EDENBRIDGE (エデンブリッジ) |
出身地‥‥オーストリア ジャンル‥‥シンフォ二ックメタル |
![]() ARCANA / 2001年作 / 84点 |
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オーストリア出身の女性ヴォーカル擁するシンフォニックバンドの2枚目。ナイトウィッシュっぽいです。 美しい女性声とシンフォニックなKeyと言えば何と言ってもナイトウィッシュが浮かびますが、こちらはあっちほど暑苦しくなく、さっぱりと聞けます。その最大の要因はVoサビーネ嬢の声質でしょうね。ターヤ嬢に比べると爽やかなんですわ。オペラチックに歌っていないと言う点も違います。 音楽性は適度にスピード感のあるシンフォニックメタル。KeyとGtが同等に頑張っていて、ナイトウィッシュほど構えなくても聞けます。世間では「癒しメタル」なんて呼ばれています確かにその通りです。 お気に入りは「Starlight Reverie」。サビメロが綺麗で癒されます。綺麗な女性ヴォーカル物のメタルが聞きたい方は是非どうぞ。 |
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![]() APHELION / 2003年作 / 80点 |
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3ndです。これと言って変わっていません。やっぱ綺麗です。 変わっていないので、前が好きな方なら間違いなく気に入る内容でしょう。ですが、個人的には2ndの方が好きです。どうも気になるメロが少ないんですよね。でも、質は高いですよ、日本盤出てるし。疾走系よりゆっくりとしたバラードが似合うこのバンド。騒がしいタイプに疲れたらどうぞ。 |
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![]() SHINE / 2004年作 / 80点 |
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4枚目です。 枚数を重ねる毎に激しさが減っていく彼らではありますが、本作もいきなり8分に渡るスローナンバーからスタートします。Gtは激しさはより減退し、ほんわかとした雰囲気が展開してます。ナイトウィッシュとは正反対ですな。 ただ、本作は今までに無いエスニックな味わいを加味しており、「WILD CHASE」なんかはちょっとジーノっぽい、と思うのは私だけ? 全体に渡ってエスニックになってるわけじゃないですが、これは非常に良いアクセントになってると思います。これによって曲にメリハリが出て「どれも悪くないけど‥‥」みたいな感想は無くなるんじゃないかなと。 お気に入りは前述した「WILD CHASE」。うん、やっぱジーノっぽい近東メロディーがたまんない〜。あと「SHINE」や「MOVE ALONG HOME」なんかも聞いてて心地良いね。ここまで来るとナイトウィッシュと比べるのは失礼になってきたね。これからも頑張って下さい。 |
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![]() THE GRAND DESIGN / 2006年作 / 67点 |
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5枚目。 変化無し。前作はエキゾチックなメロディを入れたりと、少しは変化がありましたが、本作では特に変わった事はしておらず、いつものエデンブリッジ節が貫かれております。 ただ、本作はメロディがいまいち弱く、印象が良くありません。このバンドに激メロを求めるだけ無茶ってもんですが、それでも切なさは感じさせてほしかった‥‥。 お気に入りは無し。次に期待します。 |
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![]() MY EARTH DREAM / 2008年作 / 67点 |
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6枚目。 ここに来て彼らもようやく大きな変化を遂げました。それはサウンドです。過去最高にヘヴィ&ダークなサウンドになっております。とは言っても根幹であるシンフォニックなメロディックサウンドには些かの変化も無く、これまではお伽噺程度だった世界観がファンタジー映画並みになりました。 それは非常に喜ばしい事なんですが、残念ながらメロディそのものは前作と同じくらい地味で印象が弱いです。本当に「何でサビでそのメロディなの?」と言いたくなる程に盛り上がりません。メインソングライターであるランヴァル氏は美しいメロディを作る事には長けていても、劇的なメロディを作る事は苦手のようです。もう少しNIGHTWISH辺りを見習ってほしいと思います。 お気に入りは無し。 昔の馴染みで買ってはいますが、納得出来る作品にはいつ巡り合う事やら‥‥。 |
EDEN'S CURSE (エデンズ・カース) |
出身地‥‥多国籍 ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() EDEN'S CURSE / 2007年作 / 84点 |
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ドイツ、アメリカ、イギリス出身のミュージシャンらによるメロハーバンドの1枚目。 どう贔屓目に見ても「マフィアの幹部5人組」にしか思えない厳つい顔つきのメンバーからは想像も出来ないような美しく叙情的なメロディアス・ハードで、私はあまり造詣が深くないんですが「まあまあメタルしてるFAIR WARNING」ってな感じに聞こえました(狭い引き出しだな‥‥)。 ミドル主体のコンパクトな楽曲、澄んだハイトーンとコーラス、分かりやすくキュッと胸を締め付けるメロディ。典型的ではあるんですが質はかなり高く、いきなり国内盤が出たのも頷けます。 しかも、この手のジャンルにしては珍しい程Gtが弾きまくられているのも特徴的で、間奏でのイングヴェイも真っ青の驚異的な早弾きも聞き所です(クサくはない)。 イントロに続く頭2曲の威力がデカく、正直それ以降に関しては佳曲ばかりな気がしましたが、どの曲もフックに富み、メロディ派は新品で買っても何ら損をする事は無いと思います。 お気に入りは「Judgement Day」。イントロに続く2曲目。これ試聴機で聞いたら誰でもカウンターに走っちゃうって!それにしてもこのバンドは「ハードロック」だったり「メロハー」だったり「メロディック・メタル」だったりと紹介先毎にジャンルが違うんで困ります(どれも似たり寄ったりって事?)。 |
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![]() THE SECOND COMING / 2008年作 / 76点 |
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2枚目。前よりもマ○ィア度が上がっている気がします(汗)。タトゥーだらけの腕を見せつけないで下さい‥‥。 相変わらずクオリティの高いメロハーをやっていますが、メロディのキャッチーさは正直かなり後退したように感じました。 まあ、そのメロディをキャッチーと感じるかどうかは個人の感性による所が大きいので、人によっては前作以上に満足だと思う人もいるかもしれませんが、私は本作の中に「Judgement Day」や「Eyes Of The World」のようなキラーチューンが入っているとは思えませんでした。 どれも実に惜しいサビばかりで「ああっ‥‥ここでキーを上げてくれれば凄くいいのに‥‥」とかずっと考えてました。それと前作に比べるとバラードが増えたように思います。それもトーンダウンの一つの原因かもしれません。 お気に入りは「Masquerade Ball」。イントロに続く2曲目。2曲目が一番良いアルバムって実はあまり印象良くないんですよね‥‥。 演奏レベルなどにもう文句は無いので、後は良いメロディを作って下さい! |
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![]() CARDINAL / 2016年 / 70点 |
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3枚目、4枚目を飛ばして5枚目。 1枚目の頃は日本でもそこそこ話題になっていたように思うんですが、その後あまり話題にもならなくなり、私も忘れていました‥‥。が、偶然発見したので聞いてみる事にしました。 方向性そのものは特に変わってなく、非常に聞きやすいメロハーというかメロディックメタルです。適度なスピード感、テクニカルながらも聞きやすいGtソロ、キャッチーな歌メロと良い感じです。 が、何だろう‥‥イマイチググッと来ないのです。最大の理由として挙げられるのがVoが変わってるという事。本作はニコラ・ミイッチという人が歌っており、この人も十分に上手いんですが、前任者であるマイケル・エデンのインパクトが強すぎてイマイチ迫力に欠けるんですよね。 また、キャッチーとは言いましたが、これまでの作品に比べると小粒というか私の好みドストレートとは言い難い曲が多いんですよね。これは個人の好みなので、「この作品が一番!」って言う人もいるとは思いますが、少なくとも私には微妙な出来栄えが多かったように感じられました。 お気に入りは「Rome's On Fire」。哀愁漂うサビメロが素敵でした。 悪くはないけど良作とも言えない感じ。確かにこんな感じなら人気が落ちるのも仕方ないのかも‥‥。 |
