凱旋MARCH (がいせんマーチ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() 大行進 / 2003年作 / 81点 |
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わが日本のマノウォーの1枚目です。 その音楽性は一言で言えば「軍歌メタル」です。野太い声とコーラス。ヴァイキングメタルのような勇ましいメロディ。第二次世界大戦中に存在していれば、英雄扱いされそうな唯一無二のジャパンオリジナリティを放っています。歌詞も日本語。タイトルが「闘魂行進曲」「不死鳥」「日没」。ジャケは白、黒、赤を基調としたどっかの国旗のよう。この徹底した根性に拍手を送らずにはいられません。 とにかく熱いです。ズンズンと吼えるツインGtと共に野太く謡われる「勝利の元に沸き上がる闘志、闘争心」ですよ。「これから戦争に行くぞ!敵国撃破!」みたいな気分になりますよ、マジで。疾走曲が結構あるってのも高ポイントですね。 ただ、色々と言いましたが「珍しい作品=いい作品」ではありません。なので、珍しい事は認めますが、傑作とは思えませんでした。楽器も上手いとは言えないし。 お気に入りは「闘魂行進曲」と「闘人」。前者はミドルで突き進む感じが良い。後者は疾走曲。「Man is a 闘人」って歌詞が凄すぎる。メロもかなりいいっすね。何だかんだ言いましたが、初めて聞いた時の衝撃はかなりのモノでした。是非、今後もこの路線で突き進んでほしいもんですね。 |
GALLOGLASS (ガロガラス) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ジャーマンメタル |
![]() LEGENDS FROM NOW AND NEVERMORE 2003年作 / 86点 |
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ドイツのジャーマンメタルバンドの1枚目。質がいいのに何故日本盤が出ない?! 彼らの音楽性はガリガリしたジャーマンメタルです。ハロウィンなどよりも剛直で、エピック性も高く、音数を少なくして、もっともっと硬くしたラプソみたいな感じです。そんなに凄くはないですけど。 そんな彼らの最大の特徴がヴァイオリン。Keyはいないくせにヴァイオリンは使いまくるという変わったタイプです。しかし、硬いメタルにヴァイオリンメロが面白いくらい合います。 怒涛の疾走をかましながら、途中絶妙なタイミングで入るヴァイオリンがとにかくいいです。Gtはちゃんと2本いてちゃんとした仕事をやってるんですが、1本のヴァイオリンの方が目立ってるんだから、変だね(笑)。ヴォーカルもちゃんと歌えているし、他の楽器もこれと言って問題無いです。日本盤でてほしかったな。 |
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![]() HEAVENSEEKER / 2005年作 / 80点 |
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2枚目。 前以上に疾走曲、ヴァイオリンの導入が増え、ファーストインパクトは実にデカいです。のっぺりとしたVoも成長してるし、Gtレベルも前以上に良くなってます。 しかしでですね、歌メロが地味になってますね‥‥。もっとクワイヤとかコーラスを入れて盛り上げてほしいんだけど、サラリとサビに行ってしまうのが何とも残念。こういう時、ミドルで落ち着きを与えると印象も変わるもんですけど、そういう時に限ってほとんど疾走系なんですよね‥‥。 お気に入りは「BANISHED FROM ETERNTY」。最もヴァイオリンが効果的に使われていると思います。あと、サビが一番良かったから。うーむ、結構期待してたんですけど‥‥何か消化不良って感じです。 |
GALNERYUS (ガルネリウス) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() THE FLAG OF PANISMENT / 2003年作 / 90点 |
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日本の関西を中心に活躍してる2人組み(三人助っ人あり)メロスピバンドの一枚目。 音楽性はストラトヴァリウス〜ソナタからの影響を感じるメロスピです。まあ、こんなのは世界中どこにでもいますが、その中でも彼らのレベルは非常に高いと思います。 とにかく演奏陣が全員素晴らしいんです。悶絶を誘う泣きのGtを連発するsyu、日本人Voの中でも特に英語の上手いYAMA−B、またBa、Key、Drも一緒くたになって、ワールドワイドな演奏を聞かせます。 曲の方にアップ〜疾走系がほとんどを占めており、どれも哀愁漂うメロディと、ハッとさせるフックの連発。正直、これまで日本のバンドで凄いと思った人達があまりいなかっただけに、衝撃は大きかったです。 お気に入りはどれもいいんですが、強いて言うなら「Holding the broken wings」。サビの高揚感がいいです。 |
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![]() ADVANCE TO THE FALL / 2005年作 / 85点 |
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2枚目です。基本路線に変わりはありません。 前は少しだけ音の整合性がとれていなかった感じでしたが、今回は全楽器のバランスがしっかりとれました。音質は完璧。楽器テクニックも完璧。ギター、キーボードのユニゾンにも一部の隙もありません。疾走曲も多めだし、ドラムも格好良いっす。その辺りに関しては文句の言いようも無いですね。最高峰でしょう。 で・す・が! これがどうにもこうにもハマれなかったのですよ。理由はとっても簡単。歌メロが面白くないんです。これは個人の問題なのでしょうが、私は今回のアルバムの「歌」が全然心に響きませんでした。全部後一歩なんですよね。本当に惜しい! サビの昂揚感に関して言えば、間違いなく前作の方が良かったと思います。 しかし、それは前述したように個人の感性の問題ですから、気に入る人はとっても気に入ると思います。お気に入りは「Ancient Rage」。正直、ピクンときたのはこれだけでした‥‥。俺って贅沢なのかも‥‥。そう思ってしまったアルバムでした。次こそはオイラの心に響く歌メロを頼みます;; |
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![]() BEYOND THE END DESPAIR / 2006年作 / 88点 |
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格好がラフになった3枚目。 音楽性は変わらないものの、馬鹿のように疾走していた前作に比べると非常にバラエティに富んだ内容になってます。 またYAMA−B(Vo)の中音域の目覚しい成長、Syu(Gt)の泣きを強調した早弾きの抑制など、より「歌心」に気を遣った感じにもなっています。音質も北欧系バンドに近いナチュラルな感じになってるのも好印象。 で、肝心のメロディですが、前よりかは良いと思います。Keyによるドラマチックな盛り上げ方も良いし、少々プログレチックになったGtも相変わらず格好良い。 でも、それでも1stの方が良いかな‥‥。こればっかは枚数を重ねる毎に良くなるとは限らないからなぁ。オイラの胸にググッと来るメロディは1stの方が多かったように思います。 お気に入りは「SHRIEK OF THE VENGENCE」と「BRAVING FLAG」。前者はイントロに続く頭1曲目でマイナーメロのサビが素敵。そして後者は1stから続く「FLAG」シリーズ。非常に彼ららしい哀愁疾走曲。毎回安定した作品を出してくれるのは嬉しいんですけど、次は「こいつは世紀の1枚だ!」ってのを期待しますだ。 |
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![]() ONE FOR ALL−ALL FOR ONE / 2007年作 / 84点 |
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Baを変えての4枚目。ここに来て、結構な変更点があります。 まず、過去3枚では天野喜孝氏がジャケットイラストを担当していましたが、ここに来てついにチェンジ。更に日本語の歌詞の曲が入っていたりと、より大衆受けを狙っている感じが伺えます。 楽曲の方は3枚目を踏襲するバラエティさで、日本語歌詞の歌は非常にシンプルでアニソンに使われても何らおかしくない出来な一方で、妙にプログレッシブな曲があったりと、疾走一辺倒という印象はありませんでした。 ただ、メロディ(歌メロ)に関してはまたちょっと2枚目を連想させる凡庸さが伺えるかも。前にも言った気がしますが、メロディの良さ悪さは作品枚数とは何ら関係無いので、これはもはや運任せと言う他無い(笑)。 で、メロディに関しては依然として私は1枚目が最高だと思います。Gtソロは相変わらずクサいんですが、それ以外がクサくないんだよなぁ(もう期待するなって?)。 お気に入りは「CRY FOR THE DARK」。ダークな雰囲気ながら微疾走し、ちょいクサめの日本語歌詞が格好良いです。アニメなら「ウィッチブレイド」とかに合いそうです(笑)。 |
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![]() REINCARNATION / 2008年作 / 86点 |
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5枚目にしてYAMA-B(Vo)のラスト参加アルバム。 前作から「売れる為」に色々な試行錯誤を試み始めており、ついにアニメの主題歌まで獲得するにまで至った彼ら。本作も同じ路線で、日本語あり、ライトなポップチューンあり、ダークでへヴィなミドルあり、典型的なメロスピあり、とごった煮状態です。しかも1曲の中に色々な要素が入るようにまでなりました。「STARDUST」なんてへヴィなGt、ポップなブリッジ、日本語歌詞、メロスピ的疾走が混ざってますからね。 ただ、やはり若者は吸収が早い(俺と大体同じ歳だけど)。手探りだった前作に比べ、各曲のカラーをしっかり捉えていて、完成度は前作以上。もはや初期の「クサメロ」はほとんどありませんが、それを求める必要も無いんじゃないかと思います。 お気に入りは「BLAME YOURSELF」。syuの泣きGtやキャッチーな歌メロが堪能出来る「今のガルネリ流メロスピ」な1曲です。 これからどんな進化を見せるのか、目が離せません。 |
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![]() RESURRECTION / 2010年作 / 82点 |
