます。アコギのナンバーとかもあったり、デスVoと女性Voを絡ませたりと、手を変え品を変えてはきてるんですが、根本的な部分は一切変わってないからなぁ。
お気に入りは「FORKED HEIGHT」。この中では比較的早いから。


BEAST IN BLACK
(ビースト イン ブラック)
出身地‥‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディックパワーメタル

BERSERKER / 2017年 / 88点
フィンランド出身のメロパワバンドの1枚目。
このバンドの中心はギター担当のアントン・カバネンという人物。同郷の人気バンドBATTLE BEASTのリーダーだったんですが、他のメンバーとの不和が原因で解雇されたらしく、気持ちを新たにこのバンドを立ち上げたそうです。
音楽性はKeyをたっぷり使った非常にキャッチーで分かりやすいメロパワです。ヘヴィメタルらしい激しさもシッカリありながら、一度聴いたら忘れられないくらいキャッチーで哀愁漂う歌メロもたっぷりあり、個人的にはSABATONに近いと感じました。
スピード感はそれほど無いんですが、そんな事は些細な事と思えるくらい、とにかくメロディが良い。歌メロ以外にもGtソロもKeyもメロディアスなんですよね。Keyの使い方が80年代のポップメタル的なのも、私としては新鮮で良かったですね。
ちなみにリーダーのアントンは漫画「ベルセルク」が大好きらしく、本作は「ベルセルク」の影響が丸出しになっています(笑)。アルバムタイトルからしてまんまだし、「Zodd The Immortal」「The Fifth Angel」とかベルセルクを知っている人ならすぐに分かるワードもいっぱいあります。知らなくても問題は無いですが、知ってるとより楽しめる、かもしれません。
出だしから強烈な「Beast In Black」、間違いなく本作ナンバー1の「Blind And Frozen」、合唱が聞こえてきそうな「Blood Of A Lion」「Born Again」、他の曲とはかなり毛色が違うもののユーロビートなリズムが癖になる「Crazy, Mad, Insane」、EUROPEの「The Final Countdown」ソックリな「Eternal Fire」、Keyの使い方がSABATONに激似な「End Of The World」、最後を飾るバラード「Ghost In The Rain」と隙の無い、実に充実したアルバムだと思います。
その中でも一番はと聞かれたら、間違いなく「Blind And Frozen」ですね。これはマジで名曲だと思います。
とても素晴らしいメロパワアルバムだと思います。メタル好きなら是非聞いて欲しいですね。

FROM HELL WITH LOVE / 2019年 / 85点
2枚目。タイトルを訳すと「地獄より愛をこめて」みたいな感じでしょうか。
極めてキャッチーなメロディ満載のメロパワ、というスタイルは本作でも一切変わっていません。ただ、前作以上に(固定メンバーいないのに)Keyの出番が増えており、曲によっては「80年代のハードポップか?」と思ってしまうような曲もあります。「From Hell With Love」や「Sweet True Lies」「Die By The Blade」「True Believer」などが顕著。
どんなスタイルであれシッカリと聞き応えのある良曲にはなっていると思います。ただ、個人的にはちょっとポップになりすぎなんじゃないかとも感じましたね。私は「抒情的」なのが好きなのであって「ポップ」なのはちょっとな‥‥。
何度も言いますが決して悪いとは思いません。挙げた曲はどれもシッカリiPodに入れましたし、「Cry Out For A Hero」「Heart of Steel」「No Surrender」なんかはシッカリヘヴィメタルしててカッコイイと思いました。ただ、このまま行くとハードポップバンドになってしまいそうな、そんな気がちょっとしちゃうんですよね。
一番のお気に入りは「No Surrender」。本作の最後を飾るガッツリメタルナンバーです。
さて、お次はどんな進化を遂げるのか、興味津々です。


BEAUTIFUL SIN
(ビューティフル・シン)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

THE UNEXPECTED / 2006年作 / 70点
マスタープランまでも辞めてしまったDrウリ・カッシュのプロジェクトバンドの1枚目。
野太い女性Voと、派手めなKeyをフューチャーしたメロパワをやってます。どの曲もアップテンポではあるものの、逆にミドルや疾走系の曲は収録されていません。
ウリのDrは手数が多い事で有名ですが、本作でもバッシンバッシン叩きまくっています。ただ、疾走系が無い事もあってか、その真価が発揮されていないようにも感じました。
女性Voはしっかりと歌えてはいるものの取り立てて凄いとは思わなかったし、楽曲に大きな特徴があるわけでもない。決して駄作ではありませんが、何もかもが「普通」で終わってしまうのが実に残念です。
お気に入りは「TAKE ME HOME」。一番早くてドラマチックな曲だから。いまいちこのプロジェクトでウリが何をやりたかったのか分からん‥‥。


BEHOLDER
(ビホルダー)
出身地‥‥イタリア
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

WISH FOR DESTRUCTION / 2002年作 / 78点
イタリア発のツインヴォーカルメロパワバンドの2枚目。
一言で言うとスペーシーでB級でツインVoなラビリンスです(一言じゃないな;;)。
で、メロディはいいんですが、Voが微妙にうまくないのと、楽器の芋さがやや目立ちます。平均的だとは思いますが、国内盤組を基準にしている私としてはやや不満な出来かな。そのせいで、疾走してても、ソナタほど心地良くは感じません(相手が悪いな;;)。
お気に入りは「WORLD READERS」。サビがGOOD。ってか、メロディーに関してはどの曲もマジで悪くはないんですけどね。B級である事は間違いないですが、おお化けしそうな感じなんで、メロパワが好きな人は聞いてみては? ちなみにビデオクリップが1曲入ってますが、Keyの人はちょっとおかしいっす;;

LETHAL INJECTION / 2004年作 / 80点
B級ラビリンスの3枚目にして日本デビュー作。
音楽性は前回とそれほど変わらず。ほとんどの曲が疾走している点、それなりにクサいメロディが溢れている点などマニアが喜ぶ点は多い。更に男Voが少しだけですが成長してます。
しかし、相変わらずこのツインVoが諸刃の刃であり、女性の方はしっかり歌えてはいるものの、男性がまだまだ微妙。特に喚いているのか歌っているのか分からないハイトーンがヤバすぎ。もっと抑揚をつけて歌ってくれれば良かったのになぁ。
あと、楽器ですが、まだちょっとドタバタしている感があります。特にDr。音が軽いせいもあるかもしれませんが、もっとこの辺は日本盤に相応しいクオリティにしてほしかった‥‥。
お気に入りは「LAY DOWN THE LAW」。サビがストライパーみたいに綺麗なハーモニーが聞かせるのが良い。
相変わらず良いセンスは感じますが、テクニックが今一歩。次こそは頑張ってくれ! ‥‥とか思ったら解散したという噂が。本当?


BELLFAST
(ベルファスト)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥ヴァイキングメタル

INSULA SACRA / 2011年作 / 70点
日本出身のヴァイキングメタルバンドの1枚目。
ネットでメタルのレビューをやっている人なら間違いなく知っているであろう大手メタルレビューサイト「Castle of Pagan」の管理人であるKoh氏がVoを務めている事で一部で話題だった本作。私もメタルレビューをする上でお手本としてかなりお世話になっていたので、その管理人さんが作った作品とはどんな作品なんだろうと思って楽しみにしていました。
音楽性はTURISASやENSIFERUMに通じるヴァイキングメタル。専属のフルート奏者、ヴァイオリニストがいるらしく、パッと聞くと日本のバンドとは思えないほどしっかりフォーキッシュしてます。VoはデスVoではなくブルース・ディッキンソンを髣髴とさせる普通タイプでちょっと頼りない感じもありますが、十分に聞けるレベルだと思います。
どちらかと言うと正統派のメタリックな面が押し出されており、シンフォニックアレンジは控えめ。なのでEQUILIBRIUMなどがいる昨今、正直言ってインパクトは強くはないですが、各楽器の演奏もしっかりしているし、ヴァイキングメタル好きなら気に入る作品だと思います。
ただ、たまに入るデスVoが合ってるとは思えなかったし、冗長に感じる部分が散見されたりもしました。全体的に締める所は締める、やりたい事を絞ると言ったように要点と絞ると更に良くなかったと思います。惜しいですね。
お気に入りは「Deadly Oath」。本作一の爆走ナンバー。聞いてて気持ちが良かったっす。
正直、期待以上の出来ではなかったですが、買って損はしなかったと思っています。ヴァイキング好きは是非どうぞ。


BEYOND THE EMBRACE
(ビヨンド・ザ・エンブレイス)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥メタルハードコア

AGAINST THE ELEMENTS / 2002年作 / 80点
アメリカのマサチューセッツ出身の6人組の1枚目。いわゆる「MAメタル」ってヤツですな。
最近出てきているMAメタル。その代表格はなんと言ってもキルスウィッチ・エンゲイジやシャドウズ・フォールなんかですが、このバンドもその系統です。
しかし、キルスやシャドウズが早さよりもリフの重さや攻撃性を重視したのに対してこのバンドはスピードがあるのが特徴。だから聞いてて心地良い。
更に、このバンド最大の特徴がギターが3人もいます。バッキングギターもちゃんとライブで表現できるらしいです。まぁ、CDではそんなに凄いわけじゃないですが。
スピードがあるって言うのもいいですし、ギターメロが初期のインフレイムス系の叙情メロに近くて心地良いです。デス声もなかなか迫力があるし、ノーマル声もいい。ちょっと音が軽いとも思いますが、全然問題無いです。
お気に入りは「COMPASS」と「DROWNING SUN」。前者はハイスピードでぶっ飛ばすのが心地良い。後者はバラードインストなんですが、アコギメロがたまらなく切ないです。こんなのも出来るなんて凄い!
是非この路線で続けてほしいですね。


