DARE (デアー) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() OUT OF THE SILENCE / 1988年作 / 80点 |
|
アイルランドの伝説のバンドTHIN LIZZYの元Key・ダーレン・ワートンがVoを務めるメロディアス・ハードバンドの1枚目。彼がイギリス出身なので出身地はアイルランドではなくイギリスにしてあります。 さて、フワフワとしたKeyをたっぷりと入れたメロディアスなロックをやっております。(これを書いてる現在から換算し)既に20年も前のアルバムなので、Keyの音色やメロディ運び、コーラスの雰囲気にやや古臭さは感じますが、女性ならトキメかずにはいられない哀愁漂う歌声、心を癒すアイリッシュなメロディはいくら時代を重ねても素晴らしいと思います。 まだまだ歌メロが充実していませんが、これからに期待です。 お気に入りは「INTO THE FIRE」。このコーラスは日本人じゃ作れないって感じました。 |
|
![]() BLOOD FROM STONE / 1991年作 / 80点 |
|
2枚目。 前作は「へヴィさが無い」と酷評される事もあったらしく、本作は前作とは一転してハードな仕上がりになっています。後にTENで才能を発揮する事になるヴィニー・バーンズ(Gt)の早弾きが随所に見られ、Drなども迫力が格段にアップしております。 ただ、方向性が変わろうともアイリッシュなメロディは健在。前作のような幻想的で透明感のあるアイリッシュではなく、ゲイリー・ムーアのようなパワフルさの中に大地の香りを強烈に感じる事が出来、これはこれで非常に良いです。 まあ、後半に行くに従ってどんどんアメリカンになっていくのは正直頂けないですが、これはこれで初期BON JOVIっぽくて嫌いじゃないです。 お気に入りは「WALK ON THE WATER」。こういうコーラス物に弱いんです。 |
|
![]() CALM BEFORE THE STORM / 1998年作 / 90点 |
|
7年もの歳月をかけて出た3枚目。 前作のハードな作風は再びなりを潜め、1枚目に近い感触に戻っています。しかし、1枚目から既に10年もの時が経っているわけでして、ただ単に回帰するだけでなく、アコギやピアノなどを効果的に使用するようになっており、音質も今風(?)にグレードアップ。 ダーレンのVoも変わらず女泣かせだし、脱退してしまったヴィニー・バーンズの代わりの人(アンドリュー・ムーア)の泣きGtもかなり良い感じです。間違い無く過去最高の作品だと断言出来ます。 それにしてもこの作品から感じる胸を締め付ける木枯らしのメロディの素晴らしい事と言ったら言葉では表現しきれません。灰色の曇り空の下、無限に続く黄土色の草原を傷心気分で歩いているような、この「心の潤う切なさ」は本当に良いです。涙が出てきます。 お気に入りは「ASHES」。この哀愁は反則すぎる! でも泣いてしまう!メロディマニアは聞かずして死ぬな! |
|
![]() BELIEF / 2001年作 / 83点 |
|
4枚目。 前作と同じケルティックな味わいを滲ませるメロハーで、ロックな部分は更に後退してますが、根底にあるものは変わってません。元々ロックンロールなバンドじゃなかったですし。 ダーレンの女泣かせの哀愁Voや時折強烈に咽び泣くGtなど、決して悪くはないんですが、歌が更に前面に出るようになり、ちょっとライトな雰囲気の曲も目立つようになったりで、「人気ポップスグループのバラードだけを集めました」みたいな感じに聞こえなくもないです。 メロディも前作に比べるとやや切なさが足りないように思います(こんな事思うの俺だけかなぁ?)。あと、Drがちょっと野暮ったい気が‥‥。 文句を並べてしまいましたが、緑の大地を慈しむ悠久のメロディの質自体はやっぱり高いので、人によっては前作以上に名盤と言えるかもしれません。 お気に入りは「SILENT THUNDER」。1発目が私にはハイライトでした。全部聞いて思いましたけど、このアルバムってHR/HMのどっちでもない気がするんですけど、いいのかな? |
|
![]() BENEATH THE SHINING WATER / 2004年作 / 86点 |
|
5枚目。探していたのですが、なかなか見つかりませんでした(汗)。 さて、方向性は勿論変わっておりません。蒼色の草原をゆっくりと歩いているような壮大で哀愁漂う世界観は不変で、本当癒されます。 前作よりも音がダイナミックになっており、これまではロック作品としてすら見られないような感じでしたが、ようやくDrの音などにも迫力が出てきたように思います。 とは言え、このバンドのメインはそんな所ではなく(笑)、ダーレン・ワートンのセクシーVoによって紡がれる悠久へと続く雄大なメロディです。基本どの曲も同じリズム、同じ雰囲気、同じメロディで、聞き分けるのは大変難しいんですが、逆を言えばどの曲も常にハイクオリティであるという事です。まあ、3枚目からずっとそうでしたけど。 んが、サビメロのパンチ力で言えばやはり名盤『CALM BEFORE THE STORM』には今一歩追い付いていないという感じでした。雰囲気だけで終わってしまう曲が多かったように思います。 お気に入りは「SEA OF ROSES」。「バラの海」ってタイトルだけで既に悶絶ですが、映画のEDやアニメの最終回なんかで流れたらもうたまらないって感じの曲です。 毎回同じで、変わり映えしないですが彼らはそれで良いんです。これからもこの路線で私を癒してください。 |
|
![]() ARC OF THE DAWN / 2009年作 / 83点 |
|
5年ぶりとなる6枚目。 相変わらずの音楽を見事に受け継いでいます。若干ですがロック色が強くなったかな、とも思いますが、それでも全然非力です。まあ、私が期待しているのはそんな事ではなく「胸が締め付けられるようなケルティックメロディ」だったので、ロックなんぞどうでもいいのですが。 ただ、そのメロディに関してもこれまでの作品を超えるには至っていなかったと思います。どれも悪くないのですがどれも平均的で、「一撃の1曲」を見つける事は出来ませんでした。また、明るめの曲が何曲かあり、これらはほぼ全てNG。売れ線バンドのバラードみたいでつまらないです。んなの求めてないってば! 方向転換しろとは言いませんが、もう少しメロディを考えてほしいなと思います。 お気に入りは「Follow The River」。これが一番胸に来ました。しかしこれも「Silent Thunder」などに比べたらまだまだだと思いますが(汗)。 文句ばかり言っちゃいましたが、これは愛しているが故の事。相変わらず国内盤は出ないですが、ずっと応援していきたいので次こそ再び傑作を! |
DARKANE (ダーケイン) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() INSANITY / 2001年作 / 80点 |
|
元アーチ・エネミーのDrピーター・ウィルドアー率いるメロディック・デスラッシュバンドの2枚目。 簡単に言ってしまえば「5倍早いアークエネミー」。通常はゴリゴリのリフでブルドーザーのように突き進みながら、サビになるとクリーンVoさえも取り入れ、ドラマチックな旋律が乱舞するというスタイルはアーエネの特徴と非常に酷似しています。 ただDrがリーダーなだけあり、その手数の多さ、テクニックは流石の一言。あらゆるものを木っ端微塵にしながら猪突猛進していくパワーはこのDr無くしては有り得ません。 ただ、アーエネに比べれば(当然ですが)泣きGtは頻度が低いし、一気に聞くには相当の体力を要する作品でもあります。でもまあ、アーエネの真似をする必要は無いし、聞き終えた後の爽快感はかなりのもんだと思います。 お気に入りは「DISTRESS」。3分30秒間、一心不乱に爆走するナンバー。これ聞いてる時に目の前に嫌いな奴がいたら間違いなく渾身の力でぶん殴るでしょうね(笑)。 |
|
![]() EXPANDING SENSES / 2002年作 / 85点 |
|
3枚目。 まず、どこか雑然としていた音がここに来て一気に整理されました。この音の質はインフレイムスの「REROUTE TO REMAIN」を彷彿とさせます。ジャケのセンスもそんな感じですし、そもそもプロデューサーが同じだったりします。 しかし、そんなモダンさが一気に増えたにも関わらず、馬鹿馬鹿しいまでの爆走は一切やめていないのが素晴らしいです。 ハイスピードの部分でも難なく聞けるプロダクション、グロウル、デス、そしてクリーンVoも場面場面で使い分けてて聞きやすいし、ツインGtのハーモニーもキュッと締まっていると思います。 お気に入りは「SOLITARY CONFINEMENT」。スラッシュっぽいインフレイムスメロディが格好良いです! |
|
![]() DEMONIC ART / 2008年作 / 70点 |
|
4枚目をすっ飛ばして5枚目。 3枚目の方向性を更に尖らせたような感触で、はっきり言ってしまえばメロディはつまらないものが大半です。 しかし「まるで機械か?」と思ってしまうほど正確で計算され尽くしたスーパーテクニカルな演奏には恐ろしい程に聞き応えがあり、例えメロディがつまらなくても最後まで聞きたいと思えてしまうのが凄いです。 特に(そしてやっぱり)Drのピーターは凄い。凄すぎる。怒涛の連打から超プログレッシブな変拍子まで完璧にやってのけてます。プログレ色が強いのでリズムには乗れないんですが、じっくりと聞きたくなってしまいます。 メロディが凡庸以下なので、点数的には上記になってしまいますが、テクニックは神レベルなので、そちら目的で聞きましょう。 |
DARK LUNACY (ダーク・ルナシー) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥ゴシック・デスメタル |
![]() FORGET ME NOT / 2003年作 / 83点 |
|
イタリア出身の4人組、ゴシック・デス・メタルバンドの2枚目のアルバム。 ツインギターとブラストによるリズムと激烈なデス声が基本ですが、本作の最も凄い所はその間、バックで始終バイオリン、チェロなどの弦楽器が切ないメロディーを奏でている事です。 ゴシックは本来とろーいものと思いがちですが、この作品はスピード感はあるのに、後ろの楽器郡のメロディーがゴシックらしい耽美で異様なほどの悲壮感を漂わせてます。このマッチングは見事の一言。 そのメロディーといったら、凄い。例えるなら「死ぬ直前の死神に天使が優しく微笑みかけて、さあ死になさい、と頭を撫でてる」って所。・・・分かりにくいっすね。とにかく、筆舌極まるその悲しいメロディーラインは言葉では表現できません。 声はかなりきつめだし、ブラストというのも一般人にはなかなか受け入れられないものですが、それらが大丈夫な人は是非この「限りなく死に近い生の叫び」を聞いてもらいたい。いい意味で死にたくなるアルバムです(笑)。 お気に入りは「Die to Reborn」。ヴァイオリンメロは最高です。 |
|
![]() THE DIARIST / 2006年作 / 83点 |
|
3枚目です。 今回はコンセプトアルバムで、第二次世界大戦での「レニングラード戦」を綴った日記に基づいた作品になってるとか。で、内容は弦楽器の出番が大幅に減り、ゴシックさはかなり減退。代わりによりメタル度が上がっており、スラッシュメタルに半ば無理やりゴシック要素をぶち込んだと言っても良いような出来になってます。 メタル雑誌「Burrn!」にも書いてあったように、彼らの音楽は「メタル楽器と弦楽器の融合」ではなく「対比」にあると、本作ではっきりと分かりました。 確かにメロディアスだとは思いますが、悲惨な物語をガリガリのGtでやられてもあんまし雰囲気が伝わってこないというか‥‥。SEを入れたり、メロディアスは部分は前作よりもよくなってると思いますが、全体的に聞いて私は彼らの目指す音楽とソリが合わないんじゃないかと感じました。 お気に入りは「SNOWDRIFTE」。一番メロディアスなナンバーだと思います。 個人的には前の方が好きでした。次はどうなるのかな‥‥。 |
DARK MOOR (ダーク・ムーア) |
出身地‥‥スペイン ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() THE HALL OF THE OLDEN DREAMS / 2001年作 / 90点 |
|
情熱の国、スペイン出身の6人組みバンドの2枚目のアルバム。スペインだけど、歌詞は全て英語。 音楽はコッテコテのネオ・クラシカル。キーボードをたっぷり使ったドラマチック疾走曲のオンパレード。しかも、メロディはかっちょいい。しかしこのバンドの一番の特徴はネオクラ疾走バンドでありながら、女性ボーカルという事だと思います。ジャケだとちょっと分かりづらいし、一聴しても女性ボーカルだとはなかなか気づきにくいですが、その中性的な声が、これがまた雰囲気を盛り上げてくれるんです。 内容はとにかくエピック性が強く、ジャンヌダルクをテーマにした曲や、ノートルダムの鐘をテーマにした歌もあります。コンセプトアルバムではないんですが、どれもドラマチックで素晴らしい。 まだまだ垢抜けていない所もありますが、そこがまたマニア心をくすぐってくれるんです。洗練されてしまうと、コッテコテ感はどうしても減っちゃうんだよね。 世間では「Silver Lake」や「Byond The Fire」の評判が高いですが私は何と言っても「Maid of Orleans」。サビメロが凄く分かりやすくてついつい歌っちゃいます。 |
|
![]() THE GATES OF OBLIVION / 2002年作 / 88点 |
|
3枚目。ちょっと方向性に変化あり。クサメロが減り、楽曲がタイトになりました。でも、正統な進化でしょう。 クサメロが減ったと言っても普通のバンドとはやはり格が違います。普通の基準からすればクサクサです。前よりもスピード感が増え、よりメジャー級になりました。ヴォーカルのエリサ嬢の声も前よりもよくなり、たまにですが、女っぽい声も出すようになりました。まだ男っぽいけど。 演奏も皆上手になりました。その分クサメロが減りましたが、純粋に演奏だけ見れば非常に上手いです。お気に入りは「Starmaker」と「Your Symphony」。バラードが良くなりましたね。私としては前作の方がいいと思いましたが、これはこれでいいアルバムです。 |
|
![]() DARK MOOR / 2003年作 / 70点 |
|
メンバー大半(3人)が脱退! ダーク・ムーアはこれで終わったかと思いましたが、見事復活。 しかも今回は男性ヴォーカルを迎えています。その声が中性的でいい声です。ですが、やっぱりメンバー交代の穴は大きかった。前までのクサさを盛り上げるキーボードが明らかに野暮ったくなっています。また、大仰なコーラスを取り入れていますが、どうにもしっくりこない。 曲自体はそんなに悪くはないんですが、前までのようなタイトでスマート、でもクサいという音と比べると、つまらないですね。お気に入りはあえて言うなら「Wind Like Stroke」。メロがまあまあいいです。このバンドを聞くなら2ndを勧めます。くどいけど、悪くはないよ、本当に。 |
|
![]() BEYOND THE SEA / 2005年作 / 74点 |
|
5枚目。エリサ達が脱退してから途端につまらなくなったので聞いてなかったんですが、安く売ってたので買ってみました。 前は混乱っぷりが音も出ていたのか、本作の方が良くまとまってると思います。とは言え、以前までのシンフォニックでクラシカルな面影はやっぱり薄く、より伝統的なメタル、もしくはハードロックに接近した感じ。「HOUDINI’S GREAT ESCAPADE」のイントロ、間違いなくモトリー・クルーからパクっただろうと言えちゃうし(笑)。 確かに1曲1曲の完成度は高いですね。これが新人なら「こりゃ凄い!」と言ったでしょう。しかし、ダーク・ムーアのアルバムとして聞くとやっぱ地味ですね。クラシカル以前に疾走曲がガクンと減ったのが痛い。テクニックがいいだけに残念。 お気に入りは「THE SILVER KEY」。最も「今までらしい曲」だから。彼等からクラシカルと疾走を取ったら特徴無くなっちゃうじゃん、と改めて思います。出来れば戻ってほしいけど、その気が無いなら、もっと激メロを用意してくれ! |
|
![]() TAROT / 2007年作 / 89点 |
|
ジャケのSEXYおねーさんがナイスな6枚目。 タイトルの通りタロットカードの絵柄をモチーフとした曲が並んでいます。しかし、個人的に重要なのはそこではなく(笑)、楽曲に以前のクラシカルさ、つまりクサさが戻ってきているという事です。 ただ、それは単純に2〜3枚目に戻ったというわけではなく、脱皮を試みていた4〜5枚目を見事に通過したからこそ成し得た、私なりの言葉で言えば「垢抜けたクサさ」に溢れているのです。 初期RHAPSODYをそのままグレードアップさせたかのように壮大なストリングスやクワイアを用いながらも、キラキラとしたKey、クサメロを紡ぐGtも頻繁に登場するという理想的なスタイルで、曲も「The Star」や「Wheel Of Fortune」を筆頭にどれも秀逸な出来栄え。「Lovers」なんかは初めてVoがアルフレッドで良かったと思える程素晴らしい曲ですし、ほとんどクラシックのカヴァーと言っても過言ではない「The Moon」なんかはドラマチック過ぎて呆然としてしまいましたわ。 疾走感もメンバーチェンジ後のアルバムでは最高だし、演奏も垢抜けたし、何より曲のドラマ性が格段にアップしました。サントラと化しつつあるRHAPSODY OF FIREの残したシンフォニックメタルを正当な後継者はやはり彼らだ! と胸を張って言えそうな秀作です。 |
|
![]() AUTUMNAL / 2008年作 / 92点 |
|
7作目。 前作で見事な復活を遂げた彼らですが、本作では更なる進化が伺えます。 まず何と言ってもシンフォニック度の大幅なアップが挙げられます。かのRHAPSODY OF FIREをも凌駕せんとする圧倒的なオーケストラアレンジはリーダーのエンリク(Gt)曰く「ロック・オーケストラ・バンド」なんだとか。 そんな感じでメジャー級になったのはいいんですが、RHAPSODY〜と同じようにシンフォニックさが前面に出ている為、GtやDrなどのメタル楽器が奥に引っ込んでしまっており、メロスピ的な分かりやすさ、キャッチーさも案の定減退。 しかし、その分クサいシンフォニックアレンジが爆発しており、私個人としては過去最高の出来だと思います。 お気に入りは「Phantom Queen」。イントロがメチャクチャワクワクする上にサビメロが非常に良いです。凄いクラシックしてますけど。文句の方が多かった気がしますが、久々に定価で買っても損してないと思えたアルバムである事は確かです。 |
|
![]() ANCESTRAL ROMANCE / 2010年作 / 88点 |
|
8枚目。 前作と同じ路線を踏襲しており、オーケストラをふんだんに使ったドラマチック極まりないシンフォニックメタルは変わらずです。勿論、期待を決して裏切らないクッサクサなメロディも山盛りです。 ただ、前作に比べると若干ですが音が「しょぼく」なっており、前作のような「壮大さ」はあまり感じられませんでした。 タイトルにもあるように全体的に「ロマンチック」になっており、それがファンタジー映画やRPGゲームで感じられる「勇壮さ」「激烈さ」を抑えてしまったのかもしれません。 とは言え、彼らに求められているであろう音像はしっかりと描かれている事に変わりありません。今の彼らの典型的ナンバー「Love From The Stone」、「Mio Cid」。本作中最もハードなメタルナンバー「Ah! Wretched Me」、美しくも凛々しいバラード「Tilt At Windmills」「A Music In My Soul」などは、彼らが好きな人だったら間違いなく好きになると思います。 まあ、「Phantom Queen」に敵う曲は無かったんですけどね(汗)。 お気に入りは「Tilt At Windmills」。凄くロマンチックな音色のバラードナンバー。ハードなナンバーよりむしろこういうしっとり聞かせる曲が光ってましたな、本作は。 もはや、すっかり「新しい路線」に定着した彼ら。これ以上は変わらなくていいので、このまま良い曲をたくさん作っていってもらいたいです。 |