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6枚目。 YAMA-Bが脱退し、本作から紅白歌合戦にも出場した事がある(らしい)小野正利氏が加入。彼の声はYAMA-Bよりも澄んだ突き抜けるようなハイトーンで、とても40過ぎとは思えません(笑)。 音楽性そのものは多様性に富んでいた前作とは異なり、徹底的に「スピード」に拘った楽曲が多く、「ONE FOR ALL−ALL FOR ONE」に近い印象を受けました。 相変わらず各メンバーのテクニックは超一流だし(プログレッシブな間奏は凄い!)、疾走に拘ったのも全然悪くないと思います。初期の「クサさ」も幾分ですが取り戻しているようにも感じましたし。 でも、これが何だかどーもパッとしないんですよね‥‥。しっかり聞いてみると、色々と「難点」が出てきましたわ‥‥。 一つは「メロディが弱い事」。そこらへんのB級バンド束になっても勝てないレベルではあるんですが、これまでの彼らの曲と比べるといまいちパンチが足りないんですよね。 そのパンチの弱さを強調させているのが、何と言っても新Voの小野さんの声。確かに音程を外す事も無く、非常に澄んだ良い声をしているのですが、いかんせん「攻撃性」が無い。ヘヴィメタルなんだからもっと獰猛で食い付くようなパワフルさが欲しかった。残念ながら彼にはそれが無いんですよね。もっとも、日本人でそれを持ってる人なんてほとんどいないのが現状なんですが‥‥。 お気に入りは「FALL IN THE DARK」。一番ガッツリ来てる1曲。サビメロがカッコイイです。 次回はもっと「獰猛性」を前に出して欲しいですな。 |
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![]() PHOENIX RISING / 2011年作 / 82点 |
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7枚目。 相変わらず惚れ惚れするほどのバカテクとメロディは健在です。7枚もアルバム作って、ここまで枯渇しないのは素晴らしいと思います。 でもなぁ、やっぱり個人的には小野正利氏のVoが好きになれないんですよねぇ‥‥。線が細いというか、ヘヴィメタルらしい猛々しさが無いと言うか‥‥。極めてヘヴィな「Bash Out!」とか、もしこれをYAMA-Bが歌っていたら‥‥なんて思ってしまうんです。贅沢な悩みだとは分かっていますけどね。 お気に入りは「Scars」。サビが一番キャッチーだと思います。 苦言も言ってしまったし、YAMA-Bの方が好きという主張も変える気はありませんが、カッコイイアルバムである事は余裕で認めます。さて、次はどんなアルバムで攻めてくるのか、楽しみです。 |
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![]() ANGEL OF SALVATION / 2012年作 / 80点 |
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8枚目。 特に大きな変更点無し。そして私の印象も特に変更無し! 抜群に演奏は上手いし、メロディも良いんだけど小野さんが‥‥(以下略)。 でも、小野さんが加入してから人気も出たって言うし、彼らはきっとこの方向性のまま行くんだろうな。私もそれには何の異論もございません。 お気に入りは「LAMENT」。まさにネオクラシカルな1曲。こういうの聞くとピクピクと反応しちゃう私がいます。 |
GAMMA RAY (ガンマ・レイ) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() INSANITY AND GENIUS / 1993年作 / 80点 |
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HELLOWEENを脱退したジャーマンメタルの父、カイ・ハンセン率いるバンドの3枚目です。 その音楽性は説明するまでも無いと思いますが、どこを切ってもまごう事無きジャーマンメタルです。突き抜ける疾走感、明るい曲調、ちょっとしたコミカル性…と、ジャーマンメタルとはどういうモノなのかを教えてくれます。この頃のVoはまだカイ本人ではなく、後にPRIMAL FEARを結成する事になるラルフ・シーパース。故にどんなハイトーンでも見事にこなしています。 と、非常によく出来ているんですが、個人的にはちょっと好きになれなかったりします。理由は歌メロが地味なのが多い為。思いのほか明るめの曲が多いのも個人的にはマイナスです…。 お気に入りは「GAMMA RAY」。バンド名を冠した曲。「ガマガマガマ」というのが面白いです。BIRTH CONTROLというバンドのカバー曲だという事は後で知りました(汗)。 |
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![]() LAND OF THE FREE / 1995年作 / 85点 |
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ラルフ・シーパースが脱退し(クビらしい)、カイ本人がVoをとるようになった4枚目。 基本は変わりませんが、ポップ性・コミカルさが減退し、代わりに抒情的なドラマ性が大幅にアップ。記憶に残る劇的メロディがググンと増えています。 この方向性は大歓迎。というか、私個人としてはこのアルバムからGAMMA RAYはお気に入りバンドの仲間入りを果たしました。 カイの歌唱は決して上手くはないですが、音程を外しているわけでもなく、全然聞けるレベルだと思います。むしろ、個人的にはラルフよりも好きです。まあ、ずっと聞いてるからっていうのもあると思いますけど(汗)。 お気に入りは「MAN ON A MISSION」。彼らの中でも最も人気の高いド疾走曲。やっぱりいいわ。 |
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![]() SOMEWHERE OUT IN SPACE / 1998年作 / 90点 |
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5枚目。 タイトルにスペースとあるように、前作に比べてキーボードによるアレンジが目立つようになり、壮大になった感じがします。ちなみにキーボードメンバーはいません(汗)。 それ以外は特に大きな変化は無し。カイの独特な歌唱も疾走感も変わらずです。しかしメロディには更なる磨きがかかり、前作を超えて非常に格好良くなっていると思いました。特に頭4曲の攻撃力は非常に高いです。 お気に入りは「SOMEWHERE OUT IN SPACE」と「THE WINGED HORSE」。前者はサビの後の激烈な早弾きが最高。そして後者はA級バンドがクサメタルを作るとこうなるという曲です。とにかくギターが紡ぐメロディがクサすぎる! |
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![]() POWER PLANT / 1999年作 / 88点 |
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初めてメンバーチェンジ無しで作られた6枚目。 変わる事の無い、ハイクオリティなパワーメタルです。心地良い疾走感、ドラマチックなメロディ、カイの独特なVo、全てが不変です。解説ではJUDAS PRIESTからの影響が云々、などと言われていますが、個人的にはそこまで正統派に寄っているとは感じませんでした。元々似たスタイルですしね。 で、もう言う事はありません。パワーメタルが好きな人なら迷わず買って損はしないと断言できます。 お気に入りは「STRANGER IN THE NIGHT」と「WINGS OF DESTINY」。前者は勇壮なメロディがたまらないナンバー。後者は実に流麗な疾走ナンバー。特別凄いわけじゃないけど、クサメロ炸裂に鼻血が止まりません。 |
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![]() NO WORLD ORDER / 2001年作 / 85点 |
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2年の歳月を経て完成した7枚目。 前回からJUDAS PRIESTなどからの影響が出ていると言われてましたが、正直私にはよく分かりませんでした。しかし、今作は確実にその影響が伺えます。全体的に暗めで、重厚感のある楽曲が多くなっています。リフなどは確かにJUDAS PRIESTっぽいな。 とは言え、これらの変化はあくまで「過去のアルバムに比べたら」という意味であり、俯瞰して聞けば十分にスピーディーで抒情メロディ満載です。これまでのアルバムが好きな人ならば、本作も何ら問題無く楽しめると思います。 お気に入りは「SOLID」。典型的カイの曲。こういうのをもっと増やしてほしかった‥‥。 |
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![]() MAJESTIC / 2005年作 / 85点 |
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4年ぶりの8枚目。変わってないっすね。 前作から先輩バンドからの拝借が目立ち始めた彼らですが、本作もその路線は変わらず。古き良きメタルと彼ららしいクサさに溢れたジャーマンメタルです。 ただ、本作は明らかにメロディが前に比べて地味。勿論、どれも合格ラインは達しているんですが、「こいつだ!」と呼べる必殺チューンが見当たらない。シンプルな疾走曲が少ないってのも地味と感じる要因だと思います。 その代わりにへヴィになる事はおおいに結構ですが、キャッチーな歌メロを置いていってはいかんよ。ちなみにカイの歌レベルもそれほど変わってません。 お気に入りは「FIGHT」と「REVELATION」。前者はこのアルバムの中での最速チューン。後者はヘニュ作曲の大作。この人の作るクラシカルフレーズは本当に素晴らしい! ってか、両方とも同じ人作曲だ;; カイ! 頑張れよ! |
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![]() LAND OF THE FREE II / 2007年作 / 86点 |
