FAIR WARNING (フェア・ウォーニング) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディアスハード |
![]() FAIR WARNING / 1992年作 / 85点 |
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日本でのみ大受けしたというドイツ出身のメロハーバンドの1枚目。 その音楽性はガッチリとしたロックスタイルでありながら、Gtメロ、そして歌メロがとにかく聞きやすく、そして美しい、まさに「メロディアスだけど、ハード」な音楽です。外国人なのに、ここまで日本人の琴線に触れられる音楽作るなんて、凄いなぁ。 全曲ミドルで似た感じですが、どの曲もとにかくメロディが良くて、そしてやっぱし美しいです。Voもちゃんと歌えているし、ツインGtもメッチャうまい。 全アルバム一気に聞いた私としてはちょっと最高とは言えなかったですが、決して悪くは無いですよ。お気に入りは「LONG GONE」。一番光っていると思いました。 |
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![]() RAIN MAKER / 1995年作 / 92点 |
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2枚目。 前作に比べてスピード感が増した事によって、より日本人好みになりました。個人的には最高傑作。 前作は確かによかったものの、私の中ではどうしても傑作とは言えませんでした。しかし、今回の充実ぶりは何だろう!もう、本当にどの曲をとっても「いいわぁ」としか言えないメロディの洪水に溺れてしまいましたわ;; お気に入りは「STARS AND THE MONN」「TOO LATE FOR LOVE」など。このアルバムは本当にどれもいい曲ばかりなので、なかなか決められないですが、強いてあげるとこれですね。勿論「BURNING HEART」も好き。 |
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![]() GO! / 1997年作 / 87点 |
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3枚目。前とあまり変わりません。ちなみに前は日本で10万枚以上売れたんだって。 基本路線、メンバー、一切変わっていません。なので、あまり言う事も無いです;; 前が好きなら迷わず買い。これですな。ちょっとだけ言うと、スピード感が1stの頃に戻ったって事くらいかな。 お気に入りは「ANGELS OF HEAVEN」。これは彼らの中でも最高傑作だと思います。 |
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![]() 4 / 2000年作 / 85点 |
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4枚目にして最後のアルバム。これを最後にバンドは分解してしまい、皆さん自分の道を歩く事になります。 で、やっぱり変わっていません。相変わらず良質なメロハーナンバーを聞かせてくれます。別に最後だからと言って何が変わったって事もありません。出来ればもっとこんなアルバムを作ってほしかったなぁ。 |
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![]() BROTHER'S KEEPER / 2006年作 / 83点 |
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見事復活を遂げた通産5枚目。 とは言っても、Gtの片割れであったアンディ・マレツェクは参加していません。ラストオータムズドリームが忙しいかららしいですが、個人的にはこっちに戻ってきてほしかったな‥‥。 6年も歳月は経っていますが、浮気は一切しておらず、音楽的には何一つ変わっていません。山盛りのメロディを配したメロハーであり、やはりトミー・ハートが歌うだけで何か他のバンドとは違う! と感じます。 ただ、そのメロディの質そのものは「RAINMAKER」の頃の芳醇さには届いてなく、メロハーバンドの中では間違いなくトップクラスではあるんですが、個人的には「FOUR」と同じくらいで、それ以上の感動はありませんでした。アンディの責任とまではいかないですが、やはり既にネタが切れていたのかな、と邪推してみたり。何か贅沢な事言ってるな、俺。 お気に入りは「DON'T KEEP ME WAITING」。一発目を飾るナンバー。やはり頭が威力がデカいです。 |
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![]() AURA / 2009年作 / 70点 |
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復活第二弾なんですが‥‥う〜ん、なんかパッとしないな。 前作の復活作も解散以前の作品に比べると小粒な感じでしたが、本作はそれに輪をかけて小粒になった気がします。 特に何が変わったわけでもないんですが、とにかく歌メロが響かないんです。悪くはないけど、ipod行きになるほどでもない、そんな曲がズラリと並んでいます。 前作は復活という事もあって大々的にプッシュされていた気がするんですが、本作はなんか地味に発売されたらしいじゃないですか。それってやっぱり楽曲のせいだからでしょうか? お気に入りは強いて挙げるとすれば「Just Another Perfect Day」。完璧にFAIR WARNING節満載なんですが、これでも2枚目「Rainmaker」の全ての楽曲に及ばない気がします‥‥。 やっぱり全盛期の力を取り戻すのって大変なんですかね‥‥。 |
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![]() SUNDANCER / 2013年 / 60点 |
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7枚目。 再結成後の彼らはイマイチ注目を浴びてない気がします。正直、それも頷ける出来栄えだと言わざるを得ません。 見事な程、曲がつまらないのです。高揚感を感じないメロディ、「泣き」に欠片も無いGtリフ‥‥。1〜3枚目に感じた高揚感と緊張感が、本作からはまるで感じられません。一体どうしてこうなってしまったのか、本人達に問いただしたい‥‥。 正直、これ以上語るべき言葉が見つかりません。とにかく聞いててつまらない。ただそれだけです。 お気に入りは無し。 これから新譜が出ても、よほどの事が無い限り、手に取る事は無いかな‥と思います。残念だな‥‥。 |
FAIRY LAND (フェアリー・ランド) |
出身地‥‥フランス ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() ON WARS IN OSYRHIA / 2003年作 / 90点 |
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フランス出身の三人組バンドの一枚目。これはなかなかいいですよ。 シンフォニックメタルと言えばラプソディが元祖であり、王者。おそらくその後フォロワーはそう簡単に彼らを超える事はできないと思いますが、彼らはその中でも最も頑張っているバンドの一つでしょう。 音楽性はまんまラプソディタイプなのですが、アルバムを重ねる毎にパワーメタルっぽくなってきてる彼らに比べて、こちらはあくまでキーボード主体のエピック性の強いタイプ。言ってしまえば、ラプソディの一枚目、二枚目あたりの音楽に近い。ヴォーカルは「ダーク・ムーア」で活躍していた女性エリサ・マーティン嬢。パワフルだが、綺麗な彼女の声はシンフォニックな世界と見事にマッチしていて、雰囲気は非常に良いです。 疾走曲、ミドル、バラードと配分も良く、コンセプトアルバムだが、バラエティに富んでいる。ギターは決して目立っていないが、曲を後ろでしっかりと支えている。全体的に見て、一番ポストラプソディに近いと思います。 この手のタイプが好きな間違いなくゲットすべし。ちなみに、タイトルの最後の「オシリア」とは、このアルバムの中に出てくる国(勿論架空)の名前だとさ。凝ってるね。お気に入りは1発目の「Ride With the Sun」。サビメロが非常に印象的です。 |