EDGUY (エドガイ) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ジャーマンメタル |
![]() THEATER OF SALVATION / 1999年作 / 85点 |
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ドイツ出身、ジャーマンメタルを背負って立つバンドの4枚目です。 音楽性は程よくKeyを配したハロウィン直系ジャーマンメタルです。メンバーが10代中盤程度でデビューした為、この頃はもう風格が見えます。演奏、メロ、共に非常に上質です。 Voのトビアス・サミットの声も非常によく歌えていて、例えハイトーンであったとしても、問題無く歌えています。お気に入りは何と言っても「Babylon」。サビの最後の大合唱「バービーロン!」って部分が格好良いです。ギターメロもいいです。 疾走、ミドル、バラードの配分も良く(勿論疾走多め)、これと言った欠点もありません。初心者はここから行きましょう。 |
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![]() MANDRAKE / 2001年作 / 86点 |
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5枚目です。かなり成長しました。疾走馬鹿ではなくなっています(笑)。 トビアスが他のプロジェクトにも出ているので、その成長ぶりがこのアルバムにもはっきり見えています。簡単に言えば、バラエティに富んだ内容になっています。 1発目からミドルで行く辺り、自信が伺えます。でも、2曲目はマニア万歳の疾走です。相変わらず格好良いです。バラエティに富んでいるだけあって、疾走曲は前よりも減りました。でも、ミドルでも実にしっかりとした曲を聞かせてくれます。個人的にはこっちの方が好き。 お気に入りは「All the Crowns」。サビメロが爽やかでクセになりました。相変わらずの上質ジャーマンを聞かせてくれます。マニアでなくとも買いの一枚です。 |
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![]() HELLFIRE CLUB / 2004年作 / 95点 |
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6枚目。それまでも悪くは無かったものの、ハロウィンを越える事も出来ず、かと言ってノクターナルライツも越える事が出来なかった事から、私の中には微妙だったバンドだったんですが、これは素晴らしいです! メロディ、アグレッシブ、そしてプロダクション、全てが格段のレベルアップを遂げ、名実共に最強クラスになったと思います。 1発目からミドル、更に2曲目には10分を越える大曲という構成ながら、これがどちらも素晴らしいメロを持っています。そして3曲目「WE DON’T NEED A HERO」! これがメッチャ格好良い! 大仰なオーケストラに、怒涛の疾走。そして初めて聞いた時は震えが止まらなかった驚愕のドラミング!(これがマジで凄い!)すげー! その後もパワートラックが続き、合間に入るバラードも実にいい。マジで捨て曲無し。 トビアス・サミットを始め、メンバーもテクニックも確か。特にトビアスはハイシャウトも見事にこなせるようになり、これぞ最高クラスのアルバムと呼べる物となっています。 お気に入りは前述した通り「WE DON’T NEED A HERO」。メロパワ史上に残る名曲だと思います。他にもボートラの「CHILDREN OF STEEL」もかなり格好良いです。メタラー必聴のアルバムです。名盤! |
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![]() ROCKET RIDE / 2006年作 / 83点 |
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貫禄の7枚目。 史上最悪のジャケのせいでなかなか手が出せなかったんですが、いつの間にか「HELLFIRE CULB」より中古で安くなっていたので購入。 世間での評判はやたらと悪く、実際前作「HELL〜」に比べれば若干聞き劣りする所もありますが、決して悪い出来ではないと思います。 疾走曲の前の大作で既にいつものエドガイ節は健在だし、疾走系もDrがドガドガ言ってて悪くはありません。トビアス・サミットの声もクリアだし、所々デジデジ言ってるKeyが余計かなとも思いますが、重厚なナンバーあり、メロハーなナンバーあり、ロックンロールなナンバーありと、総じて前作よりカラフルに、バラエティに富んだアルバムになっていると思います。 何度も言うけど、決して駄作と言う程悪くはないですよ。おそらく、カラフルになりすぎた為に純粋なメタルファンから批判を受けてるんだと思いますが、私はこういうのも面白いなと思いました。 お気に入りは「SACRFICE」。1発目の8分にも及ぶ重厚なミドル・ナンバー。オイラはこのバンドの長くてミドルなナンバーが大好きなのです! |
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![]() TINNITUS SANCTUS / 2008年作 / 73点 |
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8枚目。 前作で見せた方向性の拡散がより押し進められており、本作は「ヘヴィメタルと言ってもいいのか?」と思うような曲ばかりが並んでいます。 確かにメロディはメタルバンドらしいパワフルなものではあります。しかし、ドラマ性に欠けるロックンロールなメロディ運び、疾走曲の排除、インナージャケットのクールな佇まい‥‥。完全に狭義のヘヴィメタルから脱却した感じで、これはもうハードロックのレベル。 才能ある人達が作っているので、方向性が変わろうとも完成度は非常に高いですが、かと言ってそれが満足度に繋がるとは限らないわけでして、私個人の意見としてはヘヴィメタルらしさがあまり感じられず面白くありませんでした。ぶっちゃけて言ってしまえば、私はロックではなくメタルが聞きたいのです。 これは私の趣味の問題ですが、私と同様に彼らに「Hellfire Club」のような「ヘヴィメタル」を求めている人にとっては相当に辛い内容だと思います。 お気に入りは「Ministry Of Saints」。1発目にして一番メタルしてる曲。あとはロックンロールばっかり。 今更サマソニに呼ばれる事も無いだろうから、もう一度「Hellfire Club」みたいなのを作った方がいいと思うんですけど、トビアスの言葉を聞く限りその可能性は限りなく低そうです‥‥。 |
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![]() AGE OF THE JOKER / 2011年作 / 60点 |
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9枚目。 前作ほど脱メタルはしていませんが、全体的な方向性としては「ROCKET RIDE」以降のベクトルと同じです。 客観的に見ればそんなに悪くはないのかもしれませんが、古いタイプの人間(メロパワ大好き)である私としては本作も極めて「煮え切らない作品」だったと思いました。 中途半端なメロディ、疾走感‥‥。メタルとしてもロックとしても中途半端で一体何を目指しているのか、私には理解できませんでした。もはや「HELLFIRE CLUB」のような作品を望むのはダメという事なんだろうな、と本作を聞いてハッキリ思いました。 お気に入りは無し。最後まで聞くのが辛かった‥‥。 トビアスは今後はAVANTASIA一本に絞って良いと思います。 |
ELIS (エリス) |
出身地‥‥リヒテンシュタイン ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() GOD’S SILENCE DEVIL’S TEMPTATION / 2003年作 / 80点 |