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4枚目のアルバムの続編となる9枚目。 とは言ってもあれはコンセプトではなかったので、単純に「当時の気持ちで」みたいな感じなんだと思います。実際、へヴィさに重点が置かれていた前作よりも彼ららしい疾走、クサメロが満載の内容になっており、前作に不満があったファンの溜飲も下がるでしょう(私は前の路線でも良かったですけど)。 ただ、HELLOWEENとのカップリングツアーに合わせて急ぎで作ったらしく、音質が結構ラフな感じになっており、これはNG。音質までは当時のものにしなくていいから(笑)。 一撃必殺のキラーは無かったし、前述したように好みの音質でもなかったですし、カイのVoが前より下手になっている気もしたんですが、この「ハイクオリティだけどクサい」という実はGAMMA RAY以外のバンドではなかなか成し得ていない偉業は本作でも見事に達成されており、頭の先から尻尾の先まで飽きずに聞けました。 それにしても9曲目の「Opportunity」におけるIRON MAIDENフレーズのパクリは笑った(笑)。 お気に入りは「Empress」。Drのダン・ツィーマン作曲のミドルナンバー。妙に変わったKeyの音が実に面白い。疾走ばかりの本作の中で良いアクセントになってます。 |
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![]() TO THE METAL / 2010年作 / 86点 |
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デビュー20周年にして発売された10枚目。 妙に“意識された”タイトルですが、中身的には当然変わるはずもありません。いや、変わらない事こそが彼らの「答え」なのでしょう。 カイのラフなヴォーカル、疾走多めでややパクり気味のクサい楽曲。いつも彼らです。でも、私はそんな彼らが大好きです。 ミドルナンバー「Empathy」から始まり、マイケル・キスク参戦の「All You Need To Know」、いかにも彼ららしい「Time To Live」や「Rise」、ベースがブキブキ言いまくるのがカッコイイ「Shine Forever」、間奏のクサさがハンパじゃない「Chasing Shadows」など、どれもなかなかの出来栄え。 残念ながら一撃必殺は見つかりませんでしたが、ほぼ全ての曲が86点で、よくよく考えてみると、ここまで平均的に良いアルバムってなかなか無いと思います。ムラなく、どれも良い曲なんですよ。 お気に入りは「Chasing Shadows」。頭の先から尻尾まで100%GAMMA RAYのナンバー。サビも良いんですが、とにかく3:00辺りから始まるクサすぎる間奏に、気がついたら失禁していました(汗)。 これからもずっと同じ路線を貫いていってもらいたいですな! |
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![]() EMPIRE OF THE UNDEAD / 2014年作 / 75点 |
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11枚目。Drが交代していますが、このバンドのリーダーはカイなので問題無しです(笑)。 さて、前作・前々作となかなかのアルバムを作ってきた彼らですが、正直本作は微妙な出来映えですね‥‥。カイが作曲している時点で完全な「正統派」には決してなりえませんが、かなり接近している事は間違いなく、メロスピ的な分かりやすいメロディはかなり減退しています。ジャケットが全てを物語っていると言えるかも? 歌メロにしても間奏のギターソロにしても、前ほどクサいとは言えず、正直ちょっと物足りなさを感じました。 お気に入りは「I Will Return」。6分もある大曲ですが、後半のギターソロがカッコイイです。 根幹はもはや変わる事は無いと思うので、良い曲があるか無いか、それだけだと私は思っています。 |
GANDALF (ガンダルフ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() DEADLY FAIRYTALES / 1999年作 / 70点 |
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フィンランド産、メロデスバンドの1枚目。 初期のインフレイムスを連想させる、ツインGtが切ないメロディを紡ぐ典型的メロデスです。Keyも無く、女性声もありません。元デスラッシュバンドだったらしく、そういう曲も1曲だけありますが、あくまでメインはミドルで突き進むメロメロなメロデス。 悪くはないし、最後までは聞けるレベルではあるんですが、ただあまりにも普通過ぎです。聞き終えた後、「ふ〜ん、飯食お」ってなっちゃうのが実に残念。テクやメロディのレベルでは当然ながらインフレなどには追いついてなく、VoもGtもBaもDrも何もかもが標準的なんですわ。 お気に入りは「ETERNAL FIRE」。アコギがいい感じです。お店で800円で買ったんですが、まあ妥当な作品でした。 |
GARY HUGHES (ゲイリー・ヒューズ) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() PRECIOUS ONES / 1998年作 / 75点 |
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TENのVo、ゲイリー・ヒューズのソロアルバム3枚目。 基本的には初期TENと同じ路線です。スピード曲は皆無ですが、ゲイリーのマニアのツボをつくメロディ炸裂の目ロハーです。同じ路線だったらTENでやればいいのに(メンバーもほとんど同じだし)。 バックの楽器の覇気が無いので個人的にはTENの方をお勧めしますが、彼の作るメロディが好きな人は迷わず買って損は無いかと思います。 お気に入りは「GIVE MY LOVE A TRY」。こういうに作られたら彼の右に出る者はいませんな。 |
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![]() ONCE AND FUTURE KING - PART I / 2003年作 / 82点 |
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外国人大好きのアーサー王をテーマとしたコンセプトアルバム。これ、ソロアルバムの中に換算していいんですよね? とは言ってもRHAPSODYのようなシンフォニックメタルになったわけではなく、TOBIAS SAMMET’S AVANTASIAのようにリーダーの味を色濃く残したまま、複数のVoが参加している感じです。 音楽的にはちょっとだけハードなTENという想像通りの音楽でした。複数Voが特に功を奏しているとは感じませんでしたし、コンセプトにした割に大した変化は無いんですが、私はゲイリーの作るメロディが聞きたかったので、それに関して言えば文句無しです。前作のソロより良いメロディがたくさんあったと思います。 お気に入りは「KING FOR A DAY」。TENでは聞けないシンフォニックなメロディが良かったです。 |
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![]() VERITAS / 2007年作 / 76点 |
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アーサー王コンセプトを離れ、再び普通のソロ6枚目。 すっかりおっさんになってしまい、美しい金髪もバッサリ切り落としてしまった彼ですが、音楽そのものは何にも変わっていません。歌がメインのメロディアスハードです。 たまに妙にチープなKeyが入ってますが(某シューティングゲームみたい)、それ以外はこれまで通りです。ただ、必殺の一撃キラーチューンが無く、後半は退屈な曲が多いのが残念です。 お気に入りは「SEE LOVE THROUGH MY EYES」。1曲目と悩みましたが、僅かな差でこちらの勝ち! とは言え、やっぱり彼は初期TENの時が一番輝いていたなぁ。 |
GARY MOORE (ゲイリー・ムーア) |
出身地‥‥アイルランド ジャンル‥‥ハードロック |
![]() WILD FRONTIER / 1987年作 / 90点 |
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元シン・リジィのギタリストにして、孤高の泣きを描くアイルランド人、ゲイリー・ムーアの87年のソロ・アルバム。何枚目かはちょっと分かりません。 私がこのアルバムを手にした理由はナイトウィッシュが「Over the Hills and Far Away」をカヴァーしていたからなんですが、そんな安直な理由で手にした事を激しく懺悔したいっす。 音楽性はアイルランドの土着性を思い切り演出したハードロック。哀愁、郷愁、そんな言葉がドンピシャな強烈な泣きを発散させるGtが素晴らしいです。 リッチー・ブラックモアやインギーとは違い、クラシカルであろうとはせず、あくまで力強く、そして音一つ一つを大事にしようとしているのが、彼のGtの特徴でしょう。 とにかく「泣き」が凄すぎます。Gtそのものが命を持って人生の哀歌を歌っているかのような、そのメロディがたまりません! 「The Loner」のギターメロは一度聞いたら忘れないでしょう。それと同時にこの作品のいい所は「声」です。ゲイリー本人が歌っていますが、渋く、それが更に哀愁を感じさせます。 曲数は少ないんですが、全曲格好良い! お気に入りは「The Loner」も当然いいんですが、やっぱし「Over the Hills and Far Away」。ナイトウィッシュがカヴァーしたがるのも分かるね。歌、ギター、更にドラムの音(これ大事)、共に最高。ちなみに歌の内容は不倫して故郷を追い出された男の話だったりします。とにかく「哀愁」「郷愁」そして「泣き」を堪能したい方は是非聞きましょう。損をする事は無いです! |
GHOST (ゴースト) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() OPUS EPONYMOUS / 2010年作 / 70点 |
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スウェーデン出身の懐古主義的ヘヴィメタルバンドの1枚目。 「GHOST」という恐ろしくシンプルそしてチープなバンド名からしてちょっと変わってますが、メンバー全員のプロフィールが非公開、更に音楽性もかなりの変わり種です。 基本はドゥーミーな正統派ヘヴィメタルです。本気か冗談かは分かりませんが、歌詞はサタニックなものが多く、地の底で這うような雰囲気は良く出来ています。が、Voはいたって「普通声」で、更にサビになると一転して爽やかなメロディに変貌するんです。これがまたビックリするくらい爽やかに。 また、音が非常にレトロなのも特徴と言えます。余計な装飾はほぼされておらず、楽器から出てる音がそのまま収録されている感じです(特にDr)。何も知らない人が聞いたら「70年代のアルバム?」と思ってしまいそうです。 とまあ、メンバーから音像、音楽性に至るまで全てが変わったスタイルなので、万人受けは絶対にしないと思います。が、前述した「爽やかなメロディ」は非常に心地良く、ずっと聞いていても飽きない不思議な中毒性がある事も事実です。 全曲ほぼ同じリズムである事、一撃必殺の曲が無いのに、個人的にはあと一歩という感じですが「今のやかましいメタルはどうも‥‥」というおじさま方は聞いてみても良いかもしれません。 お気に入りは「Ritual」。サビが耳から離れません! う〜ん、心地良いな〜。 気になった方は「GHOST メタル」で検索!(「GHOST」と検索しても絶対出てきませんので:汗) |