BITTENCOURT PROJECT
(ビッテンコート・プロジェクト)
出身地‥‥ブラジル
ジャンル‥‥ロック

BRAINWORMS - T / 2008年作 / 72点
ANGRAのギタリスト、ラファエル・ビッテンコートのソロプロジェクトアルバム。Voもラファエル本人が担当しています。
何でも「ANGRAで使えなかった曲を集めた」らしく、所々にANGRAっぽさはあるものの、このアルバムで聞けるのはいわゆるメタルではなく、メロディアスなロック。メロハーと言っても差し支えないほどソフトでたおやかなロックチューンが並んでいます。
で、私の意見はと言うと、そんなに悪くはないと思います。激しさは無いですが、味わい深いアコギの旋律や、ANGRAでは聞けないそよ風のようなメロディは、確かにソロで出したのも正解だったと思います。
が、いくら何でも刺激が無さすぎです。私が聞きたいのはヘヴィメタルであり、眠くなりそうなロックではないのです。
それとラファエルのVoも説得力に欠けます。エドゥと比べるのは可哀想すぎますが、別の方に頼んでも良かったのではないか、と思います。オリバー・ハートマンとかさ。
お気に入りは「Nacib Veio」。ボーナストラックでオリジナルなのかカヴァーなのかは不明。しっかしこの曲は面白い。メロスピ的でありながら奇妙な仕掛けがたくさん隠されています。
早くANGRAでアルバム出してほしいです。


BISCAYA
(ビスカヤ)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

BISCAYA / 1984年作 / 80点
スウェーデン出身の北欧メタルバンドの唯一のアルバム。84年作。
何でも「北欧メタル史上に残る名盤」と言われているみたいで、私が持っているのは96年に出た復刻版。
北欧メタルなんて言うからTNTとかタリスマンみたいなのを想像してたんですが、いきなり疾走曲「HOWL IN THE SKY」から始まってビックリ。
その後も軽快な曲が多く、Gtはそれなりにヘヴィだし、ジャズチックな曲や、テクニカルなアコギインストもあり、想像していた程、透明感満載ではありませんでした。
個人的には「HOWL IN THE SKY」や「HIT IT HARD」みたいな如何にもな曲ばっかの方が嬉しかったんですけどね。
でも、そんな中でとにかくKeyが素晴らしい仕事してます。このテクニシャンなKeyを聞くだけでも価値があると思います。それと、ゴツいおっさんが魚とトカゲを掛け合わせたような生き物に乗ってるジャケは‥‥いいのか悪いのか分かりません。。


BLACKGUARD
(ブラックガード)
出身地‥‥カナダ
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

PROFUGUS MORTIS / 2009年作 / 83点
カナダ出身のメロデスバンドの1枚目。元々アルバムタイトルであるPROFUGUS MORTISというバンド名だったらしいですが、BLACKGUARDと名を変えて再デビューしたとの事。
去年(ほんの一部で)話題になったDESTROY DESTROY DESTROYと同じく、アメリカ方面のバンドとは思えないほど北欧の香り満載のメロデスバンドで、系統的にもDESTROY×3とほぼ同じです。キラキラKey(フォーキーな音色もあり)、疾走に次ぐ疾走、クサすぎるGt、そして弱々しい絶叫Voなど‥‥これだけ言えばもう十分分かると思います(汗)。
私はこの手のバンドは大好きですからおおいに楽しませていただきました。が、好きだからこそ文句も言いたい。最大の欠点はズバリ”メロディ”です。もちろん非常に良いメロディを持っています。が、全てが83点なのです。50点も無い代わりに90点も無いのです。故にキラーチューンが存在せず、曲の差別化は非常に困難です。曲毎にカラーを変える、もしくはしっかりそれぞれに強烈なメロディを用意してほしいです。特にGtの技術力はハンパ無く高いので、彼がアレキシ・ライホくらいになれれば化けるかも?
お気に入りは「Scarlet To Snow」。1曲目です。1分近いイントロの後の爆走、そして驚異的なGtの早弾きで一気に彼らの世界に惹き込まれてしまいました。
クサメロマニアは一聴の価値あり!


THE BLACK MAGES
(ザ・ブラックメイジーズ)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥ハードロック

THE BLACK MAGES / 2003年作 / 83点
日本を代表する人気テレビゲーム「ファイナル・ファンタジー」シリーズの戦闘音楽をハードロック調にアレンジしするロックバンドの1枚目。バンド名は「黒魔道士」という意味です。
最初に言っておきますが、同人などではなくれっきとしたメジャーバンドです。元々スクウェア・エニックスの社員が遊びで作った所、生みの親である植松伸夫氏がえらく気に入り、CD化されたそうです(本作ではプロデューサーをやってます)。
楽曲は前述した通り、FFTから]までの戦闘曲をロック調にアレンジしたもので、全てインストゥルメンタルです。基本的にどの曲にもメインメロディは残っていますが、どれも結構なアレンジが施されており、ゲームで聞いた音楽そのままが生ロックになっていると思うとちょっと危険です。
とは言え、ロックアルバムとしてもしっかり完成はしているので、FFシリーズを知らなくても楽しめるとは思います。
でもやっぱり心躍るのは、子供の頃熱中した音楽をもう一度耳にした瞬間である事は間違いありません。「FF5」屈指の名曲「Clash On The Big Bridge」や「FF6」の戦闘曲「The Decisive Battle」などを聞くと、「ああ〜っ、やったやった、懐かしいっ!」とか思いました。
中でも良かったのが「FF7」の戦闘曲「Those Who Fight Further」。ぶっちゃけ、あまり覚えていませんでしたが、純粋にカッコイイです、この曲は。
日本のメタラーの中には子供の頃、FFやロマンシング・サガシリーズの音楽に熱中した人も多いはずです。このアルバムを聴くとやはり共通点はあったと改めて思います。

THE BLACK MAGES II 〜THE SKIES ABOVE〜 / 2004年作 / 81点
2枚目。
基本的なスタンスは変わっていませんが、歌入りが2曲ある事、前作よりも更にプログレッシブになっている為、原曲を愛する人にとっては正直辛い内容と言えるかもしれません。
かくゆう、私自身も知らない(覚えていない)曲に関してはあまり触手が動かず、結構スルーしてしまいました。歌入りも「まあ悪くない」という出来。Rhapsody Of Fireが作ったかのような「The Skies Above」は結構良かったんですが、なにせ原曲をすっかり忘れているんで‥‥。
とは言え、私がFF史上最高の1曲だと思っている「Zeromus」(FF4のラストバトル)、「Battle With The Four Fiends」(FF4の四天王バトル)が収録されており、この威力は相当にデカかったです。まあ、ぶっちゃけこれくらいしか良いとは思えなかったんですが、でもこれだけでもお腹いっぱいです。
ぶっちゃけ、YouTubeとかで検索すれば、個人によって相当カッコ良くアレンジされた曲が聞けちゃったりするんで、純粋にメロディを愛する人はそちらを聞いた方がいいかもしれませんね。


BLACK MESSIAH
(ブラック・メサイア)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥ヴァイキングメタル

OATH OF A WARRIOR / 2005年作 / 83点
ドイツ出身の超クサクサヴァイキングバンドの2枚目。バンド名が「メサイア」なのか「メシア」なのかは分かりません(笑)。
前から欲しくて東京中のお店を探したんですが見つからず、北海道から通販した代物。しかし、それだけの価値のある作品だったと思います。
エンシフェルムを5倍クサくシンフォニックにしたようなヴァイキングメタルで、音こそチープですが(特にDrの迫力の無さはがっかり‥‥)、メロディセンスには非凡なものを感じずにはいられません。
Gt、Keyらが一体となってクサメロディを吐き出しまくり、更にヴァイオリンやマンドリンと言ったクサ要素のある楽器も使用。更に更に疾走感もあり、Voは個人的にはエンシフェルムより迫力があって好きです。
ただ、まったく垢抜けてないので、演奏がドタバタしており、メジャー感は皆無。メジャー感が出ればエクリブリウムの牙城を崩すのも時間の問題でしょう(笑)。
お気に入りは「RIDING THE DRAKKAR」。間奏部分のKeyが異常なまでにクサい。こりゃ、一度は聞かないと死ねんわな(笑)。

OF MYTHS AND LEGENDS / 2006年作 / 85点
3枚目。
路線に変更は無いものの、まず音が格段にレベルアップしたのは嬉しい限り(特にDrね)。素人臭さも随分と無くなりましたわ。
ただし、その分馬鹿馬鹿しいまでのシンフォニックアレンジは減退し、よりGtなどをメインにした正統派な作りになってます。疾走感も減り、前の「やりすぎさ」が好きだった人はがっかりするかも。
私はこちらの方が気に入りました。即効性には欠けますが、間違いなくこちらの方が長く聞けるアルバムだと思います。しっかりかつタイトになった演奏、緩急をわきまえた楽曲、随所に挿入されてる悶絶クサメロディ(ヴァイオリン大活躍)。腰の座ったミドルナンバーでのドドドドッというDrロールがたまらんのですよ、マジで。
お気に入りは「HOWL OF THE WOLVES」。こんな曲がRPGのラストバトルで流れたら‥‥もう悶絶死確実ですわ。「IRMINSUL」のヴァイオリン乱舞もこれまたたまりません。
これなら次くらいから日本盤が出てもおかしくないと思います。頑張って下さい!