|
![]() ARS MUSICA / 2013年作 / 80点 |
|
9枚目。 特に大きな路線変更は無く、激甘のシンフォニックメロディックメタルです。 ただスケール感は更に減退しており、メロディは良いものの、緊張感・ドラマチックさはあまり感じられませんでした。恋人達の語らいのようであって、戦いの物語ではないって感じです。 う〜ん、こういうのを求めてたんじゃないんだけどな‥‥。もっとメタリックでシンフォニックがいいんだけどなぁ。十分にメロディアスなだけに、そういった装飾を施すだけで劇的に変わりそうな気がする。凄く惜しい気がします。 お気に入りは「First Lance Of Spain」。イントロに続く2曲目。個人的にはこの曲がハイライト。だけど、これでも相当「大人しめ」な曲だったと思います。 メロディは好きだけど装飾が気に食わない、そんなアルバムでした。 |
|
![]() PROJECT X / 2015年作 / 70点 |
|
10枚目。 方向性としてはここ最近の「激甘シンフォニックメタル」のままで、むしろ更にマイルドになっておりメロハー的な雰囲気すらあります。コーラスなどはQUEENっぽいですね。 個人的にはメロディが良いなら多少メタル要素が減ってもいいかな、と思っていたんですが、これはいくら何でも減りすぎです(汗)。疾走曲など一曲も無く、激しい曲もほぼ無し。メロハー的と言いましたが、更に上を行ってAORと言っても良いような気すらします。 ただそれでもメロディセンスは確かに光ってるんだから、何だか勿体ないな〜。 お気に入りは「Conspiracy Revealed」。おそらく本作の中で一番「激しい曲」。まあ、こんなのでも「激しい」と表現してしまう辺り、いかにこのアルバムが大人しい作品かが分かると思います。 |
DARK TRANQUILLITY (ダーク・トランキュリティ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() THE GALLERY / 1996年作 / 80点 |
|
メロデス四天王の一人、ダートラの名盤名高い2枚目。これが無ければダートラは四天王に入れなかったでしょうな、一枚。 イン・フレイムスがどんどんメロディを大事にしていこうとしていた90年代中期、彼らは暴虐性をまったく失う事無く、メロディをも大事にして本作を作り上げました。 ミカエル・スタンネの極悪極まりない声、ドガドガとブラストるドラム、時に激しく、時に切なく爪弾かれるギター、リズムだけでは物足らずメインに来ようとしてくるベースと、どれも格好良いですね。1曲目は名曲として名高いと言われてますし。 ただ! 個人的にはあまり好きではありません。これは完全に感性の問題ですが、私はダートラが得意とするリズムとメロディが嫌いなのです!(ブラックみたいな疾走はやめてほしい;;) それと静と動の使い分けというのがどうも苦手で‥‥。疾走するなら最後まで走れ。しないのなら最後までしないでください。 ただ、何だかんだ言っても名盤と言われるだけのアグレッションは持っているわけで、その点は格好良いと思います。要は勢いだけが好きって事ですが‥‥。 お気に入りはご存知「PUNISH MY HEAVEN」。悪くはないと思いますよ。人によっちゃ名曲ってのも分かりますよ。 |
|
![]() THE MIND’S I / 1997年作 / 74点 |
|
4枚目。何だかんだ言ってちゃんと聞いてます(汗)。 前の延長線上のタイプですが、曲調がコロコロと変わるようになり(要はプログレった)、同時にコンパクトになりました。 曲調が変わるのは勘弁してほしかったけど、コンパクトになったのはGOOD。要は+−0って事か? と思いましたが、メロディがやや私の好みになっています。時折聞かれるツインギターメロが素敵になりました。あとは後々顕著になるゴシック寄りの曲が目につくようになりました。ちょっとだけだけどね。 ‥‥それくらいです。だから、ブラックみたいな中途半端なブラストはやめてほしいって言ってるじゃん(でも買ってるじゃん)。 お気に入りは「BRINGER OF TORTURE」。これ、メタルじゃないですね。テクノ・デス? 何かマリリン・マンソンの曲みたいっす。 |
|
![]() PROJECTOR / 1999年作 / 80点 |
|
問題作と名高い5枚目。ジャケが暗くて分かりにくい‥‥。 こ、これがあのダートラ? と言いたくなってしまう程に音楽性が変わっております。前までのアグレッション、ブルータリティはかなり抑えられ、まるでゴシックメタルのような感じになりました。 昔が好きな人はこれに困惑したみたいですが、私と言えば‥‥ガッツポーズです。ブラストらないドラム、メロディを大事にするギター、パーマネントになったキーボード、サビで入るクリーンヴォイス(これがあのミカエルの声なのか? 素晴らしいじゃないか!)と、とにかく全てが私の好みに変わりました。メンバーチェンジが功を奏したみたいですね。 確かに全曲スローテンポなので飽きが来ますが、前は一枚通して聴くのが辛かったくらいですから、それに比べれば雲泥の差じゃ。 お気に入りは「AUCTIONED」。デスヴォイス一切無し。ひたすらにメランコリックなナンバーです。うーん、ムーディーだ。多くの人が「NO」と言った変化ですが、少なくとも私はこれを歓迎します。 |
|
![]() HAVEN / 2000年作 / 82点 |
|
5枚目のアルバム。 前作と同じくゴシック寄りのメロディで、疾走曲は皆無。前が気に入ってる方なら気に入る作品だと思います。ただ、メランコリックさが前に比べるとやや減退し、ちょっとだけ昔のアグレッシブさが戻ってます。まぁ、そんなに目くじら立てる程の事でもないとは思いますが。 お気に入りは「Not Built to Last」。激しいギターと物悲しいキーボードがいいです。 |
|
![]() DAMAGE DONE / 2002年作 / 94点 |
|
6枚目のアルバム。本作で過去のメロディック・デスに戻りました。でも、ただの出戻りじゃないよ! 前の物悲しさは残しつつも、アグレッシブさが戻り、嬉しい限り。しかも個人的にどうも好きではなかった「ブラック的疾走」ではなく、イン・フレイムス的疾走なのが何より嬉しい。 タイトなドラム、切ないメロディを奏でるツインギター、益々猛々しくなったヴォーカル、と全てが私の好みになりました。文句一つでませんよ。 お気に入りは「Monochromatic Stains」。サビの前のドラムのドスドスってのも格好良いし、サビの流れるような歌も素晴らしい! っていうか、捨て曲無いけどね。墓まで持って行きたい1枚です。 |
|
![]() CHARACTER / 2005年作 / 83点 |
|
7枚目です。 前作で聞けた「分かりやすいメロデス」は何故か再び後退、んで過去に置いてきたアグレッションが戻ってきてます。まあ頭2曲聞けば、彼らが目指したものはすぐに分かるでしょう。インパクトが大きいから、最初はボリュームは小さくね、マジで。 で、強烈なデスVo、時に激しく、時に美しく紡がれるツインGt、前はほとんど聞けなかったブラストまで取り入れたDrと、レベルそのものは非常に高いです。インフレとかがどんどんメジャーに走る中、実直なまでにイエテボリスタイルを固持し続けるのは別にいいんだけどね。 ただ、名作名高い「THE GALLERY」が好きではない私としては、やはりこの「一歩違えばブラック突入」というリズムやメロがどーもダメなんですよね〜。後半に行くに従って、前作みたいなタイプの曲も顔を出しますが、前作を超える程かと言うとそうでもないと思います。お気に入りは無しです。うーん、オイラ、このバンドとは相性が悪いのかなぁ。 |
|
![]() FICTION / 2007年作 / 87点 |
|
メロデスの重鎮8枚目です。 IN FLAMESやCHILDREN OF BODOMと違い、アメリカを意識せずに着々と進化を続けている彼らですが、本作はアグレッションはやや小粒になりながらも、ゴシカルでムーディーな雰囲気が戻ってきています。 正直前作はあまりハマらなかったのですが、今回はいいですね〜。「DAMAGE DONE」程の分かりやすいメロディは相変わらず戻ってきてないですが、デジタルな装飾の施された楽曲は退廃の美学をプンプンと醸し出しており、彼らのオリジナリティがとても分かりやすく表現されていると思います。スピード感も前作程激しくないので、より雰囲気が伝わりやすくなってます。 世界一美しいデスボイスの持ち主と言われるミカエル・スタンネのVoは段々とグロウルっぽくなっていると思いますが佇まいがメタルアーティストっぽくなくてカッコイイから許す! 個人的にはもう少しメロデスらしい逞しさというか、荒々しさがあってもいいと思うんですが、彼らはきっとこの路線で行くんだと思います。 お気に入りは「Focus Shift」。サビのピアノメロディがたまんねぇっす。作品毎にカラーが違う彼らですが、この路線で行ってほしいです。 |
|
![]() WE ARE THE VOID / 2010年作 / 80点 |
|
9枚目。 基本的には前作を踏襲した内容になっており、もはや「メロデス」なのか「ブラック」なのか、はたまた「ゴシック」なのか、表現するのも難しい1枚となっています。‥‥ブラックではないかな、やっぱり。 個人的にはあまりハードなナンバーには触手が動かず、Keyがメインの物静かなナンバーに心惹かれました。彼らの作るハードなナンバーは正直キャッチーさに欠ける傾向が強いので、多分そこらへんが私を含めた日本での人気がイマイチな原因でもあると思います。 とは言え、「退廃」や「美」という点で、言えば、アメリカに目を向けているバンドよりよっぽど「らしく」描かれているので、即効性は無くとも、雰囲気は変わらず大好きです。 お気に入りは「Her Silent Language」。Keyのメロディがたまらない1曲。薄暗い海に飛び込みたくなります(笑)。 |
DAUGHTRY (ドートリー) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ハードロック |
![]() DAUGHTRY / 2008年作 / 80点 |
|
アメリカ出身のミュージシャン クリス・ドートリーによる1枚目。 アメリカの人気オーディション番組で4位に入りメジャーデビューを果たすというアリ・コイヴネンパターンのシンガーで、アメリカでは大変な人気があるみたいです。 さてその音楽性ですが、これがまた非常に分かりやすい例えで表現する事が出来ます。それは「ソフトなNICKELBACK」です。NICKELBACKからアグレッシブな部分をごっそり引き抜いたような感じの音楽性で、スケールの大きなサウンドなどはNICKEL〜そっくりです。 しかし、真似っ子であろうともその出来栄えは超一流で、特にクリス・ドートリーのVoが非常に良いです。癖の無い良く伸びる声は、その強面なスキンヘッドからは想像もつかないほど優しくおおらかです。この優しい歌声こそが、このバンド(?)最大のチャームポイントと言えるでしょう。 ただ、ハードな曲がほとんど無く、どれもがまったく同じタイプの曲なので少々飽きがきます。また、飛びぬけた素晴らしい曲が無いのもマイナスポイントです。 お気に入りは「It's Not Over」。一発目を飾るナンバー。これが一番良かったかなぁ。 次はバラエティに富んだ楽曲でお願いします。 |
DAWN OF DESTINY (ドーン・オブ・デスティニー) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() REBELLION IN HEAVEN / 2008年作 / 80点 |
|
ドイツ出身のメロスピバンドの1枚目。 最近めっきり使わなくなった「メロスピ」という言葉。それほど昨今はメタルコアとかが主流になってきているという事なんでしょう。しかし、このバンドは「メロスピ」という言葉がぴったりの懐かしの、しかしメロスピが旺盛だった時代にメタルにハマった私にとっては心躍る音楽をやっております。 甘い女性Voをフロントに添え、分かりやすいメロディで疾走する様は「女性VoのDREAMTALE」、「女性VoのHEAVENLY」と言えるもので、楽器は押し並べて平均点以下ですが、予想通りの曲展開、そして何と言ってもクサいメロディが存分に楽しめます。更にミドルテンポな曲でもフックがあり、しっかりと楽しめるのもポイント高いです。 お気に入りは「Ending Dream」。ミドルテンポのナンバーですが、EDENBRIDGEっぽいサビメロが抜群です。 今回は上記点数ですが、楽器陣がレベルアップして、方向性を間違わなければまだまだ日本盤がイケるはず。これからも頑張ってほしいです! |
|
![]() HUMAN FRAGILITY / 2009年作 / 80点 |
|
3枚目。ジャケが痛々しい‥‥。 前作に比べると楽器陣のレベルがワンランク上がっており、サウンドもグッと逞しくなっています。その中でも特にヘヴィさ、アグレッシブさは3倍増しになっており、下手なメロデスバンドよりも尖っております(数曲には男性VoやデスVo挿入)。 それはおおいに良い事なんですが、ヘヴィさに重点を置いた為か疾走感及びクサメロが若干控え目になっています。 とは言え、これでも十分にクサいですし、後半(ボーナストラックなど)になると典型的な疾走曲も出てきたりするので、このジャンルが好きな人だったら損をする事は無いと思います。 お気に入りは「This Frozen Heart」。前作と同じ路線の疾走クサメロ曲。B級なんだけど、やっぱこういうのいいよね〜。 着実にレベルアップしていて、嬉しい限りです。 |
DAWN OF SILENCE (ドーン・オブ・サイレンス) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() WICKED SAINT OR RIGHTEOUS SINNER / 2010年作 / 70点 |
|
スウェーデン出身のメロパワバンドの2枚目。 Keyを使わず、ツインGtでクサメロを吐き出しつつ、ノーマルなVoが歌うという超典型的なメロパワをやっています。 Voはちょっと下手ですが音程を間違える程ではなく、他の楽器もかねがね問題ありません。楽曲の方も特に凝ったものがあるわけでもなく、実にシンプルです。 悪くはないです。最近こんなに愚直な路線を突き進むバンドは早々いないので、応援したい気持ちにはなります。が、悪くない止まりでぶっちゃけ良くもありません‥‥。とにかく思ったのは「パワー」が無い事です。全体的に平坦で起伏の無い出来栄えなので、イマイチパワーを感じないのです。もっと「うおおおっ!」っていう力を叩きつけてほしかった。きっとそれだけでもかなり違っていたはず。 それも含め、彼らなりの「何か」を今後見つけないと、このままの路線では次に国内盤が出る可能性は低いかも‥‥。 お気に入りは「Crucifire」。重厚なミドルナンバー。これが一番「パワー」を感じました。 決して嫌いではないので、更なるレベルアップを求む! |
DEATH ANGEL (デス・エンジェル) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥スラッシュメタル |
![]() THE ART OF DYING / 2005年作 / 88点 |
|
アメリカ西海岸・ベイエリア出身のスラッシュメタルバンドの4枚目。 87年にデビューして3枚アルバム作って活動を休止して、で、これで復活の4枚目らしいです(前3枚は未聴)。 終始ザクザクとしたGtリフをメインにしながら突き進む、実に分かりやすいスラッシュです。 私はスラッシュと言うととにかく無鉄砲にぶっ飛んでザクザクザクやるだけ、というイメージが強いんですが、彼らは全然違いました。 Voはノーマルで結構上手く歌ってるし、Gtもやんちゃしないで堅実にザクザク言ってます(Gtソロも超COOL)。Drもブラストなどは皆無でツーバスがメイン。ロックロール的なリフやリズムも随所で聞かれ、「これってスラッシュなの?」と思ってしまったくらいです。 世間でどういう扱われ方をしてるのかは分かりませんが、これはメタルらしい格好良さに溢れていて、私は名盤だと思います。 |
|
![]() KILLING SEASON / 2008年作 / 85点 |
|
4年ぶりとなる5枚目。 基本的には前作と同じですが、疾走感が減り、グルーヴィーなパートが増えました。またメロディアスなパートが増えており、前作でも思いましたが、これはもはやスラッシュメタルとは形容出来ないような気がします。 ファンクなどを取り入れたノリの良さと普通にクールでカッコ良いと思えるGtソロ、Voこそトム・アラヤ風ですがしっかり歌えているし、スラッシュメタルがこんなに邪悪さが無くクールでいいのか?(勿論、いいんですけどね) ぶっちゃけこのバンドは勢いがある=カッコ良い曲的な感じなので、前作程の満足感を得る事は出来ませんでしたが、相変わらずの高品質作品なので、このバンドが好きなら損をする事は無いと思います。 お気に入りは「Carnival Justice」。後半のインストパートがあまりにもカッコ良い! 相変わらず異端なスラッシュですが、カッコ良いから許す! |
|
![]() RELENTLESS RETRIBUTION / 2010年作 / 70点 |
|
6枚目。 これまでのファンクを取り入れてのコミカルな作風が一気に消え去り、SLAYERとTESTAMENTの間くらいのような至極真面目なスラッシュメタルになっています。 実力者の集まりではあるので、真面目になってもカッコイイはカッコイイんですが、SLAYERほどメロディが分かりやすいわけでもなく、TESTAMENTほどギターソロがカッコイイわけでもなく、結果的に「普通」になってしまった気がします。突進力が凄まじいだけに「よく分からない内に爆走して終わってた」という印象を受けました。 出来れば前のような形に戻って欲しいんですが、難しいかな‥‥。 お気に入りは「Claws In So Deep」。なんと7分もある大曲。とは言っても後半3分はアコギによるアウトロのような感じですが。でも、それが美しい! |
DECADENCE (デカダンス) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() 3RD STAGE OF DECAY / 2007年作 / 70点 |
|
スウェーデン出身のメロデスバンドの3枚目にして日本デビュー作。 80年代のスラッシュメタルを思わせる突進をかましながら、昨今のメロデスバンドのように時折抒情的なメロディを取り入れたスタイルで、演奏もタイトで上手いです。 最大の特徴はデスVoで、これがARCH ENEMYのアンジェラ姉さんのように綺麗な女の人なんです。アンジェラ姉さん程凶悪ではなく聞けばはっきりと女性と分かるデスVoなんですが、この手のバンドではかなりブルータルな方に入るんじゃないかと思います。メタリック・キティって名前に萌えるなぁ(笑)。 Vo良し、演奏良し、となるとあとはメロディになるんですが、ライナーでも書いてある通りスラッシュ的アプローチが優先されており、抒情メロはあくまで添え付け。一気に聞けてしまう心地よい作風ではありますが、ちょっと印象に残りづらかったです。 お気に入りは「INVERT」。一番疾走感のある曲です。あまりメロディアスではないですけど。もっとメロディを導入すれば、日本でも受けるんじゃないかな、と思います。 |
|
![]() CHARGEPOINT / 2009年 / 75点 |
|
4枚目。 特に大きな変化は無く、スラッシーでありながらメロディアスでもある、心地良く聞きやすいメロデスです。演奏や音質が一回りほど成長しているので、コチラの方が聴いてて格好良いと思いましたね。 お気に入りは「Out of Ashes」。メロディの方に寄った1曲。あまりスラッシーではないですが、こういうメロメロな曲も素敵です。 |
DEF LEPPARD (デフ・レパード) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥ハードロック |
![]() PYROMANIA / 1983年作 / 70点 |
|