GLADENFOLD (グラッデンフォールド) |
出身地……フィンランド ジャンル…シンフォニックメタル |
![]() WHEN GODS DESCEND / 2019年 / 85点 |
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前身バンドも含めると結成は2003年という、フィンランド出身のシンフォニックメタルバンドの2枚目。 基本はKeyをたっぷりと使ったファンタジックなシンフォニックメタルなんですが、そこにデスボイスがかなりの量使われているのがこのバンドの特徴です(どちらも同じ人が歌っている)。ノーマルボイスとデスボイスを両方使うバンドが今時珍しくもないですが、ここまでシンフォニックなメタルにここまでデスボイスを使うバンドは前例が無いと思います。 と、そういった珍しいスタイルを差し置いても、このバンドはなかなかに魅力的です。どの曲もファンタジックで印象的な劇的メロディ、一昔前の言葉で言えば「クサメロ」がシッカリと配されており、ノーマルボイスにしろデスボイスにしろ、歌メロもそこに上手くマッチングしていて、抒情的なメロディを愛する人ならばビビビと反応する事間違いなしだと思います。疾走感もかなりありますしね。特にKeyのメロディが美味しくて良いです。 ただ、まだまだ洗練されていないとも感じました。全体的にメリハリに欠け、曲が間延びしているような印象がある事、ノーマルボイスでのサビがややキャッチーさに欠ける傾向があると思います。今後そこをギュッとまとめられるようになれば、更に大きな話題になるんじゃないかなと思います。 お気に入りは「Brothers」。3分程度しかない曲ですが、このバンドがどういう音楽をやっているのかを最もコンパクトに伝えている曲だと思います。物悲しいアコギが印象的な「Ghosts Of Our Past」も良いと思います。 |
GLORYHAMMER (グローリーハンマー) |
出身地‥‥‥スコットランド ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() TALES FROM THE KINGDOM OF FIFE / 2013年 / 80点 |
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ヴァイキングメタルバンドALESTORMでVoを務めているクリストファー・ボウズがリーダー兼Keyを担当しているシンフォニックメタルバンドの1枚目。 さて、コスプレがバッチリ決まった5人組がやっているのは、「OF FIRE」がつく前の初期RHAPSODY直系のシンフォニックパワーメタルです。何でも西暦992年のスコットランドを舞台にした架空のファンタジー物語を描いたコンセプトアルバムで、メンバーのコスプレもその物語の登場人物に合わせたものになっているらしいです。が、そこらへんは英語の歌詞を読み解かないといけないので、割愛(汗)。 非常にシンフォニックではあるんですが、決してそれに全体が飲ま込まれておらず、他の楽器もシッカリ目立っていてヘヴィメタルしてます。そして、最大のポイントがキャッチーなメロディが満載だという事です。どの曲にも一度聴いたらもう忘れないであろうキャッチーなメロディがあり、RHAPSODY OF FIREが失ってしまったクサさを感じる事ができます。 Voもシッカリ歌えているし、疾走感もちゃんとあるので、メロパワが好きな人なら間違いなく気に入ると思います。 お気に入りは「The Unicorn Invasion of Dundee」。イントロに続く2曲目。スピード感は無いんですが、このバンドがどういうバンドなのか、この1曲を聴けば分かります。 B級と言えばB級なんですが、A級になると消えてしまう「ダサカッコ良さ」があるバンドだと思います。 |
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![]() SPACE 1992:RISE OF THE CHAOS WIZARDS / 2015年 / 88点 |
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2年ぶりの2枚目。 物語的には1000年後の1992年に移り、戦いは宇宙にまで拡大しているんですが、やっぱりよく分からないので割愛(汗)。前作に比べてややスペーシーな感じにはなっていますが、ヒロイックでクサいメロディ満載のシンフォニックメロパワである事に一切のブレはありません。 一番の変化はVoを始め、演奏陣全員が一回りレベルアップしていて、曲の躍動感がグンと増している事。GtやDrはキレが良くなり、Keyのアレンジも冴え、Voも抑揚が効くようになり、聴き応えは確実に増しています。また、曲のキャッチーさも一段階増していると感じましたね。前作でさえ十分キャッチーだと感じましたが、本作はそれ以上に分かりやすく耳に残ります。 MVなどは変わらずネタ臭満載ですが、これで注目を浴びて、本作を聴いてくれる人が増えるならむしろウェルカムです。入口は何でも良いから聴いて欲しいですね。 お気に入りは「Rise Of The Chaos Wizards」と「Universe On Fire」。前者はイントロに続く2曲目。キャッチーさで言えば本作一だと思います。後者はダンサンブルなデジタルアレンジがされたナンバー。それであってもこのバンドらしさに溢れており、本作で一番気に入りました。 |
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![]() LEGENDS FROM BEYOND THE GALACTIC TERRORVORTEX / 2019年 / 85点 |
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4年ぶりの3枚目。 基本から応用に至るまで、一切の変化はありません。物語は時空すら超えていますが、彼らは変わっていません(笑)。 前述したように、特に大きな変化は無いんですが、前作に比べると全体的に若干シンプルになった感じがします。演奏レベル自体は変わってないんですが、Voの歌い方やGtリフ、Keyアレンジなど、全てが大仰だった前作に比べてスッキリしており、前作のような「濃さ」は感じませんでした。特にVoが大きいかな。前作では喉を絞るかのような歌い方をしてましたが、本作では肩の力が抜けたと感じました。 ただ、だからと言ってダメかというとそんな事は無く、胸躍るキャッチーさはしっかり残っており、十分に楽しめると思います。シンフォニックさが若干抑えられた事でより大衆的になったと思うので、初心者は前作よりもコチラの方が良いかもしれません。 お気に入りは「The Land Of Unicorns」と「Hootsforce」。前者はミドルナンバーですが、物凄く初期RHAPSODYっぽくて嬉しくなっちゃいました。「Hootsforce」は前作の「Universe On Fire」と同じダンサンブルナンバー。このバンド、こういう系ばっかりのアルバム作ったらいいんじゃね? と思ってしまうくらい、今回も聞きやすくて良いですね。 |
GOLDEN RESURRECTION (ゴールデン・レザレクション) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() GLORY TO MY KING / 2010年作 / 75点 |
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元DIVINEFIREのVoのクリスチャン・リレグレンとREIN XEEDのGtであるトミー・ヨハンソンがコンビを組んだメロパワバンドの1枚目。 ↑に書いたメンバーを知っている人なら容易に想像がつくでしょうが、実際はちょっと異なります。確かに典型的なキラキラネオクラ曲もありますが、どちらかと言うとミドル〜ファストの堅実なメロパワがメインと言った感じです。 曲の出来自体は極めて高く、メロパワ好きならみんな「悪くないネ!」と言いそうなレベルだと思います。 が、後半ちょっとパンチの弱い曲が続くのが難点で、また一撃の一曲も無いので「悪くない」ですが、「凄く良い」と答える人もあまり多くないんじゃないかなと思います。個人的には元STRATOVARIUSのティモ・トルキが立ち上げたSYMFONIAに近いなと感じました。つまりあと一歩という事です(汗)。 お気に入りは「Never Look Back」と「Metal Praise」。前者はこのアルバムのイメージを最もよく体現していると思われるファストナンバー。後者はトミー君のギターが炸裂するインストナンバーです。方向性は違いますが、どちらも耳に残りました。 |
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![]() MAN WITH A MISSION / 2011年作 / 67点 |
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2枚目。 前作は特に目立った特徴は無くとも、なかなかに楽しめるストレートなメロパワアルバムでした。が、本作はやや方向性が異なっており、Gtを担当しているトミー・レインエクシードことトミー・ヨハンソンのバンドREIN XEEDっぽさが非常に前面に出ています。よって、キラキラのKeyとピロピロしたGtソロ(と、しょぼいDr)が大幅にプラスされており、正直ここまで「チャラく」はなって欲しくなかったと思います。だってこれじゃREIN XEEDと同じだもん。 それでも楽曲が充実していたら評価はしようと思ったんですが、残念ながら楽曲は地味になっています。一見するとキラキラしてて派手なんですが、よくよく聞くと肝心の歌メロがイマイチ響かない‥‥。日本盤のボートラで、東日本大震災のチャリティソングである「Pray For Japan」ですら、申し訳無いですが、全然響きませんでした。う〜ん、消化不良だ! お気に入りは「Metal Opus 1 C#M」。イントロが良いなと思ったらインストゥルナンバーでした‥‥。 ハッキリ言うと、このパターンは2流のバンドに非常によくあるパターンかと思います。ここから化けられれば1級に返り咲けるかも!? |
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![]() ONE VOICE FOR THE KINGDOM / 2012年作 / 73点 |