BLACKMORE’S NIGHT
(ブラックモアズ・ナイト)
出身‥‥イギリス
ジャンル‥‥フォーク・トラッド

SHADOW OF THE MOON / 1997年作 / 82点
ディープ・パープル、レインボーなどで数々の奇跡を生み出した楽聖、リッチー・ブラックモアのソロ・プロジェクト1枚目。ヴォーカルは彼の恋人、キャンディス・ナイト。
まず、この作品にロック色はまったくありません。なにせ、ロック楽器をほとんど使ってないんですから。その音楽はミンストレル(吟遊詩人)が奏でるようなトラッドミュージックです。エンヤとかに近い感じですね。楽聖はアコギを奏でています。
しかし、メロディに関しては見事の一言。心に染み渡り、安らかに眠れます。キャンディス嬢の歌声も実に綺麗で、その容姿と相まって歌姫と呼ぶに相応しい。
メロディがとにかく素晴らしいので、メロマニアは是非聞いて欲しい1枚です。
お気に入りはタイトル曲の「SHADOW OF THE MOON」。キャンディス嬢の穢れ無き歌声と、その後ろで静かに壮言に奏でられるシンフォニック・アレンジが最高!
究極の癒し音楽。ガリガリとやかましい音楽の合間にフワリと聞くと効果抜群です。ジャンルに関係無くいい音楽が聞きたい人は是非。

FIRE AT MIDNGHT / 2001年作 / 84点
3枚目。2枚目はまだちょっと持ってません;;
基本は変わってませんが、若干ロック楽器が使われてます。Dr、Gt、どちらもほどよく使われていて、個人的にはよいアクセントになっていると感じました。
キャンディス嬢の浮遊感のあるVo、楽聖のセンスを感じるメロディセンスはもはや不変。ゲイリー・ムーアみたいに、聞くとむしょうに旅に出たくなるんですよね。
ただ、よくない点もそのまま受け継がれていて、さしてバラエティに富んでるわけでもなく、一気に聞けるタイプでもないのに17曲はやっぱり多い。お得ととる人もいるかもしれませんが、いざ聞くと結構忍耐が要ります(笑)。
お気に入りは「I STILL REMEMBER」。単調な曲なんだけど、メロディが儚くて素敵☆ 「VILLAGE ON THE SAND」みたいな牧歌的且つちょい物悲しい系も好み。
次も同じなんだろうけど、気になっちゃうんだよね〜。

GHOST OF A ROSE / 2003年作 / 84点
4枚目です。「薔薇の幽霊」ってタイトル素敵。
相変わらず大して変わってないですが、アレンジがより綿密になった感じを受けます。生楽器以外のシンセ音、コーラスなども結構取り入れてますし、ここまで来ると曲によってはトラッド・フォークにカテゴリするのが躊躇われますね;;
どれも粒揃いで今までが好きなら嫌いになる事は無いと思います。ただ、まだ楽聖のネタが尽きないのは賞賛に値しますが、やっぱし16曲は多いよ。11曲くらいで十分だと思うんだけどなぁ。
お気に入りはタイトル曲の「GHOST OF A ROSE」。サビでの圧倒的な合唱は凄いね。こりゃ、シンフォニック系だよ。「ALL FOR ONE」もいいね。って、2曲ともトラッド系じゃない気がするな。
もうジャンルとか関係無いと思うんで、選り好みせずに聞いてみてくださいな。

VILLAGE LANTERNE / 2006年作 / 80点
5枚目。
基本路線は勿論普遍なものの、しっかりとエレキGtを使ってロックしてる曲も結構あり、相変わらずの曲数の多さにも耐えられるバラエティがあると思います。
ただし、メロディの良さで言えば個人的には前作には及ばず。大した進化もしてないので、これはセンスの問題やね。「Ghost Of Rose」みたいなシンフォニックなナンバーがあれば良かったのになぁ。
お気に入りは「MOND TANZ / CHILD IN TIME」。牧歌的な前半と荘厳な後半の組み合わせが好き☆ あと「STREET Of DREAMS」も好き。とか思ったらこれはレインボーのセルフカヴァーだったみたいです。


BLACK STONE CHERRY
(ブラック・ストーン・チェリー)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥ハードロック

BLACK STONE CHERRY / 2006年作 / 80点
アメリカ、ケンタッキー州出身のハードロックバンドの1枚目。
私は2枚目から聞いたので、詳しい情報は2枚目の欄をご覧ください。
さて、1枚目ですが、デビュー作にして既に新人らしからぬ完成度の高さを誇っており、サウンド、演奏などは既に1流。ただ、2枚目に比べると、まだ「埃っぽさ」があまり感じられず、「アメリカンロック風NICKELBACK」と形容出来そうな曲が多めです。それも決して悪くはないのですが、個人的にはその「埃っぽさ」に魅力を感じていたので、ちょっと残念でした。歌メロもちょい地味ですし。
お気に入りは「Tired Of The Rain」。Gtリフがちょっとセンチメンタルで、なかなかに良い曲です。
1枚目から聞いても全然構いませんが、私のお勧めは2枚目です。

FOLKLORE AND SUPERSTITION / 2008年作 / 90点
2枚目。
どうやら一般的には「サザン・ロック」と言われるアメリカ南部特有のタフで泥臭いロックンロールをやっているバンドとして認知されているらしいですが、私はそちらにはあまり詳しくないのでよく分かりません。
ただ、タフで泥臭さを感じるカッコ良いロックをやっているという点にはまったく異論はありません。
力強いDr、粘り気のあるBaやGt、渋いVo、殺伐とした土地柄を思い起こさせる乾いた哀愁のメロディ‥‥。メンバーはまだ若いようですが、良い意味で若さを感じさせないずっしりと腰を降ろしたロックが十二分に堪能出来ます。
とにかく良いのがメロディです。この『ワラの匂いのする乾いた大地』を想像せずにはいられないメロディが堪りません。これは日本のバンドは勿論、北欧のバンドでも決して出せない独特のものだと思います。私はカウボーイ系の映画を思い出してしまいました。「荒野の七人」とか。
演奏良し、Vo良し、メロディ良し、勢いもそれなりにあるし、ロックが好きな人ならきっと気に入るバンドだと思います。
お気に入りは「Blind Man」と「The Bitter End」。前者はこのバンドの出す音がどんなものなのかを最も分かりやすく説明してくれるナンバー。サビメロの哀愁が堪りません〜。後者は本アルバム最速のナンバー。とにかくDrが超カッコ良いです!
何でも2枚目から日本デビューしたみたいですが、1枚目も買おうと思います。

MAGIC MOUNTAIN / 2014年作 / 70点
3枚目を飛ばして4枚目。
基本的な路線は変わらず、泥臭さを感じるタフなハードロックをやっています。
演奏は益々タフになり、Voの説得力も上がっているように思います。が、メロディがイマイチ。哀愁が漂ってないんですよね。普通のロックメロディになっちゃってる気がします。
普通のロックファンならそれでもいいのかもしれませんが、メタルが好きな私としては胸がキュンとくるようなメロディでないと気に入らないわけです。
お気に入りは特に無し。方向性は大好きなので、乾いた風を感じるようなメロディをお願いします。


BLACK TIDE
(ブラック・タイド)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥ハードロック

LIGHT FROM ABOVE / 2008年作 / 77点
メンバー全員がまだ10代という驚異の新人バンドの1枚目。FROMアメリカのマイアミでございます。
アメリカなのでメタルハードコアか? と最初は思いましたが、これがまったく異なり、80年代の正統派なハードロックをやっていたりします。Motley Crueから影響が受けている事がよく分かる音楽なんですが、そこにIRON MAIDEN風のツインGtを入れたり、キュルキュルと早弾きを入れたりもしており、今の若者なりの「好きなものは何でも入れちゃう」的な貪欲さを感じました。こういうの、嫌いじゃありません。
ただ、ヨーロッパのバンドではないからか、はたまた元々そんな気など無いからか、所謂哀愁系のメロディは皆無で、個人的にはハマり度は低かったです。まあ、影響を受けたバンドから哀愁なんて期待出来ないし。シンガロングを誘う場面はたくさんあったんですけどね〜。私は合唱よりもググッと胸に迫るメロディを希望しているタイプなのでした。
お気に入りは「Hit The Lights」。ちょっとパンクっぽさもあるスピーディーなナンバーです。これからどんな成長を遂げるのか、楽しみです。


BLAZE
(ブレイズ)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥ハードロック

DANGER ZONE / 2004年作 / 88点
我が国日本のハード・ロックバンドの1枚目。
何とこのバンド、結成は70年代! で、04年に初めてアルバムを出すと言う。でも、それはずっとヘタレだったからではなく、あくまでライヴにこだわっていたかったからなんだって。
当時のメンバーが今どれだけ残っているのかはちょっと分かりませんが、その音楽性は超ディープ・パープル。Gtリフ、Key、リズムスピード、その全てがパープルです。21世紀の世のおいてこの路線を維持し続けるなんてある意味凄いっす。
でも、ハード・ロック好きでこの音楽が嫌いなわけがない。こんなに無理なく心地良いアルバムを聞いたのは久しぶり。音楽はどんなに時を重ねてもいいわけでして、全楽器ムチャクチャ上手いし、Voもほんとにカッコよく決まってます。個人的にはイエロー・モンキーに凄く似てると感じましたが、それはつまり、イエモンもパープルっつう事ですな。どっちも大好き!
お気に入りは「FIRE」と「IGNORANCE」。前者は1発目を飾るに相応しいハードなナンバー。後者は心に染み渡るバラード(これは超名曲だと思います)。でも、どの曲も本当によく出来ています。
今のメロスピ好きなんかだとちょっと敬遠しちゃうかもしれないですが、大人も若者も「いいじゃん」と思える作品だと思います。