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辺境(?)の地、リヒテンシュタイン出身のゴシックバンドの二枚目。 典型的ゴシック・メタル。なんですが、適度に早く、適度にメロディアスでとても聞きやすいです。 ゴシックの目玉の一つである醜いデス声と美しい女性声ですが、このバンドは女性のパートの方が断然多い。その声も綺麗なソプラノ声で、ネオクラのとこで紹介してる「ナイト・ウィッシュ」に近いです。つまり、全然悪くないという事。更に、美人のおねーさんで、巨乳。これで一体どんな文句が出るというのだろう。 ゴシックと言えば重くて、鬱屈していて、初心者を排除するような傾向がありますが、このバンドは違います。メロディも分かりやすく、長くも無いし、デス声も全然きつくありません。ギターメロがちとギトギトしてますけど、ゴシックメタルなんてこんなもんです。初心者でも全然イケます。 日本盤は出てなく、輸入盤しかありませんが、それでも買う価値はあると思います。音だって全然いいし。例えるのはどうかと思いますが、少女漫画家、由貴香織里さんの書く作品によく合うような感じの音楽です。 様々なメタルを聞いて、最後に辿り着くのが極悪ブラックかゴシックだと思うのですが、その中でも、このアルバムはいいですよ。名盤です。お気に入りは「Where You Belong」。サビが凄くキャッチャーです! |
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![]() DARK CLOUDS IN A PERFECT SKY / 2004年作 / 70点 |
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2枚目。 エヴァネッセンスの登場により、ゴシックバンドもヘヴィネスを志向するようになった気がするんですが、彼らもまたGtサウンドを大幅にパワーアップさせています。 とは言っても決してモダンになったわけではなく、壮麗なシンフォアレンジやGtソロなども健在。 ただ、キャッチーな歌メロが激減しており、前作程は楽しめなかったというのが正直な意見。って、これは私がナイトウィッシュとかウィズインテンプテーションばっか聞いてるからかもしれないですが。 お気に入りは「PERFECT LOVE」。物憂げなメロディーが良いっす。 |
ELUVEITIE (エルヴェイティ) |
出身地‥‥スイス ジャンル‥‥フォークメタル |
![]() SPIRIT / 2006年作 / 86点 |
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スイス出身の大人数民謡メタルバンドの1枚目。 コルピクラーニの大活躍によって、日本でも他ジャンルと同等の扱いを受けつつある民謡(フォーク)メタル。彼らもフルート、バグパイプ、ヴァイオリンなどをフル活用させながら、勇ましく行進するタイプの音楽性です。 ただ、こちらはコルピ程陽気ではなく、メタル楽器も相当アグレッシブで、どちらかと言うとエンシフェルムやチュリサスのようなヴァイキングにフォーク要素を足した味わい(Voも結構ドスの利いたデスVoです)。 しかし! そのメロディーがいまいち弱いのが難点。勿論、民謡色満載の、好き者にとってはたまらないものではあるんですが「こっ、このメロディーは逝ける!」というのが個人的にはあまり無かったかな〜と。どのパートも悪くはないんけど、昇天までには至らないんですよね〜。マニアックなCDを販売する事に情熱を注ぐサウンドホリックはいっつもこうだな。。 お気に入りは「TEGERNAKO」。何語なのかよく分かりませんが、ここで聞けるピ〜ヒャラとした民謡楽器はかなりの殺傷力あり。多分聞き込めばかなり良い作品になると思います。 |
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![]() SLANIA / 2008年作 / 85点 |
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2枚目。邦題「魔笛の国のスラニア」って、最近のファンタジー映画みたいですね(ジャケットの女の子がスラニアちゃんって事なのかな?)。 前作において、アグレッシブなデスメタルとフォーク音楽との融合を見せつけた彼らですが、本作ではデスメタル的な部分が更に増強。一部では「フォーク要素のあるDARK TRANQUILLITY」なんて言われてますが、GtリフやDrのリズムがそっくりで、その呼び名も頷けます。 クオリティは相変わらず非常に高く、文句のつけようがありません。特にフォーク/ヴァイキングメタル系は最強クラスの激烈デスVoは非常にカッコイイです。 ただ、ここまでデスメタル部分がハードになってしまうと、フォーク音楽と上手く溶け合っていない部分も散見でき、また私があまりDARK〜が好みではないというのもあり、正直前作の方が良かったかなと思います。 お気に入りは「Slanias Song」。女性Vo入りのメロディアスなナンバーです。この曲くらいGtが控えめだと聞きやすいんですけどね。ちょい文句も言いましたが、フォークメタルが好きな人は外せないアルバムだと思います。 |
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![]() EVERYTHING REMAINS (AS IT NEVER WAS) / 2010年作 / 85点 |
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アコースティック作だった3枚目を飛ばして4枚目。 基本的な路線である「アグレッシブなデスメタルにフォークロアな楽器を半ば無理矢理ぶち込む」という姿勢は勿論変わっていません。 ただ、2枚目辺りから少しずつ見え始めていた「大人しさ」が更に一歩押し出されており、つまりアグレッシブさが若干後退し、ノーマルVoの導入、フォークロアな要素も増強と言った面が強調されています。 3曲もある静かなインストナンバー、少し音数を減らしてシンプルになった楽曲など、初期の「詰め込みまくった感」が好きだった人にはやや物足りないかもしれませんが、こちらの方が聞きやすく初心者には取っ付きやすいと思います。 私はと言うと「良くもなったし、悪くなったもなった」という感想です。アグレッシブさが減ったのは残念ですが、その分シンプルになった事でよりクサいフォークロアメロディを楽しむ事が出来るので、数字的にはそれほど変わりませんでした。 お気に入りは「Thousandfold」。上記した「大人しさ」が最も顕著に表れてる1曲。でも、個人的にはこれくらいが一番聞きやすくて良かったりします。 方向性がどう変わろうとも変わらないメロディはやはり素晴らしいです。これからも良質な作品を作って行って、そして来日お願いします! |
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![]() ORIGINS / 2014年作 / 80点 |
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5枚目を飛ばして6枚目。買ってみたら6枚目だったんだもんw さて、「激しい時のDARK TRANQUILLITYにフォーク要素を入れたような感じ」と形容されますが、その方向性は変わっていません。 ただ、個人的にはメタル楽器がフォーク要素と上手く融合できていないと感じる場面もありました。今までもそういう場面はチラホラとありましたが、本作は過去最高だと思います。私が参考にしてるレビューサイトでは「リフがアメリカナイズされている」と書いてありましたが、確かにメロデスというよりかはメタルコア的なリフが増えたように思います。で、それがフォーク要素をあまり噛み合っていない。 そこらへんは要改善だと思います。もっと悪化する可能性もおおいにありますけどね(汗)。 お気に入りは「The Call Of The Mountains」。女性Voだけをフューチャーしたメロディアスナンバー。個人的にはこういうのばっかりが嬉しいんだけどな〜。 |
ELVENKING (エルヴェン・キング) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥フォークメタル |
![]() HEATHENREEL / 2001年作 / 86点 |
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もうイタリアという国がどんな国なのか忘れてしまいそうな、イタリア出のフォークメタルバンドの1枚目。ちなみにバンド名は「妖精(エルフ)の王様」です(笑)。 最近ヴァイキングが流行ってますが、このバンドは同じ系統でもひたすら民謡チックな音色をかますのが特徴。声はノーマル声。微妙なんだけど、この音楽にはこれが合ってると思います。 で、メタルらしいガリガリ感も確かにあるんですが、それ以上に目立つ民謡チックな楽器の数々が凄い。アコギを始め、笛やら何やらをぶちこんでおり、決して荘厳ではない独特の世界感を演出しています。 私は気に入りました。別に民謡が好きなわけじゃないですが、この圧倒的な個性にハマりました。咽び泣きまくるアコギがたまらん! 森の奥で踊る小人達の音楽みたいな感じでしょうか? お気に入りは「HOBS AN FEATHERS」。3分も無い曲ですが、メロディ、疾走感、そして独自の民謡メロの圧倒的な融合に腰砕け。非常に珍しいバンドではありますが、メタルってこんな事まで出来るんだねぇ、と改めて思う迷盤(?)。私は大好きですね! |
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![]() THE WINTER WAKE / 2006年作 / 81点 |