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3枚目。 まずは結論から言っちゃおうと思います。ズバリ「歌メロ×、Gtメロ◎」です。 3枚目でこんな事言うのもなんですが、私、DIVINEFIREの歌メロがとことんダメだったんです。その中心メンバーだったクリスチャン・リレグレンが作曲してる時点で、私はこのバンドとの相性は決して良くないと思っていました。だから今回も歌メロはダメでした。が、反面Gtメロは凄く良かった。GtメロはREIN XEEDのトミー・レインエクシードがやっているので私と相性が良いんですよね。 なので、一言で言うと「地味な歌メロを我慢して流麗なGtソロに酔う」と言う感じでした。 前作よりかは歌メロも良くなっていると思いますが、それでも私から言わせればまだまだなレベル。ぶっちゃけるなら歌メロもトミー君に作曲してもらいたい(明言はされてないけど、絶対クリスチャンが歌メロ作曲してると思う)。それならREIN XEEDと同じになっちゃうけどそれでいい。それがいいんです。 お気に入りは「Can't Slow Down」。まさしく「歌メロ×、Gtメロ◎」な1曲。Gtソロなんかはゾクゾクするほどカッコイイんだけど、歌メロは大した事無いっす。 特別好きじゃないんだけど、何故か気になっちゃうバンド。私にとって彼らはそんな存在。 |
5150 (ゴウイチゴウマル) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディックスピードメタル |
![]() 四季楽典 / 2010年作 / 85点 |
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同人業界で活躍している音楽サークルによるオリジナルアルバムの1枚目。ちなみにローマ字にすると「GOUICHI」なので、ここに位置しています。 普段は同人ゲーム「東方プロジェクト」などのカヴァーアルバムなどを出してるらしいのですが、本作は完全オリジナル。帯に「燃えよ大合唱メタル」と書いてあり、その通りのRhapsody Of Fire系のクサいシンフォニックメタルを聞かせてくれます。疾走感も抜群です。 意外だったのがVoです。私はてっきりアニメ声優系の女性Voだと思っていたのですが、たくましい男性VoとV系Voの2タイプで歌われており、これでかなり敷居は下がっていると思います。ジャケットこそ思い切りアニメ調ですが、SEもほとんど無いですし、純粋なメタルアルバムとして聞く事が出来ました。 ただいくつか残念な点もあります。一つはサウンドが軽い事。公式HPを見る限り、GtとBaは本物のようですが迫力不足ですし、何よりDrが打ち込みなのが残念でなりませんでした。本当、Drがマシーンってだけで一気に迫力が落ちますからね。 そしてもう一つが先ほど書いたVoです。はっきり言って上手くありません(汗)。歌えてはいますが、これがもっと歌える人だったら印象もかなり違っていたと思います。 とは言え、クサすぎるメロディで大爆走する様は実に気持ちが良く、上記の欠点を補って余りある出来映えだと思います。それに同人アルバムなんで安いんですよね(700円!)。 お気に入りは「Soul of Brave -1000 years ago-」。デスVoも登場するアグレッシブな1曲。でもサビになると一転してクサメロ爆発のシンフォニックメタルになるのが面白いです。 最近はディスクユニオンとかでもこういった同人アルバムが売られるようになりましたね。嫌と思う人もいるかもしれませんが、結構面白い作品もあるので私はOKです。 |
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![]() 四季楽典 第二章 / 2011年作 / 83点 |
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オリジナルアルバムの2枚目。 基本路線は変わっていませんが、サウンドがかなり垢抜けており、一言で言うとスッキリしています。クドいほどの大仰さ(というかドタバタ感)はやや“なり”を潜めてしまった感がありますが、その分非常に聴き易くなっており、個人的にこれはOKです。 が、メロディのインパクトは前作の方が高かったように思います。最大の原因はバラードが3曲入っているという事。どれも悪くはないですが、凄く良いとも言えない出来でして、なもんで疾走曲で気分が盛り上がってもバラードで萎えてしまうんですよね‥‥。 またVoもアクが抜けてしまい、ちょっと個性が無くなってしまったように感じました。女性Voも可も無く不可もなくって感じ。何だかより万人受けを狙う為に強烈な個性を脱ぎ去ってしまったよう。もっとも、それが良いか悪いかはなかなかに難しい問題ではありますが。 お気に入りは「愛国者達の大行進〜わが祖国よ永遠なれ〜」。サビのコーラスが物凄くRhapsody Of Fireっぽい。まあ、完全に意識してやってるんでしょうけど。 ちなみに、前作同様ジャケットは完全にアニメ調ですが、内容と合っているとはお世辞にも言えないと思います(汗)。個人的にはRhapsody Of Fireみたいなのが良いと思うんですが、ああしないと同人業界じゃ売れないんかな‥‥。 |
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![]() 神竜物語 / 2012年作 / 75点 |
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たぶんオリジナルの3枚目。違ってたら誰か指摘して下さい。 基本的にはこのサークルらしい典型的なメロスピ、シンフォニックメタルです。ただ、前作がバラードなどもあったりと、ともすれば「バラエティ豊か」と言えそうな感じだったのに対し、本作は徹底的に疾走曲ばかりで極めて潔い構成だったと思います。 が、今回はちょっとメロディが弱かったかな〜。特に前半に微妙な出来の曲が多かったと思います。後半になると若干盛り返してきますが、7曲しかないんで、復活する前に終わってしまいました‥‥。 お気に入りは「喜びの歌を 〜聖域より告ぐ〜」。サビが爽やかで素敵でした。 お金が出来たら打ち込みではなくて、全部生音でやってほしいですね。きっとそれだけでもかなり印象は変わるんじゃないかと思います。 |
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![]() 四季楽典 最終章 / 2013年作 / 70点 |
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オリジナルアルバム4枚目。 第二章からメロスピ一辺倒とは言えないバラエティ豊かな品揃えになっていましたが、本作も曲毎のカラーはかなり異なります。プログレッシブな展開を見せる長大な曲、勇ましくアグレッシブな曲、切ないバラード、ブラックメタルチックな曲、妙に明るいポップス寄りの曲、などなど‥‥。大仰なクワイアなどは曲によってあったりなかったりしてます。また、Voが6人もおり、それぞれカラーに合った歌を歌っています。 結論から言うと、こんなにバラエティ豊かじゃなくてもいいんじゃないか、と思います。Voも1、2人に減らして、方向性ももっと絞った方が印象は良かったと思います。同人CDに対してこんな辛辣なモノ言いをするのも野暮だと思いますが、個人的にはVoが1〜2人しかいなくて方向性が定まっていた第一章が一番良かったかな、と感じました。 お気に入りは「人形」。切ないメロディと心地良く疾駆する勢いが好きです。 どうやら「四季楽典」シリーズはこれで終わりのようですが、次はどういう形で来るのか、興味は尽きませぬな。 |
GOTTHARD (ゴットハード) |
出身地‥‥スイス ジャンル‥‥メロディアスハード |
![]() HOMERUN / 2001年作 / 80点 |
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スイスのボンジョビの異名を取るメロハーバンドの6枚目。 ボンジョビとは言うものの、こちらはメロハーと言われるように美しいメロディがメインであり、激しさはボンジョビの方が遥かに上。 ただ、アコギを使ったナンバーやスケールの大きなバラードなら、こちらの方がいいかと思います。 しかし、やはりハードさが無いのは痛い‥‥。フェア・ウォーニング程凄いメロディがあるわけでもなく、そんなに激しくもなく、心奪われるはずのバラードもちょっとオイラの好みと違う‥‥。世間では最高傑作と言われてる本作ですが、私のツボを微妙に半音ズレてたみたいです。というか、和みすぎ。 お気に入りは「LIGHT IN YOUR EYES」。本作中、最も哀愁を感じるナンバー。個人的にはこういうのがもう2曲は欲しかった。 |
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![]() HUMAN ZOO / 2003年作 / 83点 |
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7枚目。 前より若干ハードになっており、またバラード系もヴァイオリンを使ったり、フォーキーなメロディを使用したりとバラエティに富んでいて、前感じた「爽やかすぎて消化不十分」ってのは無くなりました。 哀愁だだ漏れの「TOP OF THE WORLD」、ヴァイオリンがいい味出しすぎの「JANIE'S NOT ALONE」なんかはメチャ気に入りました。しかし、やはりバラードが多すぎて、中盤以降中だるみを起こしてしまうのが何とも歯痒い‥‥。 個人的にバラードってのは1枚のアルバムの中に3曲あればいいと思うんですけどね。 |
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![]() LIPSERVICE / 2005年作 / 80点 |
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8枚目。 珍しく頭3曲がハード系という構成にまずびっくり(笑)。本作は私が今まで聞いた中でも最もハードナンバーの多い作品です。 まあ、そのハードナンバーもサビが寂しく、しかもどれもテンポが同じなので、ずっと聞いてると飽きが来ますが、バラードばかりだったこれまでと比べると緊張感もあります。ただ、哀愁は減りましたが。 お気に入りは「DREAM ON」。エアロスミスのカヴァーじゃないですよ。ハードかつ哀愁を感じるナンバーです。 3枚まで聞いて思った事。確かにボンジョビには勝てんわ‥‥。 |
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![]() DOMINO EFFECT / 2007年作 / 90点 |