BLINDED COLONY
(ブラインデッド・コロニー)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

DIVINE / 2003年作 / 79点
スウェーデン出身の正統派メロデスバンドの1枚目。
Keyを用いない、インフレイムス系の超正統派なメロディック・デスです。声がデスでなければ、本当に普通の正統派へヴィ・メタルとして扱えそうな程メロメロです。暴虐性はまったく感じません。
楽器はどれもソツ無く出来ているし、Gtメロも強烈と言う程ではないにしろ、スムーズかつ心地良いです。
ただVoに大きな問題があります。まず、この声を「デス」と言えるのか非常に謎。叫びと言う程がなってるわけでもなく、ノーマルとスイッチするものの、あまり変わりがないという有様。どっかのレビューサイトで言ってましたが、下手なスラッシュバンドのVoみたいです。
初心者にはいいかと思いますが、私個人としては迫力不足な感が否めません。あと、冷静に聞くとキラーチューンがありませんでした‥‥。メロディセンスも磨いてほしいっす。
お気に入りは「THORNED & WEAK」。ドスドスと突き進むリズムが好きです。ちょっとメロディとVoを改良すれば凄い話題になるんじゃないかと思うんですけどね〜。これからに期待!


BLIND GUARDIAN
(ブラインド・ガーディアン)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

SOMEWHERE FAR BEYOND / 1992年作 / 89点
ドイツ出身の男気ジャーマンメタルバンドの4枚目。
今やベテランとして扱われている彼らですが、この頃(92年)から既に大御所の匂いを漂わせています。
音楽性は分厚いコーラスを取り入れたエピック性の高いジャーマンメタル。ハロウィンよりも遥かに暑苦しく、その原因は何と言ってもVoハンスィの声。サビはコーラスが入るからまだいいけど、普通の所は上手いのかどうかもよく分からないがなり声。だが、聞いてるうちに慣れてくるんだな。んでもって、ブラガにはこの声しかダメだと思えてくるんだな。
各演奏は既にこの頃からほぼ完璧です。怒涛の疾走を聞かせるGt、クサいメロを奏でるGtとメタルに必要なモノは全て揃っています。特に「TIME WHAT IS TIME」は名曲。他にもアコギが咽び泣く「The Quest for Tanelorn」も素晴らしいです。
音が小さい以外に問題は無いです。

IMAGINATION FROM THE OTHER SIDE / 1995年作 / 92点
で、次のアルバムもほとんど音楽性に変わりは無いです。って言うか、まったく変わってない?
前に言いたい事は全て言ったので、あまり言う事はありません。分厚いコーラスと男気溢れる演奏は微塵も変わらず、更なるレベルアップがされています。前が好きだったら迷わずゲット。
音もクオリティも更によくなり、完全にブラガ節が確立しています。何しろ、エピック性が強いもんね。
と言ってもラプソみたいじゃなくて、あくまでGtで表現してる所はやっぱし凄いなぁ。
お気に入りは「I’M ALIVE」。疾走、メロ、ともに最高です。

NIGHTFALL IN MIDDLE−EARTH / 1998年作 / 88点
で、6枚目です。やっぱし変わってません。ただし、今回は曲数がやたらと多いです。コンセプトなんだそうです。
歌入りの曲は相変わらずいいんだけど、今回は1曲1曲の間に30秒くらいのインストが入っているので、ちょっとダレる可能性があります。歌入りは本当にいいのよ。
曲の方は更にレベルアップ。エピック性の強いジャーマンをやらせたら、今のところこの人達の勝てる人はいないでしょうね。Keyにあんまり頼らない所も男気があるね(そういうもんか?)
インストをすっ飛ばせばいいアルバムです。名曲「MIRROR MIRROR」が入ってるんですから。

A NIGHT AT THE OPERA / 2002年作 / 80点
かなりのブランクをおいて出された7枚目。色々と凄い事になっています。
まず、オーケストラというかかなりのクワイアが入っています。前もそうでしたけど、よりです。声だけで言うならラプソと互角かもしれません。これがかなりいい。
ですが、その代わりに無くなったモノも多く、まずスリリングなギターがかなり減ってしまいました。よく泣く事は泣くんだけど、抑揚が無くてあまり面白くない。後は、怒涛の疾走曲、アコギがむせぶバラードも無いです。
では、何があるかと言うと、適度な速度で走るエピックナンバー。勿論、そこにはブラガにしか出来ない音楽があるんですが、いかんせん前と違いすぎる。これは何度聞いてもいいと感じた曲が少なかったですね。
お勧めは「Battle Fields」。これだけはかなり好き。あとは‥‥お勧めできません。買って損は無いとは思うんだけど、前のパターンが好きなら気に入るかどうかは不明です。

A TWIST IN THE MYTH / 2006年作 / 84点
Drを代えての、4年半ぶりの8枚目。
前作を踏襲した作風で、初期の鋭利でコンパクトで疾走感抜群という印象は本作からも伺う事は出来ません。ストレートにはいかない練りに練られた作り込み、繊細さに力点をおいた超大仰なエピックメタルです。
ただ、前に比べるとアグレッシブな楽曲が多く、メロディもかなり分かりやすく、印象的なものになっています。私も前作はあまり好きではなかったりしますが、今回は結構気に入りました。
中盤、やや印象の弱い捨て曲が目立ちますが、咽び泣くアコギナンバー(彼らの作るアコギナンバーって本当に素晴らしい!)や、意外な程ロックンロールしてる曲もあったりと、良い所は残し、そして更に進化していってる気がします。
お気に入りは「Fly」。彼らにしては珍しいくらい「ロックンロール」してるナンバー。しかしこれがまたビックリするくらい格好良い。今後はこっち路線で行ってもらいたいくらい(笑)。初期が好きな人は相変わらず微妙な作品だと思いますが、ブラガの作る世界観が好きな人は買いの1枚。

AT THE EDGE OF TIME / 2010年作 / 75点
4年ぶりの9枚目。
ここ最近の彼らは曲展開がプログレッシブになり、初期のストレートに疾走する曲はあまり作っていませんでした。
その反動なのか、本作は最初と最後の大作を除き、比較的ストレートでシンプルな楽曲が並んでいます。オーケストラアレンジもかなり控えめで、明らかに初期作品を意識した作風だと思います。
この方向性自体は悪くないと思います。私も初期の疾走する彼らが大好きですから。しかし、初期の作品ほど興奮出来ないんです。理由は簡単でやっぱりメロディが弱いからなんですよね〜。「Time What Is Time」や「The Quest For Tanelorn」、「Welcome To Dying」のような1回聞いただけで背筋がゾクゾクしてしまうような曲が無いんです。これはもうアレンジとかの問題じゃない。単なる「作曲」の問題。もう昔に戻る事は出来ないという事なのか‥‥。
と、つい文句も言ってしまいましたが、ここ最近の作風に満足出来なかった人も、とりあえず「作風」だけは納得が行く作品だと思いますよ。
お気に入りは「Ride Into Obsession」。サビが一番分かりやすかったナンバー。個人的にはコーラスはそんなに派手じゃなくてもいいんだけどなぁ。
一流バンドなので決してヘチョイアルバムじゃないんですが、どうもストレートが決まらないなぁ。

BEYOND THE RED MIRROR / 2015年作 / 70点
10枚目にて2枚組。1枚のバージョンもあるみたいです。
前作にてややストレートになった感じがあったんですが、本作では再びプログレッシブ的なアプローチに戻っています。個人的にこれはNG。大仰なメロディックメタルは大歓迎のはずなんだけど、彼らの場合、妙にプログレってて聞きにくいんですよね‥‥。普通にAメロ→Bメロ→ヴァース→サビってやってほしいんだけどな‥‥。
オーケストラアレンジが美味しい曲もあったけど、それもやっぱり妙にウネウネしてて、ちょっといただけませんでした。もう「Time What Is Time」みたいな曲は聞けないのかな‥‥。
お気に入りは「The Throne」。オーケストラがRHAPSODY OF FIREみたいですw


BLIND MAN
(ブラインド・マン)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥ハードロック

BLIND MAN / 2001年作 / 77点
日本の歌もの正統派ハードロックバンドの3枚目にしてメジャー1枚目。
デヴィッド・カバーディルを彷彿とさせる強烈に耳に残る独特のVoこそ、人を選ぶものの、中身そのものはKeyをたっぷりと配した大衆受けしても良さそうな良質の歌モノハードロック。
疾走感も適度にあり、心地良いKey、ガリガリ言いながらも決して全面には出ないGtなど、初心者でも十分に聞け、尚且つ日本のバンドとは思えない程垢抜けているのも好印象。
ただし、普通のメタルを聞き漁っている私からしてみるとややポップすぎて刺激が無いのも事実。もっとハードでもいいんじゃないの? とか思いました。
お気に入りは「THE WAY TO THE HILL」。一曲目。最もハードで最も早い曲。想像してたのより遥かに大人しかったというのが第一印象でした。中途半端は売れないから、次はもっとハードにお願いします。