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![]() THE FALL OF EMPIRE / 2006年作 / 85点 |
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レーベルが倒産したとかで、3年の歳月が費やされた2枚目。 Voがエリサから別の人(男)にチェンジしたものの、基本的な路線は変わりなし。大袈裟極まりないシンフォニックメタルです。ジャケットの気合の入り方は大好きです☆ ただ、今回はメタル楽器がどれも全面に押し出された感じがあり、特に生々しさの伝わるDrがいい仕事してます。その分シンフォニック度が落ち(クワイア度は上がってます)、ラプソディよりかはブラガに近くなったように思います。 ぶっちゃけ前ほどのインパクトは無いし、ストレートに疾走してる曲もありません。シンフォニック度の減退がいい方向に向いてるか言うとそうでもないし、進化してるか? と言われてもYESとは言えない気がしないでもないですが、シンフォニックメタルとしての面目は保ったように思います。個人的にはやっぱストレートに疾走‥‥(割愛)。 お気に入りは「CLANNER OF THE LIGHT」。歌メロがブラガそっくり(笑) でも格好良いから許す。 |
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![]() SCORE TO A NEW BEGINNING / 2009年作 / 92点 |
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3枚目。 リーダーでありKey担当のフィリップ・ジョルダナ以外全員が脱退。結果、彼とたくさんのゲストという形で制作されましたが、内容はこれまでと変化無し。むしろこのバンド(と言っていいのか‥‥)の”色”が過去最高にはっきりと出たアルバムになっています。 このバンドの特徴、それはRHAPSODY OF FIREを髣髴とさせるシンフォニックアレンジと、絶妙なプログレッシブアレンジです。シンフォニックアレンジは1枚目、プログレッシブアレンジは2枚目で顕著でしたが、本作はその中間を行っており、これが実に良い塩梅なのです。 過剰なシンフォアレンジが鬱陶しくなるギリギリの所でプログレッシブに調理される為、濃い内容にも関わらず最後まで聴き続ける事が出来るんです。 聴き続けられる理由としてメロディが良いというのも勿論あります。歌メロに関しては過去最高の充実度ではないかと思います。悪が目覚める姿、竜の背に乗り戦いに赴く光景、死にゆく友に捧げる哀悼の涙がはっきりと瞼の裏に浮かぶんです(笑)。テクニカルに叩かれまくるDrが彼らの音楽を決してRPGミュージックにしていないのも好印象です(RPGミュージックも大好きですけど:笑)。 お気に入りは「Score to a New Beginning」。タイトル曲にして本アルバム最長(9分)の大作。RPGミュージックにはなってないとさっき言いましたが、これがラスボスの戦闘時の曲として使われたら、私きっと興奮して死んじゃうと思います。ってくらい良い曲です。「A Soldier's Letter」なんかも素晴らしい出来栄えです。 本家が低迷している昨今、ここまで徹底的にシンフォニックメタルをやってくれて感動です。物語的にはこれでおしまいっぽいですが、次章にも期待が高まります! |
FALCONER (ファルコナー) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディックパワーメタル |
![]() FALCONER / 2001年作 / 88点 |
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元ミソティンなるヴァイキングメタルバンドのリーダー、ステファン・ヴァイナーホールが作ったメロパワバンドの1枚目。メロパワとは言っても、そこは元ヴァイキングバンドをやっていた男。メロディが超男前です。 前はデスでしたが、今回は全てノーマルVo。その声がまた哀愁が漂っていて、非常にいいです。メロパワになった事からなのか、スピードが格段にアップしています。音楽性は哀愁漂うメロが炸裂するキーボード無しの正統派。正統派と言ってもハロウィンのような感じではないのが特徴。 あまりにも実直に弾いているGtが面白くないと言えばその通りなのですが、メロがいいので許します。お気に入りは「Wings of Serenity」。サビで女性ヴォーカルとデュエットする所がたまらなく格好良いです。 |
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![]() CHAPTERS FROM A VALE FORLORN / 2002年作 / 84点 |
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二枚目。ちょっとスピードが落ちました。 演奏はタイトになってより聞きやすくなりましたが、その分スピードがガクンを落ちました。まんまヴァイキングだったらそれでも良かったけど、メロパワでスピードが落ちるというのは致命的。悪くは無いんですが、前の方が良かったですね。 んがしかし、スピードが落ちた分唯一目立ったのがバラード。「Portals of Light」は私が今まで聞いたバラードの中でもトップクラスの素晴らしさを誇っています。哀愁漂うこの声がまたいいんだよねぇ。 全体的に見ると前の方がいいですが、こんなアルバムも決して悪くはないですよ。 |
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![]() GRIME VS GRANDEUR / 2004年作 / 70点 |
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4枚目。3枚目からVoが普通の男に変わったと聞いたので聞いてなかったんですが、1000円で売っていたので買いました。3枚目は持ってません。 で、予想は的中。前のVoは声質が既に哀愁漂うものだったので、ステファンのGtと相まって独自の哀愁メロパワでしたが、これは何かどこにでもある普通のメロパワになっています。Voはちゃんと歌えてはいるものの普通。そしてステファンのGtさえもヴァイキングな雰囲気を感じません。 最初から普通のメロパワとして聞いていれば、それなりに高評価がつけられるような、ソツの無いメロパワなんですが、前を知っていると「何故こんな面白みの無い作品を‥‥」と嘆きたくなる出来。悪くないけど、オリジナリティが無くなったのは絶対にマイナスでしょう。 お気に入りは「THE ASSAILANT」。歌メロは全然面白くないけど、Gtメロが聞いて興奮します(笑)。このバンドを聴くなら、1、2枚目を強く推薦します。あと、ジャケの意味がわかんねー。 |
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![]() NORTHWIND / 2006年作 / 86点 |
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5枚目。マティアス イズ バック! 本作の注目すべき点は2点。まずは何と言っても1、2枚目でVoをとっていたマティアス・ブラードが戻ってきた事。声質そのものが哀愁の塊のような天性の美声はとにかく聞いてて心地よい。こんなにVoが戻ってきた事を喜んだ事なんて無かったですね。 あとは、正統派路線だった前作、前々作から大きく方向性を戻し、初期のヴァイキング路線に戻った事。やっぱオリジネイターは違うよ。上記2点ってだけで、もはや買う事は必須でしょう(笑)。 勢いだけで言えば1、2枚目より全然落ち着いちゃってるし、ヴァイキングよりかはフォーキーと言っていいような雰囲気にはなっちゃってるけど、その分作りが非常に丁寧になってるし、昔は使わなかった他楽器(ピアノやマンドリンなど)を使っていて、質の高さは間違いなく過去最高。勿論マティアスのすんばらしい美声も健在です。 お気に入りは「CATCH THE SHADOWS」。Aメロの時の「ア〜アア〜」ってのがたまりません。あとはマティアスの美声で昇天確実の「LONG GONE BY」もいいよ。やっぱVoがいい作品はメタルとか関係なくいいね☆ これからも頑張ってね! |