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9枚目。 私の中で彼らは「悪くはないけど、特別凄くもないロックバンド」というイメージでした。しかし、本作を聞いてそれを訂正しないといけないな、と思い知らされました。 今までで最もスケールの大きなサウンド、へヴィなGtサウンド、スティーブ・リーのソウルフルな歌唱、そして耳から離れないメロディ、間違いなく過去最高の作品だと思います。 本作はとにかくバランスが良い。これまでの彼らはバラードが多すぎるという気がしていましたが、本作はハードナンバーが多く、しかもそのどれもがキャッチーなメロディを持っている為、全体的にロックな印象が強く、バラードがいい感じで映えてるんです。 ハードナンバー「Master Of Illusion」、「Domino Effect」。バラードナンバー「Falling」、「Letter To A Friend」などと筆頭に(って数じゃないけど)、どれもシングル並みの秀逸な出来です。「Come Alive」なんて一風変わった感じで面白かったです。 お気に入りは上に書いたヤツ。甲乙つけがたい出来やんした。 雑誌「Burrn!」で「何故これが売れないのか不思議だ」みたいな事が書かれて高得点をマークしてましたが、本当そうですよね。BON JOVIが売れてどうして彼らは売れないんでしょうか? プロモーションが悪いのか? とにかく、メロディアスなハードロックが聞きたいなら手に取るべし! |
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![]() NEED TO BELIEVE / 2009年作 / 86点 |
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記念すべき10枚目。 前作のあまりの充実さに「さすがにあれを超す事は出来ないだろう」と思っていました。そして予想通り、超える事は出来ませんでした。 とは言え、切れのある演奏に分かりやすいメロディと言った、彼らのカラーは本作でもしっかり出ており、これから聞いたら相当高評価を出していたと思います。前作があまりにも良すぎたんですって。 ズッシリとした重厚感が良い「Shangri La」、スケールのデカいバラード「Need To Believe」、カッコ良くドライブする「Right From Wrong」などは前作にも負けない程のレベルの高さを有しています。 特にお気に入りは「Right From Wrong」。凄くBON JOVIっぽいですが最近の彼らよりもよっぽど良いですわ。 ようやく日本でも認められ始めたと思った矢先、まさかのスティーブ・リーの事故死‥‥。彼に代われる逸材を見つける事が出来るのか、それとも解散なのか、気になる所です。 |
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![]() FIREBIRTH / 2012年作 / 65点 |
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11枚目。 スティーブ・リーの死によって一時期存続が危ぶまれていましたが、ニック・メイダーという新しいVoを迎えて見事復活を遂げました。 まず、このニック・メイダーというVo、スティーブに凄く声が似ています。1曲目を聞いた時「これスティーブじゃないの!?」とビックリしたほどです。歌唱力も十分でこれでVoの不安は無くなったと言っていいと思います。 が、本作は楽曲がよろしくない。ブルージーな曲が大半を占めており、前作、前々作のような華やかな雰囲気はありません。メロディも極めて地味なものが多く、せっかく良いVoを見つけたというのに、これでは意味が無いように感じます。まあ、復活作でド派手な作品を作るのは躊躇われたのかもしれませんが、むしろ復活だからこそド派手に行ってほしかった。 お気に入りはスバリ無し。最後までiPod行きになる曲を見つける事が出来ませんでした。 アルバム単体で見るとダメダメでしたが、新Voは素晴らしい逸材だった、という事を証明したという意味では重要だったかも。次作はもっともっと派手に行って下さい! |
GRAND MAGUS (グランド・メイガス) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() WOLF’S RETURN / 2003年作 / 55点 |
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SPIRITUAL BEGGARSにも席を置くソウルフルシンガーJBがVo・Gtを務めるドゥーム・ブルーズ・トリオの3枚目。私は「ドゥーム」というジャンルには詳しくはないのですが、某ネット辞典によると重々しく遅いメタルの事を指すらしいですな。 このバンドは正にそんな感じでテンポの速い曲は一切無く、デロ〜ンとしたベースを主軸とした地面1センチメートル辺りを這いつくばってそうなメタルをやっています。 とは言え、Gtリフはしっかりしてカッコイイし、JBのVoは相変わらずソウルフルなので、恐らくドゥームと名のつくバンドの中では比較的聞き易い方だと思います。 ‥‥まあ、それでも私の嗜好には程遠かったですが。 お気に入りはありません。‥‥いつになったら見つかるのかも分かりません。 |
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![]() IRON WILL / 2008年作 / 86点 |
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4枚目。 何でもこれまでも段々とドゥームからは遠ざかっていたらしいですが、それでも私は3枚目までは受け付けませんでした。しかし本作からは一気に正統派メタル度がアップ。IRON MAIDENばりのGtリフ、どの曲にもある印象的なGtソロ、アップテンポなDrなど、メタルらしさが全開になっており、ドゥームファンは残念かもしれませんが、個人的には大歓迎の方向転換です。 いや、しかし聞いてて気持ちが良い作品ですね〜。とにかくシンプルだけどメタル魂がメラメラと燃えだすGtリフが良いんです。「The Shadow Knows」のGtリフなんてヤバいでしょ。これ聞いて何も思わないメタラーがいたら、お友達にはなれないです(笑)。 それ以外にも漢を感じさせるGtソロが良い「Silver Into Steel」、後半4分が無意味だけど壮大なスケールで描かれる「I Am The North」など、佳曲が目白押しです。 過去のようなベースがメインとなるダウナーな曲もちょっとあり、それらは捨て曲ですが、拾える曲の方が多かったです。 男臭いヘヴィメタルが好きな人は是非聞いてみて下さい。それとジャケットがカッコイイです! |
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![]() HAMMER OF THE NORTH / 2010年作 / 60点 |
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5枚目。 前作が正統派メタルアルバムとしては非常に良好な出来栄えだったので、本作にも結構期待していたんですが‥‥残念ながら、その期待に答える事は出来ませんでした。 方向性は一切変わっていません。ミドルテンポ主体の超正統派ヘヴィメタルです。では、何が「期待外れ」だったのか、それはもうメロディに他なりません。はっきり言って「地味過ぎ」です。 よく「どこがサビなのか分からない」と文句を言う事はありますが、本作はそうではありません。しっかりとサビがどこかは分かります。しかし、そのサビが悲しくなるくらい地味なのです。「そこで半音上げてくれよ!そうすればイケるのに!」というようなサビメロが笑えるほど続いちゃってくれるんです。それとリフも前作に比べると工夫不足な感じで、ヘドバンを誘うほどのリフはありませんでした。 お気に入りは無し。本当にね、悲しいくらい1曲もありませんよ。 どうしたんだっ! 何故こんなに地味な作品になっちまったんだ‥‥。次こそは頼むよ! |
GRAVE DIGGER (グレイヴ・ディガー) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥正統派ヘヴィ・メタル |
![]() THE LAST SUPPER / 2006年作 / 80点 |
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ドイツのベテランバンドの12枚目。デビューは84年。 古くから今でもしっかり活動しているバンドは(ビッグネームを除き)、大抵音楽性を変えていないものですが、彼らもデビューから変わらぬ(と思う)普遍的なヘヴィメタルをやってます。 ガリガリとしながらも時にメロディアスなGt、ミドル主体ながらドスドスと突き進むDr、雄々しいVo(クワイアあり)、とヘヴィメタルとは何ぞや? という答えがこのアルバムにはあると思います。無茶な疾走もしないし、無茶なソロも無い。Keyも無いし、ハイトーンでもない。真っ当、堅実、普通、みたいな言葉ばかりが出てきそうな作品なんですが、聞いててとにかく気持ちが良いんです。 突出したキラーチューンこそありませんが、捨て曲もありません。まあ、あのダミ声で歌われるバラードだけは勘弁してほしいと思いましたが、アップテンポな曲はほぼ全てクールで格好良いと思いました。 お気に入りは「THE LAST SUPPER」。タイトル曲かつ、イントロに続く2曲目。本作の中ではかなりトロい曲なんですが、メロディアス、かつ雄々しいコーラスがたまらなく好きです。 |
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![]() LIBERTY OR DEATH / 2007年作 / 78点 |
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13枚目。 まったく変わっていません。特徴的なVoが雄々しく歌う、超正統派へヴィメタルです。 楽器はどれも文句は無いですし、音質も全く問題無し。となると、あとはメロディが好みかどうか、がネックになってくると思いますが、正直微妙です。 いや本当ね、センスはあると思うんですよ。ただ、私はクリス・ボルテンダールの歌う:がなる=3:7の声がどうにも好きになれず、ぶっちゃけ「うっさいだけ」に感じてしまうんです。 前は初聞きだったんで個性的とか思ったもんですが、流石にずっと聞いていると疲れてしまいます。多分、このVoが日本で受けない理由だと思うんですけどね。これがラルフ・シーバーズみたいな声だったら人気も出ただろうに。 お気に入りは「Ocean Of Blood」。ガリガリと突き進むテンポがカッコイイです。このVoが好きって人と話がしてみたいです。 |
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![]() BALLADS OF A HANGMAN / 2009年作 / 78点 |