TURNING BACK / 2002年作 / 83点
メジャー2枚目。
基本路線は変わらないながら、全体的に音がクリアかつタイトになっており、前作で感じた「Keyの出番の多い、どこかモサッとしたハードロック」という印象は払拭。
疾走、疾走、ミドル、バラードを順番良く配した楽曲の数々は、相変わらずKeyの踏ん張り具合で印象が変わってくるレベルではあるものの、以前よりも頑丈になった感じで聞いてて何とも心地良い。
Voの強烈な個性は相変わらず人を選ぶとは思うものの、この声こそがこのバンド最大の魅力であり、これがダメならいっその事一切聞くべきではないんだろうな〜。
お気に入りは「THE BED OF NAILS」。本作一番の疾走曲。Keyをキラキラ言わせながら疾走する所は北欧の匂いも感じます。

SUBCONSCIOUS IN XPERIENCE / 2008年作 / 73点
3枚目を飛ばして4枚目。だって買うまで分からなかったんだもん。
これまでと同じ路線です。出だしの2曲は疾走感もあってなかなかに良いんですが、後半になるに従ってポップなロックナンバーが多くなっていき、個人的にはやや物足りなさを感じました。あと、今さら言う事でもないかもしれませんが、このVoさん、もうちょっと一般受けしようと声を変える気はないんでしょうか? 個性的過ぎて長時間聞くと疲れます‥‥。
お気に入りは「TO THE END」。一発目。ずっとこんなだったら絶対80点台だったのになぁ。


BLIND STARE
(ブラインド・ステアー)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥メロディック・デスメタル

SYMPHONY OF DELUSIONS / 2005年作 / 83点
フィンランド出身のシンフォニックメロデスバンドの1枚目。
KALMAHやNORTHERと同系列の、つまりCHILDREN OF BODOMの影響下にあるバンドの一つとして認知されそうなKey満載のメロデスをやっています。
ただ、これを書いている今現在(2009年5月)、3バンド共に既に方向性が違っており、その中で言えばKALMAHに一番近いと言えるでしょう。モダンな色合いは全く無く、典型的な北欧メロデスが堪能出来ます。
演奏は荒いし(特にGtが荒い。これはこれで悪くはないのかもしれないけど)、Voは弱いし、類型のバンドから頭飛び出る程のオリジナリティがあるわけでもありません。しかし、メロディセンスには非凡なものを感じますし、磨けば他のどのバンドよりも光り輝く逸材になる気がします。
これを聞きながらその時をじっと待ちましょう!
お気に入りは「Shotgun Symphony」。ちょっとロックンロールっぽいリズムがあるのが新鮮でした。メロディは思いっきりメロデスなんですけどね。


BLOODBOUND
(ブラッドバウンド)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

NOSFERATU / 2005年作 / 80点
スウェーデン出身のメロパワバンドの1枚目。
何でもSTREETTALKというメロハーバンドのリーダーが新たに立ち上げたバンドのようですが、そちらは詳しくは分からないので割愛。メンバーがコープスメイクをしているものの、音楽性はIRONMEIDEN譲りのツインGtが炸裂するシンプルなメロパワです。
A級と呼べる程垢抜けているわけではないですし、今の流行からは程遠いオールドな作品ではあるんですが、クサいメロディを垂れ流すGtに、無理の無いハイトーンを聞かせるVo、適度な疾走感など、昔ながらが好きな人にはストライクな作品だと思います。
どの曲も押し並べて良い出来で、どの場面にも印象的なメロディが配されているのは大変良いと思います。ただ、一撃必殺の曲が無い事、後半になるに従ってジャーマンメタルのような明るい曲が増えてしまうのが改善点と言った所だと思います。
お気に入りは「METAL MONSTER」。疾走という程早くはないんですが、適度なスピード感とマイティーなサビメロが気に入りました。DUNGEONなどが好きな人なら外す事の無い、手堅いアルバムだと思います。

BOOK OF THE DEAD
 / 2007年作 / 84点
2枚目。
VoがZENOで歌っていたマイケル・ボーマンに変更されており、弱々しかったVoが一気に逞しくなっています(前の人も好きでしたけど)。それに呼応したのか、前よりも若干ですがクサ味が薄口になっており、全体的に垢抜けた印象があります。
とは言うものの、根底に流れるIRON MAIDEN〜HELLOWEEN流の日本人好みするメロパワスタイルには何ら変化はありません。大半がファスト〜疾走、キャッチーかつドラマチックな歌メロ、適度な長さのGtソロなど、前作が好きなら安心して身を委ねられる作品でしょう。
お気に入りは「Flames Of Purgatory」。決して早いわけではないし、このアルバムの中では地味な方だと思いますが、このくらいが末永く聞けそうな気がします。
ところで、マイケル・ボーマンの声ってよく聞くとPINK CREAM 69のデヴィッド・リードマンの声に凄く似ている気がするんですが、どう思います?

TABULA RASA / 2009年作 / 70点
3枚目。
1枚目でVoを担当した人に戻っているものの、音楽性には随分と変化が見られてしまいました。彼らの一番のチャームポイントであった「クサいツインギター」が激減し、代わりにヘヴィさが目立つ内容になっているんです。
はっきり言ってこれは「大NG」です。ヘヴィ路線になってしまった事でクサい、もとい印象的なメロディが笑えるくらい消滅。サビも中途半端なものばかりで、特に後半の毒にも薬にもならなそうな地味で冴えない楽曲の連続にはガッカリしてしまいました。
演奏レベルが高いだけに、これはこれで「様」にはなっていましたが、様になっているだけの事。私の琴線には悲しいくらい引っかかりませんでした‥‥。
お気に入りは「Take One」。一番私が期待していた「彼ららしい」ナンバー。他はどれも地味すぎて同じに聞こえました(汗)。
この路線で行くんだったら、私には厳しいバンドになってしまいそうで残念です。


BLOOD STAIN CHILD
(ブラッド ステイン チャイルド)
出身地‥‥‥日本
ジャンル‥‥メロディックデスメタル

SILENCE OF NORTHERN HELL / 2002年作 / 80点
大阪出身のメロディック・デス・メタルバンドの1stアルバム。
音楽性は超絶的なシンフォニックデスメタル。正直何も知らずに聞いたら日本のバンドとは思えないでしょうね。それほどしっかりとよく出来ています。GtよりもKeyの方が圧倒的に目立っていて、そのKeyが劇的なクサメロを奏でています。
声やDrが実に弱いのですが、そんな事をどうでもいいと思える程のメロを叩きつけてきます。
お勧めは1曲目の「Silence of Northern Hell」。出だしのキーボードがヤバすぎます。上質デスメタが聞きたい人は是非、どうぞ! でも曲数少なめ。

MYSTIC YOUR HEART / 2003年作 / 88点
2枚目。音楽性がかなり変わりました。
Keyの音色が大きく変化しており、シンフォニックではなく電子音スタイルに変わりました。パッと聴き、同じバンドとは思えないレベルです。ただ、その分、生楽器が目立つようなサウンドになっており、全体的にメタリックになって聴きやすくなっていると感じました。Voも前に比べてレベルアップしてますし、Drの音もより良くなってブラストが格好良いです。
お気に入りは「The Rord To Ruin」。Keyメロがたまらなくいいです。一番キャッチャーな曲だと思います。
これからの日本へヴィメタを背負って立つ事は必至でしょうな。

IDOLATOR / 2005年作 / 90点
完全なオリジナリティを確立した3枚目。これは格好良い!
音楽性は前の延長ながら、Keyがよりテクノチックになり(テクノインストあり)、他の楽器がよりモダンでタイトになりました。更にVoもノーマルとデスを同時に使うという反則技を用いるようになり、非常に強力になりました。要は全てが格段にグレードアップしたという事。ドッズンドッズン唸るドラムもGOOD。
前まではチルボドに近いと言われていましたが、本作は最近のイン・フレイムスに近い感じがします。ヘヴィさを追求するようになり、テクノになったKeyのお陰でそれが顕著になっています(ノーマル声がそっくりだし)。
でも、独自のメロディは全然健在だし、格好良さ、完璧さという点では間違いなく過去最高。ここまではっきりと成長が分かるバンドも早々いないですな。
お気に入りは「LIVE INSIDE」。サビの音程付きデス声がメッチャ格好良いっす! あとLUNA SEAの「TRUE BLUE」をカヴァーしてますが、1発で分かる奴はいないと思う程、彼ら色に染まってます。ちなみに唯一の日本語曲;素晴らしい進化ですね。きっと今後はこの路線で行くんだと思います。大いに結構! 頑張れ。