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2枚目を通り越して3枚目。探してるんだけど、見つからない‥‥。 で、奇跡の国内デビューを果たした3枚目は、よりヘヴィ路線をアップさせた感じで、フォーク調のヴァイオリンも大量に盛り込まれているものの、耳に残るのはゴリゴリのGtサウンド。 で、個人的にはこれが裏目に出たと思います。フォークメロディが減退した事によってVoの下手さ、Gtメロディの弱さが露呈してしまい、前までに感じた高揚感を得られません。 ほとんどの曲がアップテンポってのはいいんだけど、これってメロディがいいアルバムには相乗効果をもたらすけど、どうじゃないと諸刃の剣にしかならないんだよね〜。うー、一気に聞くのが辛い‥‥。 お気に入りは「THE WINTER WAKE」。タイトル曲だし一番印象が強かったかも‥‥。クオリティの高さは認めますが、だからと言ってメロディまで良いとは限らんのよね〜。 |
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![]() THE SCYTHE / 2007年作 / 80点 |
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4枚目。放題「血塗られた大鎌伝説」ってダサいなぁ‥‥。 前作から一気にメタル度がアップした彼らですが、本作は更にメタル度がアップしています。その代わりフォーク要素が減退しており、正直ここまで来ると「フォークメタル」とカテゴリするのは間違っている気すらします。 前作はレビューで悪口を言いながらも実は結構聞いてまして(後から来るんだって)、メロパワにはない、フォークメタルだからこその独特なメロディが今ではすっかり気に入ってたりします。 本作でもその言葉では表現出来ない独特なメロディは健在ですが、前述した通りあざといまでの民謡メロディは本当に数えるくらいしか聞けず、メロデスみたいなゴリゴリしたパートがやたらと増えています。 個人的には2枚目から3枚目への変化程大きいとは思えず、前作が好きだったら本作も安心して好きになれるんじゃないかな、と思ってますが。 ただ、全体を通して聞くとミドルナンバーが多い事、コンセプトにした為に冒頭やおケツに語りが入っていてそれがウザい事、そして前作に比べメロディが弱くなった点などが挙げられ、前作収録の「The Wanderer」や「Petalstorm」クラスの曲が無かったのは残念でした‥‥。 お気に入りは「Poison Tears」。サビメロディが一番好き。こういうのをもっと増やしてほしかった。あと「毒の涙」ってタイトルが気に入った!積極的に色々取り入れるのは悪い事じゃないですが、芯が無ければゴチャゴチャするだけです。次は一本貫いてください。 |
EMIGRATE (エミグレイト) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥へヴィロック |
![]() EMIGRATE / 2007年作 / 77点 |
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ドイツのへヴィロックバンドRAMMSTEINのGtリヒャルト・クルスペがリーダーを務めるバンドの1枚目。 マシーンのようなリズムやGtリフ、高圧的なメロディなど、RAMMSTEINと通じる部分も当然あるものの、違いもあります。 まず、全て英語で歌われています(リヒャルト本人が担当)。更にエモーショナルなGtソロがあったり、生々しさを感じるミドルナンバーがあったり、RAMMSTEINよりもバラエティに富んだ内容になってます。 リヒャルトの英語は上手いし、こんなに情熱的なソロが弾けたのかとビックリもしました。頭3曲は本家で使われてもおかしくない程良い出来ですし、トーンを抑えたバラードもなかなかのクオリティです。 ただ、RAMMSTEINと別にやる必要があるのか? とも思いました。個人的にはRAMMSTEINがちょっと多様化しただけという印象で、このバンドならではオリジナリティまでは感じませんでした。「MUTTER」のような泣けるチューンも無かったし、リヒャルトのVoがティル・リンデマンより良いか言われるとYESとは言えません‥‥。 お気に入りは「WAKE UP」。ってか、このリズムとGtリフはRAMMSTEIN以外何物でもないような‥‥。 RAMMSTEINが好きな人なら聞いて損無し、と思います。 |
EMPYRIOS (エンパイリオス) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE GRLORIOUS SICKNESS / 2008年作 / 50点 |
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イタリア出身のスラッシュ気味メロパワバンドの2枚目。 現DGMのGt・シモーネ・ムラローニがリーダーを務めているのが最大の特徴ですが、音楽性はDGMとはかけ離れており、モダンでエッジの効いたGtが炸裂するスラッシュ気味のメロパワです。 どちらかと言うと今のメタルコアなんかが出すような音に近く、ノーマルVoとデスVoのスイッチ、ガリガリ言いまくるGt、クサ味・抒情性の全く無いメロディ、とそちらに必要なものは揃っています。 演奏はタイトでクールだとは思いますし、ヨーロッパな味わいが全く無いかと言うとそうでもないんですが、いかんせん私の好みから遠すぎるのが辛すぎます。 とにかくメロディセンスが無さ過ぎます。どこがサビメロなのか本気迷う程メロディの起伏に乏しい楽曲の数々はいくら演奏がタイトでも聞いていられません。 お気に入りは勿論ありません。 私はずっと元DGMのディエゴが参加していると思っていましたが、そうではなくて現DGMなんですね。じゃあ、つまらないのも納得出来るってもんですかね(汗) |
ENSIFERUM (エンシフェルム) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ヴァイキング・デスメタル |
![]() ENSIFERUM / 2001年作 / 90点 |
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フィンランド出身の4人組みヴァイキング・デス・メタルバンドのデビューアルバム。 何かと日本人好みのバンドを輩出するフィンランドのスピンファームからの新たなる使者は、ミソティンのヴァイキング魂と、チルボドのアグレッシブさ、格好良さを兼ね備えた強力バンド。 ↑の通り、ミソティンのような勇壮なメロディを、チルボドのようなテクニカル&疾走でぶちかますという音楽性で、これがまた素晴らしい出来なんです! 疾走曲あり、雰囲気を出す為のむせぶアコースティックギターあり、男どもの野太いコーラスあり、そして「へイッ! ヘイッ!」という掛け声あり、戦う男の音楽が見事に花開いております(Keyは女性)。 またKeyを使っていたり、ミドルチューンの曲も入っていたりと、バラエティも豊富。途中で飽きる事もありません。まあ、このバンドだったら最後まで疾走だったとしても飽きないとは思いますが。捨て曲なんてホントに一曲も無いし。 「俺は真の男(漢)になりたい」という方、是非聞いてみたください。戦う男の精霊(?)が、このアルバムには潜んでいます。お気に入りは最初の3曲「Hero In A Dream」、「Token Of Time」、「Guardians Of Fate」。特に3番目はヴァイキングメタル史上に残る名曲です! |
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![]() IRON / 2004年作 / 85点 |
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2枚目です。相変わらずですが、メロがちょっと弱くなりました。その分疾走曲が増えたような気もします。 前作は日本のメタル市場に「疾走ヴァイキングメタル」を教えつけた名盤でしたが、今回、その期待を少しですが裏切ったような気がします。確かにヴァイキング界において女性キーボードを入れたという事は賞賛に値しますが、そのキーボードばかりが目立ち、肝心のギターメロが普通にガリガリ言っているだけという感じです。切れ味はすんごくいいんですけどね。 悪くは無いけど、前の方がいいです、はい。お気に入りは「IRON」。しょっぱなから来ますよ! |
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![]() VICTORY SONGS / 2007年作 / 91点 |
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3枚目。 Vo、Gtを担当していたヤリ・マーエンパーが脱退し、NORTHERのVo、Gtのペトリ・リンドロスが正式加入しておりますが、基本的な路線は一切変わっていません。 疾走感溢れる分かりやすいヴァイキングメタルで、スピード感は過去最高。インストとバラード以外はほぼ全曲疾走しており、心地良い事この上ありません。1枚目のようなベタベタ感こそ随分と整理されていますが、どの曲も哀愁漂うメロディがダダ漏れで、Gtの旋律は勿論、切なく流れるKeyも薄青の森を駆ける騎士が想像出来ます。ノーマルVoによるコーラスもたっぷりと入っています。 ペトリの鋭い狼Voは意外な程普通のデス声になっちゃってますが、この音楽性にはとても合ってると思うし、前任者の穴は十分に埋められていると思います。 つまり、粗の無い、素晴らしい出来のアルバムという事です。私はこのバンドでヴァイキングメタルを知りましたが、そんな先駆者に課せられた(勝手に課しただけですが)プレッシャーを見事に跳ね除けた傑作だと思います。もうちょっとDrに迫力があっても良かったと思いますが、贅沢な悩みです。 お気に入りは「AHTI」。ヒロイックながら物悲しいメロディに悶絶です!頭から尻尾まであんこ詰まりまくりの充実の1枚です。ヴァイキングメタルここにあり! |