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![]() AMONG BEGGARS AND THIEVES / 2008年作 / 80点 |
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6枚目。ちなみにタイトルを訳すと「乞食と泥棒」。嫌なタイトルだなぁ‥‥。 前作に比べるとパワーメタル色が若干濃くなり、少しですがスピード感が上がったように思います。また、ガリガリのパートからいきなりアコギの物静かなパートにぶっ飛ぶ展開も多々あり、何だかプログレッシブになった感じ? 7分以上の曲もあるし。 とは言っても、根底に流れるものは変わらない訳でして、哀愁漂うフォーキーな香りは些かも薄くなっておりません。 でも、曲の充実さで言うと前の方が良かったかなぁ。歌メロがなんか地味なんですよね〜。もうちょっとブリッジで期待を持たせて、コーラスとかを取り入れてサビで一気に盛り上げてほしかったです。 お気に入りは「Dark Ages」。曲構成が一番シンプル。でも、こういうのがいいんです。 |
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![]() ARMOD / 2011年 / 73点 |
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7枚目。 全曲スウェーデン語で歌われている本作は、前作を踏襲した、スピードを抑えたフォーク色の濃い楽曲が並んでいます。 女性Voを起用したり、時折「おおっ!」と思わせるメロディも飛び出したりと、良い部分もあるんですが、結論から言うと、全体的に微妙だと感じました。 理由は大きく2つ。1つはストレートな展開の曲が少なく、パッと聴き分かりにくいという事。プログレッシブとまでは言いませんが、どこがAメロBメロなのかよく分からない曲が多めだと感じました。もう1つが肝心のサビメロもイマイチだった事。コーラスなどもあまり使われない為、ながら聞きをしているとサラリと流れて行ってしまいます。 この2つの要素により、インパクトが極めて弱いわけです。2回3回と聞き込めばなかなかに味があるんですが、かなり時間がかかると思いますね。 お気に入りは「Griftefrid」。彼らにしてはとても珍しいブラストが使われている曲。おそらく本作の中で最も分かりやすい楽曲だと思います。 |
FALKENBACH (フォールケンバック) |
出身地‥‥アイスランド ジャンル‥‥ヴァイキングメタル |
![]() OK NEFNA TYSVAR TY / 2003年作 / 85点 |
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アイスランド出身のヴァイキングメタルバンドの3枚目。 ミドルテンポのゆったりとしたリズムをメインとした”戦う漢”と言うよりは”広大な大海原の様”をおおらかに歌いあげるフォークロアなメタルで、95%がノーマルVo。邪悪な雰囲気は欠片もありません。小粒になったMOONSORROWと言えば分かりやすいかと思います。 血が滾る音楽とは口が裂けても言えませんが、とにかく前述した”大海原”の雰囲気を醸し出すメロディは超一流です。特に「As Long As The Winds Blow」(『風が吹く限り』ってタイトルがイイっ!)における笛の音色の素晴らしさは胸囲が10CMは縮むほどに哀愁に塗れています。淀みの無い澄んだ男達のコーラスも世界観を構築に一役買っています。 全て同じリズムである事が最大の欠点で、個人的にはもう少し楽曲に幅を持たせてほしかったですが、下手な疾走曲でも入れて雰囲気が壊れてしまうなら、このままでいいです(笑)。 お気に入りは前述した通り「As Long As The Winds Blow」。暗く果ての見えない大海原に船を漕ぎ出す光景が瞼の裏に映し出されます。他にも「Vanadis」や「Donar's Oak」も素晴らしいです。 超がつくほどマイナーで、そう簡単には見つけられないと思いますがヴァイキングメタルが好きなら是非とも探して下さい。ちなみに私は近所のディスクユニオンで350円で買いました。価値が分かってないね! |
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![]() HERALDING THE FIREBLADE / 2005年作 / 86点 |
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4枚目。 前作のレビューで「バラエティを増やしてほしい」と書いたら、本当にバラエティが増えました。 基本スタイルであるスローテンポナンバーの間にブラックメタル的な疾走曲が挟まれる構成になっており、これで前回気になった「冗長に感じる」という部分はクリアできたと思います。 疾走系がこれがまた意外なほど良く出来ており、スピード感、邪悪さを感じさせながらも彼ららしいメロディが満載です。ちなみに疾走系のVoはデス声です。 スローナンバーは相変わらずですが、やっぱり大海原をたゆたうメロディは心地良いです。本当、このバンドは通常のロック楽器以外の使い方が実に上手いです。バグパイプや正体不明の笛などをドンピシャのタイミングで挿入しており、これが効果抜群。狭い部屋にいるのに、目を閉じると果てしなく続く海が見えてきます。 お気に入りは「Havamal」。どういう意味なのかさっぱり分かりませんが、しつこいほど繰り返される「オオオ〜♪オオオ〜♪オオオ〜♪」がもうたまりません。 前作が気に入った方なら迷わず買いの一枚です。というか、このアルバム、日本に何枚くらい流通しているんでしょうかね? ‥‥50枚くらいかな? |
FINAL CHAPTER (ファイナル・チャプター) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() THE WIZARD QUEEN / 2004年作 / 80点 |
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ドイツ出身のシンフォバンドの1枚目。なのに契約してる会社はイタリア。 まるでイタリアのバンドか? と思わせるメロディのシンフォニックメタルで、系統的には初期ラビリンス、ラプソディに近い感じ。勿論、その牙城を崩せる程ではないんですけどね。 このバンドの特徴は複数のVoが参加している点。曲によって変わるのではなく、それぞれに演じている役があり、オペラ形式。知らない人ばかりだったけど、エドガイのトビアス・サミットが参加してるのにはビックリしたなぁ。 で、キラキラKeyに、時に民謡テイストを盛り込んだりと、なかなかのフックとクサみを持った楽曲は魅力的ではあるんだけど、決定打に欠ける感がある。こういう事してるバンドなら他にも山程いるわけで、そこから頭一個出る程ではないなぁ。 お気に入りは「THE ONCE WHO CANNOT LOVE」。女性Voがいい味出してます。あと、盛り上げ方が非常に上手い!才能的にはかなり脈ありと見ているので次作に期待です! |
FINNTROLL (フィントロール) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥フォークメタル |
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スウェーデン出身の六人組バンドの二枚目のアルバム。タイトルも歌詞も全てスウェーデン語なので、まったく解読不能です。 彼らの音楽は「民謡っぽいリズムと音楽を思いっきりブラックメタルでやっている」という感じです。カテゴリには「フォークメタル」としましたが、正確に言えば、それも正しいとは言えないかも。 ズンチャ、ズンチャという皆で草原で手をつないで踊るようなリズムを、ブラックメタルで表現しているのです。このオリジナリティは他のバンドにはまったく無い、非常に独特のものです。 演奏自体は問題なく、疾走曲、ミドルとなかなか退屈させない楽曲(バラードは無い)で、特にブラックの暗黒パワーに不思議なほどマッチするアコーディオンのメロディが最高です。何だかディズニー系の映画のサントラみたいです。 声は当然ながらデス声なのですが、それほど濃くはないので、ちょっとデスを齧った事のある方なら問題無いでしょう。ヴァイキングというよりは、森の中で暮らす怪物達の宴、みたいな雰囲気を醸し出しており、何とも不思議な気分にさせてくれます。 お気に入りはタイトル曲の「Jaktens Tid」。サビの「ウェウェウェ〜」っていうのが耳から離れません。とにかく、唯一絶対の個性と、面白い音楽を聞きたいならこいつらでしょう。ジャケットはヴォーカルが描いてるというから、更に驚きっす。 |
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![]() NATTLODD / 2004年作 / 88点 |
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3枚目です。ギタリストの1人が交通事故で亡くなってしまい、失意と彼への哀悼の意を込めて作られた作品です。 ですが、内容は変わっていません。絶対唯一のポルカメタルは相変わらずです。今回はキーボードが非常に目立っていて、哀愁感を盛り上げてくれます。曲数は少ないし、インストも結構あるんで物足りないかもしれませんが、歌入り(デスですけど)の曲はどれも粒揃いで素晴らしいです。クオリティなら前よりの上行ってますね。 前が好きだったら迷わず買いです。お気に入りは「Trollhammaren」。冒頭のキーボードがたまらなくフィントロール節してます。チャララララ〜。 |
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![]() UR JORDENS DJUP / 2007年作 / 75点 |
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4枚目。 基本的には前作と路線ですが、正直ちょっと「はっちゃけ感」が薄くなった気がします。前は「ポルカメタル」という名に相応しいKORPIKLAANIをも凌駕するぶっとんだ曲がありましたが、本作は比較的大人しめで、普通のヴァイキングメタルという感じ。 確かに後半になると、お得意のリズムで爆走する曲も出てきますが、特に前半はメインコンポーザーであるトロルホーン氏のMOONSORROWがやりそうなミドルで同じパターンを繰り返すみたいな曲が多く、更にメロディが地味であまり楽しめませんでした。悪くはないけど、FINNTROLLに求められている曲ではないと思います。 とは言っても「En Maktig Har」や「Ormhaxan」などは、ここ数年で様々なタイプが乱立したヴァイキングメタルの中でも異彩を放っている事に間違いはなく、できれば全編こんな感じで行ってほしかったなぁ、と思います。 お気に入りは「Ormhaxan」。はっちゃけ中でもしっかりとクサいメロディがある所が良かったです。 次回はもっともっとはっちゃけてほしいです。でないとKORPIKLAANIに負けちゃうぞ!(というか日本で既に負けてる可能性も‥‥) |
FIREFLIGHT (ファイアフライト) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ヘヴィロック |
![]() UNBREAKABLE / 2008年作 / 70点 |
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アメリカ、フロリダ州出身のヘヴィロックバンドの2枚目。 ミステリアスな雰囲気のおねーさんがVoを務めるヘヴィロックで、重心の低いラウドな音に癖の無い女性Voが乗るというスタイルはEVANESCENCEを髣髴とさせます。ただ、歌メロが非常にポップス寄りで、ゴシック的な陰鬱な雰囲気は感じず、私個人はアヴリル・ラヴィーンの2枚目のアルバム「Under My Skin」に近いと思いました。 楽器陣は特に問題ありませんが、前述したように歌メロが完全にポップス寄りで、メタルらしい哀愁さが全く無い点、今のアメリカのバンドなら仕方ありませんがろくにGtソロなども無い為、ヘヴィメタルのお約束を求める人にはかなり厳しい内容だと思います。 私はアヴリルなどのポップ・ロックも決して嫌いではないのですが、このアルバムに関して言えば突出した部分を見出す事が出来ず正直聞いてて退屈でした。歌メロもポップスとして考えても魅力に乏しいように感じましたし。 お気に入りは「Brand New Day」。アヴリルのアルバムに入っていてもまったく違和感の無い1曲。熱くなりたい時には不向きですが、たまに聞きたくなります。 |
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![]() FOR THOSE WHO WAIT / 2010年作 / 82点 |
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2枚目。 前作に比べるとヘヴィな曲が増えており、メロディも少しですが、ヘヴィロックやメタルに寄った感があり、なかなかに良い進歩かと思います。静かに聞かせるバラードがあるのも好印象。 このバンド、演奏やスタイル的には決して珍しくないですが、そんな中でVoが実に素晴らしいんですよね。どこかアヴリル・ラヴィーンに似ている気がしなくもないですが、癖の無い溌剌とした声量は聞いてて実に気持ちが良い。この手の歌い方するメタルシンガーっていませんから尚更です。なので、見た目がケバくなってしまったのが残念でなりません(汗)。 お気に入りは「Core Of My Addiction」。歌メロが実にキャッチーで覚えやすい。しかもなかなかにドラマチック。これは名曲だと思います。 この手(アメリカ出身のドラマチックなメロディをメインとしたヘヴィロックバンド)のバンドの中で一歩抜き出た存在になれるか、次くらいで決まりそうな気がします。 |
FIREWIND (ファイアーウィンド) |
出身地‥‥ギリシャ ジャンル‥‥正統派へヴィメタル |
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元ドリーム・イーブルの凄腕Gt、ガス・Gがリーダーを務める正統派へヴィメタルバンドの4枚目。 質実剛健な超正統派へヴィメタルをやっており、Voはタイム・レクイエムで見事な歌唱を聴かせたアポロ・パパサナシオ。 実は1枚目も持っているんですが、あまりにも歌メロが地味だったので、ちょっとだけ聞いて売ってしまいました(汗)。その後も地味だと聞きスルー。このアルバムから(ようやく)良くなったと聞いたので買ってみました。 ふむ、タイトかつダイナミックな演奏は変わっておらず、一番気がかりだった歌メロも結構印象深いモノになっており、ひとまず安心しました。後半になってくるとツーバスドコドコ系も登場したり、アコギを取り入れた曲もあったりと、1枚目を聞いた時に感じたつまらなさが嘘のような充実ぶりです。まあ、あくまで「1枚目に比べて」であり、まだまだ地味である事に変わりはないんですが。 お気に入りは「Allegiance」。一発目にしてタイトルナンバー、サビでの素敵なマイナーメロディが如何にも「正統派!」って感じです。これ以降なら買おうかなって思わせるクオリティの作品ですよ。 |
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![]() THE PREMONITION / 2008年作 / 83点 |