「耳の聞こえない豹」という意味を持つ、イギリス出身の大御所ロックバンドの人気を確立した3枚目。邦題「炎のターゲット」。 基本は極めてシンプルなハードロックです。凝った事は何一つしていません。しかし、BONJOVI顔負けの誰でも口ずさめるようなキャッチーなメロディがてんこ盛りで、更にそれを美しいコーラスで彩るという事までやってのけ、華やかで非常に聞き易いロックサウンドを聞かせてくれます。 音は当時(80年代)らしい「軽さ」ですが、今はそれは「味」として認知されるべきだし、私も気になりません。ZENOのレビューでも書きましたが、こういうDrの音を聞くと「Zガンダム」を思い出します(笑)。 ただ、個人的にはちょっと捨て曲が多かったように思います。早い曲が無いというのは仕方ないとしても、もうちょっとサビメロに哀愁を持たせてほしかった。美しいんだけど、それでおしまいって感じなんですよね‥‥。個人的にはBONJOVIほどのポピュラリティーはまだまだ有していないという印象でした。 お気に入りは「Photograph」。おそらく本アルバム中最も人気の高いナンバー。この曲の待つ秋風の哀愁メロディは最高です。コーラスもひたすらに美しい‥‥。 700万枚も売れたアルバムにケチつけるのも失礼な話かもしれませんが、素直に書かせていただきました。 |
|
![]() HYSTERIA / 1987年作 / 80点 |
|
4枚目。全世界での総売り上げ枚数2000万枚を突破し、彼らをモンスターバンドにまでのし上げた作品です。 路線としては前作と変わっていませんが、サウンドプロダクションが多少向上し、更に印象的なメロディも増え、前作よりずっと良い出来になっていると思います。 彼らの特徴とも言える「分かりやすいメロディ」「美しいコーラス」がこれでもかと堪能出来る作品です。 後は特に書くべき事はありません。疾走曲が無いとか、哀愁が足りないと言うのはまだありますが、それを彼らに期待しちゃいけませんからね。 お気に入りは「Armageddon It」。誰が何と言おうともこれが一番。これに勝る曲はこのアルバムには収録されておりません! 「Love Bites」? 「Armageddon It」に比べればまだまだですよ(笑)。 Drのリック・アレンが交通事故に遭って片腕になって叩いているという有名な話がありますが、聞いてる限り、全然そんな事を感じさせないのが凄いです。どんなドラムキットなんだろう? |
|
![]() ADRENALIZE / 1992年作 / 72点 |
|
5枚目。 オリジナルギタリストであったスティーブ・クラークがアルコール依存症による呼吸困難で死去。後にヴィヴィアン・キャンベルが加入するも、本作は彼を除く4人で制作されています。 さて、いきなりショッキングな出だしから始まってしまいましたが、中身は変わっておりません。90年代の作品だからか、サウンドプロダクションは更に向上、それに伴って全体的にロック色が濃くなっており、どの曲にもタフでクールなリフが入っています。 が、そんな嬉しい変化とは正反対に、歌メロは前作に比べるとかなり地味になったように思います。比べる対象が悪いような気もしなくもないですが、同じバンドなんだから仕方ないです(汗)。私の耳には前作に比べると印象的なメロディが少なかったと感じました。 お気に入りは「She's Too Tough」。最後を飾るナンバー。このコーラスは美しくて好きです。 |
|
![]() SLANG / 1996年作 / 60点 |
|
6枚目。 う〜〜ん、なんだか随分とこれまでの印象と違いますね。これまでの王道路線とは若干路線変更しており、グランジとは言わないまでも、ヘヴィロックのようにタフで埃臭い感じになっています。キラキラ輝いていた美しいコーラスもあまり聞けず、あったとしても前のように華やかではなくなっています。 これはこれで嫌いな方向ではないんですが、これはデフに求められている音ではないと思います。世間での評判も良くなかったっぽいですし、実際私も非常に地味な作品だと思いました。 お気に入りは‥‥う〜〜ん、これと言った曲が見当たりません。しばらく聞いていれば、良い曲も見つかるかと思いますが、ファーストインパクトでは良いのがありませんでした。 |
|
![]() EUPHORIA / 1999年作 / 70点 |
|
7枚目。 やはり前作が不評だったのか、元のデフスタイルに戻っています。 美しいコーラス、輪郭のはっきりしたGtリフ、心地良いリズム。うむ、これこそがデフと言いたくなる作品ですね。曲の出来は「HYSTERIA」には遠く及んでいませんが、聞いた後にハッピーな気持ちになれる事は間違いないです。 お気に入りは「Promises」。断言してしまいますが、私がデフの中で最も好きな曲がこれです。他のどの曲もこれには遠く及びません。このコーラス‥‥ああっ、なんと美しい曲なんでしょう。朝の通勤時にこれを聞けば1日元気な気持ちで頑張れます。 こんな曲ばかりだったら90点台も余裕で行けたんですけどね‥‥。 |
|
![]() X / 2002年作 / 68点 |
|
8枚目。タイトルは「エックス」ではなく「TEN(10)」です。 ふむ‥‥評価の難しいアルバムですね。「SLANG」ほどヘヴィなわけでもなく「EUPHORIA」ほどキラキラしているわけでもない。ただはっきり言えるのは、これまでの中で最も「静かな」作品で、しっとりとした作風になっているという事です。「Long Long Way To Go」なんて一瞬Backstreet Boysのバラードかよ、と思ってしまったくらいです。 普通のロックアルバムとして評価すればそれなりに悪くない作品だと思いますが、デフのアルバムとして聞くとパンチが無く非常に地味な印象です。デジタル音もちゃっかり導入しており、生の迫力にも乏しいし、コーラスも英国らしい湿り気を感じません。 う〜〜ん、本当に評価に悩むアルバムです。まあ、高評価出来ない事は間違いないですけど(汗)。 お気に入りは「Long Long Way To Go」。前述したようにBackstreet Boysの歌うバラードのようです。でも私はバックスも好きなので、この曲は嫌いじゃありません。 |
|
![]() SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE / 2008年作 / 70点 |
|
9枚目。 ‥‥フツー。と言うか、このアルバムをハードロックとして扱ってはいけないと思います。これは「普通のロックアルバム」です。ハードでもないし、メタルなんかでも当然ありません。哀愁も無いし、早くもない。「Burrn!」でも取り上げないでもらいたい。彼らよりハードでメタリックな音を出してるロックバンドなんて山ほどいるはずですから、そっちを取りあげてほしいです。 ここまで聞いてきてこんな事言うのもなんですけど、私とデフは相性が良くないと確信しました。彼らが良いと思っているメロディと私が良いと思っているメロディが違うんですもん。ここまで聞いてきてiPodに入れた曲は僅か8曲しかない事からもそれは明らかです。 文句ばっかりで申し訳ありませんがご了承下さい。 |
DELAIN (ディレイン) |
出身地‥‥オランダ ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() LUCIDITY / 2006年作 / 75点 |
|
WITHIN TEMPTATIONの元Keyであるマタイン・ウェスターホルト率いるゴシックメタルバンドの1枚目。 「WITHIN TEMPTATIONの元Key」ってだけある種期待できちゃう感じですが、正にその通りで、「MOTHER EARTH」の頃のWITHIN〜を髣髴とさせるシンフォニック・ゴシックメタルを展開しています。 シャロン嬢程ではないにしろしっかりと歌える女性Vo、雰囲気だけに留まらないそれなりにフックのある楽曲、そしてWITHIN譲りのKey装飾‥‥など、なかなか日本盤が出ない昨今のゴシックメタル事情を考えると日本盤の価値のある作品だと思います。 ただ、残念ながら私の心には響きませんでした。それなりにフックがあると言っても「それなり」で、今のWITHIN〜なんかを聞いていると緩急の少ない展開に地味な歌メロなんかが気になって仕方ありません。 比べるバンドが凄すぎるからとも思いましたが、冷静に聞いてもやっぱり地味だよ、これは。まあ、これこそがゴシックなのかもしれんですが。 お気に入りは「Sleepwalkers Dream」。サビで聞ける美しいハイトーン(って女性に言うのかな?)が素晴らしい1曲。こういう印象的なメロディをもっと増やしてほしいです。 |
|
![]() APRIL RAIN / 2008年作 / 87点 |
|
2枚目。 WITHIN TEMPTATIONと同じ路線というのは前作と変わっていません。が、前作に比べるとググンと印象的なメロディが増えており、曲によってはそれなりにスピード感すらあります。予想を遥かに超えるパワーアップを遂げたと断言して良いでしょう。 奇しくもこの進化もWITHIN〜と同じですが、私個人としては真似だろうがなんだろうが気にしません。良いメロディがたっぷり聞ければそれでOKです。 それにしてもこの充実ぶりは凄いですね。どの曲もゴシックメタルらしい妖艶さに満ちていながら、しっかりと分かりやすいメロディがあり、サラッと聞き流す事を許してくれません。Voのシャルロット嬢は平均的な声ですが、癖も無くとても聞き易いですし、シャロン嬢に負けず劣らずの美貌です。これでクールなGtソロがあれば文句無かったんですが、さすがにそれは期待しすぎですな。 お気に入りは「Start Swimming」。本作の中では比較的地味な曲ですが、ケルティックなメロディが十二分に堪能できる、隠れた名曲だと思います。超王道バラード「I'll Reach You」も良かったです。 ここ最近、本当に女性Vo作品が増えていますが、中でも頭一つ飛び抜けた感があります。来日も近いか? |
|
![]() WE ARE THE OTHERS / 2012年 / 80点 |
|
3枚目。前作において一気に垢抜けた感がありましたが、本作もそのまま洗練されたなゴシックメタル路線を突き進んでいます。 パワフルで艶のある女性ヴォーカル、寸分の狂いも無くキッチリと整理整頓された楽器陣の演奏、そしてコンパクトにまとめられた聞きやすい楽曲と、まさに「第一ボタンまでシッカリかけてる優等生」という佇まいです。 が、前作に比べるとちょっと中途半端かなと言う気がしました。特に前半はイケそうでイケない微妙な曲が多く、昇天できませんでしたね。後半になると「Generation Me」や「Get The Devil Out Of Me」と言ったなかなかの佳曲も出てきますが、トータルで見ると捨て曲の方が多く、個人的には前作の方が良かったと感じました。あと、私が買ったのにはボートラが4曲付いていたんですが、それが全部過去のライブ曲だったのもちょっと残念だったかな。新曲入れてほしかった。 お気に入りは「Not Enough」。ボートラを除けばラストを飾る曲。パワフルな構成に、後半の美しいアウトロチックな流れが秀逸な1曲です。 |
DELIRION (デリリオン) |
出身地‥‥スペイン ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() LOTUS / 2010年作 / 75点 |
|
スペイン出身のシンフォニックメタルバンドの2枚目。 RHAPSODY OF FIREをお手本とした典型的なシンフォニックメタルで、VoがLABYRINTHのロブ・タイラントに似ているせいもあり「ロブがRHAPSODY OF FIREを歌ったらこうなった」と言えば分かりやすいかと思います。 Keyを使いまくったドラマチックな楽曲は勢いもあり、どれも非常に魅力的。Voも特に音程を外す事も無く、他の楽器もシンフォニックアレンジに埋もれる事無く、ガッツィーな演奏を聞かせてくれます。 ただ、残念ながら、私の耳にはそう言った「良かった点」よりこれから記述する「悪かった点」の方が気になってしまいました。 まずはメロディです。決して悪くはないんですが「悪くない止まり」なんです。もう一歩突き抜けてほしかったんですよね〜。 そしてもう一つが「詰め込み過ぎ」だという事。Aメロ、Bメロ、そしてサビまではいいんですが、その後は再び同じメロディに戻るべきなのに妙なアレンジを入れてみたりと言った「工夫」が施されており、はっきりこれが非常によろしくない。もっとシンプルに、パッとリスナーをドラゴンの背中に乗せてくれないと大空へ飛び立てないと思います。 ‥‥とまあ、色々と酷評してしまいましたが、有望株である事には違いないので、これからの「進歩」には期待しております。 お気に入りは「Walls and Waves」。このバンド一の実力者は間違いなくKey(綺麗なお姉さん!)だと思います。そんなお姉さんの流麗な音色が最も堪能出来る1曲です。 最後にもっとジャケットは派手にした方が良いと思います。最初に見た時はゴシックメタルかと思っちゃたよ(汗)。 |
DEMONOID (デモノイド) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() RIDERS OF THE APOCALYPSE / 2004年作 / 84点 |
|
セリオンで活躍するメンバーが揃ったメロデスプロジェクトの1枚目。 ブラック程禍々しくはないものの、普通のメロデスに比べると遥かにアグレッシブでファストなデスメタルです。 Keyによる装飾を最小限に抑えたGtメインのナンバーは、硬質な音も相まって苦味が利いており、疾走ナンバーであっても所謂メロデスを聞いた時に感じる「高揚感」は得られません。Voもかなりゲロゲロ声だし。ちなみに疾走:ノン疾走の割合は4:6くらいでしょうか。 しかし、その苦味こそが彼らの持ち味であり、デスメタルの格好良さはヒシヒシと伝わってきます。もしかしたら甘めのメロデスより長く聞けるかもしれません。あと、ジャケが最高に格好良いのはポイント高し! お気に入りは「ARRIVAL OF THE HORSEMEN」。サビのDrとGtのアンサンブルがかっちょいいっす! |
DEMONS & WIZARDS (ディーモンズ・アンド・ウィザーズ) |
出身地‥‥ドイツ&アメリカ ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() DEMONS & WIZARDS / 2000年作 / 60点 |
|
ブラインドガーディアンのVoハンズィ・キアシュとアイスド・アースのGtジョン・シェイファーが組んだメロパワプロジェクトの1枚目。 音楽性はそれぞれのバンドを見れば分かりますが、ハンズィの歌うアイスド・アースと言った感じです。ヒロイックでも長編でもなく、暑苦しくも早くもない、ザクッとしたスラッシュ気味のGtをミドルテンポの楽曲に織り交ぜた正統派のメロパワです。 音そのものは結構格好良いし、ハンズィの声も張りがあっていいんですが、いかんせんサビが笑える程地味なので(無いと思える程)印象が良くありません。更に疾走曲がただの1曲も無く、更に更にDrの音も異様に軽いので、全体的な印象は「ただのメロパワだったと思う」で終わってしまいそうです。あと、アコギちょっと使いすぎ。 本当にちょっと方向転換するだけで凄くいい作品になりそうなんですけどね。 お気に入りは「WHITE ROOM」。間奏がなかなかに良い、と思ったらエリック・クラプトンもいたクリームのカヴァーでした。うーん、ビジョン・ディヴァインの悪夢再来か‥‥。 |
|
![]() TOUCHED BY THE CRIMSON KING / 2006年作 / 78点 |
|
6年の月日が経ち出た2枚目。 おおっ! 前に比べるとかなりレベルアップしてます! 基本は同じなんですが、前に比べるとかなりブラガ的な部分が増えました。クワイアの導入、ややプログレッシブながらもアグレッションは大幅にアップした展開。 リフも前より格好良いし、サビメロもググッと印象的なものになり、こっち聞いた後は1枚目が聞けません(笑)。 相変わらず疾走曲は無いし、かなり入っているアコギはやっぱり多すぎとも思うんですが、ここまでクオリティが上がれば、お友達にも堂々と勧められます。 お気に入りは「WICKED WITCH」。「邪な魔女」というタイトルの物悲しいアコギバラードです。スローVerも入っており、どちらも涙無しでは聞けない絶品バラードになっています。 |
DEPARTURE (ディパーチャー) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() CORPORATE WHEEL / 2002年作 / 55点 |
|
アメリカ出身のメロハーバンドの3枚目。 JOURNEYやTOTO系列のヘヴィさの薄い草食系男子的メロハーをやっています。帯には私の弱い「美旋律」の文字があり、確かにKeyやコーラスによる美しい装飾模様は美味ではありますが、全体的に爽快過ぎて、私の望んでいた「哀愁」「切なさ」的なものはほとんど感じませんでした。 お気に入りは「Listen To What I Say」。これだけは良かったです。 お店で300円で売っていたので買ってみましたが、その値段に偽りは無かったようです‥‥。 |
DERDIAN (ダーディアン) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディックパワーメタル |
![]() NEW ERA Pt.1 / 2005年作 / 80点 |
|
ラプソディに続けとばかりに出現したイタリアのバンドの1枚目。これぞB級! 音楽性はラプソディを目指そうとして1000歩程実力が伴っていない、よくあるB級メロスピ。系統的にはホーリーナイツやハイロードに近いですね。特にキラキラのキーボードが似ています。ってか、この音こそがB級臭さを発散させてると思うんですけどね。 疾走てんこもりの楽曲で、クサいメロディと、下手ではないけど決してうまくもないヴォーカルが乗っています。微妙なクワイア、つまらないスローテンポ、とB級のお手本みたいな音楽です。こういうのが好きなのはたまらないでしょうね。 ただ日本盤が出たくせに音が微妙に悪い。特にバスドラとベースの音が変! 音がクリアだったらもっと評価は高かったんですけどね。あとはやっぱしB級なんで、全体的に野暮ったいっす。ラプソディを目指すなら、もっと精進が必要ですな。 お気に入りは「ETERNAL LIGHT」と「SCREAMS OF AGONY」。どちらもメロスピマニアの心に響く曲だと思います。定価で買うのはどうかと思いますが、中古なら損は無いと思うし、次の作品の期待も確かに持てますので、チェックしておいてはいかが? |
|
![]() NEW ERA Pt.II WAR OF THE GODS / 2007年作 / 80点 |
|
イタリアンメロスピバンドの2枚目。 昨今本当にこういうバンドが減ってきてますが、彼らは一切路線を変える事無く、本作でもクサメロ満載のメロスピをやっております。頑固職人、大好きです。 音質は格段に向上し、テクニックもレベルアップ。典型的疾走「New Era」から勇壮なミドル「I Don't Wanna Die」、ネオクラ満載のインスト「Before The War」まで揃っており、どれもなかなかの出来栄え。「メロスピバンドはミドルがつまらない」という定説(?)がありますが、本作はそこも見事にクリアしています。 クサメロも前作以上で、ここまでレベルが高いとメロスパーだけの愛聴盤にておくのは勿体ないと思います。まだVoが粘っこいので、これがトニー・カッコぐらい垢抜ければもっと話題にもなるんじゃないかな、と思うんですけどね。 お気に入りは上記した3つ。久しく感じていなかった高揚感が得られましたわ。INSANIAと共にメロスピを背負って立つ日も近いか? |
|
![]() NEW ERA Pt.3 THE APOCALYPSE / 2010年 / 85点 |
|
3枚目。 特に大きく変わる事無く、クサいメロディを垂れ流しながら疾走するメロスピ道をひた走っています。ちなみにこれまでは国内盤が出ていましたが、本作は出ていないようです……。 決定的な1曲こそ見当たりませんでしたが、逆に言えば極端につまらない曲というのも無く、全ての曲がクサく(笑)、哀愁メロディを愛する人なら最初から最後までたっぷり楽しめると思います。個人的にはもう少し音質をプロフェッショナルなレベルにくれれば、もっと嬉しかったんですが難しいのかな…? お気に入りは「Dreams」。これぞDERDIAN節! と言える哀愁をまき散らしながら疾走する1曲です。 |
|
![]() LIMBO / 2013年 / 84点 |