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![]() FROM AFAR / 2009年 / 83点 |
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2年ぶりの4枚目。とは言っても、私が聴いたのはなんと2021年(汗)。発売から12年も経ってから聴くとはね(汗)。 12年も遅れてしまったのは、他のバンド聞いていたからというものあるんですが、何より3枚目があまりにも素晴らしい出来栄えだった為、「これ以上の作品は作れないだろう」と勝手に思い込み、後回しになっていたからというのが最大の理由です。 とりあえず、そういう勝手な思い込みを消して聞きました。根幹となるフォーキッシュなメロディは変わってないものの、やたらとオーケストラサウンドが使われるようになっており、シンフォニック度が5倍増しになっています。このオーケストラサウンドが曲者で、彼らの持ち味である疾走感のある心地良いメロディをちょっと曇らせてしまっているようにも感じました。 また、全体的にストレートな曲も減っているとも感じました。素直にAメロ→Bメロ→ヴァース→サビ、となってくれれば良いのにやたらと展開やメロディが変わったりして、聞き疲れするんですよね‥‥。その為、決め手となる1曲も見つけられませんでした。10分越えの曲を2曲も用意しなくていいから。 お気に入りは「Stone Cold Metal」。7分ある曲で、前半と後半の雰囲気がかなり違うのが特徴。特に前半はいかにも彼ららしくて素敵です。後半はいらんな(汗)。 オーケストラサウンド以上に、ストレートな曲が少なくて残念だと思ったアルバムでした。ラーメンとカレーとトンカツとハンバーガーと1つ1つは美味しいのに、それを1つの丼にぶち込んでしまった為にぼやけてしまった感じです。 |
ENSLAVEMENT OF BEAUTY (エンスレイブメント・オブ・ビューティー) |
出身地‥‥ノルウェー ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() MEGALOMANIA / 2001年作 / 75点 |
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ノルウェー出身のメロデスバンドの2枚目。かなりケッタイなテーマの下に作品を作っているようですが、音楽性はキーボードを配した基本的なメロデスです。前はドラムが打ち込みだったみたいですが、今回はちゃんと人間が叩いています。 で、その音楽ですが、かなりメロメロなメロデスです。暴虐性というよりは耽美性が強く、Keyがかなり目立っています。声はかなり甘め。チルボドが聞けるなら問題無いレベルです。スピードもそんなにありません。 某サイトではかなり高評価だったので期待していたんですが、どうも私には合わないような気がしました。色々な事を取り混ぜてまだ完全にまとまっていないような気がするんですよね。 お気に入りは「MALIGNANT MIDWINTER MURDERS」。これだけはGt、Key共に完全にツボにハマった1曲でした。私としてはカダクロスには遠く及ばないと感じた本作。でもマニアなら買って損は無いかな? 日本盤出たし。 |
ENTWINE (エントワイン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() GONE / 2001年作 / 70点 |
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良質メタルの宝庫フィンランドのゴシックメタルバンドの2枚目。 退廃的なムードをまといながらも、決して堕ちる事の無いポップセンスを持つゴシックロケンローは、同郷であるTO/DIE/FORとほぼ同じ路線。 最近流行のパターンであり、上記したバンド以外にもHIMやらTHE RASMUSらがいます。正直それらの中から突出したものこそ発見出来ませんでしたが、Voもこの手のバンドの中では癖の無いクリアな歌声を披露しており、初心者にはうってつけと言えます。 まあ、私個人の感想としては普通過ぎてビクッとは来ませんでしたけどね‥‥。 お気に入りは「New Dawn」。キラキラとしたKeyが素敵な曲です。と、いうわけで、ゴシックロック系が好きな人は要チェキ! |
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![]() FATAL DESIGN / 2006年作 / 83点 |
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なかなかアルバムが見つけられず、一気に5枚目。 Gtの比重が2枚目の頃とは比較にならない程重くなっており、北欧メイニアだけの受けそうだった初期に比べるとメジャー感が大幅にアップ。 その分、しっとりとした哀愁や退廃的なムードは減退してしまいましたが、これはこれで決して悪くはない。 それよりも気になったのがVo。多分同じ人のはずなんですが、NEGATIVEのヨンネ・アーロンに激似のVoに変貌しており、これが非常にカッコいい。彼らの最新作「ANORECTIC」が個人的には大不満だった私にとっては、ヨンネに激似のこのVoが灰色の空に絶唱する様が非常に嬉しいです。 お気に入りは「Surrender」。まんま「NEGATIVEが歌ってます」と言っても通じてしまいそう。でもメロディがいいんだからいいじゃん! |
EPICA (エピカ) |
出身地‥‥オランダ ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() THE PHANTOM AGONY / 2003年作 / 77点 |
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超正統派、耽美ゴシックメタルバンドの1枚目。ヴォーカルは18歳の女の子です。ジャケットを見た限りでは26歳くらいに見えますが。 その音楽性はヴァイオリンなどをふんだんに使ったゴシックメタルです。ラプソディほどシンフォニックではないのは、多分意図的なんでしょう。どこか切なげで、でもちゃんとした暗黒世界を展開しています。まぁ、そんなに暗黒ってないですが。Gtもちゃんと頑張っていて、何がダメというのは無いです。 Voがまだまだ垢抜けていないとは思いますが、逆にそれがいいような気もします。ただ、強烈なまでに耳に残るメロが少ないというは良くないです。スピード感もやっぱりですが無いですからね。 でも、ゴシックの聞き所はメロやスピードよりもその世界観のような気もします。そういうのが好きな人なら行っときましょう。 お気に入りは「Sensorium」。メロが一番分かりやすいです。 |
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![]() CONSIGN TO OBLIVION / 2005年作 / 79点 |
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2枚目です。 前と同じ路線ですが、よりシンフォニックさが増しており、全体的な荘厳さは明らかに上がっています。また、ゴシックなのに3〜4分にまとめられたコンパクトさも良いです。 しかし! 今回はちょっとメロディーが弱くなっちゃった? と思えてしまう程に、前に感じられたパワフルさが感じられません。オーケストラがパワーアップした分、メタル楽器が反比例したかのように減退したと思えます。特に無機質にジャリジャリやってるだけのGtがどーもねぇ。 となると、いくらコンパクトにまとまっていようが、冗長に感じられる事は否めなく、残念ながら今回は前のような満足感は得られませんでした。元々このジャンルが苦手(ってかあまり聞かない)ってのもあると思いますけどね お気に入りは「THE LAST CRUSADE」。Gtが結構ヘヴィでいいです。 他のサイトを見るとVoが成長したとか聞きますが、私はそんな事はねえんじゃねえの? とか思います;; |
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![]() THE DIVINE CONSPIRACY / 2007年作 / 75点 |