MOZAIQ / 2007年作 / 84点
4枚目。
前作から顕著になり始めていたテクノ、トランスの色合いが更に濃くなり、メタルとの割合は7:3(テクノ:メタル)くらいと言っても過言ではありません。
ただ、へヴィメタルのグルーヴ感、テクノ、トランスのノリの良さが綺麗に融合されており、新Voも非常に格好良い遠吠えを聞かせてくれます。
オリジナリティで言えば、他に類を見ない程に完成したとは思います。
しかし、その分欠点も多くなってきており、まずノーマルVoがダサくなってます。高音ノーマル(サビで聞こえる声)なんてへちょいエモバンドみたいで、クールでダークな世界観を著しく壊してる気がするんですよね。デスメタルなんだから全部デスVoでいいよ。
そして一番肝心のメロディが実に微妙なんです。前作は見事に私のハートに直撃したんですが、今回はどの曲も微妙に私の好みからずれていて、イキそうなのにイケないんです‥‥。
あと、これ言っちゃなんですが、いくらなんでもデジタル色が濃くなりすぎていると思います。これじゃいつかメタルバンドじゃなくなるような気さえしちゃうよ。
お気に入りは「Peacemaker」。このアルバムの中で一番メタルっぽいから。
うーん、格好良いとは思うんだけど、進化しすぎな気もしなくもない一枚でした。

EPSILON / 2011年作 / 87点
4年ぶりの5枚目。
これまでと同じトランス色を前面に押し出した唯一無二のトランスデスメタルをやっています。が、本作では更に一歩進んでおり、女性Voが加入しておりノーマルVoを担当しています(ジャケットの女の人ではありません)。
さて、いきなり結論から言いますと、私が最高傑作だと思っている「IDOLATOR」には及びませんでしたが、前作よりかはかなり良くなったかなと思います。
これは方向性云々というより、私個人の考え方が変わったというのが大きいです。このバンドにとってデジタルアレンジはもはや「最大の味」であり、そこを「メタルっぽくない」と批判するのはDREAM THEATERに対して「演奏が難しい」と言って批判しているのと同じだと思うんです。”そこ”を評価してこそだと思うようになったんです。
でも実際、客観的に聞いても前作より良いと思います。最大の要因は女性Voのソフィア嬢です。浮遊感のある彼女の歌声はトランスと非常に相性が良いんです。前作のモダンメロデスに半ば無理矢理デジタルを詰め込んだ違和感とは明らかに違う、整合性がとれた感じがしました。
ギターによるリフやらは更に目立たなくなっていますが、トランスによるリズムのお陰か、全体を通してテンポは非常に良く、最後まで一気に聞ける作品だと思います。
苦言を言えばサビでスピードダウンするのはもういい加減飽きたって所でしょうか?(汗) 「FOREVER FREE」みたいな曲こそサビで爆走してほしかったのになぁ。
お気に入りは「MOON LIGHT WAVE」。本作で一番短いナンバー(2:45)。激メロではないんですが、トランス色とメタル楽器のバランスが一番とれていて、聞き易かったです。
もはや方向性に関しては文句は言いません。さあ、次はどこまで飛ぶんだ!?

AMATERAS / 2019年 / 80点
ベストアルバムを挟んでの8年ぶり6枚目。
前作「EPSILON」で歌っていた女性Vo・SOPHIAは脱退しており、本作は「MOZAIQ」の時に歌っていたSADEWが出戻ってます。だからなのか、前作ほどトランス色は強くなく、「MOZAIQ」と「EPSILON」の中間くらいかなと感じました。
相変わらず演奏レベルは恐ろしく高いし、疾走感は抜群で気持ち良いし、トランスとメロデスも融合具合もやっぱり上手いなと思います。昨今、日本のメロデスが勢いづいていますが、その先駆者としての面目は保っていると思います。
ただ、結論から言うと、十分な満足感は得られませんでした。一番の理由はサビがほぼノーマルボイス(この声もSADEW氏なんだよね?)で歌われており、これが微妙だからです。迫力あるデスボイスとは打って変わってナヨナヨしてるし、それ以前に歌メロが物凄く微妙で、高揚感が得られないんです。1曲目「New Space Order」からして微妙ですからね(ちなみに2曲目「Del-SOl 1.02」も)。ノーマルVoはSOPHIAに(ゲストという形でいいから)歌ってほしかった。おそらく、それだけでもかなり印象は変わったと思います。
お気に入りは「EARTH」。疾走感・歌メロ、共に本作最高レベルの1曲だと思います。
悪くはないけど、ノーマルボイスをどうにかしてほしいと思った1枚でした。


BON JOVI
(ボンジョビ)
出身地‥‥アメリカ
ジャンル‥‥ロック

CRUSH / 2000年作 / 85点
世界一キャッチーなメロディを歌う日本贔屓のハードロックバンドの7枚目。
非常に分かりやすいメロディ、ハードなナンバーから胸キュンのバラードまでソツなくこなす技術、メンバー全員が男前、とメジャー受けする全てを兼ね備えたロックバンド。今更説明するまでも無いですな。
ちなみにVoの名前(ジョン・ボン・ジョビ)がそのままバンド名になっているのは彼が出しゃばりだからではなく(笑)、元々彼だけを売り出そうとしたかららしいです。
本作は私が生まれて初めて買った彼らのオリジナルアルバムで、当時から決してハードなアルバムだとは思っていませんでしたが、今でもたまに聞きたくなる程のクオリティとポピュラリティーを有しており、1000万枚売れただけあるなと思います。
お気に入りは「IT’S MY LIFE」。「LIVIN’ ON A PRAYER」と並ぶ、彼らの超代表曲。はい、私も大好きです。
ロックとは何ぞや、その答えは彼らを聞けば大体分かります。

BOUNCE / 2002年作 / 85点
8枚目。
2001年9月に起こった「同時多発テロ」を経験したミュージシャンの多くがそれ関係の歌を作ってますが、彼らもそれに漏れず、比較的バラード多めのアルバムになっております。とは言うものの、彼らは元々バラードの多いバンドですし、そんなに大きくは変わっていません。
「UNDIVIDED」や「EVERYDAY」「BOUNCE」などのハードナンバーは何だかんだ言ってカッコイイです。
彼らが好きなら、これも買いな1枚です。

HAVE A NICE DAY / 2005年作 / 88点
9枚目。
既に音楽性は完全に固まっており、今さら変わる所なんてありません。キャッチーなメロディも、メンバーの顔つきも、何もかも不変です。
本作はロックナンバーが若干多めで、しかもサラリとシングルカットレベルがズラリと並んでいるのが凄い。もはやマンネリ化しまくってますが、彼らはこれでいいんです。
お気に入りは「COMPLICATED」。アヴリル・ラヴィーンのカヴァーじゃないですからね。「HAVE A NICE DAY」と同じくらいキャッチーで良い曲です。

LOST HIGHWAY / 2008年作 / 70点
10枚目。
アメリカでは一定の人気がありながら、日本ではまったく認知されていないカントリーミュージックを下地としているようで、全体的にゆったりとした作風になっています。「IT’S MY LIFE」や「EVERYDAY」などの典型的なロックナンバーが収録されてなく、個人的にはかなり物足りなさを感じました。
大人になれば評価も変わってくる気がしますが、まあかなり先の話になりそうですね‥‥。
お気に入りは今探してる最中です。。

THE CIRCLE / 2009年作 / 73点
11枚目。
前作がカントリー調の曲が多く、個人的にはまったくと言っていいほどハマる事は出来ませんでした。しかし、本作は元のロックスタイルに戻っており、少なくとも第一印象は◎。
ただ最後まで一通り聞いてみても、いまいちお腹いっぱいにならない。もう一度聞き返してみると、その原因が分かりました。
まず、ハードなナンバーが無いのです。確かに全体にロックンロールしてるんですが、例えば「Undivided」や「Bounce」のようなガツンッ!と来るような攻撃的な1曲が無いんです。爽やかなロックばっかりなんですよね‥‥。
それともう一つは「メロディが地味」だという事です。「Livin' On A Prayer」や「It's My Life」みたいな曲をとまでは言いませんが、それに迫る曲は欲しかった。しかし、本作にはそこまでの曲はありませんでした。
お気に入りは「Superman Tonight」。このアルバムの方向性を端的に伝えている1曲。カッコイイけど、男らしくはなかったな。
たまにはこういうアルバムがあってもいいと思いますが、出来ればまた「Crush」みたいなアルバムを作ってほしいです。


BOOK OF REFLECTIONS
(ブック・オブ・リフレクションズ)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥ネオクラシカル・メタル

BOOK OF REFLECTIONS / 2004年作 / 75点
ラーズ・エリック・マットソンなるネオクラGt兼会社社長率いるネオクラプロジェクトの1枚目。
どっかの音楽会社の社長さんらしいんですが、詳しい事は分からないので割愛。とにかく、このアルバムは典型的なネオクラシカル・メタルです(笑)。
適度なスピード感で疾駆しながらVoとGtとKeyでもってクサいクラシカルメロディを垂れ流すその様は初期RING OF FIREにそっくりで、Keyは同じヴィタリ・クープリだったりします。
GtやKeyは上手いし、なかなか堂に入ったネオクラシカルを聞かせてくれるんですが、Voが微妙に下手なのが何とも残念。しかもクレジットでは4人ものVoがいるにも関わらず、聞き分けが難しく、全員微妙ってのが何ともねぇ‥‥。
あと、捨て曲が多いのもマイナス。Voが上手かったら捨て曲じゃなかったかもしれないのがより惜しいっ!
お気に入りは「Phoenix」。やっぱし出だしに良い曲持ってくるってのはお約束なんですかね〜。ネオクラが好きな人は一度聞いてみたらいかが?