|
4枚目。 本作はレーベル無し、つまり自主製作となっています。レコード会社のサポートが得られない事が影響しているのか、前作は結構良かった音質が少々悪化しています(十分聞けるレベルですが)。しかし、その音楽性はいささかも変わっていません。クサく疾走するシンフォニックパワーメタル道をひた走っています。Voが変わっていますが、それほど大きな影響は無いかなと思います。まあ、前任者の方が良かったと思いますけど。 メロディのクサさも前作に比べて甲乙つけがたい出来栄えで、4枚目でも枯渇しないアイデアに脱帽です。今後もこの路線のまま、ぜひとも進み続けてもらいたいです。 お気に入りは「Forever In The Dark」。7分もあるナンバーですが、クッサクサのメロディに悶絶する事間違いナシ。本作は疾走一辺倒の曲より、「Forever In The Dark」や「Strange Journey」みたいな、緩急のあるナンバーの方がクサくて良いですね。 |
D’ESPAIRS RAY (ディスパーズ レイ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥ヴィジュアル系 |
![]() REDEEMER / 2009年作 / 75点 |
|
海外でも積極的に活躍しているV系バンドの3枚目にしてメジャーデビュー作。 一般的なV系のサウンドと言えば、陰鬱&耽美でサウンドは貧弱というのがお決まりですが、このバンドはそれとはかけ離れたサウンドで、一言で言ってしまえば「シンプルでメロディアスなロックアルバム」です。電子音を用いたり、時たまデスVoがあったり、Gtが結構へヴィだったりもしてますが、根底にあるのはキャッチーな歌メロがメインのロックです。 Voもヌメッとしてなく元LUNA SEAの河村隆一のようにしっかりと腹から声が出ており、その点で言えば「シンプルになったLUNA SEA」と言ってもいいかもしれません。個人的にはMASCHERAっぽいと思ったんですが、分かる人いないだろうなぁ、きっと‥‥。 それなりに良いロックアルバムだと思います。ただ私には「ごく普通のロックアルバム」程度の印象しか残らなかったというのが正直な意見です。V系にはV系の良さがあり、もっとそう言った雰囲気を出しても良かったんじゃないかなと思います。まあ、GLAYやL'Arc〜en〜Cielと同じ路線とも言えなくもないですけどね。 お気に入りは「BRILLIANT」。これ、売り方がしっかりしてればオリコンとかに入ってもおかしくないんじゃないかな、と思った程です。 |
DESTROSE (デストローズ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() DESTROSE / 2013年作 / 85点 |
|
女性5人組による正統派ヘヴィメタルバンドの1枚目。もう嬢メタルにも慣れてきましたね(笑)。 見た目はALDIOUSに負けないくらい派手めですが、音楽性は極めて実直な正統派ジャパメタと言った感じです。Keyなどによる装飾はほとんど無く、ヴィジュアル系の影響もありません。あまり聞いた事は無いんですが、SHOW-YAとかと同じスタイルだと思います。 今までそれなりのガールズバンドは聞いてきましたが、このバンドほど「実直」と思ったバンドは無いですね。「女だから」と言った浮ついた感じがまったく無く、ひたすら愚直に正統派メタルをやっていると感じました。バラードが一切無く、ツインギターでゴリゴリと突き進むその姿勢は「ヘヴィメタルに男も女も関係無い!」と強く思わせました。 どれも佳曲以上の出来映えで、カッコイイと思います。ただどの曲も似たり寄ったりとも思ったので、今後は曲毎にカラーをつける事かなと思います。 お気に入りは「Sword of Avenger」。アニメの曲っぽくて良いですね。分かりやすいです。 もはや女だからでは注目されなくなってますから、あとは曲です! 良い曲をお願いします! |
DESTROY DESTROY DESTROY (デストロイ デストロイ デストロイ) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() DEVOUR THE POWER / 2006年作 / 78点 |
|
アメリカ出身のメロデスバンドの1枚目。 私は2枚目から聞いたので、どうしてもそちらと聞き比べてしまいます。音楽性は勿論変わっていませんが、この頃はまだクサメロというダイヤモンドが磨かれてなく、石ころのままです。どれも「もうちょっと変えれば凄くなるのに‥‥」と言う感じの生殺し的な曲が多いです。 とは言え、この頃からその片鱗を見せつつはあり、これを聞いた後に2枚目を聞いていたらもっと評価が上がっていたかもしれません。 お気に入りは「Hellfire」。いいですね〜、出だしのツインGtがクサいですね〜、やっぱりアメリカのバンドとは思えません。 安かったので買いましたが、クサメロに飢えて仕方のない人以外は手を出さなくてもいいかもしれません。 |
|
![]() BATTLE SLUTS / 2009年作 / 86点 |
|
アメリカ出身のメロデスバンドの2枚目。 「これ、本当にアメリカのバンドですか?」とARMORY同様の事を思ってしまう程に北欧色の濃い、典型的なメロデスをやっております。世間では「初期CHILDREN OF BODOM風」と形容される事が多いみたいですが、シンプルな疾走感、分かりやすくクサいメロディ、などの点から初期NORTHERやENSIFERUMに近いと思いました。 Voはまだまだ迫力不足だし、演奏も垢抜けてない、どれも似たような曲調なので差別化出来てないなど、欠点もありますが、それを軽く帳消しにしてしまう程にドラマチックでクサいメロディが満載です。最近メタルハードコアばかり聞いていたので、この背中がムズムズするようなクサメロ感覚(?)は久々でした(笑)。 昇天してしまう程の一撃こそ無かったですが、どの曲も標準を余裕でクリアするレベルで、メロディを更に洗練させれば末恐ろしい逸材になる事は間違いないでしょう。 お気に入りは「THE WRETCHED FORREST」。これはどっかのRPGゲームのラスボスのテーマソングですか? ってな感じの一曲です。 今後こういったクサメロ系バンドが盛り返すんだとしたら、それはそれは面白い事になるでしょうな! |
DEZPERADOZ (デスペラードス) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE LEGEND AND THE TRUTH / 2006年作 / 81点 |
|
ドイツ出身の4人組西部劇メタルバンドの2枚目。 このバンドの面白い所は西部劇をコンセプトとしており(実在した保安官ワイアット・アープのお話)、作風が非常にウエスタンしてる事。それにつきます。 モーターヘッド並みに埃臭いロックンロールナンバー、アコギが咽び泣くムーディなミドル、カントリーからの影響も感じるインストナンバー、カツカツ、バキューン、ヒヒーンと言ったSE、とさして西部劇に詳しくない私でも簡単に絵が想像出来ます。 ちとSEが多すぎな気がしなくもないし、疾走曲もほんの数えるくらいしかないんですが、とにかく雰囲気は良く出てます。西部劇だと言っても根底にはしっかりとしたジャーマンメタルを感じますし、Voも渋くて良い。色物と言って聞かないとは損だと思います。それとボートラが最高に面白い! このアルバムじゃなきゃ聞けないね。 お気に入りは「MARCH OF DESTINY」。みんな、これは聞かなきゃ損だよ! 最高に「西部劇」してるミドル哀愁ナンバーです!一風変わった作品である事は確かですが、出来はかなりの物だと思います。是非聞いて頂きたい! |
DGM (ディー・ジー・エム) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥プログレッシブメタル |
![]() WINGS OF TIME / 1999年作 / 80点 |
|
イタリアのシンフォニーXこと、DGMの2枚目。 か細いヴォーカルに、自由自在に変化しながらも決してメロディを忘れないギター、後ろ舞台を支えるベース、キーボード、ドラムと、プログレはかなりの技術を要しますが、それに関しては(大体)クリアしています。 ただ言ったようにヴォーカルがやけに細いので、他の楽器に負けてしまっています。しかし、歌メロが哀愁感漂う素晴らしいものなので、出来ればヴォーカルは変えてほしい所。 私はプログレはドリームシアターですら拒絶反応を示すのですが、このバンドはイケます。つまり、プログレではあるけれど、メロディがちゃんとしっかりしていて、私でも難なく聞けるのです。時にクラシカルなフレーズを刻むのは非常にポイント高し。歌メロも秀逸だし。 お気に入りは「I’LL DREAM OF YOU」と「WAITING FOR THE SUNRISE」。前者はしっとりとした歌メロが癒されます。後者はロードランナーの声から始まるという変なドライビングナンバー。色んな曲が出来ますね。 バンド名が地味なのでいまいち注目されない彼らですが、とてもよく出来ていると思いますよ。ジャンル関係無く聞いてほしい一枚。 |
|
![]() DREAMLAND / 2001年作 / 90点 |
|
3枚目。ヴォーカルが変わりました! と最初に言ったようにヴォーカルが代わりました。これがまた素晴らしい歌唱力を持ったお方で、これで彼らの魅力が3倍くらいになりました。個人的には既にラビリンスの牙城は崩しています。 楽曲の方はと言うと、クラシカルな雰囲気は減退し、よりプログレで、でもメロディアスになりました。メロディアスじゃなかったら聞かないし。 間奏でのプログレさはより顕著になり、ヘドバン出来ないどころか、目を閉じて真剣に聞いていないと混乱してしまう程。それでも私はいいと思うのは、サビではちゃんと適度に疾走し、そして非常に叙情的なメロディを聞かせてくれるから。全体として聞くとプログレだけど、各パーツはこれ以上無いくらいメロディアスで聞きやすいんですわ。だから、展開がひねくれていても聞けてしまう。 あとはやっぱりヴォーカルですね。とにかく歌がうまいから、聴けてしまう。要はうまい人が作れば、ジャンルが何でもOKという事です(どっかで書いたな、こんな台詞)。 お気に入りは「LOST IN TIME」。サビでの「ア〜〜〜」ってメロディが凄く素敵です。素晴らしい進化です。この次も是非この路線で行ってください! |
|
![]() HIDDEN PLACE / 2003年作 / 79点 |
|
4枚目。よりプログレ臭くなりましたね。 メロディアスである事に代わりはないんですが、何かプログレ率が上がり、メロディアスが少ししか続かない感じがします。メンバーがうまくて、どんなに凄いテクニックでも出来てしまうのが逆に仇になったかな、と個人的には思います。 それと、メロディもややロック色(またはジャズ?)が濃くなり、ドラマ性が落ちた感じがします。ジャンルで言えば全然メタルなんですが、前に比べるとね‥‥何か記憶に残らないっす。スピードが落ちた事も原因かもしれません。 お気に入りは「HIDDEN PLACES」。8分も微妙なテンポで進むナンバーですが、サビがほんのりドラマチックっす。メンバーが全員うまいだけに、プログレ臭が強くなるのは分かりますが、もっとメロディを大事にしてほしかった‥‥。 |
|
![]() MISPLACED / 2004年作 / 91点 |
|
5枚目。これはいいですね! ってプログレじゃなくなった気がします。 前はテクニカルな面だけが特化されていたように感じましたが、今回はメンバーの中でどんな変化があったのかは知りませんが、思い切りメロスピになっています。 テクニカルである事に変わりはないんですが、疾走感、メロディ、ドラマ性が前とは比べ物にならない程にアップしていて、同じバンドとは思えないです。でも、この進化は大歓迎です。 そしてここが一番大事なんですが、捨て曲が無いです! どれもとにかくよく出来ている。スピード曲、ミドル、バラードとよく練られていて感心します。 最近サイレント・フォースの新アルバムで感動しましたが、これも感動しました。曲数8曲しかないので、この点ですが、いいですよ!お気に入りは「Is Hell Without Love?」。間奏部分がたまりません! |
|
![]() DIFFERENT SHAPES / 2007年作 / 80点 |
|
6枚目。 唯一の創設者であったディエゴ・レアリ(Gt)が脱退してしまい、オリジナルメンバーが一人もいない状態になってしまいましたが、こうしてアルバムが出たのは嬉しい限り。 方向性は前作同様、もはやプログレと呼ぶのは躊躇してしまうようなストレートなメロパワです。前作ほどの疾走感は無いですが、どの曲も適度なスピード感があり、歌メロは勿論叙情的でキャッチーです。ディエゴの後任もとても上手いです。 ただ、やはりというかディエゴの抜けた穴は大きいと思いました。まろやかながらも泣きを熟知していたディエゴのGtがこれまでの楽曲を芳醇かつ幻想的なものにしていたのは間違いなく、それが無い本作ははっきり言ってしまえば「DGMらしさが無くなり、よくあるメロパワになった」と言えなくもないかも‥‥。そう思って聞いてると歌メロもやや地味になったような気が‥‥。 お気に入りは「SIGNS OF TIME」。前作に入っててもおかしくないようなメロディが気に入りました☆ディエゴに戻ってきてほしいというのが正直な意見ですが、それが無理ならこのメンバーでもう一度DGMらしさとは何かを考えてもらいたいっす(偉そうな事言ってるな、俺)。 |
|
![]() FRAME / 2009年作 / 87点 |
|
7枚目。 ついにVoのティッタ・タニまでもが脱退。前作から”普通”になってしまったと感じたんですが聞いてみてビックリ。凄い事になっています。 楽曲的には前作と同じ路線で、プログレッシブではあるものの、それ以上にストレートでファストなメロパワナンバーがズラリと並んでいます。勢いは名盤「MISPLACED」を超えるレベルで、どの曲も超絶テクニカルでありながら相当の疾走感が味わえます。 そして気になるVoですが、谷さん程の個性があるわけではないですが十二分に歌える逸材で、穴はほとんど感じませんでした。どうしてこのバンドにはこんなにも凄い人ばかりが集まるんでしょうか? それらを総合した結果ですが、過去最高とは言えませんが前作の中途半端な出来に比べると雲泥の差と言っていいと思います。とにかくリフがどれも異常にカッコイイんですよね。疾走感がありながらも小手先を絶妙に変えながら聞く者を魅了するテクニックの応酬は見事です。残念ながら歌メロは微妙なものが多いですが、それを補って余りあるGtリフマシンガンにヤラれてしまいました。 お気に入りは「Heartache」。Gtリフは結構普通ですが、歌メロが一番良かった曲です。 もっともっと注目されてもいいと思うんですけどね〜、いまいち人気なのが悲しいくらいいい出来だと思います。 |
|
![]() MOMENTUM / 2013年 / 65点 |
|
8枚目です。 ここ最近のアルバムと同じく、もはやプログレ的要素ほぼ皆無の、スピーディーでエッジの効いたメロパワが展開されています。 相変わらず楽器陣の演奏は見事の一言で、卓越された技術を惜しみなく使いながら決して難解にはならず、「カッコイイ」と感じられるメロディ作曲能力には脱帽です。ただ、それに反してメインの歌メロは非常に地味で、全然耳に引っ掛かりません。いっその事デスボイスで歌ってくれよと言いたくなるレベルで地味です。前作は結構良かったのに……。リフなどの楽器陣のメロディが非常にカッコイイだけに、この歌メロの無味無臭っぷりは非常に残念でした。 お気に入りは今の所無し。聴き込めばいくつか気に入る曲が見つかるかもですが、そこまで聴き込むかどうか……。 |
DIMENSION ZERO (ディメンション・ゼロ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥スラッシュ・デスメタル |
![]() SILENT NIGHT FEVER / 2001年作 / 80点 |
|
現インフレイムスのイエスパーと元インフレイムスのグレン(2人ともGt)が率いるデスラッシュバンドの1枚目。 インフレイムスのようなメロディアスな部分もほんのちょっとだけ聞けるものの、このアルバムに収録されている10曲34分は、全編激烈なリフと、猛烈なブラストが支配する、純粋なるデスラッシュ。聞き終えた後に体のどっかから流血してそうなガリガリの音世界は、正直私は好きじゃありません。だって爆走するだけじゃつまんないんだもん。 なら何故レビューがあるのか? それは前述したようにインフレイムスに通じるメロディアスが部分がどの曲にも存在するからです。容赦の無いブラストとひたすら獣の如く吼えまくるVoの合間にスッと叙情的なメロが入ってるのがたまらんのです。 Gtソロ皆無。そのメロディアスな部分もほんのちょっとなんですが、このちょっとのメロディアスな部分があるからこそ、熾烈なブラストも「心地良い」と思って聞けるわけです。 お気に入りは‥‥どれもまったく同じ感じの曲調なので無し。でも、どれもなかなかの物なのは確か。ビートルズの「HELTER SKELTER」が入ってますが、原曲がどんなのか忘れる程の出来です(笑)。正直、このバンド以外のデスラッシュはほとんどダメだったんですが、彼らは別格。これからも頑張って欲しい。でも、個人的にはインフレの方に力を入れて欲しい‥‥。 |
|
![]() THIS IS HELL / 2003年作 / 78点 |
|
2枚目。 ど頭からどよ〜んとしたスローナンバーが出てきてビックリ。「今回はデスラッシュじゃないの?」とか思いましたが、2曲目からはいつもの爆走でした。 しかも爆走度は前作以上。しかも音密度も前より厚いので、聞き終えた後、体中から流血してそうな感じです。。 しかし今回何故かイエスパーはBaしかやってないそうで、その影響なのか、前はちょっとだけ見られた叙情メロが欠片程度しか残っていません。つまり、どの曲も一心不乱に爆走、激走。メロディーもクソもあったもんじゃありません。確かにちょいスピードを変化させてみたり、ノーマルVoを入れてみたりと言った工夫も見受けられますが、そんなのはほんのちょっと。全体的な印象は前の方が良かったです。 純粋にデスラッシュが好きな人にとってはこれでも全然いいんだと思いますが、私はそれではアウトな人間なので、これは評価できん。。お気に入りは「THIS LIGHT」。途中にメロスピ系のリズムの部分があって、そこが好き。 |
|
![]() HE WHO SHALL NOT BLEED / 2007年作 / 86点 |
|
もはやプロジェクトとは呼べなくなってきてる3枚目。にしてもこのエグいジャケは何だ? グラインドコアじゃないんだからやめてよね! 前2作にもメロディもあったものの、どちらかと言うまでもなく間違いなくデスラッシュと形容出来る激烈音楽でした。しかし本作はメロディアスなパートが大幅に増加、爆走感は変わらずもサビではどの曲もほぼメロディアスという感じで「これデスラッシュじゃねえだろ?」と思ってしまった程です。 デスラッシュ好きからすると甘くなってしまったと批判が出そうな内容ですが、私個人はメロディアスなのは大好きなのでこれは全然OKです。IN FLAMES程甘くなく、ブラック程不穏でもないデスメタルらしいクールでカッコイイメロディが乱暴なデスラッシュ演奏の中でスッと現れる様はとても気持ち良く、ジャケで意気消沈した気持ちも一気に復活するってもんです。 お気に入りは「Deny」。デスラッシュの乱暴さ、メロデスの甘さがマッチングした名曲です。聞けば誰も知っている「Staying Alive」のカヴァーも面白すぎるので一度聞いてみてください。メロデスファンにも聞いてほしい一枚です。 |
DIMMU BORGIR (ディム・ボガー) |
出身地‥‥ノルウェー ジャンル‥‥ブラックメタル |
![]() SPIRITUAL BLACK DIMENSIONS / 1999年作 / 82点 |
|