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Voのおねーちゃんがついにヌードを披露しちゃった3枚目(ジャケットより)。 前作と同じ路線ですがメタル楽器の出番が多くなっており、よりパワフルになった感じがします。特に手数の多いDrがいいです。 しかし本作は私の苦手としているコンセプトに挑戦しており、短いインストがあったり、ダークなだけで終わってしまう曲があったり、最後に10分以上の大作が用意されていたりと、分かりやすいキャッチーさを求めている私には少々とっつきにくい作品でした。サビをコーラスだけで誤魔化すのはやめてほしいんだけどなぁ。まあ、ゴシックバンドにそれを求めるだけナンセンスなのかもしれませんが。 お気に入りは「CHASING THE DRAGON」。7分半もあるプログレッシブなバラード。シモーネ嬢の成長がはっきりと分かる心染みるナンバーです。 |
EQUILIBRIUM (エクリブリウム) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ヴァイキング・デスメタル |
![]() TURIS FRATYR (神々の紋章) / 2005年作 / 87点 |
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ドイツ出身の超絶シンフォニック・ヴァイキングメタルバンドの1枚目。こりゃ、来る所まで来たなって感じです。 その音楽性は1stの頃のスカイファイヤーにフィントロール的ヴァイキング色を加味した感じです。全曲ほぼ疾走し、何だかよく分からないけど、凄まじいスケール感を放っております。 メロディは勇壮と言うよりはフォーキーと言った感じが強く、ヴァイキングと言うよりかは深い森の奥で踊りまくる妖精達の音楽と言った方が正確かもしれません。 とにかく凄いのは圧倒的なシンフォニック・アレンジ。Gtはおろか、Voまでも食ってしまっているその音の厚さは、ラプソディをも上回っているかもしれません。 それはとっても素晴らしいんですが、そのシンフォ色があまりにも濃く、他楽器があまり目立っていないのが残念。個人的に言えば、Gtメロや、Voの格好良さとかも追求して欲しかったなぁ。 あと、もっとコンパクトでも良かったかも。個人的には1曲の中に静と動を両方を入れるのはNGなので。 なので、捨て曲が無い代わりに、悶絶チューンの影もかなり薄め。お気に入りは「WINGTHORS HAMMER」。どれも似た感じですが、これが一番記憶に残ったかな。出だしがいいね。まぁ、何にしろ、来る所まで来たなって感じです。ヴァイキングメタルとか、シンフォニックメタルが好きな人は是非どうぞ。 |
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![]() SAGAS / 2008年作 / 90点 |
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爆走ヴァイキングメタルバンドの2枚目。 シンフォニックなヴァイキングメロディにDRAGON FORCEばりの疾走感を加え人気となった前作ですが、本作でもその路線はまったく変わっていません。 変化としてはメロディがやや陽気なものに変わっており、若干ですがKORPIKLAANIに近くなった感があります。とは言ってもコルピがヴァイオリンでやるメロディを壮麗なKeyでやってるわけですから、こちらの方が幻想的な雰囲気はあります。言うなら、コルピは酔いどれおっさん達の祭りで、こっちは可愛い妖精のダンスって感じです。 前回欠点として挙げたVoやGtの弱さは本作でも同じですが、曲によっては結構ガリガリ言ってる曲もあり、良い進化だと思います。とにかく、考えられるクサメロというクサメロをこれでもか! というくらい詰め込んだ爆走曲の数々は圧巻の一言ですわ。 ただ、これは前作でもそうでしたが、疾走曲を前半だけに詰め込み、後半はほぼミドルテンポというのは頂けなかったです。最後の曲なんてミドルでしかもインストなのに16分もあるし‥‥。これは最後まで気力が続きませんでした。 お気に入りは「Unbesiegt」と「Snuffel」。前者は民謡メロディが病みつきになるヤバさです。後者は珍しいくらいGtがカッコイイ曲です。勿論、両方共疾走曲です。ちなみに私が買ったヤツにはDVDがついてました。そんなに見るべき映像じゃないですが、メタルミュージシャンって本当にビールが好きって事が分かります(笑)。 |
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![]() REKREATUR / 2010年作 / 88点 |
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3枚目。 基本路線に変更は無く、相変わらずの超絶シンフォニックヴァイキングメタル街道を突き進んでいます。しかし、若干ですが変化も見られます。 まずは何と言ってもVoです。新しいVoになっていますが、そのせいなのか過去最高に”前”に出ています。他の楽器に負けないくらいに吠えているのです。とは言っても、やっぱり主役にはなってはいませんが。 それともう一つは曲にバラエティが出たという事でしょうか? 今回はミドルテンポの曲があったり、ちょっとロックンロールなメロディがあったりします。とは言っても、アルバム全体のイメージが変わる程ではありませんが。 結局の所、小手先をちょこっと変えただけで、やっぱりいつもと変わっていません(笑)。 でもそれでいいのです。彼らに求められているのは「クサいメロディで爆走する事」なんですから。本当によくもまあネタが尽きる事無く、毎度毎度クッサいメロディが思いつくなぁ、と感心します。 「Wingthors Hammer」や「Unbesiegt」のような一撃必殺ナンバーが見つからなかったのはちと寂しいですが、それでも十二分にクサく、これまでの彼らが好きなら絶対に損をする事は無いと思います。 お気に入りは「Die Affeninsel」。訳すと「猿の島」らしい、ちょこまかと動きまくるナンバー。絶対にライブで出来なさそうな感じですが、陽気なメロディが爆走する様は実に気持ちがイイです。 ちなみに初回盤(?)にはボーナスCDがついており、過去作品のアコースティックバージョンが収録されています。これがどれも非常に素晴らしい出来で、下手したら元曲よりも良かったりするので、GETするなら絶対にボーナスCD付きにしましょう(ちょっと高いけど)。 |
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![]() ERDENTEMPEL / 2014年作 / 86点 |
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4年ぶりの4枚目。 基本的な路線は変わりなく、クサクサの民謡・フォーキーなメロディをデスメタリックな勢いで奏でまくってます。 ただ全体的に少しだけですが落ち着いた感があり、これまでに感じた「ぶっ飛ぶような快感」は正直あまり得られませんでした。何て言えばいいんですかね、前は結構「神秘的」と言った言葉が似合っていたんですが、本作は「民謡的」と言った感じで、少し趣向が変わったように思うんです。 ‥‥まぁ、ぶっちゃけこれは個人の感性による部分が大きいとは思いますが。 とは言え、枯渇知らずの芳醇すぎるメロディはそこらへんのヴァイキングメタルバンドが束になっても足元にも及ばない程凄まじく、今までの彼らが好きなら本作も決して外す事は無いと断言出来ます。 お気に入りは「Karawane」。本作を象徴するミドルテンポのナンバー。とは言え、勇壮な気持ちになれるサビメロの破壊力は見事としか言いようがありません。 趣向が変わっても彼らは彼ら。そろそろマンネリ化だね、と言われてきそうですが、マンネリ化おおいに結構。この路線でずっと行ってほしいなと思います。 |
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![]() ARMAGEDDON / 2016年作 / 75点 |
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5枚目。 一聴して思った事は「おいおい‥地味になったなぁ‥‥」という事でした。前作から垣間見えた「疾走感・シンフォニックさの減退」が更に顕著になっています。頭5曲、疾走しないですからね(汗)また、メロディのタイプが「勇壮」から「童話的」と表現できそうなタイプに更にシフトしており、これまた印象が変わった事に拍車を掛けています。色で例えるなら「黒」から「緑」になったような? う〜ん、正直この変化は歓迎出来ないかな‥‥。本人達としては金太郎飴からの脱却を図ろうとしてるのかもしれないけど、こっちとしてはずっと同じ味のカレーで良いわけでして。枚数を重ねる毎に「品質」だけは上がっているのが、何とも悲しい所です。 もしかしたら「スルメ盤」として長く聞いてる内に評価が変わるのかもしれませんが、少なくとも今の時点では今までの中で一番地味で評価は低いと言わざるをえないです。 お気に入りは「Heimat」。一番「これまで」っぽい曲。でも、それでも何か妙にポップスっぽいアレンジが入っていて、違和感は感じますけどね。 |
ESSENCE OF SORROW (エッセンス・オブ・ソロウ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() REFLECTIONS OF THE OBSCURE / 2007年作 / 74点 |