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5枚目。 基本路線は一切変わっていませんが、歌メロが更にキャッチーになっており、ようやく「地味」という文句が出ないレベルにまで達したと感じました。若干疾走感は減ったものの、その分ファスト、ミドル、バラードの配分バランスが良くなり、最初から最後までキチンと聴けるようになったのも好印象。 また、ちょっと変わった曲(「Maniac」など)もあり、これが実に良い味を出してる。元々「濃い曲」ばかりだったので、こういう曲があると清涼剤的な感じになりますね。 お気に入りはその「Maniac」。後で知ったんですがカバー曲なんですね。どうりで毛色が違うと思った。でも、これが一番トリッキーで聞いてて面白かったです。 |
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![]() DAYS OF DEFIANCE / 2010年作 / 75点 |
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6枚目。 まったく変わっていません。超正統派メタルです。ガス・Gの腕前は更にレベルアップしている感じですが(オジー・オズボーンのバンドにも入ったしね)、歌メロのキャッチーさは前作の方が間違いなく良かったと思います。 このバンドはKeyが頑張ってる曲の方が捻りが聞いてて面白いと個人的には思うんですが、そういう曲が後半に集まっているので余計地味に聞こえてしまいます。 お気に入りは「SKG」。インストです。が、かつてここまでテクニカルに弾きまくってるガスは無かったと思います。これを聞くとこの人がどれだけテクニシャンかよく分かります。 それとJudas Priestの「Breaking The Law」のカバーが入ってるんですが、これを聞くとこのバンドがいかに地味な曲をたくさん作ってるかがよく分かります(笑)。 |
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![]() FEW AGAINST MANY / 2012年作 / 60点 |
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7枚目。 ガス・Gがオジー・オズボーン(のバック)バンドに入ったのが影響しているのか、全体的にダークな作風でKeyの出番が大幅に減少、Gtオリエンテッドなアルバムになっています。個人的にこのバンドはKeyが活躍している曲の方が出来が良い気がするんですが、とは言えそこはさすがのガス・G。ダークなGtも様になっててカッコイイです。 んが、Gtだけがカッコ良くてもダメなんです。ダークな作風な故にメロディもダークになっており、全体的な印象は非常に地味です(汗)。この「地味」を一層際立てているのがVoのアポロ・パパサナシオ。楽器陣が枚数を重ねる毎にパワフルになってきているのに、この人だけは(悪い意味で)変わっていない。パワフルな楽曲にVoが負けてるんです。これがもしPRIMAL FEARのラルフ・シーパーズとかHIBRIAのユーリ・サンソンとかだったら印象も劇的に変わったのではないかと思います。(案の定と言うべきなのか、彼はその後クビになってしまったようです‥) お気に入りは今の所無し。気が向いたらまた聞いて、そうしたらお気に入りも出てくるかも? Voが変わる事で彼らの「地味」というイメージが払拭されるか、気になる所です。 |
FIVE FINGER DEATH PUNCH (ファイブ・フィンガー・デス・パンチ) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() THE WAY OF THE FIST / 2007年作 / 80点 |
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アメリカ出身のヘヴィメタルバンドの1枚目。ふざけたバンド名は映画「キル・ビル」に登場する「五点掌爆心拳」という技からとったらしいです。う〜ん、アメリカらしいね! さて、冗談めいたバンド名はおいておくとして、いかにもアメリカらしい脳まで筋肉で出来てそうな面々がやっているのはゴリゴリのアメリカンメタル。正統派メタルにPANTERAのようなグルーヴ感が足されたような音楽性です。最大の特徴は、そこに「泣き」さえも感じられる情感豊かなGtがたっぷりと導入されているのです。 そのGtがメインなのは間違いなく、メタル的な獰猛な激しさは結構控えめで、個人的にはTRIVIUMの方がよっぽど凶悪だと思います。なので、普段アメリカンメタルをあまり聞かないという人でも受け入れられるんじゃないでしょうか? Voも70%はノーマルで、メロディアスな歌唱も様になっています。彼らをきっかけにしてメタル道に入ってくれる女の子がいたら、是非お友達になりたいです(笑)。 お気に入りは「The Devil's Own」。サビのバックでずっと鳴り響いている抒情的なGtがたまりません。 もはやアメリカ産メタルに抒情性は無いというイメージは無くした方がいいかもしれない。そんな事を真剣に思った1枚でした。 |
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![]() WAR IS THE ANSWER / 2009年作 / 85点 |
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「戦争が答えである」という物騒なタイトルの2枚目。 相変わらず見た目はごっつい「肉食系」なのに、音楽そのものはやけに繊細で細かい彼ら。本作は前作以上にメロディに気を使っており、疾走感、アグレッシブさはいよいよ後退。同系統して語られるであろうALL THAT REMAINSなんかとは比べ物にならないくらい大人しいです。 しかし、私個人としてはそれは願ったり叶ったり。このバンドのGtはなかなかに味のある泣きテクを有しており、本作は更にそこがクローズアップされています。アメリカのバンドとは思えない程「切なさ」を感じるノーマルメロディ、思わず「くぅ〜! 酒が旨いね!」と言いたくなってしまう程泣くGtなど、触手がビンビンに反応しまくりです。 ハードながらメロディが良い「Hard To See」や「No One Gets Left Behind」、出だしからして切なすぎる「Far From Home」、アメリカらしい鬱屈した雰囲気を感じさせる「Walk Away」など、本当「メタルコア」というジャンルが似合わない曲ばかりです。 特に気に入っているのは「Walk Away」。このサビメロとGtソロは良いですね〜。あんなごつい人達が作ったとは思えません。 まだ色物扱いされてるっぽいですが、真剣に聞けば相当に日本人好みだと分かるはずです。選り好みしないで聞いてみて下さい。 |
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![]() AMERICAN CAPITALIST / 2011年作 / 83点 |
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3枚目。 ハッキリ言ってしまうと「個性」が無くなってしまいましたね。このバンドの個性は間違いなく「アメリカのメタルコアバンドなのにGtが泣いてる」という事でした。しかし本作は泣きのGtはほぼ無くなり、ついでにバラード系もほんの数曲となり、約90%の楽曲がストレートなメタルコア曲になっています。 個人的にこの方向性の変化はあまり歓迎できないですが、とは言えそのメタルコアな楽曲のレベルの高さは認めざるをえません。特に頭4曲辺りは獰猛に突き進みながら、サビでもトーンダウンせずそのままの勢いでサビメロを聞かせており、素直にカッコイイと感じました。 「Walk Away」のような曲が無くなってしまったのは残念ですが、これはこれでクールなアルバムだと思います。 お気に入りは「Coming Down」。雰囲気的にはバラードなのに、サビでちょい絶叫が入ってるのが新鮮でした。言ってる意味が分からない? 聞いてみれば分かります。 |
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![]() THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL:VOLUME 1 / 2013年 / 75点 |