シンフォニックブラックメタルの王者の4枚目のアルバム。 私は基本的にメロディアスではない音楽は好きではありません。ブラックメタルはその禍々しさこそが売りであり、メロディなんてクソ食らえな風潮があります。だから、私はほとんどのブラックバンドは嫌いです。 しかし、このバンドはブラックらしい邪悪さは確かにありながら大仰なシンフォニックアレンジが施されており、はっきり言ってメロディアスな部分は多いです。でなきゃ、オイラがレビューなんてしないよ。 まるで機械のように叩かれるブラスト、でも間に入るちょいスローなテンポ。時に邪悪に、でも特にメロディアスに弾かれるツインギター、いつもは禍々しくも時にノーマル声でハーモニーを聞かせるヴォーカル。そしてそれらを包み込むシンフォアレンジ。とまあ、普段からメタルを聞いてる人からすればそれほど構えなくても聞けます。そして、どの楽器もメチャクチャうまいです。上手ければ上手いほど、ブラックらしさって減っていくんですよね。 チルボドなんかを普段から聞いてる人であれば難なく聞けるブラック。お気に入りは「SYMPOZIUM」。キーボードがキラキラ言ってますよ!というわけで、ブラックが苦手な方でも是非一度聞いてみてください。 |
|
![]() PURITANICAL EUPHORIC MISANTHROPIA / 2001年作 / 84点 |
|
5枚目。よりシンフォニックに、そしてよりメロディアスになりました。これ、ブラックって言えるのかな? まず言えるのはシンフォニックさが格段のレベルアップを遂げました。前の時点で既に一介のブラックバンドとは一線を画くシンフォニック度だったのにも関わらず今回はより凄くなりました。これが更にメロディアスになっていて、個人的にはGOOD。更にノーマル声の頻度も適度に上がり、より大衆的になりました。だってギターソロとかあるんですよ。一部じゃ「こんな人気のあるバンドはブラックじゃない」って声もありますが、頷けますね。 お気に入りは「REPTILE」と「DREAMSIDE DOMINIONS」。前者はもはやメロデスです。後者はラストのギターソロが格好良すぎ!ブラックファンには物足りないのかもしれませんが、個人的にはとても嬉しい進化です。是非この路線を続けていってほしいですね。 |
|
![]() DEATH CULT ARMAGEDDON / 2003年作 / 86点 |
|
6枚目。もはやここまで来ると彼らだけにしか作れない音楽になってきてますね。ブラック界のラプソディと呼びましょう。 基本路線に変わりは無し。シンフォニック度は更に増し、オーケストラレベルにまでなっています。それと同時の今回は他の楽器の音もアップし、全体的に激しくなりました。ただ、激しさと同時にブラックらしいメロディ薄めの禍々しさも戻っており、個人的にはやや悲しい。ブラストがすげーっすよ(ヘドバンしたら首がもげるわ)。いや、これが本来なのかもしれませんけどね。 でもまぁ、何であれこのバンドにしか作れない荘厳さ、激しさ、そして美しさが合わさっているのは事実。ブラックなんのって話はするだけ無駄。聞けばおのずと意味も分かるってもんです。 お気に入りは「CATALYSM CHILDREN」。チルボドがぶち切れるとこんな音楽作りそうってな感じです。かっちょええ!ブラックファンならず、メタルファン全員に聞いてもらいたいバンドですね。それにしてもタイトルがなげえ。 |
|
![]() STORMBLAST / 2005年作 / 83点 |
|
7枚目。‥‥ではなく、96年に発売された2枚目のリ・レコーディング作品。 私は彼らを4枚目から知ったので、本作の音楽を聞くのは初めて。で、感じたのはこの頃の彼らはまだシンフォニック・ブラックと呼べる程シンフォニックでも邪悪でもなかったという事。 メインはツインGtによるメロディアスな旋律で、Keyはあるもののまだまだ味付け程度。シャグラット大帝の出番も少なめで、ブラストなどを用いた急激な曲展開もほとんど見受けられません。 ただ、これが悪いなんて事は全然無く、正装必須の荘厳なる暗黒城舞踏会と化している今の彼らより身構えずに聞けるので、人によってはこちらの方が気に入るかもしれないとすら思いました。 私はと言うと、これはこれでGtメロが印象的で気に入ったんですが、やっぱり今の方がスリリングでカッコイイと思いました。Gtソロとか無いし、ギリギリとした緊張感が足りないんですよね〜。 お気に入りは「STORMBLAST」。今の彼らならきっと作らないであろう綺麗なサビが素敵です。おまけでDVDがついてますが、真昼間でしかも野外のコンサートに彼らは合わないように思いました。演奏はメチャウマでしたけど(特にガルダー少佐のGtは凄い!)。 |
|
![]() IN SORTE DIABOLI / 2007年作 / 74点 |
|
本当の7枚目。 基本路線は同じです。ただ、どの曲も4〜5分程度にまとまっており、前作で聞けたRHAPSODY OF FIREをも凌駕する壮絶なシンフォニックアレンジが若干後退したように思います。 シャグラット大帝のVoも、ガルダー少佐のスリリングなGtも、ブラックメタル界では生ける伝説(らしい)ヘルハマー氏のドラミングなど、全てが完璧で非常にカッコイイんですが、正直小粒にまとまり過ぎてて物足りなさを感じてしまいます。意外な程ミドルテンポの曲が多いですし。 でもこのくらいの方が末長く聞ける気もしますけどね。前作は聞く度に身構えなきゃいけなかったからな〜。 お気に入りは「BLACK METAL」。竜頭蛇尾疾走しまくるデスメタルナンバー。これはメチャカッコイイ! とか思ったらVEMONってバンドのカヴァーらしいです。次はまた壮絶なシンフォブラックで行ってほしいです。 |
|
![]() ABRAHADABRA / 2010年作 / 84点 |
|
8枚目。 前作はオーケストラアレンジが抑え目でしたが、本作では再び復活。ただ楽曲は4〜5分台が多くを占めており、聞き易さは変わっていないと思います。 再び舞い戻ったオーケストラアレンジにより、映画音楽さながらの荘厳さ華麗さ、そして冷たさが全体を通して描かれており、その雰囲気は傑作「DEATH CULT ARMAGEDDON」にかなり近いと思います。 「DEATH CULT〜」ほど劇的ではないし、1曲1曲はそれほど突出しているわけではないんですが、彼らの作品は単体で聞くというよりかはアルバム全体を通して聞く趣向が強く、そういう意味で言えば本物のオーケストラを使ってド派手にぶちまけているにも関わらず、極めて綺麗にまとめられていると思います。この辺りが彼らの一流たる所以(ゆえん)と言った所でしょうか。 ただ個人的にはやっぱり一撃の1曲は欲しい所。「Progenies Of The Great Apocalypse」のような凄まじい1曲があれば文句無かったんだけどなぁ。今作は本当に「1曲1曲は小粒」ですからね。 お気に入りは「Gateways」。女性Voさえも取り入れた荘厳すぎる1曲。メロディも良い! ブラックメタルの頂点の座はまだ譲る気は無さそうです。 |
DIO (ディオ) |
出身地‥‥アメリカ(?) ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() LAST IN LINE / 1983年作 / 83点 |
|
へヴィメタル界随一の激熱歌唱男、ロニー・ジェイムス・ディオがリーダーの正統派バンドの2枚目。83年作。 レインボー、ブラック・サバスなどでの活躍でメタル界にその名を知らしめた彼の名を冠したバンドの音楽性は、これぞメタル! と言えるような小細工無しの超正統派。Keyはあるものの、装飾程度。骨太のGtリフとタイトなDr、そしてロニーの暑苦しいまでの熱唱がメタル好きのハートにビンビンきます。 疾走からミドル、バラード、どれもフックに富んでおり、飽きずに聞けます。これはロニーの上手い歌唱もありますが、何よりリフからソロまで何でもこなすメチャ上手いGtと、やたらめったら手数の多いDrが大変良い。特にDrマニアの私としては、いい所で「ズダダダダッ!」と連打されるDrが心地良くてたまりません。 個人的にはもうちょっとサビメロを劇的に盛り上げてほしかった所だけど、これはこれでなかなかに良いです。 お気に入りは「I SPEED AT NIGHT」。本作中一番の疾走曲。サビは弱いがGtとDrが好き。20年以上も前の作品ですから古臭さは否めませんが、正統派が好きなら是非どうぞ。 |
|
![]() DREAM EVIL / 1987年作 / 82点 |
|
3枚目を通り越して4枚目。Gtが変わったらしいですが、あんまし変化が分かりません。 で、何も変わってません。上記したようにGtが変わってるんですが、私にはそれほど大きな変化があるようには思えませんでした(素人だから?)。 ただ、前に比べると少々地味な感じがします(特に後半)。ロニーが上手いのはよく分かったけど、個人的にはやっぱりハモりとか入れてほしいな。 お気に入りは「NIGHT PEOPLE」。サビの前に静寂な間があるのが良いっす。 |
DIONYSUS (ディオニソス) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() SIGN OF TRUTH / 2002年作 / 85点 |
|
ルカ・トゥリッリとのお仕事で好印象を残したヴォーカル、オラフ・へイヤーが同じくヴォーカルをとるメロパワバンドの1枚目。何でもギターの人が有名らしいです。 その音楽性はネオクラシカルなギターが随所に盛り込まれた普遍的メロパワ。スピードはあまりありませんが、メロディがよく練られているので、そんなに退屈ではありません。 で‥‥これくらいなんですけど。巷ではギタリストの人が有名らしいですが(ジョニー・ウーリンって名前です)、私はあまり知りません(昔、NATIONってバンドにいたらしいです)。確かにとてもよく出来ているとは思いますが、それほど物凄いとも思わなかったし。サイレント・フォースのアレックス・バイロットの方が個人的には好みだったりします。 とまぁ、文句言ってしまいましたが、ヴォーカルを始め、皆さん実に上手でまず外れって事は無いと思います。一番とは言えないと思いますけど。 お気に入りは「POURING RAIN」。哀愁漂う歌メロがナイスなバラードナンバーっす。何かずば抜けていいとは思わなかったけど、何かと難点の多いバンドが多いこのジャンルの中では、ここまでソツ無くこなせる貴重な存在かもしれません。打率も守備も悪くないけど1億円プレイヤーじゃない感じ(?)。 |
|
![]() ANIMA MUNDI / 2004年作 / 88点 |
|
2枚目です。うんうん、いい進化だね。 路線に変わりはないですが、早い曲が増え、全体的にストレートになり、分かりやすくなりました。まぁ、流行のタイプとは言えばその通りなんだけど、熟練の職人が作れば新鮮味の無いジャンルでもまだまだ楽しめるんだねぇ、と感慨深くなる出来です。 前はネオクラ節が随所に聞かれましたが、今回は言った通りストレートになっているので、やや減退。代わりに歌メロや曲そのものの雰囲気(?)に比重が置かれるようになり、スケールがアップしたように感じます。 楽器に大きな変化は無いですが、元々十分上手かったし難癖つける必要も無いっす。 お気に入りは「CLOSER TO THE SUN」と「FOREVER MORE」。前者はライナーで「初期ハロウィンみたい」なんて言ってますが、そこにキラキラキーボードとクラシカルギターが入り、かなーりいい出来っす! 後者は希望に満ち溢れたバラード。これ聞くと明日も頑張ろうって気分になります。相変わらず私の中では一流ではないんですが、いつまでも愛聴出来そうなアルバムです。メロパワ好きは一度聞いてみてくださいです。 |
|
![]() FAIRYTALES AND REALITY / 2006年作 / 85点 |
|
3枚目。 基本路線は変わらず、相変わらず高品質のメロパワです。 ただ、クラシカル度が減り、ヘヴィさに重点が置かれたような感じで、ガリガリした音が耳につきます。 でも、私はこのバンドにキュルキュルとしたネオクラはあまり求めてなく(そういう場面はすげーありますけど)、とにかく「安心して聞けるメロパワ」を期待してたので、それに関しては一切の文句無し。 楽曲ですが、個人的には今までの中でも一番良いと思います。確かに「CLOSER TO THE SUN」みたいな衝撃的な一発こそ無いんですが、どれも非常に出来が良い。他のサイトを見ると「NATIONっぽくなくなった」とか言って評価が低いんですが、NATIONを聞いた事が無い私としては、純粋に「メロパワアルバム」として楽しめました。ここまで安心して聞けるメロパワは早々無いんじゃないかな? サイレント・フォースと双璧を成す存在だと思いますよ。 もうちっとVoのオラフ・へイヤーが感情を入れてくれればもっと点数は高かったと思いますが、贅沢かな? お気に入りは「BLINDED」と「THE GAME」。前者はヘヴィなGtサウンドと、荘厳なサビが心地良いミドル。後者はライナーではアバっぽいとか言ってたちょっとトリッキーなナンバー。でもサビはキャッチャーやね。 |
DISARMONIA MUNDI (ディサルモニア・ムンディ) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() FRAGMENTS OF D-GENERATION / 2004年作 / 90点 |
|
イタリア出身の4人組(1人はゲスト)の2ndアルバム。これは凄いっすよ。 ゲストヴォーカルがソイルワークのヴォーカルなんで、その音楽はパッと聞くとソイルワークによく似てます。しかし、本作はソイルワークよりも更にアグレッシブであり、サビが分かりやすく、キーボードがシンセ臭い。 一気に言うと分かりにくいですが、ソイルワークも更に進化したと言えばいいでしょう。ソイルワークはどうもサビメロが弱かったですが、本作はサビは強烈に格好良い。それでいながら、本家以上のパワーを感じる。デス声とノーマル声の人が違うからだろうな。 ギター、キーボード、ドラム、ノーマルヴォイスを1人の人が担当しているから、そいつは天才である。楽曲を一々説明するとキリが無いが、まず一発目の曲で既に悶絶死である。静かな雰囲気から一気にブラストが始まり、途中から更に爆走。んでもってサビは落ち着いて歌う。今まで色々と模索されてきたデスメタの一つ完成系があるように思う。本当に凄いよ、マジで。 捨て曲無し。後半ちっと似たような曲が増えるが、どれもいい曲なので問題無し。強いて言えばど頭でガツンを来た「Common State of Inner Violence」。途中から更にスピードアップする瞬間がマジで鳥肌物! 名盤です! |
|
![]() MIND TRICK / 2006年作 / 91点 |
|
相変わらずメンバーが増えない3枚目です。お友達いないのかな? まあ、そんな事はいいとして、相変わらず非常にハイレベルなメロデスを聞かせてくれます。ソイルとインフレを足して、そこに小さじいっぱい分のスペーシーさを加味した音楽性には微塵の変化もありません。前作に続いてソイルのビョーンがデスVoやってます。 前は頭数曲ばかりが目立って、後半になっていくに従ってインパクトが下がっていたと個人的には思うんですが、今回は全体的に満遍なく行き渡ってる感じがして好印象。疾走曲の配分が絶妙なんですよね〜。 メロディーセンスなんかは全然変わってないんですが、最近のソイルに比べたらやっぱりメタルメロディーだなって思うし、スカー・シンメトリーと並んで次世代メロデスバンドとして語ってもなんら問題無いと思います。 ちょっとミドル系に面白みが無いような気がしなくもないですが、メッチャ格好良いメロデスアルバムに変わりはありません。 お気に入りは「MIND TRICK」と「LAST BREED」。前者はタイトルナンバーに恥じない疾走ナンバー。後者は本作中最大の爆走曲。共にサビでのメロディーが格好良すぎます!。メンバー問題とかもあるでしょうけど、これからも期待せずにはいられないバンドです! |
|
![]() THE ISOLATION GAME / 2009年作 / 86点 |
|
やっぱしメンバーが増えない4枚目。ライブが見てみたいけど、いつ来れるのやら‥‥。 さて、基本的な路線である「スタイリッシュでサイバーなメロデス」という方向性にまったく変更はありません。相変わらずSOILWORKのビョーン・ストリッドがゲストVoとして参加し、クールで超カッコイイSFメロデスワールドを繰り広げています。 本作最大の特徴は何と言っても「過去最高の疾走感」と言えます。ほとんどの曲が竜頭蛇尾大爆走しており、体感速度はジェットコースター並みです。大抵こういうスタイルだと「勢いはあるけどメロディがつまらない」という結果になりがちなのですが、ここは流石の彼ら。どの曲にも印象的なメロディがしっかりと用意されており、最後の最後まで飽きさせません。聴き応え十分です。 が、欠点が無いわけでもありません。とにかく「サウンド」です。デジタルエフェクトをかけまくった人口的なノーマルVoの違和感や、クリアとは言い難いどこかくぐもったサウンドが爆走の爽快感を邪魔しているんです。 この辺が改善されれば、間違いなく日本では大ヒットすると思うんですけどね。でも、これは最初からそうだったし、もう直らないような気もします‥‥。 お気に入りは「Structural Wound」。このストレートな勢いと心地良いノーマルVoによるサビ、これぞディサルな曲ですよ! ちょい文句も言ってしまいましたが、やっぱりすんごくカッコイイアルバムです。メロデスファンは必聴! |
|
![]() NEBULARIUM/THE RESTLESS MEMOIRS / 2009年作 / 82点 |
|
幻と言われる1枚目のアルバム「NEBULARIUM」をリマスターし、更にEP「THE RESTLESS MEMOIRS」を追加した2枚組、企画系ミニアルバム。 「NEBULARIUM」は勢いのあるメロデスです。彼らの特徴とも言えるサイバーな雰囲気もまだ無く、Voもビョーン・ストリッドじゃありません(誰なんだ、こいつは?)。全然悪くはないんですが、まだオリジナリティが確立されてなく、全体的に「惜しい出来」かなと思います。 一方、「THE RESTLESS MEMOIRS」の方は文句無しにカッコイイです。音と言い、スタイルと言い、間違いなくつい最近作られたもののようで(具体的にいつなのかは分かりませんでした)、サイバーなKeyと非常に心地良い疾走感、ツボを押さえたメロディなど、彼らが好きなら絶対気に入ると思います。ちなみにこっちもビョーン・ストリッドじゃないっぽいです。 お気に入りは「Kneeling On Broken Glass」。この疾走感とカッコ良さは格別だ! 相変わらずメンバーが揃ってないみたいですが、早くライブが見てみたいです。 |
|
![]() COLD INFERNO / 2015年作 / 87点 |
|
6年ぶりの5枚目。これだけじゃ食えていけないのか、プロデューサーの仕事が忙しいのか‥‥。 さて、そんな事はさておき、基本的には何も変わっていません。「近未来メロデス」と形容しても良いようなサイバーなメロデスです。 これまで同様、ファストな曲が大変多く、激しく掻き鳴らされるGt、キレッキレのビョーン・ストリッドの咆哮、全体を包み込むサイバーな雰囲気、どれも聞き応えがあり、本作もこれまでのアルバムに決して引け劣らない作品だと思います。 強いて苦言を呈すなら、どれも似たような構成なので、バラエティに富んでいない事くらい。もう少し毛色の違う曲を適度に入れていれば、もっと印象に残るアルバムになっていたと思います。 お気に入りは「Behind Closed Doors」。彼ららしいリフが炸裂するナンバーです。 |
DISPATCHED (ディスパッチド) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() MOTHERWAR / 2000年作 / 85点 |
|
スウェーデン出身のクサメロバンドの1枚目。 このバンドを知った時、既にこのアルバムは廃盤になっていて、何年も探し続けていたんですが、ディスクユニオンで中古を発見して即GET。 竜頭蛇尾疾走をかましながら、悶絶死確実のクサメロを撒き散らすメロデスです。Voは弱いし、テクニックもいまいち。疾走も一辺倒で、最後はメロデスのくせに14分もある大作を配置。とB級感丸出しです。 しかし、それを補って余りあるクサさを発散しており、好きな人にはたまらない作品と言えるでしょう。私は大好きです。歌謡曲っぽいフレーズがたまらない「MOTHERWAR」は最高の名曲だと思います。 あと、ヨーロッパの「THE FINAL COUNTDOWN」の爆走カヴァーをしてますが、この曲ってこんなにクサかったっけ? と思うくらいすんばらしい出来になってます。クサメロが好きな人は見つけ次第、即GETすべし! |