BOREALIS
(ボレアリス)
出身地‥‥カナダ
ジャンル‥‥プログレッシブメタル

FALL FROM GRACE / 2011年作 / 80点
カナダ出身のプログレバンドの2枚目。
難しい演奏で聞き手を惑わすタイプではなく、SERENITYやCIRCUS MAXIMUSと同系統の「キャッチーなメロディ」をメインとしたスタイルです。
確かに変拍子があったり、急にペースチェンジする事はあるものの、プログレというほどではなく、普通に「メロパワ」と呼んでも差し支えないように感じるほど、曲は分かりやすいです。
各楽器はもちろん、Voもムーディに歌い上げる力量を持っており、演奏面では何一つ問題はありません。
さて、となると「メロディ」になるんですが、なかなかに悪くないです。抒情的でミステリアスな雰囲気な良く出ていたと思います。んが、どれも平均的な出来映えでイマイチ「ガツンッ!」と来るものが無かったかな、というのが正直な意見です。ほぼ全ての曲がサビでトーンダウンする為どの曲も同じに聞こえるという弱点もあり、今後はその辺りを改善していくべきかなと思います。
お気に入りは「Words I Failed To Say」。サビのメロディがカッコ良いです。
まだ改善する必要はあると思いますが、レベルは既にかなり高いので、これからに期待が持てそうです。


BRIDE ADORNED
(ブライド・アドーンド)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥‥シンフォニックメタル

BLESSED STILLNESS? / 2004年作 / 82点
フィンランド出身のゴシックシンフォニックバンドの1枚目。ちなみにVoとDrがTOC(スローン・オブ・ケイオス)の人です。
その音楽性はラプソディに決して引けをとらない程の超ド級シンフォニックメタル。コーラス部隊もしっかり待機しております。
しかしながら、ファンタジックな感じではなく、ゴシックのような暗くて重い路線なのが最大の特徴。勇壮に闘う戦士の姿はほとんど無く、ドラキュラ城で正装したヴァンパイア達が合唱してるかのよう。スピードも早くありません。また、展開が非常にプログレッシブで、一度聞いただけではよく分かりません。こういう時シンフォニックってのは面倒やね。
ですが、決して飽きず、何度も聞こうとさせるメロディの良さがあります。昂揚感を感じるメロディではないんですが、ゴシック的雰囲気は非常に出ていてGOOD。個人的にはディヴァイン・ファイアよりもうんと好き。
お気に入りは「KILLING FROST」。哲学者が聞いたら激怒しそうなタイトルですが、展開が分かりやすくて好き。この路線で行くバンドは少ないので、これからも続けてほしいですね。


BRUCE DICKINSON
(ブルース・ディッキンソン)
出身地‥‥イギリス
ジャンル‥‥メディック・パワーメタル

SKUNKWORKS / 1996年作 / 60点
アイアン・メイデン最強Vo、ブルース・ディッキンソンの3枚目のソロアルバム。
本作で聞けるのはメイデンとはまったく異なる、普遍的ハードロック。メタルらしい叙情性はまったく感じません。タイトルからしてそうだもんね。
ブルースの歌唱力はメイデンで実証済みだし、他の楽器も皆とても美味いです。ハード系の曲もあるし、カントリーみたいな曲もあって、なかなかバラエティ豊か。
ただ、やっぱりこういう「普通」の作品ではあまり満足出来ません。彼個人のアルバムを聞くのはこれが初めてなんですが、ハードロックアルバムとしても歌メロが地味めだし、やっぱメタルよりの歌を歌ってほしいと痛感します。こういうのはそれ専属でやってる人に任せればいいかな、と。もしくはメイデンのボートラとか?(それは良くないかな?)
お気に入りは特に無し。500円で叩き売られていたので、どんなんかなって気持ちで買ったんですが、損した気分です;;

ACCIDENT OF BIRTH / 1997年作 / 85点
4枚目。
いきなり3枚目から聞いて失望したんですが、本作はブルースの声が最も似合うヘヴィ・メタル路線になっており、一安心。
音楽的にはアイアン・メイデンからプログレ臭を無くし、よりヘヴィにした感じです。要は実に正統なメタルって事です。しかし、ロイ・Z、メイデンからの助っ人エイドリン・スミスのGtのお陰か、ヘヴィでありながら、クラシカルかつ叙情的なメロディも数多く用意されていて、プログレ臭がきつくなりつつある最近のメイデンよりも、刺激的な作品になってると思います。
疾走曲はありませんが、どれもフックに富み、キレがあって、実に格好良いです。アコギの使い方も上手いし、前述したようにGtメロが良いので最後まで飽きません。まあ、個人的にはもう少し大仰なコーラスとかが入っててもいいように思いましたけどね。
お気に入りは「DARKSIDE OF AQUARIUS」と「ROAD TO HELL」。前者はGtメロがとってもナイスな曲、サビメロもGOOD。後者はもうモロメイデンチックな曲。でもやっぱり好きなんです。
メイデンが好きじゃなくても聞く価値ありの作品だと思います。

CHEMICAL WEDDING / 1998年作 / 86点
5枚目です。
前作に比べるとヘヴィさが倍増しになっており、重厚感、こってり感がじゅわ〜っと滲み出た作品になってます。
曲調も前と比べると若干暗めにはなっているんですが、ロイ・Z、エイドリアン・スミスの紡ぐ美旋律てんこ盛りのGtメロディも相変わらず健在で(これ、メチャ大事です)、結果より味わい深い作品になってると思いました。
ブルースも絶好調で、普通に歌うのは勿論、叫びにも似た歌唱も披露しており、やっぱトゥルース・メタル・シンガーは凄いね、と頷くばかり。
疾走感は更に減ってしまいましたが、質そのものは確実にレベルアップしてると断言出来るでしょう。
お気に入りは「CHEMICAL WEDDING」と「JERUSALEM」。前者は歌メロNO1、後者GtメロNO1。どっちも好きです☆

TYRANNY OF SOULS / 2005年作 / 86点
7年ぶりになる6枚目。
ヘヴィ路線をそのまま推し進めたようなスタイルで、サビや間奏では相変わらず流麗なGtソロなどが入ってます。要は変わってません。7年も歳月が経ったとは思えませんね‥‥。ちょっとバラエティに富んだ感じにはなってると思いますが、あくまで「ちょっと」。
前が好きなら今回も買いっす。
お気に入りはは「DEVIL ON A HOG」。彼の中では珍しいどこかたおやかな雰囲気のするミドルナンバーです。


BULLET FOR MY VALENTINE
(ブレット・フォー・マイ・バレンタイン)
出身地‥‥イギリス
ジャンル‥‥メタル・ハードコア

THE POISON / 2005年作 / 82点
イギリス出身のメタル・ハードコアバンドの1枚目。
やっている音楽は最近顕著に人気になり始めてきたメタル・ハードコア。ノーマル、デスVoの使い分け(それぞれ別人が担当)、スラッシュ気味に炸裂するツインGt、重くタイトに決めるBaとDr。
祖国の英雄、アイアン・メイデンの影響を感じさせるリフも所々にあるものの、系統的に一番近いと感じたのはアメリカのアンアースですね。リズムはちょいフューネラル・フォー・ア・フレンドっぽくもあるかな。まあ、これだけバンド名書けば、彼らの音像を想像するのは簡単だと思います。
迫力は満点だし、ザクザク刻まれるGtは心地良い。またツインGtで叙情性をアピールする、意外としっとりと聞かせるような箇所もあるのもなかなかに良いですが、やっぱし叙情性皆無のエモい歌い方が苦手でそこがどうしてもダメなんですよね(アンアースとフューネラル〜はGtが最高に良いから許す!)。いっその事デスVoだけでも良かったんじゃないの? とも思います。デスVoはメッチャ格好良いんですけどね。
お気に入りは「4 WORDS (TO CHOKE UPON)」。この曲のエモい歌い方だけは好き。
歌メロ、改善‥‥しないんだろうなぁ。というか「善」ってのはおかしいか。

SCREAM AIM FIRE / 2008年作 / 91点
2枚目。
正直前作は私にとって「メタルハードコア系バンドの一つ」程度のインパクトしか与えなかったのですが、本作は驚異的なパワーアップが図られており、一気にメタルコア系バンドのトップクラスに躍り出たと思います。
マシュー(Vo&Gt)が喉を痛めた為、スクリームする場面はかなり減ってしまいましたが、それを補って余りある程、充実した作品になってます。
まずは歌メロです。エモい歌い方も様になってきて、弱々しい印象も消え去り、かなりカッコ良くなってます。減ってしまったスクリームも適材適所と言った感じで効果的に用いられており、これが非常に良い感じです。
そして何よりもアグレッションが凄いんです。メタルコア系にしては珍しい程、ほとんどの曲が爆走しております。しかも無闇に突っ走るのではなく、緩急のあるフックが満載でクールなリフも目白押しで決して聞き疲れしません。
このクールなリフ満載ってのがポイントで、後半になってもトーンダウンする事無く、むしろ後半になる程面白いリフが増えていくのが素晴らしいです。
お気に入りはかなり多いです。OPを飾る「SCREAM AIM FIRE」、メジャーコードが新鮮な「HEARTS BURST INTO FIRE」、ダークなメロディが爆走する「WAKING THE DEMON」、とにかくリフがカッコイイ「TAKE IT OUT ON ME」、Gt、Dr共に限界にチャレンジしたっぽい「LAST TO KNOW」等々。どれもシングルカット出来るレベルです。
メタルハードコアとか、そんなジャンルはこの際どうでもいいです。最高にクールでカッコイイへヴィメタルアルバムを聞きたい人はこれを手に取るのだ!