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私の苦手なバンドDivineFireのヤニ・ステファノヴィックが結成したメロパワバンドの1枚目。 ヤニって聞いただけやめておけばいいものの、毎度「もしかしたら今回は‥‥」みたいな気持ちにされちゃうのは彼のマジックなんでしょうかね〜。彼ってメロディ作りには難がありますが、雰囲気作りは天下一品ですからね。ジャケは本当にセンス良いし。 本作はメロデスのようなへヴィなGtと荘厳なKeyを全面に押し出したミドルテンポ主体のメロパワで、やっぱりと言うべきかDivineFireにとてもよく似ています。 しかし個人的にはこちらの方が好きになりました。理由はこちらの方がVoの質やメロディの質が好みだから、です。ブラックのような不穏さは無いし、こちらの方が純粋にメロパワを聞かせようとしているように感じました。全曲良いかと聞かれると「NO」と答えざるをえませんが、数曲ギラリと光るものがあったのは間違いありません。 お気に入りは「The Mirror」。これはいい曲やね。へヴィなGt、淫靡な空間を作り上げるKey、そしてキャッチーな歌メロが光る秀作だと思います。 ほらね、やっぱりたまにいいのがあるんだよ。だから、彼の作品は買い続けちゃうんです。 |
ETERNAL TEARS OF SORROW (エターナル ティアーズ オブ ソロウ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディックデスメタル |
![]() CHAOTIC BEAUTY / 2000年作 / 86点 |
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名前だけで既に買ってしまいそうなバンドの3枚目(日本デビュー作)。このバンドからカルマが生まれたりしているので知っている人もいるのではないでしょうか? ってか同時進行か。 その音楽性はメロデスの一歩手前の適度なスピード感を伴ったゴシックメタル。 強烈な泣きと哀愁を漂わせるGtメロディが秀逸ですが、同時に全体を儚く彩るKeyも素晴らしい働きをしています。 世界観云々と言うよりは、とにかくその二つの楽器が奏でるメロディがいいです。Voは全然弱くてお世辞にも他の楽器と同等とは言えませんが、時々入る女性声はたまらなく素敵です。 ゴシックになった時のダーク・トランキュリティーにもっとメロディがかかればこんな感じの音楽になります、と言えばおのずと分かるんじゃないでしょうか? お気に入りは「SHATTERED SOUL」。常に紡がれるGtメロがいいですね!カルマみたいな音を想像すると思い切りコケますが、良質ゴシックだと思っていればまず外す事は無いと思います。メロマニアは是非一度どうぞ。 |
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![]() A VIRGIN AND A WHORE / 2001年作 / 83点 |
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4作目にしてラストアルバム。アルバムの意味は「処女と娼婦」。 で、カルマ一本になるのでもっとメロデス化するかなと思いきや、もっとゴシック寄りになっておりました。でも曲によってはメロデスっぽいですね。シンフォニックだったKeyがピアノ系の音をメインにするようになり、Gtが大人しくなりました。それでも他のゴシックバンドに比べれば十分過ぎるくらい派手ですけどね。 ただ、前に比べるとちょっと地味かな。Keyが前程装飾しなくなったので、音がこじんまりした感じはあります。メロディはそんなに変わってないんですけどね。 お気に入りは「BLOOD OF HATRED」。どちかと言うとカルマ寄りのメロデスナンバーですが、サビ部分でのGtとKeyの掛け合いが実に心地良いっす。カルマも嫌いじゃないですが、どちらかと言うとこっちの方が好きだったので、こっちを続けてほしかったな‥‥。 |
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![]() BEFORE THE BLEEDING SUN / 2006年作 / 87点 |
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一旦は解散したものの、見事復活を遂げた5枚目。ジャケは過去最高に格好良いです。 メロデスとゴシックの中間を行くという、大まかな路線は変わらないものの、本作はアグレッションに比重が置かれていて、シンフォデスと言っても差し支えないと思います。 肝心のメロディーも決して晴れる事の無い、灰色の悲壮感漂う叙情メロは健在。ただ音が前よりも更に垢抜けていて、こってり感は薄くなってます。でもそれは逆を言えば最後まであっさりと聞けるアルバムになったという事。要はインパクトは減ったけど、手放そうとまでは思わない作品って事です。 お気に入りはズバリ頭4曲全部! 甲乙付けがたい連続ナンバーです。まあ、超キラーが無かったってのもありますが。今までの作品が好きなら聞いて損無し。って言うか、メロデス、ゴシック、どっちの人にもお勧め出来る良盤だと思います。 |
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![]() CHILDREN OF THE DARK WATERS / 2009年作 / 85点 |
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6作目にして、復活第2弾。 相変わらずメタラーの心をくすぐる素晴らしいジャケットにうっとり。中身もそのジャケットからイメージ出来る通りの、幻想的な雰囲気の漂うエロティックなメロデスをやっています。‥‥まあ、いつもそうですけど。 内容的にこれまでと大きな差はありません。あえて挙げるとするならば『ヘヴィ&スピーディーだった前作に比べると若干落ち着いた感がある事』、『ノーマルVoの出番が更に増している事』くらいでしょうか? とは言え、それらは「些細な変化」でしかなく、根幹はまったく揺らいでいません。これまでの彼らが好きだったら本作も間違いなく気に入ると思います。 個人的にはスピード感が失われてしまった事は残念に思いますが、ノーマルVoが増えたというのはおおいに歓迎出来ます。なにせこのバンドのデスVoは弱い上に表現力に乏しいですからね‥‥。美しい女性Voで耽美的にサビを飾ってくれるのはとても嬉しいです。 お気に入りは「Tears of Autumn Rain」。女性Voによるサビがたまらなく美しい曲です。向こう(フィンランド)ではシングルカットされたらしいです。いいなぁ、こういう曲がシングルカットされるなんて。 最高傑作とは言えないですが、安定した好盤だと思います。 |
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![]() SAIVON LAPSI / 2013年 / 70点 |
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7枚目。前作とまったく同じ路線の、メロウで耽美性の強いメロデスです。 幻想的でダークな美しさに満ちた世界観は相変わらずとても魅力的で、楽器陣もその世界を見事に表現できていると思います。が、非常に残念ながら本作はサビが微妙な曲が大変多く、ズキュンと来なかったというのが正直な意見。ボイスの方は仕方ないとして、せめてギターやキーボードのメロディはインパクトのある煽情的なモノを用意してほしかった。7分もある「Angelheart, Ravenheart (Act III: Saivon Lapsi)」なんて、ひたすらに退屈だと感じました。 お気に入りは「Dance Of December」。これでも過去作に比べたら地味ですけどね。 ちなみにこのレビューを書いているのは2022年です。つまり、発売から9年も経ってから書いてるわけです。んで、今の時点でまだ8枚目は出ておらず、ネタが尽きちゃったのかな?と思ってみたり。 |
EUROPE (ヨーロッパ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() BEST OF EUROPE / 1992年作 / 80点 |
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スウェーデン初のワールドワイド成功者にして元祖北欧メタルバンドのベストアルバム。そんなに作品を出してないので、これだけありゃ十分って話も聞きます。 さて、その音楽性は北欧らしい透明性を全面に打ち出した北欧メロディックメタル。ジョン・ノーラムの紡ぐクラシカルなGtが北欧らしさを綺麗に演出しております。ジョーイ・テンペストの声は妙に力む所も見受けられるものの、総じて音楽に合っていると思います。 総じて悪くはないんですが、この後に登場した北欧バンドから聞き出した私としてはどうも満足が得られない。格好悪くはないけど、飛び抜けて格好良くも無いんですよね〜。個人的にはもっとKeyを使ってほしかった。これって、時代のせい? お気に入りは「SEVEN DOORS HOTEL」。名曲名高い「THE FINAL COUNTDOWN」も嫌いじゃないですが、こっちの方が格好良いと思います。早いし。時代を知る為には避けて通れないバンドですが、今(21世紀バンド)が好きなら無理して聞かなくてもいいかな、と個人的には思います。年配の方々、申し訳ありません;; |