|
![]() TERRORIZER / 2003年作 / 90点 |
|
惜しくも解散し、何故かまた復活したメロデスバンドの2枚目。リマスター盤もありますが、音楽自体に変わり無し。 音楽性はKeyがクサすぎるメロを奏でる疾走メロデスです。声はかなり甘めで、初心者でもイケます。 特別凄いテクニックを披露する楽器は無いんですが、とにかくKeyがクサい! ここまでクサいメロを撒き散らされると、デス本来の暴虐性はかなり薄くなります。これで「怖い」って言う奴はいないだろうな。 Gtの音がちょっといただけないけど、全体的のよく出来ています。あとは早い曲が多いのもポイント高し。お気に入りは「TERRORIZER」と「I AM THY LORD」。前者は頭からの大暴走に昇天。後者は間奏のKeyメロに昇天です。どっちも最高です。 クサさに関してはかなりのツワモノなので、そういうのが好きな人は迷わず買いましょう。ちなみに、今はリマスター盤の方が圧倒的に手に入りやすいです。そっちの方が音がいいしね。 |
DISSECTION (ディセクション) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥ブラックメタル |
![]() THE SOMBERLAIN / 1993年作 / 72点 |
|
スウェーデン出身のブラックバンドの1枚目、93年作。 私がこのアルバムを手にしたのは非常にミーハーな理由で、「ジョン・ノトヴェイト(Vo、Gt)が拳銃自殺したから」というものでした。それと、方々で「メロデスみたいなブラック」という謳い文句があったからでした。 ブラストビート、トレモロリフなどブラックメタル特有の音楽性はあるものの、そこに流麗なツインGtやプログレッシブな展開が加えられており、確かに「メロディック・ブラックメタル」に嘘偽りはありません。ジョンは真面目にサタニックやってるらしいですが、この音楽から本気の邪悪性を感じるのは難しいかな。だってしっかり聞ける音楽として成り立ってるもん。 ただ、ライナーに「疾さを感じろ」などと言ってるわりにスピード感がある曲はほんの僅かしか無く、後半はほとんどがミドルナンバーというのが何とももどかしい。 また、確かにメロディアスではありますが、最近のメロデスのようなキャッチーさがあるわけでもないので、正直私は最後まで聴くのが大変でした。音が悪いのもその原因の一つだと思います。 お気に入りは「The Somberlain」。本作中最もメロディアスなナンバー。こういうのが後半にもあったら嬉しかったのになぁ。 |
|
![]() STORM OF THE LIGHT'S BANE / 1997年作 / 78点 |
|
2枚目。95年作。 実はこちらの方が先に聞いていたりするんですが、基本的に路線は変わりません。 ただ、前作より疾走感は上がっており、また印象的なメロディも増えたように思います。それでもまだブラックメタルらしさが残っている辺り、ジョンの才能は凄いんだなぁ、と思います。まあ、シンプルに分かりやすいメロディが好きな私としては、「もう少し」的な気持ちもありますが。 お気に入りは「NIGHT'S BLOOD」。攻撃力、扇情力、共にハイレベルです。 |
DISTURBED (ディスターブド) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ヘヴィロック |
![]() INDESTRUCTIBLE / 2008年作 / 75点 |
|
アメリカ出身のヘヴィロックバンドの4枚目。 過去の作品の中に全米1位に輝いたモノがあったり、かのオジー・オズボーンから「メタルの未来」などと呼ばれていたりと、何かと話題性の多いバンドなんですが、音楽性は至極シンプルでキャッチーなヘヴィロックと言った感じ。系統的に言えばNICKELBACK辺りが一番近いと思います。 特徴は無いけど歯切れの良い歌い方が良いVo、ソロは地味だけどしっかりとした仕事をするGt、派手さは無いけど的確なリズムなど、とにかくソツの無い堅実な出来です。歌メロもアメリカのバンドにしては適度な湿り気を帯びており、ごっついジャケットとは裏腹に、ロック初心者でもあっさり聞ける程とても聞き易いです。 しかし逆を言えば頭一つ飛び出る個性や凄さがあるわけでもなく、個人的には刺激が無さ過ぎると感じました。テンポも曲調もみんな同じだし(疾走はおろか、バラードすらありません)、メロパワバンドのような激メロがあるわけでもありません。 学校クラスで言うと成績23番目の生徒って感じで、一番記憶に残らないタイプなんですよね、こういうの。 お気に入りは「The Night」。アメリカのバンドとは思えない程ヨーロピアンなサビメロが好きです。 もっとハードでアグレッシブな音楽を期待していたんですけどね〜。音楽がジャケット負けしてる気がします。 |
DIVINE FIRE (ディバイン・ファイヤー) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() GLORY THY NAME / 2004年作 / 70点 |
|
スウェーデン出身の3人組みバンドの1枚目。 過剰なまでにオーケストレーションを取り入れた荘厳華麗なシンフォニックメタルです。ただし、RHAPSODYのような分かりやすいマイティーなメロディではなく、ブラックメタルですか? と言わんばかりの暗めのメロディを主体としており、ちょいとマイナーですがBRIDE ADORNEDに似ていると思いました。 大概のサイトでは好評を博しているようですね。確かにクオリティは高いですし、メンバーのテクニックも申し分ないと思います。ただ、私は正直全然ダメでした。 とにかくシンフォニックブラックのメロディにハイトーンを乗せられても全然合っているように思えないんです。よくメロデスを例えるのに「演奏は正統派で声だけデス」なんて言いますが、これは真逆。「声がデスならまんまシンフォニックブラック」ですよ。 私がブラックメタルが苦手ってのもあるかと思いますが、少なくともRHAPSODYを期待して買うと痛い目に合うと思います。RHAPSODYが主人公ならこっちは悪の魔王って感じですから。 |
|
![]() HERO / 2005年作 / 70点 |
|
2枚目。 前作に比べるとややシンフォニックブラックの要素が減退し、普通のシンフォニックメタルになった感じはします。 しかし、メロディは変わらず暗めで気持ちの良い高揚感を得る事は出来ませんでした。メインソングライターのヤニ・ステファノヴィックって男の描くメロディは私には合わないのかもしれませんね〜。 |
DIVINE SOULS (ディヴァイン・ソウルズ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() EMBODIMENT / 2001年作 / 70点 |
|
スウェーデン出身のメロデスバンドの1枚目です。 その音楽性は自国の英雄イン・フレイムスそっくりです。本人達は意識してないと言ってますが、絶対嘘です。適度なスピードで走りながら、もうこれ以上無いくらいメロメロなツインギターが炸裂しています。これだけ言うととってもいいみたいですが、レベルで言うならかなり低いですね。 声の迫力は無いし、特にメロディにフックがまるで無いので、マジでどれも似たような曲に聞こえます。やっぱり本家は強しと改めて知ります。 |
|
![]() THE BITTER SELFCAED MAN / 2002年作 / 70点 |
|
2枚目です。 前で「フックが欲しい」と言いましたが、まったく変わっておりません。普通のデス声に適度な疾走、終始とにかくメロメロだけを奏でる事に熱心なGtと、少しは何か変われよと突っ込みたくなるほど。 前が好きだったら問題は無いと思いますが、お世辞にもA級バンドとは言えないので、玄人向けかもですね。 お気に入りは「Empty Words」。サビでノーマル声で歌ってくれるので、分かりやすいです。 |
DOL AMMAD (ドル・アマンダ) |
出身地‥‥ギリシャ ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() STAR TALES / 2004年作 / 65点 |
|
ギリシャ出身の自称「エレクトロニカル・アート・メタル」バンドの2枚目。 専任Voがおらず、歌メロは全てクワイア。デジタル色が非常に濃いメロスピで、巷では「爆走するTHERION」なんて呼ばれています。確かにそんな感じ。 疾走系の曲ではスペーシーなジャケのイメージ通り、ドラマチックに爆走してくれるので聞いてて気持ち良いのですが(DrはあのRHAPSDOY OF FIREのアレックス・ホルツワース!)、この作品の宜しくない所はミドル系のつまらなさにあります。Gtソロも無ければ、テクニカルな場面も無し。Voもほとんど出てこず、高揚感を煽るメロディも無く、ただ単純なピコピコ音だけが地味にこだまするものばかり‥‥。 トランスやテクノと言った音楽が好きな人なら、ミドルでも面白いと思うのかもしれませんが(電気グルーヴとかのファンだったら好きになりそう:笑)、私には退屈極まりものでした。ってかiPod行きがたった3曲ってのはなぁ‥‥。 お気に入りは「Master Of All」。昔デモで聞いて良いと思ったけど、やっぱり良かった。噂ではこの後更にトランス色が濃くなったとか。じゃあ、もういいや(汗) |
DOMINE (ドミネ) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() STORMBLINGER RULER / 2001年作 / 81点 |
|
イタリアのおっさん5人組みの3枚目。 Keyを随所に配した非常にエピック性の高いメロパワです。ラプソなんかに比べると垢抜けてない点(音質も)、クサいメロディを撒き散らす楽曲など、個人的にはハイロードに近い感じがしました。 各楽器に問題は無し。特にVoが凄い。ハイトーンでの耳をつんざくような声は、一度聞いたら忘れられません(低い声に抑揚が無いような気もしますけど)。 SEも分けず、1曲の中に盛り込んだりしてり、間奏でのGtソロがやたらと長いのが気になるっちゃなるけど、どの曲もエピック性満載だし、それなりに疾走感もあるし、良いんではないでしょうか?まぁ、もう少しフックをつけて劇的でも良かったんじゃないかなとも思いますけど。 お気に入りは世間でも神曲と言われている「THE HURRICANE MASTER」。メロディも良いし、後半の声がどんどん上がってくる所なんかは鳥肌モンよ。 イタリアのバンドが紹介される時ってラプソかラビリンスとか言われないけど、このバンドとかDGMとかも悪くはないと思うんですけどねぇ。 |
|
![]() EMPEROR OF THE BLACK RUNES / 2003年作 / 80点 |
|
4枚目。 前とまったく変わっていません。エピック満載のメロパワで、長い間奏、一度聴いたら耳から離れないモービィのVoなど、年月が経って出されたとは思えませんね。 個人的にはもっとGtの音とかをクリアにしてほしかった所。それと、いい曲はいいんだけど、面白くない曲はどーも飽きるという、曲の良し悪しがはっきりしている点も不変。もっと全体的な底上げを期待してたのに。 でもまぁ、レベルが高いのは相変わらずだし、前が好きな人は絶対損はしないでしょうね。 お気に入りは「TURE BELIEVER」。前の「THE HURRICANE MASTER」と同じく必ず1曲は入ってる神曲。こういう曲があるから、このバンドはあなどれん。 なんかモービィの風貌だけがネタにされてる感があるけど、決して悪くはないっすよ。これからも頑張って下さい! |
|
![]() ANCIENT SPIRIT RISING / 2007年作 / 78点 |
|
5枚目。 変化無し。5枚もアルバム作ってるんだから少しは垢抜けてもいいんじゃないの? とか思うんですが、まったく垢抜けないですね(汗)。 さて、私が彼らの作品で気にしている事は1曲は入っている神曲の存在。果たして本作には「The Hurricane Master」や「True Believer」を超えるナンバーが収録されているのか。その1点でした。 結論から言うと上記2曲に匹敵する曲はありませんでした。が、「I Stand Alone (After The Fall)」や「Sky Rider」などの疾走曲はかなり頑張っており、なかなかに良い出来だったと思います。これだから彼らのアルバムは見放せないんです。 ただ(前々からそうでしたが)良い曲とそうでない曲との差がありすぎます。疾走曲は気持ちいいんですが、他のタイプになると一気につまらなくなるんです。というか、7分とか9分のバラードやミドルを4曲も入れないでください。これは流石に鬱陶しかったです。 演奏が荒くても熱くなりたい人は手にとってみてはいかが? |
DOUBLE DEALER (ダブル・ディーラー) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() DOUBLE DEALER / 2000年作 / 60点 |
|
コンチェルト・ムーンの島紀史さんとサーベル・タイガーの下山武徳さんが組んだ正統派バンドの1枚目。ライナーの褒めっぷりが尋常じゃないね。 ほんのりとKeyが入ってはいるものの、音楽性は最近ではほとんどお目にかかれない、正統派中の正統派。クラシカル且つ骨太のGt、的確にビートを刻むDrとBa。そして野太い声で唸りまくるVoと、どれも筋骨隆々な佇まい。 バラエティにも富んでおり、疾走、ミドル、バラード、全部入っています。 しっかし、これが良くないのよね〜。まず疾走が少なめ。3曲くらいしかない。最近の流行を知ってるならもう少し多くても良かったんじゃないかなと。サビも弱いし。 それと、私下山さんの声、ダメなんですよね。ヘタではないけど、あまりにもアクが強すぎて、北欧に慣れ親しんだこの耳にはどーもしっくりこない。これでかなりの人をフルイにかけるんじゃないかと思います。 お気に入りは「THE LONG WAY ROAD」。出だし一発目の疾走曲。これは好き。某雑誌でメッチャ褒められてましたが、私はそんなに‥‥ってな感じの一枚でした。 |
|
![]() DERIDE ON THE TOP / 2001年作 / 40点 |
|
2枚目。変化無し。 相変わらずこのVoは聞く人をフルイにかけますね。で、私は思いっきり落ちました。はっきり言うと鬱陶しい。アクが強すぎてメロディを聞く気になれません。 あと、ライナーの褒めっぷりに少々腹が立ちます。天才ってのは時代に愛された人の事だと思います。少なくともこのアルバムを聞く限りでは、2人はやりたい事をただひたすらにやり続けているだけの、不器用な人のようにしか思えません。それがいけないとは言いませんが、ただあそこまで褒められる程の実績はまだ無いと思うんですよ。 売れるように色々と工夫しながらも、それでもアイデンティティを保っているGALNERYUSの方がよっぽど天才と呼べるんじゃないでしょうか? 現に見事アニメの主題歌を獲得しましたし。 お気に入りは当然ありません。 |
|
![]() FATE & DESTINY / 2005年作 / 70点 |
|
3枚目。 おっ、今回はかなりいいですね。アクの強さが減退し、歌メロもコーラスを使うようになり、凄く聞きやすくなったと思います。これを「個性が無くなった」という人もいるかもしれませんが、私はこのくらいの方が好きです。 まだまだフックの足りない楽曲が目立ちますが、ようやく聞ける作品になってきたように思います。 お気に入りは「NO REASON」。サビのコーラスが聞きやすくてGOODです。 |
|
![]() DESERT OF LOST SOULS / 2007年作 / 80点 |
|
4枚目にしてラストアルバム。何かゴタゴタがあったらしいです。 しかしちょい悲しいですな、最後のアルバムがこれまでで最も良い出来なんですから。音質と迫力は過去最高のクオリティ。前作で一気に垢抜けた(抑えただけ?)下山氏のVoも迫力を増しながらも非常に聞きやすくなっており、悪い点が見当たりません。 楽曲の方もVoにエフェクトをかけたが故にカッコ良くなった「HOWL OF THE WOLF」、タイトなリズムが良いミドルナンバー「STAR IN THE DAWN」、大爆走をかます「JUDGEMENT」など、どれもなかなかの出来栄えです。 全てがいいかと言われるとそうでもないですが、これまでで一番飽きる事無く聞けた事は間違いありません。 ANTHEMみたいにまたいつか復活するといいですね。 |
DRAGONFORCE (ドラゴン・フォース) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() VALLEY OF THE DAMNED / 2003年作 / 90点 |
|
大英帝国出身の五人組バンドの1stアルバム。ちなみに、メンバーにイギリス人は一人しかいなかったりします。 音楽性はハロウィン的なやや陽気な雰囲気を感じるメロディックメタルなんですが、彼ら最大の特徴はそのバンド名に違わぬ圧倒的な疾走感にあります。 そのスピードは初期ソナタをも軽く凌駕しており、バラード1曲以外はまるでF1の亡霊にとりつかれたかのように全てフルスロットルでぶっ飛ばしています。ただ、それであっても、どの曲にもフックや印象的なメロディが多く含まれており、最後まで飽きないのが凄い。あと、世間での評判はアレですが、途中ムチャクチャなまでに入るGtソロも、私は好きです。 ただ、一つだけ文句が。それはヴォーカルの声が細い事。大ボリュームで聞くと、ヴォーカルが他の楽器に呑まれてしまっています。あと、変に「キンキン」してるんだよね、声。もうちょっと落ち着いた声でやってほしかった。それだけが難点。しかし、それを考慮しても、有り余るそのパワーは聞く価値があります。仮にソナタ・アークティカを「冷たい疾走感」とするならば、彼らは「燃える疾走感」という感じです。とにかく、スピードマニアは聞いて悶絶しなさい!!! お気に入りは2曲目の「Valley of the Damned」。サビがたまんねぇっす! |
|
![]() SONIC FIRESTORM / 2004年作 / 94点 |
|
2枚目です。前より更にスピードがアップしています。お前ら、人間じゃねえだろう。 今回はドラムの人が変わっています。で、その人が非常にうまい。でもって、凄まじく早い。よく叩けるな、と素人が聞いてもビビります。他の楽器もちゃんとレベルアップしてますね。 楽曲の方は前よりもよりキャッチャーになり、より早くなっています。個人的にはこっちの方が好きです。 本作と前作の明らかな違いはそのスピードですが、本作はついにメロスピにデス特有のブラストが入っています。似合う似合わないは別として、これはメタル史上に残る偉業だと思います。個人的には好きじゃないけど。 曲はどれも長いですが、どれもキャッチャーでいいです。ただ、中国人のギタリストがやたらとワーミーを使うので、それが不快なのと、いくらなんでも間奏が長すぎるっていう文句はありますが、それでも素晴らしいアルバムです。 お気に入りは「Fields of Depair」と「Soldiers of the Westedland」の2曲。後者は10分近い曲ですが、メロがヴァイキング風でかなりいいです。何だかんだ言いましたが、名盤ですよ、やっぱり。 |
|
![]() INHUMAN RAMPAGE / 2005年作 / 92点 |
|
疾走に人生を賭けてしまった多国籍バンドの3枚目。 爆走具合は更に度が外れ、ブラストの使用、凄まじいまでの音数は前作以上。人知を超えたスピード感は圧巻の一言。曲の方も前と変わらず、爽快なメロディ、「まだぁ?」と言いたくなってしまう程に長い間奏、全9曲中8曲が爆走とDF節はもはや完成型に。ただ、アコギを挿入したりと、ちょっとだけ進化した感じも。 ただ、メロディに限って言えば前の方が好み。勿論、今回も上手いハーモニーを駆使していい感じなんですが、前に比べると流石に画一的になりすぎていまいち響いてこない。Gtテクとかはもう十分に分かったので、次は歌メロとかをもっと良い物にしてほしいですね。そうなったら、もうこのバンドに勝てるヤツはおらんですわ。 お気に入りは「THROUGH THE FIRE AND FLAMES」と「CRY FOR ETERNITY」。どちらもメロディが良い。ってそれしか言い様が無い;;一体彼らはどこまで疾走を続けて行くのか、こりゃ死ぬまで見届けるしかないっすね。あっぱれ! |