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4枚目。「天国の悪と地獄の正義」というなかなかに哲学的なタイトル。なんからしくないね(笑)。 さて、グルーヴ感のあるハードパートと、メロウに歌い上げるムーディパートが混在したアメリカンメタル路線は変わらず。って言うか、むしろまったく変化が無いねw 前のアルバムに1曲紛れ込んでても絶対に気づかんわw そうなると、単純に楽曲が良いか否かという事になるわけですが、個人的にはちょっと不満です。メロウさと言うかキャッチーさが足りないかな、と私は感じました。ただ、何度も言ってますが、こうなると個人の好き嫌いのレベルなので、彼らの音楽性が好きな人ならこのアルバムも十分満足できると思います。 お気に入りは「Lift Me Up」。1発目を飾るいかにも彼ららしいナンバーです。 |
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![]() THE WRONG SIDE OF HEAVEN AND THE RIGHTEOUS SIDE OF HELL:VOLUME 2 / 2013年 / 70点 |
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前作から半年後に発売された5枚目。元々は2枚組の予定だったらしいです。 1曲目を聞いた瞬間に「あっ、こりゃ何にも変わってねえな」と確信。これまでとまったく同じ路線です。 さて、そうなると(前作と同じ書き方になりますが)単純に楽曲が良いか否かという事になるわけですが……ぶっちゃけて言わせていただくと更に地味になった感じがします。 あまりにも同じ路線なので、ちょっとくらいのメロディでは感動しなくなっているというのは確かにあると思います。ただ、冷静に聞いてみてもこれまでの焼き回しが過ぎると思いましたね。 全然違う路線になられてもそれはそれで困るんですが、もっとじっくり曲を練ってほしいと思います。 お気に入りは「Cold」。本作一番のメロウなナンバー。これは結構キュンと来ました(汗)。 |
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![]() GOT YOUR SIX / 2015年 / 73点 |
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6枚目。前作に比べるとメロウな曲が若干増えており、ガリガリ感はやや大人しめ。とは言え、音楽性には一切の変化が無いので、この変化も些細なモノと考えて良いと思います。 で、結局どうなのかと言うと、大して変わってないなと言った所です。メロディはやはり充実しているとは言い難く、メロウな曲がいくつか良いなと思った程度で、満足度は高くないです。 う〜ん、もうネタ切れな感じが凄く強い。これからもずっとこの路線で行くんだろうけど、私は時々遠くから見るだけで充分かなと思っちゃったり(汗)。 お気に入りは「Wash It All Away」。前述したメロウなナンバー。それでも初期の曲に比べると地味だけどね。 |
FLESHGOD APOCALYPSE (フレッシュゴッド アポカリプス) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥シンフォニックデスメタル |
![]() LABYRINTH / 2013年作 / 80点 |
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イタリア出身のデスメタルバンドの3枚目。 その音楽性は細かく言えば「テクニカルシンフォニックデスメタル」。暴虐なデスメタルに荘厳なシンフォニックアレンジが大胆に施されており、オーケストラとブラストが絶え間なく押し寄せる音の洪水が楽しめます。普段メタルを聞かない人が聞けば迫りくる凄まじい音の津波に呑み込まれて溺死する事間違い無し。それくらい音がギュウギュウに詰め込まれてます。 ぶっちゃけ私はこういうタイプのメタルはあまり得意ではありません。一回聴いただけだと、どれがどの曲か全然分からないし、メロディアスだとは思うけど、ここで言うメロディアスってメロスピの奏でるメロディアスとはベクトルが異なると思うんです。 しかし「全曲RPGのラスボスバトル曲」と言ってもいいくらいの荘厳さと激しさの混濁は強烈なインパクトを放っており、「何だか分からんが凄い!とりあえず最後まで聞こう」という気にさせますw 大抵私はそんな理由でこういうタイプのメタルは聴きますw コイツ人間かよ‥と思わせる超絶ドラミング、ジャジャン!と鳴り響くシンフォ、そこに負けじと激烈なリフを刻むギター、全てが渾然一体となって襲いかかる、そして襲われる快感に酔い痴れるわけです。 お気に入りは「Elegy」。本作最大の激速ナンバー。この音楽で登場するラスボス、恐ろしく強そうです‥‥。 人によって好き嫌いが完全に分かれるとは思いますが、ハマったアナタはもう虜ですw |
FORGOTTEN TALES (フォーゴトゥン・テイルズ) |
出身地‥‥カナダ ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() THE PROMISE / 2001年作 / 72点 |
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カナダ出身の5人組の1枚目。カナダってわりには北欧の匂いプンプンのシンフォニック・メタルで、Voは女性です。個人的にはアクが強すぎるようにも思えるんですが、下手ではないです。 で、あくまでメタル楽器主体のシンフォニックメタルで、音の足りない初期ダーク・ムーアって感じかな。Keyの出番が抑え目なので豪華絢爛な香りはしません。 どの楽器もソツ無く出来てるし、疾走感もまあまあ。そこらへんはいいんですが、少々曲の盛り上げ方が下手っぴーなので満足かと言われるとYESとは言えません。 お気に入りは「COLD HEART」。一番盛り上げ方がGOODな佳作です。まだまだ荒削りですが、これからが期待出来そうな感じです。ガンバレ! |
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![]() ALL THE SINNERS / 2004年作 / 80点 |
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2枚目です。 音楽性は前と同じですが、シンフォニックアレンジがかなり壮大になり、同時にプロダクションも非常にクリアになったので、前感じられた芋臭さはほぼ完全に消滅。 メロディーに関しても前よりかは練られた構成が増えていて好感触。とは言っても、まだまだフックに欠ける傾向は変わらず、最後まで聞き終えた後に消化不良な感があるのは否めません。 とか言ってると、後半になるにつれて、なかなか魅力的な曲が押し寄せてくるから不思議。Keyがどんどんクラシカルになっていくんですよね。これは良いっす。でも前もこんなんだったような‥‥。 お気に入りは「MARCH FOR FREEDOM」。明快なメロディーと疾走感を持った本作中最大の曲だと思います。 メロディさえ良ければ、ダーク・ムーアの牙城を崩すのも夢ではないかも!? 頑張れ! |
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![]() WE SHALL SEE THE LIGHT / 2010年 / 75点 |