EVANESCENCE (エヴァネッセンス) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ゴシックロック |
![]() FALLEN / 2003年作 / 87点 |
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アメリカ出身のゴシックロックバンドの1枚目。 映画「デアデビル」のサントラに曲を提供事から人気が火がつき1500万枚も売れたアルバム。 その音楽性は北欧系ゴシックの雰囲気をベースとしながら、そこに最近のアメリカらしいモダンなへヴィロックの要素をたっぷりと注入するという新しいタイプです。Voは女性でメチャ上手いです。 シンフォニックな味わいや、Voメロディなどは北欧系のバンドに似てるものの、Gtがとにかくへヴィでエッジが鋭く、電子音も使用したリズム隊のお陰もあり、結果としてゴシックらしい陰鬱な感じや叙情性はあまり感じられません。ゴシック風ニッケルバックな感じっす。 しかし、Voは非常に上手いし、これはこれで新しい音楽性として十分楽しめるんじゃないかと思います。これをきっかけにゴシックメタルとかに人が来てくれれば嬉しいっすね。 お気に入りは「BRING ME TO LIFE」。シングルカットされるだけあって、ノリも良く、聞きやすいです。 |
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![]() THE OPEN DOOR / 2006年作 / 73点 |
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2枚目。 創設者の片割れだったGtのベンがライブ中に失踪し、結果脱退。新しいメンバーを揃えての新作になったわけですが、まったくと言っていい程変わりません。 ただ、前よりも楽曲が小粒になっており、インパクトが非常に薄い。しっとりと聞かせるようになった感じはしますが、ロック的ダイナミズムは確実に減退しており、個人的にこれはNG。 私が思うエヴァの真骨頂はやっぱしへヴィロックな部分だと思うんですよね。これが無ければただのゴシックバンドじゃん。 お気に入りは特に無し。聞き込めばよくなるかもしれないですが、聞き込むには楽曲が地味過ぎる‥‥。次は是非ロック部分を大幅に増強してほしいですね。。 |
EVIL MASQUERADE (イーブル・マスカレード) |
出身地‥‥デンマーク ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() WELOCOME TO THE SHOW / 2004年作 / 86点 |
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元ロイヤル・ハントのヴォーカル、ヘンリック・ブロックマン率いるネオクラバンド。笑えるくらいネオクラしてます。 音楽性はKeyをたっぷり入れたネオクラです。クラシックを惜しげもなく使いまくる「様式美」を何の恥ずかしげもなく披露しまくるのが素晴らしいです。 怒涛の疾走ってのは無いですが、どの曲も程よく疾走していて、ヘンリックの深みのある声、泣きまくるGt、やたらとライド(チンチンってヤツ)がうまいDrと、悪い事は総じて無いです。 更にKeyとしてリチャード、アンドレのダブルアンダーソンが加勢していて、とんでもないテクを披露。本当に悪い事無いな。強いて言えばボートラが格好悪いくらいか。 お気に入りは「Oh Harlequin」。流れるサビがいいです。 |
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![]() THEATRICAL MADNESS / 2005年作 / 70点 |
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テンポよく出た2枚目です。 基本路線とメンバーは変わってないですが、本作はクラシカル以外にもプログレッシブな感性や、へヴィさに拘った楽曲が並んでいます。 バラエティに富んだと言えば聞こえはいいですが、個人的にこれはアウト。彼ら最大の持ち味が前に比べて明らかに減退したと思います。ミステリアスさはまだ残ってますが、美しさ、華麗さが全然無いよ! それと前に比べるとメロディーが非常につまらない。サビでの盛り上がりもいまいちだし、なかなか印象の残るフレーズが無く、正直最後まで聞くのが大変でした。 お気に入りは特に無し。いくらテクニックがあっても、肝心のメロディーがダメならしょーもないっす。1枚目はまあまあ注目されてましたけど、それ以降全然話題にならなかった理由が分かります、はい。 |
EXCALION (エクスキャリオン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() WATERLINES / 2007年作 / 78点 |
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フィンランド出身のメロパワバンドの2枚目。 混ざり気の無い正統派なメロパワをやっており、系統的にはやっぱしSTRATOVARIUSってとこでしょうか。Keyによる雰囲気が作りが上手く、EUROPEのような北欧メタルっぽい雰囲気も結構あります。 Voは結構逞しく、無理なハイトーンを絞り出す事も無く、どの曲もソツ無くこなせています。Gtソロも実に無難な出来栄え。歌メロはどれも適度にキャッチーで、本当優等生って感じです。 ただ、逆を言えばそれだけであり、個性を発揮する何かがあるわけでもなく、インパクトはあまりありません。でもまあ、この手のジャンルであとはどんな個性を発揮しろってんだ、とも思うので、これ以上の注文は酷な気もします。 お気に入りは「The Wingman」。冒頭を飾る曲。疾走曲ではないですが、サビの「シューティングスタ〜♪」って所が好きです。刺激は無いですが、電車の中でサラッと聞くにはいいアルバムだと思います。 |
EXHUMATION (エグズメーション) |
出身地‥‥ギリシャ ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() DANCE ACROSS THE PAST / 1999年作 / 70点 |
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ギリシャ出身のメロデスバンドの2枚目。 Keyを用いない、所期インフレのような音楽にプログレチックな要素が加えられた音楽をやってます。 叙情的なメロディーを配し、適度に疾走し、なかなか迫力のあるデスVoなど、基本的な所は全てしっかりと押さえてあり、少なくとも楽器が下手という理由でアウトって事はありません。 ただ、どれも型にハマったものばかりであり、目新しさは皆無。あと叙情メロとか書きましたが、インフレとかに比べたら全然。。。 また前述した「プログレ」の要素が結構曲者でして、Aメロ、Bメロと来て「おっ! ここからサビに入るんだね!」とか言う所でコロッとテンポが変わって、そのままつまんないままおしまいみたいな、生殺し的展開も目立ちます。 お気に入りは「WITHERED SKY」。これはかなり悪くない(笑)やっぱ店頭の衝動買いは危険、と改めて思った1枚。 |
EYES OF SHIVA (アイズ・オブ・シヴァ) |
出身地‥‥ブラジル ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() EYES OF SOULS / 2005年作 / 80点 |
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アングラクローンの1枚目。 ブラジルから出てくるバンドのほとんどがアングラの2番煎じと言われますが、このバンドもまさしくその通り。しかし、それを高次元で昇華させているし、そのアングラのキコ・ルーレイロがゲスト参加してるくらいですから、極めればそれもまた良し、という事です。 で、音楽性は「リバース」の頃のアングラにもっとブラジル民俗音楽性を濃くした感じです。素直に疾走する曲はほとんど無く、どの曲もプログレッシブに展開します。ただ、メンバーが皆うまいので、難なく聞けます。 ただ、王者と比べるとどのバンドも目劣りしてしまうのは仕方の無い事だとは思うんですが、このバンドもそのプログレさ、民俗音楽がかなり目立っていて、素直に「メロパワ」として聴くとやや物足りなさを感じます。真ん中辺りに疾走曲があれば良かったのにな。 お気に入りは「PSYCHOS OF THE NEW MILLENNIUM」と「JUST A MIRACLE」。前者はひねくれた展開ながらもサビが流麗でいいです。後者はラストを飾る典型的な疾走チューン。こういうのがもう2曲あれば90点台も夢ではなかった!色々と難癖を言ってしまいましたが、修行すればアングラの牙城にかなり迫れる所まで来ると思いますので、暖かく見守ってあげましょう! |