|
![]() ULTRA BEATDOWN / 2008年作 / 86点 |
|
4枚目。 ついにミドルテンポのパートを大幅に導入した彼ら。しかしそれでもいつものツインGtが炸裂するとドラフォ以外の何物でもない音楽に聞こえる辺り、もはや彼らの特徴は疾走一辺倒だけではないと思い知らされます。ちなみに疾走とミドルの割合は7:3って所ですかね。 しかし、前作辺りから気になっていたメロディの画一化が顕著になっており「曲の差別化」はますます難しくなってます。正直イントロだけ聞いただけではタイトルが浮かんできません。この点で言えばやはり2枚目には追いつかずという感じです。 そんな中で「STRIKE OF THE NINJA」の存在は大きかった。長めのソロも無い為4分もありませんが、典型的なメロスピのリズムで疾駆しサビメロも分かりやすく、一番気に入りました(初期のPOWER QUESTっぽい)。個人的には今後はこういった曲を増やしてほしいと思います。 既に行く所まで行った気がします。これからどうなるのかが、重要かなと私は思います。 |
|
![]() THE POWER WITHIN / 2012年作 / 83点 |
|
5枚目。 これまでずっとVoを務めていたZ.P.サートが脱退、金髪イケメンのマーク・ハドソンを迎える事になった本作。ミドルテンポの挿入、Gtソロの短縮化など、変化が無いわけではないですが、私は彼らが彼らである最大の理由はポジティブなメロディだと思っており、それに関しては微塵も変わりありません。何だかんだ言って疾走曲は変わらず多いしね。 ただ、本作はちょっとメロディにバラツキがあるというか、良いと思った曲とそうでなかった曲が半々くらいだった気がします。まあ、ずっと同じ路線で来たんだからいい加減飽きてきたってのもなくはないですが、それを考慮してもちょっとサビが地味なのが多かったと思います。 また、新Voのマークが個人的にはちょっといただけない感じでした。決して下手ではないんですが、ぶっちゃけ個性が無い。ただ上手いだけ。私はZ.P.サートの方がいいと思いましたね。まあ、彼の声のドラフォに慣れ過ぎたせいなのかもしれないですが。 お気に入りは「Seasons」。ミドルナンバーなんですが、サビが印象的でした。こういうのを聞いてると、疾走に拘らなくてもいいんじゃね? と思いますね。 これからどういう方向に向かうのか、見届けようじゃありませんか! |
|
![]() MAXIMUM OVERLOAD / 2014年作 / 84点 |
|
6枚目。ちなみに私が持っているのは6曲ものボーナストラックがついてる日本版スペシャル・エディションです(お得!)。収録時間、77分ですよ!w 前作は新Voのマーク加入後初のアルバムだったからか、色々と変化があるアルバムでした。決して悪い作品ではなかったですが、まだまだ変化をモノに出来ていない印象がありました。 で、本作ですが、ミドルパートの導入・曲のコンパクト化などは変わらず。ただ、前作に比べるとそれらを咀嚼して自分達のモノにしてきたという感じがします。また、Gtリフが更にソリッドになった感じで、場面によってはメロデスメタルっぽい部分もあります。でも、それもあまり違和感はありませんでした。 後半つまらない曲が多い事、また、前述した6曲ものボートラが1曲を除いて大した事無かった事で、全体的な点数としては前作と変わらないですが、方向性の変更は確実に固まってきていると思います。 お気に入りは「You're Not Alone」。ボートラで唯一気に入った曲。ミドルナンバーですが、壮大なサビが好きです。 |
DRAGON GUARDIAN (ドラゴン ガーディアン) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() DRAGONVARIUS / 2010年作 / 78点 |
|
日本のメロスピプロジェクトの3枚目。 ここ最近、ネットなどで何かと話題のプロジェクトでして、メインメンバーは勇者アーサー一人。名前からして「アレ」ですが、中身は更にアレです(笑)。 音楽性は女性Voをフューチャーしたコッテコテのメロスピです。クサ過ぎるメロディ、疾風の如き疾走感、ファンタジック極まりない世界観。好きな人にはたまらない作品だと思います。 ここ最近こんなにクサいメロディを味わったのは久しぶりですし、女性Voもしっかり歌えていますし、サウンドが軽いという欠点を補ってお釣りが来る出来だと思います。 さて、最も大事な点はここからになります。この作品はコンセプト作品で、曲の途中で多くの語りや台詞が入っており、RPG的な物語が展開しています。この物語が肝でして、所謂「ロードオブザリング」のような「硬派」なものではなく、嫌いな人はとことん嫌いであろう非常に日本的なものなのです(汗)。 例えばテレビゲームの「テイルズシリーズ」とか「ロードス島戦記」とか、簡単に言えばライトノベルで語られるような軟派なファンタジーなのです。先輩とも言えるSOUND HORIZONをも超える「コッテコテ度合い」に、普段ゲームやアニメに慣れ親しんでいない人は恥ずかしさを覚え、拒絶反応を示す可能性も否定できません。 私はと言うと、ラノベはさすがに読まないですが「テイルズシリーズ」は大好きですし「そういう世界」も普通に浸っているので別に拒絶反応は起こしませんでした。が、メタルはメタルで聞きたい性分なので、ぶっちゃけ台詞は鬱陶しかったです。物語はどこにでもありそうなテンプレタイプですし、無くても良かった、というか無い方が良かったんじゃないかな、と思います。 お気に入りは「暗黒舞踏会」。イントロに続く2曲目。いやぁ、クサいクサい。台詞が無ければもっと好きになったと思います。 色々と敷居の高い作品ではありますが、音楽そのもののレベルは間違いなく高いので、何でもいいから聞いてみたいという方は是非どうぞ。 |
DRAGONLAND (ドラゴンランド) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() HOLY WAR / 2002年作 / 82点 |
|
爆走メロスピバンドの2枚目です。簡単に言えばあんまし人気の無いドラフォと言った所でしょうか。 早いです。そしてドラマチックです。以上です‥‥。もっと聴きたい? とは言ってもね、音楽性はさっき言ったし。あっ、ドラムがヴォーカルです。珍しいでしょ? あとは珍しいモノは何もありません。しかし、ドラフォ並みの疾走と、ドラマ性のレベルは高いです。各テクニックのレベルも総じて高いですし。でも、こちらもパワークエスト同様、いまいちインパクトに欠けるんですよね。 お気に入りはタイトルの「HOLY WAR」。長いですが、格好良いです。他の多くのメロスピバンドより早いという以外これと言って凄いとは思わなかったというのが私の意見ですが、そういうのが好きな人は買って損はしないかと思います。 |
|
![]() STAR FALL / 2004年作 / 87点 |
|
3枚目です。まず、垢抜けましたね。疾走馬鹿ではなくなって、ミドル〜ハイで勝負するようになりました。 疾走は1曲だけです。全体的にうまくなっていますが、特にキーボードはかなりの成長を感じます。誉めましたし、他のサイトではかなりいい評価のようですが、私はどーもハマれなかったです。その原因はやっぱりメロ。どうも私の趣味と半音ズレているんですよ。全部フラットというか……。どうもそれで楽しめなかったです。 なもんで、ボートラのXJAPANとハロウィンのカバーの方が楽しめちゃいました。特に前者は日本語で歌ってるし、本家に負けないくらいうまい。特にドラムが。後者はアンディ独特のしゃがれ感が出てませんでしたが、よく出来てると思います。お勧めはボートラを除けば1曲目の「As Madness Took Me」。これはなかなか私の嗜好に合っていました。 全体的に最近のメロスピ的な進化があります。それも非常に良く反映されています。ですが、メロという一点のみで私とちょっとズレました。残念。でも、普通にメロスピ好きだったら聞いて損は無いと思います。 |
|
![]() ASTRONOMY / 2006年作 / 85点 |
|
4枚目です。 路線は前作に近く、もはやクサメロの欠片も無い、しかしメジャー感バリバリのシンフォニックメタルです。 相変わらず疾走はほとんど無いのに、荘厳、華麗という言葉がよく似合うスケールのデカさを誇るという、よく考えればなかなかやられていない方向で、前はフラット気味なメロディが個人的にはあまり好きではなかったんですが、今回はかなり良かったと思います。 女性Voを入れたり、かなりのプログレ的展開でありながらもコンパクトな造り、叙情的なメロディもあり、前より聞き応えのある作品になったと思います。 ただ、目玉である3部作構成作「THE OLD HOUSE ON THE HILL」シリーズがほとんど歌無しの本気サントラと化していたのが残念。もっと歌物として扱ってほしかったなぁ。 お気に入りは「BEETHOVEN'S NIGHTMARE」。「ベートーベンの悪夢」という名の通り、クラシックメロディをふんだんに持ち込んだ劇的展開の1曲。デビューしてたの頃は絶対に作れなかったような作品ですね。昔のクサメロ好きは前作に続いてお勧め出来ないですが、ハイクオリティなメロパワがいいという方は聞いて損無しです! |
|
![]() UNDER THE GREY BANNER / 2011年作 / 86点 |
|
5年ぶりとなる5枚目。 基本的には前作と変わらず、大仰なシンフォニックメタルです。 前作、いや「STAR FALL」の頃から感じていた「シンフォニックメタルなのに展開がプログレッシブでイマイチ突進出来ない」という部分が本作でもあまり改善されていないのが残念ではありますが、そういう事を忘れてしまうほど音質も良いし、展開も何だかんだ言って良く練られています。 また、本作は比較的歌メロが充実しており、それが(個人的には)中盤に集中していたので最後まで飽きずに聞く事ができました。ヴァイオリンなども小楽器の使い方が上手いのよ、これまた。 素直に疾走する音楽を求めるには相変わらず辛いかもしれませんが、シンフォニックメタルとしてのレベルが高い事は間違いないので、一度聞いてみても良いかもしれません。 お気に入りは「Lady Of Goldenwood」。前述した小楽器(ヴァイオリンやアコギなど)が極めて上手く使われている1曲。マニアックですが、このヴァイオリンの旋律はテレビゲーム会社ファルコムが作りそうだなと思いました。 |
DRAGONLORD (ドラゴンロード) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ブラックメタル |
![]() BLACK WINGS OF DESTINY / 2005年作 / 84点 |
|
有名スラッシュバンド、テスタメントのGt、エリック・ピーターソン率いるシンフォニック・ブラックメタルバンドの2枚目。 これを書いてる時点で、私はテスタメントはただの1曲も聞いた事が無いんですが(汗)、本作はアメリカ産とは思えない程北欧色の強い、純粋なシンフォニック・ブラックです。 最近になってようやく「ブラックのメロディに高揚感は無い。この不快な感じこそがブラックの美旋律メロディなのだ」と分かってきた私ですが、そんな初心者な私でもあっさりと聞けてしまうような、分かりやすいブラックです。 まず、胃が痙攣するような邪悪さが無いのが良い。Voは結構きつめですが、メロデスとか聞いてれば全然問題無いし、ミドルテンポとブラストの割合が8:2くらいなのも聞いてて丁度良い。あと、キラキラと曲に神秘性を出しているKeyが良い仕事してますわ。 他のレビューでは薄味で食べ足りないとか言われてますが、私はこれくらいが一番聞きやすいです。お気に入りは「BLOOD VOYEUR」。テクニカルなGtが格好良いです! |
DREAMAKER (ドリーメーカー) |
出身地‥‥スペイン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() HUMAN DEVICE / 2004年作 / 70点 |
|
ダーク・ムーアを脱退した豪傑エリサ・マーティンらが新に結成したメロパワバンドの1枚目。 脱退した理由が「音楽性の違い」という事で、こちらの音楽性はKeyは出来る限り控えめなメロパワ。ザクザクのGtリフをメインとしていて、ダーク・ムーアのようなネオクラシカルな雰囲気はほとんど感じません。 ダーク・ムーア時代の曲も何曲かありますが、大体なミドルで重めのメロパワが中心。エリサのVoは確実に上達して嬉しいっちゃ嬉しいんですが、楽曲の地味さはどうにもこうにも‥‥。別にミドルでもいいんですが、サビでドバッと盛り上げる事を忘れないでほしいですな〜。改めてダーク・ムーアのエンリクの作曲能力に気づかされました。。 お気に入りは「CRYSTALINE EYES」。一番ダーク・ムーアらしい曲。だって、そうじゃない曲はどれもつまんないんだもん。これからもこの路線って行かれると‥‥どうなるんだろう。 |
|
![]() ENCLOSED / 2005年作 / 88点 |
|
2枚目。 ぶっちゃけ物凄い路線変更がされてます! 一言で言うとメロパワからメロデス(風)に変わってるのです! まずGtの演奏が大幅に変わり、ヘヴィかつアグレッシブになっており、これはもはやメロデスと言ってもいいと思います。歌の添えつけではなく、下手すりゃエリサのVoを喰う程の叙情メロを聞かせるようになってるんですよね。Voは勿論ノーマルなんですが、随所にデスVoも取り入れるようになり、前よりもうんと哀愁、叙情性を重視したメロディーを構築してます。 ダーク・ムーアの面影は完全と言って程消えてしまいましたが、私は正直こっちの方がいいと思いました。ノリやすいリズム、インストでも問題なく聞けそうなバック音楽の成長。そして、このバンドの顔のエリサの絶妙な歌メロ。全てが予想を超える方向に進んでおり、これはかなり良いと思います。疾走曲は無いですが、そんな事は気になりません。 お気に入りは「PERFECT SOUL」。ブラストまで取り入れた、限りなくメロデスに近いメロパワ。これを聞けば、音楽性の違いで脱退したと言われても納得です。Gtソロも格好良い!素晴らしい進化です。この路線で行くなら、いずれダーク・ムーアを超える人気を獲得するのもそう遠くないか!? |
DREAM EVIL (ドリーム・イーブル) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥正統派ヘヴィ・メタル |
![]() DRAGONSLAYER / 2002年作 / 87点 |
|
様々なバンドのプロデュースをしてきた男、フレデリック・ノルドストロームがついに自分のバンドを作った! マニアはこれだけでも期待しました。そして、ある意味期待通りの作品を作ってきました。それがこれです。 内容は「超正統派へヴィ・メタル」。何にも知らない人が「メタルってこんな感じの音でしょ?」って想像した音。それがこれです。ですが、それが非常にハイレベルなモノだから、マニアは燃えますよ。 二本のギターが引率すつ正統派。この二本のギターがうまい! 今をときめく若手ギタリストガス・G(ギリシャ人)の奏でるリフはかなり即効性があります。クサくはないですよ、はっきり言って。 日本人好みの怒涛の疾走曲は1曲しかないですが、このバンドの魅力は疾走曲ではなく、ミドル曲です。落ち着いていてもメタルという重さを十分に体現した曲に脱帽です。うん、格好良い。 お気に入りは唯一の疾走曲「The Prophecy」。メロ、間奏、ギタメロ、全てがツボな名曲です。 |
|
![]() EVILIZED / 2003年作 / 82点 |
|
2枚目。 もっと剛直になりました。でも、そのせいなのかは分かりませんが、スピード感が減ってしまいました。 向こうではスピード曲より、スローテンポの曲の方が人気あるって言うから、そのせいなのかもしれないですね。で、これ以上言う事はありません。前と何も変わってないですから。ただ、バラエティが狭くなったとは思います。 前はお遊びみたいな気の利いた曲もあったけど、今回はマジでそれも同じ。しかもトロい。個人的には前の方が好き。お気に入りは「Chiidren of the Night」。シングルになったっぽいけど、これは好きっす。 |
|
![]() BOOK OF HEAVY METAL / 2004年作 / 87点 |
|
メタルの教科書と名づけられた3枚目。確かに教科書だ。 これまでも愚直なまでに正統派を貫いてきた彼らですが、今回も路線は変わっていません。ただ、ボートラではあるものの、疾走曲が多いので、前作よりは1枚目の時に近い感じを受けました。 しかし、レベルまで1枚目にまで下がったわけではなく、各テクニックに関しては間違いなく過去最高。流麗ででもソロでは聞かせまくるガス・G、まだ甘さが残るものの、かなりしっかりしてきた二クラス(Vo)、スピードそのものは遅くても超絶なドラミングで重厚さを出すドラムと、本当に素晴らしい。 疾走曲よりもミドルが多いのは仕方ないですが、今回はミドルでもメロディがいいので、それほど飽きません。更に女性コーラスを入れたりと工夫もされていますので、正統派と言えども、決して古さは感じません。 お気に入りは1曲目「THE ENEMY」。ど頭の「メターーーーール!」って絶叫はビビりましたが、ブリッジ部分のドラミングがメッチャ格好良いです。間奏でのソロも格好良いですね。このバンドに下手な小細工は要らないっす。今後もその路線を続けて下さい。 |
|
![]() UNITED / 2006年作 / 85点 |
|
4枚目。ちなみに私が持ってるのは初回盤のミニCD(5曲)付き。 ガス・G(Gt)とDrが脱退したものの、音楽性は不変。正統派どストレートを今回もひた走っています。 ただ、前に比べると若干メロディが弱く即効性に欠けてる気が‥‥。それと、胸にズキュン!と来る壮大なバラードが無かったのもちょっと痛かったかな。 でも、それでもこのご時世において、愚直なまでにメタル道を突き進むその姿勢は凄くクールで格好良いと思います。だからどうしても甘めの評価になってしまう‥‥。ホモっぽいジャケも好きだし(笑)。 お気に入りは「FIRE! BATTLE! IN METAL!」。もうタイトルからして最高でしょ? 疾走こそしてないですが、マイティーなメロディが最高っす。メタルカンフル剤にはぴったりです。これからもこの路線でお願いします。 |
|
![]() IN THE NIGHT / 2010年作 / 86点 |
|
4年ぶりの5枚目。ジャケットがカッコイイよ! 多少のメンバー変更はあるものの、音楽の方向性に変更はありません。力強い正統派メタルをこれでもかっ!、と聞かせてくれます。 が、前作からそうでしたが、日本人受け(というか私受け)する疾走曲がただの1曲も入ってなく、また頭3曲が非常に地味な曲なので、とっつきは相変わらず悪いです。でも、16曲も収録されているので、最後まで聞けば数曲は良いものが混じっていました(なんつー人海戦術‥‥)。 キャッチーなメロディが悪くない「Electric」、タイトルまんまの「The Ballad」、脈々と続くクラシカルナンバー「The Unchosen One」、サビがマッスル過ぎる「The Return」などはどれもアドレナリンがドピュドピュ出る事間違いなしです。 まあ、色々と言いましたが、要は「これまでと同じ」なので、今までが好きな人なら買って損無しという事です。いやね、ここまで変わらないとコメントしずらしいんです(汗)。 お気に入りは「The Unchosen One」。やっぱり、このシリーズ大好きです。 |
|
![]() SIX / 2017年 / 60点 |
|
約7年ぶりとなる6枚目。7年って長いな。何してたんだ? さて、結論から言うと「非常につまらない出来栄えだった」です。 基本路線は変わらず、力強い正統派ヘヴィメタルです。ただ、前作以上に、そして過去最高に地味になっており、疾走曲はわずか1曲のみ。バラードも1曲だけで、他は全てミドルナンバー。それでもメロディアスだったら良かったんですが、これがまたアクビが出るほど地味なんです。「この曲、サビが無いのか…」って言っちゃう程です。あまり文句を言うのも気が引けますが、よくもまあここまでつまらない曲ばっかり作れたもんだな、と思います。 デビューから年が経つ毎に注目度が下がってきてる気がするんですが、まあ、このアルバムを聴けばそれも頷けます。 お気に入りは無し。 次が出ても買うかは……微妙です。 |