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14枚目。 相も変わらずの道をひた走っています。まあ、今更変化があるとは誰一人として思ってないですけどね。 雄々しいメロディ、無骨なサウンド、聞く人を選ぶクリス・ボルテンダールのダミ声‥‥全てが不変で、正直これ以上書くネタがありません。これまでが好きなら損はしないし、これまでがダメならやっぱりこれもダメです。 曲の充実さも前作とあまり変わらないのがちょっと残念ですが、もうどうこう言う気はありません(笑)。 お気に入りは「Pray」。彼らにしては珍しいくらい「ロックンロール」なGtリフが印象的な1曲です。あとMotorheadの「Overkill」のカヴァーもカッコ良かったです(ただこれは元が良いからかもしれませんが)。 死ぬまでこの路線を続けていって下さい。 |
GRAVE WORM (グレイヴワーム) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディックデスメタル |
![]() AS THE ANGELS REACH THE BEAUTY / 1999年 / 85点 |
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イタリア出身のメロディックデス/ゴシックメタルバンドの2枚目。 アルバムの順番に並べてはいますが、私がコレを聴いたのは実は8枚目の後で、更に2012年にリマスターされたバージョンです。まあ、オリジナル版聞いた事無いんで比べられませんけど(汗)。 さて、このバンドは海外では分かりませんが、少なくとも日本においては本アルバムと次の3枚目が特に高評価です。8枚目まで聞いて、私もそう感じています。キーボードやヴァイオリンをフルに使ったシンフォニックなメロデス/ゴシックメタルは、幻想的で悲哀とクサさに満ち溢れており、実に美味。泣き喚くようなデスVoもこの音楽性に合っていると思います。疾走感はありませんが、この甘美なメロディの前にスピードなどどうでもいい気すらしますね。むしろスローなテンポだからこそ良いんだと思います。 メロディのインパクトで言えば次作の方に軍配が上がりますが、本アルバムも非常にメロディアスで聴きやすいのでお勧めです。 お気に入りは「A Dreaming Beauty」。このバンドらしさ100%の曲。これを1発目に持ってくるのが素晴らしいです。 |
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![]() SCOURGE OF MALICE / 2001年作 / 88点 |
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3枚目。 前作と同じく、キーボードやヴァイオリンなどを多用した幻想的なメロデス/ゴシックメタルです。 メロパワのような高揚感を感じるメロディではなく、ゴシックらしい陰鬱なモノではありますが、私が今まで出会ってきたゴシックバンドの中でも非常に分かりやすいメロディを持っている部類だと思います。アイアン・メイデンの「FEAR THE DARK」をカヴァーしてるのも面白くていいですね。最初聞いた時はとてもそうだとは思えませんでしたけど。 お気に入りは「Unhallowed By The Infernal One」。後半の咽び泣くヴァイオリンメロが超秀逸です。 |
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![]() ENGRAVED IN BLACK / 2003年作 / 80点 |
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4枚目。 前に比べるとシンフォニック度が弱くなり、メタル度がアップしました。Gtもソリッドになり、ゴシックというよりかはトロいブラックと言った方がもしかしたらいいかもしれないですね。十分メロディアスではあると思いますけど。 んがしかし、前作に比べるとややメロディにも「クサさ」が無くなったようにも感じます。雰囲気は分かりますが、Keyが減った事により「荘厳さ」が少なくなったんです。それがいいか悪いかは人次第ですが、個人的には前の方が好きです。 お気に入りは「DROWNED IN FEAR」。バックのギターはほとんどブラックですが、これはこれで格好良いっす。最後の最後で疾走するのもいいね。色々と文句言いましたが、私がこちらの系統で好きになるバンドってあんまり無いんで、これからも応援していきたいです。 |
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![]() [N] UTOPIA / 2005年作 / 87点 |
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5枚目。 前作はシンフォニックから、Gtオリエンテッドな方向に大きくシフトした為か、少々メロディーに哀愁が足りない感じがしてました。本作はGtオリエンテッドには変わりないですが、この路線での彼らなりのアプローチがしっかり完成してると思います。 随所に薄くしかししっかりとKeyで盛り上げながら、Gtのザクザクとしたリフで、絶望感、悲壮感、そして美しさを演出する事が出来てると思うわけですわ。 特に今回はKeyの使い所が実に絶妙で素晴らしいと思います。「NEVER ENOUGH」、「TIMELESS」、「WHICH WAY」の3連コンボはヤバい。サビでファー(?)っと使われるKeyがたまらんです。 どの曲も4〜5分にまとめる手腕も良いと思うし、一撃のキラーは過去作品の方に軍配が上がりますが、トータルな出来としては最高だと思います。 お気に入りは上記した3曲。羽虫に体中を食われながら心地良い眠りに落ちて逝きそうな感じがします(笑)。 |
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![]() COLLATERAL DEFECT / 2007年作 / 73点 |
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6枚目にしてようやく日本デビューとなりました。 4枚目辺りからKeyではなくGtが目立つようになってきましたが、本作は更にそれが進み、Keyは完全に脇役となっています。勿論、それなりに出番はありますが。 ゴシックらしい妖艶なメロディは本作でも健在ですが、雰囲気までそうかと言われるとちょっと「?」です。Gtはしっかりとリフを刻み、スピード感もそれなりにあります。ぶっちゃけて言うならメロデスみたいな感じになってるんですよね。初期のIN FLAMESみたいな感じ(違うか?)。 これはこれでカッコイイし、全然ダメって事は無いんですが、私はやっぱり3枚目辺りのシンフォニックで淫靡な雰囲気が好きです。もっとKeyとか使って物憂げな雰囲気を出してほしいんだけど‥‥もう無理っぽいな。 お気に入りは「Bloodwork」。変化したのが如実に分かる1曲。なんと疾走してます。せっかく日本デビューしたのに残念。ってか、変化したから日本デビュー出来たんですかね? |
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![]() FRAGMENTS OF DEATH / 2011年作 / 83点 |
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1枚飛ばして8枚目。 日本デビュー作となった6枚目が、あまりにも私の希望していたものと違っていた為、しばらくご無沙汰してましたが、近くのお店で安く売っていたので「1枚空けてあるし、少しは元に戻ってるかな?」と思って購入したのですが、うんうんなかなか良いね! 確かにまだまだGtがメインでアグレッシブな雰囲気が強く、私の望む初期の「耽美で退廃的なゴシック寄りのデスメタ」には戻っていませんが、それでもガリガリ一辺倒だった前作に比べればかなり原点回帰しているかと思います。 「Absence Of Faith」のピアノの旋律、「Living Nightmare」や「See No Future」でのクサいメロディ、東日本大震災をテーマとした「Anxiety(不安の中で)」の女性Voなど、このバンドらしい退廃的な美しいメロディを堪能する事ができました。 お気に入りは「See No Future」。サビで流れるメロディのクサい事クサい事。クサいって書いたの久しぶりだなぁ(笑)。やっぱりクサいのっていいよね。 おそらくもう完全に初期の頃に戻る事は無いと思うので、この辺りのバランスでずっと続けていってほしいなと思います。 |
GRIM REAPER (グリム・リーパー) |
出身‥‥イギリス ジャンル‥‥正統派ヘヴィ・メタル |
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![]() ROCK YOU TO HELL / 1987年作 / 70点 |
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80年代に活躍した超正統派メタルバンドの3枚目。 ジューダス・プリースト、アイアン・メイデンからの影響モロだしの超正統派メタルで、強烈なハイトーンVoはハルフォードらを連想させます。 最近の疾走系は無く、ミドル〜アップテンポメイン。へヴィメタルの音をそのまま体現する楽曲の数々はリアルタイムで経験してない私としては、「ふーむ、イケてんじゃん!?」な感じ。何だかんだ言ってしっかり歌えてるVoもいいし、フックのある楽曲は、バラエティこそ全然無いけど、良い感じ。世間じゃあダサい事この上ないんだろうけど、好きな人は大好きなんだろうなぁ、と感慨深くなりますね。 お気に入りはタイトル曲でもある「ROCK YOU TO HELL」。 |
GUARDIANS OF TIME (ガーディアン・オブ・タイム) |
出身地‥‥ノルウェー ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
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![]() MACHINES OF MENTAL DESIGN / 2003年作 / 60点 |
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ノルウェー出身のメロスピバンドの2枚目。あんまり面白くないなぁ。 Keyを使わない若者達がやってる音楽はかなりジャーマン臭いメロスピです。 で、適度に疾走しつつ、二本のGtが叙情的なメロを奏でつつ、まぁまぁ悪くないVoが歌うという、まあよくあるパターンです。 しかし、曲の幅が全然無く、どれも同じに聞こえます。そして、これが一番の問題ですが、印象的なメロが皆無です。ノストラダムスとタメを張れる弱メロはある意味凄い。ミュージシャン目指すならもうちっとメロ作りを頑張りなはれ。楽器とかはよく出来てるんだから。 前から名前だけは知っていたので手を出してみましたが、これはダメです。サイレント・フォースの3枚目なんか聞いた後だったので、余計つまらない。というわけで、あまりお勧めはしません。お気に入りも無し。 |