FEVER / 2010年作 / 78点
3枚目。
前作は凄まじい爆走とクール過ぎるリフの嵐にすっかり参ってしまいましたが、本作はマシュー・タック曰く「ハードロック調になる」との事で、その通りの「ミドルテンポメインのメタルっぽいハードロック」になっていました。
スピード感の壮絶な減退、エモっぽい歌い方への出戻り(デスVoの少なさも関係あり)など、個人的に賛同出来ない変貌を遂げており、正直良かったと思ったのはクールなリフのみ。
例えスピードがダウンしても歌い方がエモっぽくてもメロディが良ければ許せたのですが、どの歌メロも実に微妙。パッと聞いて印象に残ったのは2〜3曲程度でした。ああっ、もう「Scream Aim Fire」のような曲が聞けないと思うと残念で仕方ありません。
世間の評判は上々のようですが、個人的には2枚目の方が遥かに良かったと思います。
お気に入りは「The Last Fight」。前作に入っていても違和感の無い1曲。本作の中でも最も凶暴な1曲でもあります。
う〜ん、次はどういう作風になるのか、不安です。

TEMPER TEMPER / 2013年 / 68点
4枚目。
前作で一気に歌モノスタイルに変貌した彼らですが、本作は更にその方向性が推し進められていて、私が傑作だと思っている2枚目とはかなり違う作品になっています。
ガリガリと弾きまくられるGtリフはカッコイイとは思います。ただ、歌メロが良くない。個人的な意見ですが、マット・タック(Vo&Gt)のノーマルVoってあんまりカッコ良くないんですよね。妙にナヨナヨしてるって言うか‥‥。だから、彼にはずっとスクリームして欲しかったんですが、本作はほとんどノーマルVoで歌われており、つまりその時点であまりカッコ良くないっていうね‥‥。
ちょっと評価の軸が反れてしまいましたが、とにかく「歌メロがイマイチ」という事は間違いなく、そして本作が「歌メロがメイン」という事も間違いない為、結果的に「イマイチな作品」だったと思います。Gtリフがカッコイイだけで惜しいなって思います。
お気に入りは「Whole Lotta Rosie」。AC/DCのカヴァーです。しかもライブバージョンです。やっぱカッコイイね、AC/DCのリフってw
次はまた激しくなっていてほしいな‥‥。


BURNING IN HELL
(バーニング・イン・ヘル)
出身地‥‥ブラジル
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

BURNING IN HELL / 2004年作 / 79点
ブラジルのドラゴンフォースこと、バーニング・イン・ヘルの1枚目。デビューはこっちの方が早かったのにね。
で、その異名の通り、終始ド疾走をぶちかますメロスピです。ドラフォと違う点はKeyが使われていない事、爽快感ではなく男らしさが主張されているという事の2点。Voは下手ではないけど、そんなにうまくもないです(特にハイトーンが力みすぎ)。
で、とにかく早いです。スピード感で言えばドラフォにまったく引けをとってないです。ですが、やはりドラフォの壁を崩すのは難しい。何か突き抜けた感が無いんですよね。
ドラフォはキ○ガイとまで形容されるほど、早く、間奏が無駄に長く、そしてキャッチャーでした。このバンドもそうなんだけど、ドラフォを聞いた後だと、歌メロの地味さ、テクニックの若干の聞き劣りなど、粗雑さが目立ちます。国内盤が出るクオリティである事は十分に認めますけどね。
お気に入りは「SHADOW OF THE WARS」。ドラフォ似の爽快疾走曲。アングラのキコ・ルーレイロ(ゲスト)が本家以上に弾きまくっていますが、そうでなくてもキャッチャーでGOOD。長い下積みがあったり、メンバーが自殺してしまったりと苦労している事は同情したいけど、もう一歩。更なるグレードアップを期待してます!

BELIEVE / 2006年作 / 50点
ブラジリアン・ドラゴンフォースの2枚目。
新加入のGtが早弾きのギネスに認定された事でちょっとだけ話題になった本作。前作同様、超高速のメロスピに変わりは無く、一心不乱にただただ突っ走る様は圧巻。
ギネスGtはさすがに早いです。更にBa(この人も新加入)も凄まじく、この2人の驚異的なテクニックを聞くだけでも価値はあるかもしれません。
んがしかし、やはりそれだけでは高得点はつけられません。いくら人間離れしたテクが賞賛されるメタル界であろうとも、根底の「歌」が良くなくては何の意味もありません。
正直、このバンドはテクだけをひたすらに磨き、肝心の歌(メロディ)という部分を置き去りにしてしまってる気がします。リフがほとんど無く、ABメロでも終始ピロピロしっぱなしなのが何よりの証拠。例え本人達はそう思ってなかったとしても、私の耳にはそう聞こえました。
お気に入りは「BELIEVE」。本作の中では唯一と言っていい普通のリフが聞ける曲。後は鬱陶しいだけ。


BURNING POINT
(バーニング・ポイント)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル

FEEDING THE FLAMES / 2003年作 / 86点
ドイツのジャーマンメタルバンドの2枚目。普通に良いと思います。

その音楽性はKey無しの純度100%の正統派。ジューダス・プリーストなんかと比べるのが一番的確なんでしょうね。
で、各楽器は問題無いし、Voも渋い声でなかなか出来ています。これと言って難癖つけたい所は無いですね。
で、楽曲の方ですが、1曲目「INTO THE FIRE」。これがメッチャ格好良い。最初のマッチをする音からしていいですね〜。早いし、サビもキャッチャーだし。
でもその後はいまいちパッとしないです。決して悪くはないんですが、一曲目に比べると地味という感じが否めないんですよね。ミドルテンポの曲が多いというものちと……。
「INTO THE FIRE」並みの曲があと2曲あれば間違いなく90点台に行けたでしょう。残念。ですが、正統派が好きな人なら間違いなく悪いと思う事は無いと思います。何か、中古だと結構安いみたいですし、買ってみてはいかが?

BURNED DOWN THE ENEMY / 2007年作 / 83点
3枚目。
前と全く変わっていません。トレードマーク(?)の炎の如く、熱いメロパワを聞かせています。
それにしても、このバンドは珍しいと思います。その理由は「疾走よりもミドルの方が良い」という事。元々疾走がメインではない事は分かっていましたが、にしてもここまでミドルナンバーの方が良いと思えるバンドも珍しいです。
本作でも「Parasite」というお決まりの疾走曲がありますが、個人的にはそれよりも「Heart Of Gold」や「Dawn Of The Ancient War」と言った雄々しいミドルナンバーの方が素直にカッコイイと感じました。
演奏もタイトで良いし、Voも渋くてこのスタイルを歌うには非常に適していると思います。
お気に入りは前述した「Dawn Of The Ancient War」。コーラスが壮大で聞いてて実に気持ち良いです。
あまり話題にならないバンドですが、メロパワファンなら聞いて損無しのアルバムだと思います。

EMPYRE / 2009年作 / 85点
4枚目。
ジャケットにしろ、音楽性にしろ、ここまでまったく変化無しってのも珍しいと言えば珍しいですね。GRAVE DIGGERのようです(笑)。
しかし、それがダメなんて事は全然無いわけでして、相変わらずミドルでのフックやメロディ作りの上手さは見事です。疾走曲も数は少なめですが、しっかりと出番があり、文句の言い様の無いアルバムだと思います。
‥‥言う事が無いとか、そういう突っ込みはしないでください。だって本当にそうなんだから仕方ないじゃないですかっ!
お気に入りは「Manic Merry-Go-Round」。サビで一気にキーが上がる部分が最高です。気持ちも一気に上がってしまいます。
安定したバンドですので、これまでが好きな今後も好きでいられるはずです!


BWO
(ビーダブルオー)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥‥エレクトロ・ポップ

SUNSHINE IN THE RAIN / 2009年作 / 89点
スウェーデン出身のエレクトロ・ポップバンドの日本デビュー作。
メタルレビューであるこのコーナーに「エレクトロ・ポップ」と言う訳の分からんジャンルの作品を載せてしまったわけですが、決して侮ってはいけません。哀愁のメロディを好む人はきっと気に入る作品だと思います。
超イケメンのVoと、実はかなりの歳らしいおねーさんと剥げのオッサンというプログレッシブな面々がやってる音楽は生音など一切無い、エレクトリックなポップです。ライナーではABBAやペットショップボーイズと比べられており、確かに似ている部分もありますが、若い人にはそれよりも「メロディの良いPerfume」と言った方がしっくり来るのではないか、と思います。
ダンサンブルなリズムにピコピコとしたサウンド、そこに流れる心をくすぐるメロディ。生音を好む私がこの作品を手にしたのはとにかくこの歌メロです。「HEAVENLYがポップを歌ったらきっとこうなるな」と超個人的に思った哀愁と切なさ満載のメロディが兎にも角にも素晴らしいんです。素晴らしいメロディがあるなら、後ろが生だろうかデジタルだろうが気になりません。しかし癖になるなぁ、このメロディは。頭から離れん!
何でも本作は純粋なオリジナルアルバムではなく、ベストアルバム的作品らしいのですが、それ故に彼らのメロディが頭から尻尾にまで詰め込まれており、お腹いっぱいです。
お気に入りは「Lay Your Love On Me」「Gone」「Give Me The Night」の3つ。「Lay〜」は本作最大のキラーチューン。このサビ、たまりません! 「Gone」のサビも切なすぎです。「Give〜」はPerfumeがまんまやってもおかしくないようなピコピコサウンドが癖になります。

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