DREAMTALE (ドリームテイル) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() BEYOND REARITY / 2002年作 / 94点 |
|
車の中で聞いていて、思わず事故りそうになってしまった程素晴らしいメロディを持つ、フィンランド出身6人組の1stアルバム。 一言で言えばソナタ・アークティカ系列のスピード感とキーボードを含む美旋律が売り。で、ソナタと何が違うかというと、何と言ってもそのメロディライン。兎にも角にも分かりやすく、耳に残る。そして、へヴィメタ独特のドラマチック性と合致すると、妄想で悪魔と戦う勇者が想像できる。つ・ま・り、「クサくて悶絶する!」なわけです。 で、最近はそういうのも増えましたが、彼らはその中でも頭一つ飛び出ている。全体的に1stとは思えない程出来は良く、そのメロディも極上。基本的には男性が歌っているが、何曲かは女性が歌っている。またそのフィメールボイス(女の声)がこれまた反則的なまでにメロディを素晴らしくしている。メロメロっすよ、マジで。 ポスト・ソナタの名に恥じぬ、いや一部の人にはソナタ以上と呼ばれている彼ら。悶絶メロスピ好きは聞くべし。お気に入りは「Dreamland」。疾走+女性声+悶絶メロ。もうお腹いっぱいです、はい。 |
|
![]() OCEAN’S HEART / 2003年作 / 85点 |
|
2枚目。ヴォーカルが変わってしまいました。 前作はクサクサのメロでマニアを唸らせていましたが、今回も音楽の路線そのものは変わっていません。んが、疾走曲が減ってしまいました。でもまぁ、クサメロは(そんなに)変わらないんで、それほど問題ではないと思います。 一番の問題は声です! これがまた私の好みと全然違うんです……。前のヴォーカルは線が細いと方々で言われていましたが、個人的にはちゃんと歌えていたし、凄く好きでした。んが、今回は確かにハイトーンでも歌えてますけど、2曲目(実質1曲目ね)の一発目で「ああああーー!」って絶叫されるの嫌いなんですよね。低い声もそんなに抑揚無いし。 実はこれは以前新品で買って「何だ! この声は!」って言って売ったんです。で、最近あるお店でレンタル(!)してたんで「300円ならいいか」って感じでピー○したんですが、やっぱ微妙でした。 お気に入りはなんと意外や「ANGEL EYES」。ミドルチューンですが、やっぱメロがいいんで。人によってはこっちの声の方がいいって言う人もいるかもしれませんが、僕はダメでした。次はまた元に戻ってほしいですね。 |
|
![]() DIFFERENCE / 2005年作 / 86点 |
|
3枚目。まーたヴォーカルが変わりました。変わりすぎだって。で、新しいヴォーカルの名前が「ヤルッコ・アホーラ」だって。何か間抜けに聞こえますね。 で、音楽性は変わっていません。個人的には作品を重ねる毎にクサさが減退していっているように感じますが、曲によってはやっぱりクサいし、ヴォーカルが好みの人になったんで、前作よりかはいいと思います。 まず新しいヴォーカルがうまいね。ハイトーンで力むタイプですが、中域なんてとても程よくのびるし。前の「イヤアアアア!」よりは数倍マシ。 それとGtが結構ガリガリ言うようになりましたが、ここぞという時にジャンジャンと聞かせてくれるキーボードはやっぱり嬉しいです。アコギを聞かせるようになったというのも好印象です。 お気に入りは「WORLD’S CHILD」と「POWERPLAY」。前者はまんまソナタっす。後者は何とまぁテクノチックなナンバー。でもメロはかなりいいと思います。1stを期待するとかなーり肩透かしを食らいますが、時々1stみたいなのもありますので、それほどひどくはないと思いますよ。 |
|
![]() PHOENIX / 2008年作 / 86点 |
|
Gtの片方とBaを残して全員が脱退。更にレーベルから契約継続無しとまで言われてしまったようですが、タイトルの如く見事に復活を果たした4枚目。 メンバーチェンジの多いメタル界ですが、4作続けてVoが変わるってのは聞いた事がありません(笑)。本当、根性ありますね。 前作はバラエティに富んだ楽曲が並んでいましたが、本作はお家芸であるキラキラクサクサ曲が多く、これがまたこちらが「次はこういう展開であってほしい」と思った通りの曲ばかりで、思わず頬が緩んでしまいます。 4枚目にも関わらずまだB級感がプンプンしていたり、新しいVoが微妙に下手だったり、Keyの音色が子供っぽくなって1枚目の頃の神秘的なドラマ性にまでは至ってないとか、文句が無いわけじゃないですが、それら全てを帳消しにしてしまうくらい、久ぶりなクッサクサ楽曲のマシンガン打線に白旗が上がってしまいましたわ。 お気に入りは「Take What The Heavens Create」。このイントロを聞いて何も感じないメロスパーがいたらその人とはお友達になれそうにないってくらい、激クサな1曲。 このメロディのまま演奏やサウンドを1級品に仕上げれば、本当何の文句も無いんですけどね。 |
|
![]() EPSILON / 2011年作 / 85点 |
|
Voが変わらなかった5枚目。このバンドにとっては奇跡と言っていいでしょう(笑)。 先輩メロパワバンドが確実に変わりつつある中、彼らだけは変わらない。だから私も変わらない(笑)。という感じで、いつもと変わらないクサクサメタル全開です。1曲目から4曲目まで全て疾走曲ですからね。普通のクサメタルとユーロビートを掛け合わせたような曲とがありますが、どちらもクサい事には変わりないので問題ありません。 Voは決して激ウマではないのですが、むしろこのB級バンドにはこれくらいのVoの方が合っているのかもしれません。‥‥そう思ってしまう時点で、既に私は末期的メロスパーなんだろうな(笑)。 お気に入りは「Firestorm」。出だしを飾る1曲目。もうね、イントロからして素晴らしいんだよね。これに反応しないメロスパーなんて嫌いだ(笑) これからも変わらないで頑張って下さい。 |
|
![]() WORLD CHANGED FOREVER / 2013年作 / 80点 |
|
6枚目。なんとメンバーが変わっていません! これはもうVoが変わらなかった前作以上に奇跡だね! 楽曲的にはこれまでと変わらずクサクサのメロパワです。特にKeyのメロディがクサい事! クサメロが絶滅しそうな昨今、こんなクサいメロディばっかりのアルバムは貴重ですね。 ただ、本作はそんな彼らのアルバムの中でもちょっと外した感がありました。確かにクサい。が、絶頂を感じるまでには至らなかった曲がほとんどでした。これはもう単純なメロディの個人的な嗜好の違い。音質とか演奏とか、そういう問題じゃないです。 もうちょっと盛り上げ方とか、メロディを変えるだけでとんでもない曲になりそうなものが多かっただけに惜しかったなと思います。「Tides Of War」とか「Join The Rain」とかね。 お気に入りは「The Signs Were True」。もう何よ! このクサすぎるKeyのイントロは! もうこれだけでお腹いっぱい☆ 全メンバー続投が良盤には繋がらなかったのは残念ですが、変わらない方向性は大歓迎! このまま次もお願いします。 |
|
![]() SEVENTHIAN...MEMORIES OF TIME / 2016年 / 70点 |
|
3年ぶりの7枚目。 相変わらずクサメロ満載のメロパワです。しかも2枚組! メロパワで2枚組アルバムって珍しいですよね、しかもB級バンドがw で、結論から申し上げますと、本作はここ最近の中ではかなり地味かなと思いました。前作においても同じような事を言わせてもらいましたが、本作は更にその傾向が強い。決して悪い出来ではないんです。疾走感もあるし、音質も安定してます。ただただメロディのパンチが欠けるという一点のみなのです。 「もうちょっとドガンッと盛り上げてくれたら最高なんだけどな……」と言いたい曲が非常に多い。昔は結構突き抜けてくれたんだけどな〜。私がちょっとやそっとじゃ満足出来なくなったのか、彼らの才能が枯渇し始めているのか……。 ちなみに2枚目は過去のナンバーのリレコーディングです。で、コチラを聞いて「私のせいじゃない。彼らの才能が枯渇している!」と強く思いました。私が大名盤だと思っている1枚目からも何曲かピックアップされているんですが、明らかにオリジナルの方が良いんです。Voが違うというのもあると思いますが、アレンジも明らかにオリジナルの方がカッコイイと感じました。 つまり、もっと頑張ってくれ、という事です(汗)。 お気に入りは「Dreality」。(1枚目の)一発目を飾るナンバー。この中では一番カッコイイと感じました。 あと一歩! その壁を越えられれば日本での人気も爆発だ! |
DREAM THEATER (ドリームシアター) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥プログレッシブ・メタル |
![]() IMAGES AND WORDS / 1992年作 / 84点 |
|
プログレッシブメタルの頂点、夢劇場の2枚目にして最高傑作の呼び声高い作品。 ミドルテンポで7〜8分の長編を主体とし、ゴロゴロと場面展開しながらスリリングかつ超絶テクを披露していくプログレ・ヘヴィメタルです。雰囲気はアメリカンな程陽気でもなく、かと言って北欧的美しさがあるわけでもなく、正統派な感じです。 知名度も非常に高いし、武道館で単独ライブが出来る数少ないメタルバンドではあるんですが、私は元々プログレが苦手というハンデがあります。更に私は技巧そのものにはあまり興味が無く、「下手でも印象的で格好良いメロディさえあればいい」と思ってたりするので、とにかく最初はとっつきにくかった。 しかし、そんな私でも「こいつは凄い!」と思える場面があるのはさすが。特に「METROPOLIS,Pt.1」の後半とかは鳥肌物。これは全ての楽器が完璧なまでにハイレベルでなくては出来ない芸当ですわ。個人的はマイク・ポートノイ(Dr)が最高です。 ただ、シンプルに疾走する曲は皆無だし、サビもいまいち弱いのが多かったので(というサビの場面そのものが少ない)、個人的な点数はこんなもんですけどね。数年後聞いたらまた点数も違ってくるかも。 |
|
![]() AWAKE / 1994年作 / 65点 |
|
3枚目。 音が全体的にヘヴィになり、メロディも高揚感の得られた前作と比べると地味なものになっています。 ってかね、地味過ぎ‥‥。スリリングな場面も減ったし、歌メロも全然頭に残らないし、Keyの出番も減ってるから、壮大な雰囲気も無し。これを聞いた後だと、前が如何に大衆向けに作られたものか分かります。せめてもう少しスピード感があっても良くないですか? お気に入りは無し。ちゃんと聞けば味が出るかもしれないですが、少なくとも50回くらいは噛まないと味が出なさそう‥‥。大人向けです。そして私はまだまだガキんちょなのでした。。。 |
|
![]() FALLING INTO INFINITY / 1997年作 / 75点 |
|
4枚目。 ロックンロール的とまでは言わないものの、グルーヴ感が出た本作。雰囲気的には明らかに「IMAGES AND WORDS」より。ただ、楽曲的には及ばずと言った感じ。 |
|
![]() METROPOLIS PT.2 SCENES FROM A MEMORY / 1999年作 / 83点 |
|
5枚目。 2枚目に収録されていた名曲「METROPOLIS,Pt.1」の続編を描いた作品であり、作風的にも今までの中で最も「IMAGES AND WORDS」に近いです。 疾走感はあまり無いですが、歌メロのパターンや、時折聞ける超絶技巧など、個人的に惹かれなかった前2作より遥かに良い印象。 相変わらず凄すぎるマイク・ポートノイもいいけど、今回はKeyの人(「IMAGES〜」でやってた人ではない)が上手い。時にピアノで、特にジャズチックに驚異的な早弾きを聞かせる所は痺れました。全体的なイメージで言えば、「IMAGES〜」にはやっぱり勝てませんけどね。 |
DREAMTIDE (ドリームタイド) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディアスハード |
![]() HERE COMES THE FLOOD / 2001年作 / 86点 |
|
フェア・ウォーニングが解散した事により、Gtのヘルケ・エンゲルケが新たに組んだ新バンドの1枚目。他にも2人、フェア・ウォーニングのメンバーがいます。 その音楽性はフェア・ウォーニングにKeyとアグレッションを4割増しにしたような感じです。メロディの質なんかは当たり前ですが、フェア〜によく似ています。 Voこそ、フェア〜に比べるとやや抑揚に欠けますが、普通に聞けば十分にイケるし、何と言ってもフェア〜はもう新作が出ない(再結成するみたいですけど)事を考えれば、彼等の存在は大きいでしょう。 ヘルケの泣き泣きのスカイギターも健全だし、哀愁を感じさせつつも、心地良くなれる高揚感も抜群。フェア〜に比べるとアップテンポな曲も多いし、総じて良いと思います。ただ、妙にロックンロールなナンバーも収録されていて、それはいらんかったなぁ。 お気に入りは「COME WITH ME」。フェア〜直系の爽快ナンバーっす。ふむ、やっぱしメロハー系の中では一番好きなバンドっすね。これからも頑張って下さい! |
|
![]() DREAMS FOR THE DARING / 2003年作 / 86点 |
|
2枚目。 前に比べるとよりアップテンポの曲が増え、メロディも良い感じになったと思います。 それ以外に関しては特に大きな変更点はありません。一部のレビューでは「サビを交換しても成り立ってしまう程、似た曲が多い」なんて言われてますが、逆を言えばどの曲も粒揃いという事。個人的にそれは全然ありだと思います。このバンドはフェア〜に比べるとバラードが面白くないからな。 お気に入りは1曲目の「Dream Real」。試聴でこの1曲聞いてレジに行きました。 |
|
![]() DREAM AND DELIVER / 2008年作 / 83点 |
|
3枚目。 FAIR WARNINGが再結成した今、このバンドに果たしてどれだけの意味があるのか? と最初思いました。現にFAIR〜の再結成アルバムにはこのバンドの出す音と非常に近いモノがありましたからね。 しかし、本作はこれまでとは大きく異なっており、FAIR〜っぽさはかなり薄くなっています。ヘルゲの天まで駆け上がるようなスカイギターもほとんど聞けず、アップテンポの曲も少なめで、ブルージーな味わいのあるメロディアスロックになっています。 これを良いと取るか悪いと取るかで本作の評価は大きく変わるでしょう。私はと言うとこれまでと同じだったらFAIR〜と何ら変わりないので、この方向転換は○だと思ってます。何だかんだ言ってメロディセンスは絶品だし、美旋律満載とか言って大した事無いバンドが多いこの手のジャンルの中では、毎回安心して手に取れる数少ないバンドだと思います。 お気に入りは「Keep From Falling」。最初こそゆったりと始まりますが、躍動感溢れるサビメロがたまりません。 方向性は変わりましたが、私はやっぱり好きですよ。 |
DRIVER (ドライヴァー) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() SONS OF THUNDER / 2008年作 / 70点 |
|
IMPELLITTERIのVoとして知られるロブ・ロックとメタル職人ロイ・Zが組んだプロジェクトバンドの2枚目。ちなみに1枚目は86年に出ています。22年後の2枚目って凄いね‥‥。 1枚目がどういう音楽性だったかは聞いていないので分からないのですが、本作は実にシンプルな正統派ヘヴィメタルです。正直、IMPELLITTERIやロブ・ロックのソロと大して変わりません。現にイントロに続く2曲目はIMPELLITTERIの曲ですからね〜。ただ、それがいけないという事は全然無いですけど。 が、残念ながら本作は良いメロディに恵まれておらず、全体的に地味な印象が拭えません。疾走感があればそれでも結構勢いで押せるんですが、本作はミドル曲が大半なのでそれも難しかったです。ロイ・ZのGtは非常にクールで良かったんですが、それだけではカバーしきれていませんでした。 お気に入りは「SONS OF THUNDER」。タイトルナンバーで一番の疾走曲。これも激メロとはお世辞にも言えませんが、勢いで聞けました(笑)。 22年前のプロジェクトを何故再開させようとしたのかは分かりませんが、これならロブのソロを作ってほしいものです。 |
DUNGEON (ダンジョン) |
出身地‥‥オーストラリア ジャンル‥‥正統派へヴィ・メタル |
![]() THE FINAL CHAPTER / 2007年作 / 87点 |
|
オーストラリアの超正統派ヘヴィメタルバンドの4枚目にしてラストアルバム。バンド名は「RPGをやってた時に考えた」んだそう(もっと他にあっただろ‥‥)。 GRAVE DIGGERやPRIMAL FEARと同系統の、小気味良いリズムで適度に疾駆しながら、男臭いメロディを叩きつける、「超」がつくほどの正統派へヴィメタルをやっています。今になっては貴重とも言えるスタイルです。 しかし、フックのある粒揃いの曲、癖の無い聞きやすいハイトーンVo、コーラスを用いた分かりやすいサビメロ、と幅広い層に受け入れられそうなレベルの高さを有していて、中にはブラストを用いた曲なんかもあってビックリ。バラードなどでは適度にKeyを配したりしていて、出来は非常に良いです。 お金の問題などでこれ以上続けていく事が出来なかったという、「音楽性の違い」の150倍悔やまれる終わり方をしてしまったのが実に残念ですが、リーダーは早速別バンドを結成したって話ですから、そっちに期待しましょう。お気に入りは「Better Man」。このミドルとも爆走とも言えない適度なスピード感が実に心地良いんです。 |
DYNAZTY (ダイナスティ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() RENATUS / 2014年作 / 88点 |
|
スウェーデン出身のメロディック・パワーメタルの4枚目。 元々は普通のハードロックをやっていたというバンド。私がこのバンドを手に取った理由は、とあるレビューサイトで「4枚目からAMARANTHEっぽくなった」という評価を見たからです。 ふむ、確かにそんな感じですね。デジタルなKeyによる装飾、良い意味でメカニカルな音作り、キャッチーなメロディで押しまくる疾走曲の数々。確実に意識して作ってる事は間違いないと思います。NOCTURNAL RITESに近いという意見も聞きますが、それはおそらくAMARANTHEよりも音が生々しくVoが一人だからだと思います(女性VoもデスVoも無い)。それでも私はAMARANTHE寄りだという意見ですが(汗)。 パワフルでシッカリ歌えるVoの紡ぐキャッチーなメロディに、リズミカルな楽器陣。これは癖になる良さがありますね。個人的にはメカニカルでテクニカルなDrの音が好きでした。こういう音楽には正確無比なリズムは欠かせないのですw お気に入りは「Incarnation」。サビがモロAMARANTHEな1曲。でも好きなんです。 |
|
![]() TITANIC MASS / 2016年 / 80点 |
|
2年ぶり5枚目。 前作と同じくAMARANTHEっぽい作風です。心地良い疾走感、ダンサブルなリズム、そしてキャッチーなメロディは本作でも健在です。が、満足度で言うと前作の方が良かったかなと思います。 質自体は相変わらず高いんですが、全ての曲が同じ感じ、つまりあまりにも金太郎飴状態な事もあり、スピード感が落ちる後半になるとどうしてもダレてしまいます。また、メロディも個人的には前作の方がツボに来る曲が多かったと感じました。 ただ、メロディの話をするとどうしてもこういうオチになってしまうんですが、結局は個人の好き嫌いによって評価は変わってくるので、前作よりも良いって人もいると思います。そこらへんはもう自分で判断して下さいw お気に入りは「The Human Paradox」。一発目を飾るナンバー。一発目が一番良いアルバムって結構捨て曲が多かったりするんですよね……。 なんか文句ばっかりのレビューになってしまいましたが、決して悪いアルバムではないですからね! |