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6年ぶりの3枚目。 2枚目で飛躍的な進歩を遂げたので、「6年も経ったんだから、更にレベルアップしてるだろう!」と思っていたんですが、特に大きな進歩は無し(汗)。 個人的には更にシンフォニックになるんだろうと思っていたんですが、シンフォニック度はあまり変わっておらず、むしろちょっと控えめになったくらい。あくまでメインはバンドサウンドです。 気になったのは前作に比べて疾走感がやや減った事。速けりゃいいってもんじゃないですが、この手のバンドはミドルナンバーがあまり面白くない傾向があり、残念ながら本作も見事にそれが当てはまっています。 また、楽器陣は下手ではないんですが、メチャクチャ上手いというわけでもない。シンフォニック度が減った分、バンドサウンドが目立ち、結果的に拙さが強調される結果になっていると思います。 総合的に言うと「前作よりやや退化してる」と言える出来栄えで、6年経ってもこの程度なのかと正直少しガッカリしました‥‥。 お気に入りは「Howling at the Moon」。高揚感のあるサビが素敵です。 ちなみにこのレビューを書いているのは実は2019年だったりします。今の時点でまた4枚目が出ていないので‥‥もう解散しちゃったのかな‥‥。 |
FOR MY PAIN... (フォー・マイ・ペイン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() FALLEN / 2003年作 / 80点 |
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ETERNAL TEARS OF SORROWやNIGHTWISHの面々が集まって出来たゴシックバンドプロジェクトの1枚目。「...」もバンド名です(笑)。 上記バンドの名前とゴシックというジャンルを聞いて何となく音は想像出来ますが、その通り、TO/DIE/FOR系のノリの良いゴシックロックです。それ程雰囲気作りに凝ってるわけでもないので、POISON BLACKに近い感じかな。陰鬱な悲哀漂う雰囲気ながら、テンポの良い楽曲のお陰ですんなり聞けてしまうのが特徴。VoもPOISON BLACKに似ていて、枯れた声質が良い感じです。 んがしかし、上記に挙げたバンドよりも優れた点があるわけでもなく、ぶっちゃけこの手のジャンルは聞き飽きた感があります。今じゃHIMとかTHE RASMUSみたいにメジャーでも活躍してるバンドがいるしね。 お気に入りは「RAPTURE OF LUST」。一番ロックンロールしてるナンバー。こういうのがもっとあったら差別化も出来たと思うんですけどね。 |
FREEDOM CALL (フリーダム・コール) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ジャーマンメタル |
![]() STAIRWAY TO FAIRYLAND / 1999年作 / 88点 |
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多分ドイツ出身の爽やかジャーマンメタルバンドの1枚目。爽やかっす。 私は3枚目から聞いた口だったのですが、個人的にはこっちの方が好み。音楽性はとにかく大仰なコーラスを使った陽性ジャーマンメタル。Voの変に半音上がる声が聞けるならば、全然問題無く聞けます。 で、早くて、爽やかで、コーラス満載で非常にいい出来だと思います。各楽器も良く出来てますし、メロも爽やかでありながら、クサく、いい昂揚感を得られます。メンバーの中にVoがいないくせに、大仰なオーケストラアレンジも見事。ライブがどうなるのか、果てしなく疑問ですが。 後半やや似たような曲が続き、少しダレますが、トータルで考えれば全然クリアレベルだと思います。お気に入りは「TEARS FALLING」。マジで涙が零れます。これを聞いて心を洗い流しましょう。ハロウィンやインサニアが好きなら是非行っておきましょう。 |
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![]() CRYATAL EMPIRE / 2001年作 / 85点 |
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2枚目。まったく同じ路線です。なーんにも変わりません。キャッチャーなメロに毎回必ず大仰に使われるコーラス。聞けばすぐにフリーダム・コールだ! と分かりますね。 で、これ以上言う事もありません。ただ3→1→2と聞いてきた私としては今までの中で一番歌メロが地味な印象を受けました。決して悪くはないんですが、このバンドの中では地味な方かなぁ、と。他のジャーマンに比べれば十分派手ですけど。置きに入りはバンド名である「FREEDOM CALL」。一番彼ららしいチューンだと思います。 |
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![]() ETERNITY / 2002年作 / 88点 |
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3枚目。相変わらず悪くはないけどね。 内容は前とほとんど変わってません。ただ、前よりコンパクトになり、さっぱりした感じはあります。とは言っても大仰ななコーラスは相変わらずだし、それほど気にはなりません。 で、そんなに変わっていないので、それほど言う事は無いんですが、コンパクトになった事により、キャッチャーさのレベルが上がっていると思います。一緒にコーラスしたらとてもいい気分になりそうです。Voは1mmの成長も見られないんで、前がダメなら今回もダメかもしれないですが、OKな人は全然OKでしょう。 お気に入りは「ISLAND OF DREAMS」。サビメロがたまらないっすね。いまいち注目を浴びないバンドですが、聞いて損は無いと思います。インナージャケの皆さんの満面の笑顔が最高です! |
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![]() THE CIRCLE OF LIFE / 2005年作 / 80点 |
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4枚目。日本盤が出るという話ですが、見た事無いっすね;; で、結構変わってます。怒涛の疾走曲はかなり控えめで、ミドルテンポを重視するようなタイプに変わりました。リズムもただノリノリでなくて、ヘヴィに攻めるように。しかし、底抜けに明るいメロディは健在。ってか、ミドルでじっくり聞かせるようになった事で、前より強調すらされているように思います。 「疾走曲少ないの?」と最初は私も思っていたのですが、これがまた嬉しい誤算。ノリで突っ走らなくなった分、メロディが洗練され、レベルがググンと上がったと思います。Keyも効果的に使われるようになりましたし。テクニックに変わりはないですが、元々それで文句を言うバンドではないですからね。うん、聞きやすくて癒されます。 お気に入りは「CARRY ON」と「HUNTING HIGH AND LOW」。前者はミドルながらも実に彼ららしい明るいメロディにニンマリ。後者は「ストラトのカヴァーか?」とも思いましたが、そうではないようです(笑)。 メディアじゃ全然話題にならないバンドですが、ファンは結構いるし、それも納得な作品です。明るいジャーマンが好きで聞いてない人がいたら、絶対チェキなさい! |
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![]() DIMENSIONS / 2007年作 / 82点 |
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コンスタントで出てる5枚目。 前作でスピード感を抑えた彼らですが、それが不評だったのか、本作ではこれまで通りの疾走感を取り戻しております。 相変わらず哀愁は感じず、明るげなメロディを主体としていますが、4枚目を経験しているからか楽曲に幅が出てきたように思いました。GAMMA RAYっぽい「Mr.Evil」、エスニックと表現出来そうな「The Queen Of My World」などは新機軸で聞いてて面白かったです。 とは言っても「United Alliance」のようなお約束の疾走曲もテンコ盛りで、これまでが好きな人だったらまず失敗する事は無いと思います。 お気に入りは上記した「Mr.Evil」。SEから始まり、ミドルながらもシンガロングを誘うサビが好きです。Gtメロが妙に気になっちゃうんです。 |