GUNS N’ ROSES (ガンズ・アンド・ローゼス) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥ハードロック |
![]() APPETITE FOR DESTRUCTION / 1987年作 / 86点 |
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80年代最強の衝撃と呼ばれた5人組バンドの1枚目。言わずもがな、ですな。 音楽性はエアロスミスをもっともっと悪ぶらせたような、超王道ハードロック。最大の特徴は2点。 一つはアクセル・ローズによる超独特のハイトーン。「人を馬鹿にしてるのか!」と言われても仕方ないような、ミョウチクリンなハイトーンは一度聞いたら忘れられません。 そしてもう一つは、現在ベルベット・リボルバーで活躍しているスラッシュによる、終始弾きまくられるGt。この二つが無ければ、ガンズとは呼べんでしょう。 で、私は正直アクセルのVoはあまり肌に合わないんですが(下手とか以前の問題だよね)、とにかくスラッシュのGtはあまりにも格好良い! ただ、聞く前の想像と違って、意外な程しっかりと演奏されてるのはちょっと残念。何でもレコード会社の意向をシカトして好き放題やったらしいですが、もっと馬鹿っぽい出来だと思ってたんですよね。まあ、それでも格好良いとは思いますけど。 お気に入りは意外や意外、「MR.BROWNSTONE」。「WELCOME TO THE JUNGLE」とかも当然好きですが、横ノリリズムがいいんですわ。ロック好きなら聞いてて当たり前ってなアルバムですが、一応書いておきました。今なら安いし、持っておきましょうや。 |
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![]() USE YOUR ILLUSION T / 1991年作 / 83点 |
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3枚目。91年作。これと同時に発売された「U」が合わせて3000万枚以上売れて、ロック界の頂点に達した事を知らないロック好きはいないでしょう。 音は今までと変わらず。ただ、Keyが入り、それが終始ポロンポロンとブルーズチックなメロディーを奏でている為、前(1枚目)よりもかなりブルーズ色が濃くなっています。また、乱暴なまでにロックンロールなナンバーも減り、正直かなり落ち着いちゃったなぁ、とか思いました。‥‥これが1500万枚以上も売れたとは‥‥時代とは分からんもんやね。 お気に入りは「DON’T CRY」。マイナーなメロディが素晴らしいバラード。これ、名曲やね。 |
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![]() USE YOUR ILLUSION U / 1991年作 / 85点 |
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んで、4枚目です。2枚合わせて1セットと思ってもいいかな。 個人的にはこっちの方が好きです。理由はこっちの方が気に入った曲が多かったから(笑)。 ガンズの中では一番好きな骨太のミドルナンバー「CIVIL WAR」。ライナーを見るまでボブ・ディランのカバーとは知らなかった「KNOCKI’N ON HEAVEN’S DOOR」。とまあ、そんな感じ。 ただ、相変わらず全体的に落ち着いてる感じは変わらないので、感想そのものはそんなに変わりません。 ここまで3枚書いての結論。私、あんましガンズって好きになれなかったり。。ベルベット・リボルバーの方を応援します。 |
GYZE (ギゼ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディックデスメタル |
![]() FASCINATING VIOLENCE / 2013年作 / 87点 |
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日本のメロデスバンドの1枚目。「ガイゼ」じゃないからね! インタビューで一番影響を受けたバンドに、かの激クサデスメタバンドSERPENTの名を挙げており、その直系とも言えるクサいメロディ満載のメロディックデスメタルをやっています。 バラード一切無し、竜頭蛇尾爆走しながら鼻が曲がりそうなクサメロを撒き散らしています。ただ、金太郎飴状態には(微妙に)なっておらず、デスラッシュのような曲があったり、サビでノーマルVoを使ったりと、それなりに変化を持たせています。こういう軟派な姿勢であっても、それなりの出来になってしまう辺りに、彼らのポテンシャルの高さを感じますね。 しかしクサいね! 私はこのアルバムと一緒にTHOUSAND EYESの「BLOODY EMPIRE」も買ったんですが、甲乙付けがたいクサさを持っていると断言してもいいです。THOUSAND EYESが「中堅の巧の技の応酬」なら、こっちは「若い新人の滾る情熱」と言った感じです。 音質も良いし、Voも噛み付くようにカッコイイし、メロデスが好きな人だったら絶対に満足できると思います。 唯一の欠点はサビがノーマルVoタイプの曲の攻撃力がやや弱いという事。ノーマルVoのメロディがちょっとだけ弱いな、と思いました。あくまでこのアルバムの中では、ですが。 お気に入りは「Desire」。一発目を飾る最強ナンバー。いやぁ、クサすぎっしょ、このGtメロディは! お母さん! 鼻栓無いの? と冗談はさておき、期待の有望株だと思います。SERPENTみたいに消えないでアルバム作ってね! |
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![]() BLACK BRIDE / 2015年 / 85点 |
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2枚目。 前作と同じ、激烈にクサいメロディをブチかますメロデスです。 ちょっと反則だとは分かっていますが、私は先に3枚目の方を聴いてしまいました。それで思ったのが「音が良くない」という事。全ての音がギュウギュウに詰め込まれてる感じで、緩急が無いんですよね。目立たせたい音を立たせ、そうでない音は一歩下がらせると言ったバランスがあれば文句無かったんだけどなぁ。3枚目でそれがクリアされているだけに残念です。 とは言え、目玉である異臭騒ぎを起こすクサさは十分健在。それを楽しむのが目的ならばご飯5杯はイケると思います(笑)。さっきの音質が云々って話は贅沢な悩みなんです。美女が更に美人になりたいって言ってるのと同じですw お気に入りは「INSANE BRAIN」。超爆走&超クサい。まさしく彼らならではの一撃必殺の1曲です。 |
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![]() NORTHERN HELL SONG / 2017年 / 94点 |
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3枚目。 さて、方向性は特に変わらず、爆走するクサメロデスです。前作に比べると演奏が非常にタイトになっており、かなり聞きやすくなったと思います。終始爆走というわけでもなく、Keyを聞かせる場面や、トーンダウンして泣きのGtを聞かせる場面などもあり、緩急がついたと感じました。これも「聞きやすさ」の要因の一つかな。 そして、彼ら最大のポイントである「リードGtによるクサメロ」ですが、1枚目よりも更に威力を増しています! もはやデスVoがおまけと思えるくらいGtが完全に「メイン」になっており、そのGtが紡ぐメロディのクサい事! 鼻がひん曲がるどころかもげる勢いww こりゃ先輩であるSERPENTを完全に凌駕してると言って良いと思います。しかも悶絶するクサさがありながらも、同時にシッカリと「カッコいい」んだから、凄いよ。いや、しゅごぉぉい! って所だなww 他の特徴と言えば、本作は「アイヌ」の用語が使われており、タイトルの「NORTHERN」も北海道の事なんだとか。その影響なのか、何曲かは日本語で歌われていたりします。が、パッと聞いた感じ全然分からなかったというのが面白いww デスメタルだからそんな事はどうでもいいのさww 欠点は前述したように「Voがおまけというくらい目立ってない」という事。歌えてないわけではないんですが、とにかくGtがあまりにも目立ちすぎて耳に入ってこないんですw 個人的にはデスメタルであろうともVoは大事だと思っているので、もう少し前に出しても良いかなと思います。 お気に入りは「Horkew」。最初から最後までひたすらにクサメロをまき散らす爆走ナンバー。正直、この1曲だけで、このアルバムを買う価値があると思います! |
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![]() ASIAN CHAOS / 2019年 / 87点 |
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4枚目。 前作では、彼らの出身である北海道を意識した楽曲が並んでいましたが、本作は更にスケールアップし、「日本」をアルバム全体のテーマとしています。その結果、和楽器の使用や、和を意識したメロディがふんだんに使われており、海外のメロデスバンドとは一味違う“日本産”のオリジナリティが感じられる内容になっています。 相変わらずクサメロは十分に堪能できるし、疾走感も抜群です。演奏技術もプロダクションも一切文句はありません。ここまで優れたメロデスアルバムを作れるバンドはそういないと思います。ただ、結論から言うと、前作には及ばないと感じました。 最大の理由は「和にこだわりすぎている」という事。前作の北海道色は主にタイトルや歌詞程度で、曲自体は北欧色が濃かったのに対し、本作の「和」への意識は相当なレベル。歌詞には日本語が踊り、メロディもハッキリ言って「和ばっかり」です。故に後半は「くどい」と感じる事もありました。和の要素は半分程度にして、他はこれまで同様北欧メロデス路線の方が、メリハリがついて良かったのでは? また、時折入るノーマルVoも要らなかったかな。普通にデスVoオンリーの方がカッコ良かったと思います。 お気に入りは「Dragon Calling」。本作で最も「これまで」の色が濃い1曲。これにも和の要素はたっぷり入ってますけどね。 あと、X JAPANの「Forever Love」のカバーが入ってるんですが、これは完全に蛇足。何故バラードをアップテンポにした? やるなら、Voを全部Gtに代えて泣き泣きのバラードにすべきだったと思います。 なんか文句の方が多くなっちゃいましたが、優れたアルバムである事は間違いないと思いますよ。 |