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![]() LEGEND OF THE SHADOWKING / 2010年作 / 75点 |
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3年ぶりの6枚目。 基本路線は何も変わっていませんが、コンセプト・アルバムのようで、やや暗めの曲が目立ちます。個人的にこれはNGです。このバンドは空も飛べてしまうような「飛翔系」のメロディが最大の持ち味なんですから、暗くしちゃダメだと思います。実際、そういう曲はメロディも地味ですしね(汗)。 一方、陽メロディの曲は変わらずハイレベルです。最近、本当こういう純粋なジャーマンメタルを聞いてないので、ワクワクしちゃいました(笑)。「Out Of The Ruins」や「Remember!」などは是非聞いてほしいです。 お気に入りは「Tears Of Babylon」。スピード感は無いんですが、見事なシンフォニックアレンジが美味しすぎます。 このまま頑張れ! |
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![]() MASTER OF LIGHT / 2016年 / 85点 |
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7、8枚目をすっ飛ばして9枚目。 母国での人気は分かりませんが、少なくとも日本での人気はイマイチな彼ら。1〜3枚目くらいまではそこそこ注目されたような気がするけど、それ以降どうもイマイチな作品が続く事に。自分は結構聞いてる方だと思っていたんですが、久々に買ってみたら2枚もすっ飛ばして9枚目だったわけです(汗)。それにしても酷いジャケットだな‥‥。何を考えてこんなおっさんにしたんだろうか‥‥。 と、ジャケットの事は置いておいて、おーおー良いですね〜。初期の非常に分かりやすいメロパワ路線に戻ってますね。心地良い疾走感とキャッチーなメロディ。そして彼らのトレードマークと言える陽気なファンファーレ風シンフォアレンジも盛り沢山。後半になると後一歩! と言いたくなるようなイマイチな曲が増えて尻尾まであんこたっぷりとは言えませんでしたが、ここ最近の煮え切らないモノとは一線を画すアルバムだと思います。 ちなみに私が勝ったのはボートラ付き。過去の曲のピアノVerが4曲も入っています。こちらはこちらでなかなかに良いと思います。 お気に入りは「Emerald Skies」。物凄い1曲というわけではないんですが、実に彼ららしいスッキリとした1曲だなと思いました。 人知れず頑張っていたんだな‥‥。オイラも頑張らないとな(汗) |
FUNERAL FOR A FRIEND (ヒューネラル・フォー・ア・フレンド) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥ロック |
![]() CASUALLY DRESSED & DEEP IN CONVERSATION / 2004年作 / 86点 |
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イギリスのメロディアス・ロックバンドの1枚目。世間では「エモコア」(エモーショナルコア?)と分離される事が多いみたいですが、メタル度が高かったので、こちらに書きたいと思います。 このバンドは2枚目から知って、その2枚目がUK独特のロックメロディとメタルギターがうまくブレンドされていた良盤だったので、1枚目も買ってみたんですが、この頃は「ハードコア」と分類されている理由がよく分かるメロコアでした。オフスプのようなパターンならまだ良かったんですが、オアシスとオフスプを足したような感じなので、メタルギターを期待してた私としてはかなり残念。メタルギターはあまり目立ってなく、疾走感もあまりなく、どーもハマれん。 メロディに変化は無いんですが、このバンドのメロディは完全なUKロックなので、変化があっても無くても正直どうでもよいっす。うーん、ここに書くべきではなかったかもしれないと今になって思いました。お気に入りは特にありません。 |
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![]() HOURS / 2004年作 / 90点 |
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イギリス出身のメタルチックロックバンドの2枚目。これはいいよ! こちらのジャンルではまず語られない彼らですが、そのギターサウンドは間違いなくメタルと言っていいと思うのでこちらに書きたいと思います。 その音楽性は歌メロは完全にイギリスのロック系でありながら、ツインギターがあまりにもメタルチックに炸裂するロック。 まず歌メロは完全なまでにロックです。にも関わらず、ツインギターはアイアン・メイデンなんかに通じるような激烈に弾きまくるタイプ。これがまた実に不思議で新鮮な感情を呼び起こしてくれます。 メタルらしい「ドラマ性」「叙情性」はロックタイプの歌メロのお陰でほとんどありません。その代わりにロックに強く感じられるエモーショナルさを凄く感じます。 お気に入りは「THE END OF NOTHING」。ギターサウンドは勿論、歌メロも爽快で実にカッチョいい! いやぁ、面白い時代になったなと思います。もはやロックだからとか、メタルだからとかっていうジャンル分けは、CDの陳列以外には何の意味も無いのではと思います。格好良い音楽は何だって格好良い。ジャンルに関係無く格好良い音楽を聞きたい人は是非どうぞ。 |
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![]() TALES DON’T TELL THEMSELVEA / 2007年作 / 68点 |
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3枚目。 所謂エモ系バンドながらGtメロがカッコ良く、メタラーにもそれなりに知名度を得ている彼らですが、正直これでメタラーからはサヨナラされそうです‥‥。 理由はとっても簡単で、メタルっぽい要素が激減しているからです。Gtの音そのものは激しいんですが、へヴィメタルらしくなく、普通のロックっぽくなってるんですよ。ついでにエモらしさも無くなり、何だか魅力的だった部分がゴッソリ無くなってる気が‥‥。 ロックバンドとしてはそれなりにカッコイイと思いますが、正直私には刺激が無さ過ぎます。聞きこめば凄く良くなりそうな気もしますが、私はそこまで気は長くありません。あとやっぱり叙情的な歌メロが皆無なのはなぁ‥‥。 お気に入りは「Out Of Reach」。Gtが一番カッコイイ曲がこれです。ってか、本当これと数曲しか良くなかったなぁ。何でもありってのは諸刃の刃ですな‥‥。 |
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![]() MEMORY AND HUMANITY / 2008年作 / 75点 |
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4枚目。 前作はメタリックな部分をゴリゴリと削ってしまい、結果として何の特徴も無い普通のロックンロールになり下がってしまいましたが、本作は若干ですがメタリックなパワーを取り戻しており、前よりかは好印象。 とは言うものの、傑作『HOURS』にまで戻る気は無いようで、2枚目と3枚目の間くらいの出来になっています。 悪くはありません。悪くはないんですが、やはりこの路線は私好みではありません。どの曲も2〜3分程度しかないし、メロディも(元々ドラマ性は無かったけど)昔の方がまだ湿り気があったと思います。 もうこのバンドにメタリックなものを求める事は出来ませんね‥‥。 お気に入りは「Maybe I Am?」。一番メロディが良かったです。このメロディはちょっとHAREM SCAREMっぽい気がします。 メタルさえ求めなければ凄い良いバンドだと思うだけに、メタル耳しかない自分がちょっと悲しいです。 |