KALMAH (カルマ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() SWAMLORD / 2000年作 / 84点 |
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ノーサーと共にチルボドに続く新世紀メロデスバンドの1枚目。 その音楽性はKeyキラキラのメロデス。適度な疾走と共にツインGtがザックザク泣くタイプです。声はかなり弱めです。ノーサーよりもチルボドっぽいかな。 各楽器は凄くうまいし、2本のGtもかなりのテクニシャン(スラッシュぎみのGtがここまで心地良いバンドはそういないでしょ!)。Keyも只者ではない風格を示しています。終始メロメロな音を聞かせてくれるし、最近のメロデスが好きな人だったら、まず間違いなく気に入ると思います。 で・す・が! 私はどーもハマれなかったです。何故か? それはサビが面白くないから。メロスピは勿論、メロデスでも大事なのはサビ。このバンドはAメロ、Bメロなんかとサビの境界線が非常に曖昧で、聞いていて「どこがサビ?」って思うんです。 終始良いメロを奏でるけど、中の上くらいのメロを最初から最後までやられても困る。盛り上げる所は一気に盛り上げて欲しい。絶対にそう出来る才能はあると思うし。 お気に入りは「USING THE WORD」。早い曲ではないんですが、ギターメロがモロ私好みでした。まだ1枚目ですから、次に期待です。 |
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![]() THEY WILL RETURN / 2002年作 / 86点 |
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2枚目。 基本路線は一切変わり無し。ただ、多少のメンバー変更があった模様で、前に比べると若干Keyの出番が増え、全体的にアグレッシブになったと思います。 しっかし、このバンドは相変わらずサビがどこなのか分からない曲を作るな。サビよりもむしろAメロの方が印象に残るってのは、個人的にはどうかと思うんだけどなぁ。 でも、レベルそのものはやっぱし高い! Gtではなく包丁だったら間違いなく分子レベルの刻みネギが出来る事確定のGtリフや、壮大さを3倍くらいにしてるKeyは見事と言う他無いわ。 お気に入りはタイトルナンバー「THEY WILL RETURN」。この驚異的な音の炸裂っぷりは失禁確実っしょ! いまいちハマれないってのがオイラの意見だけど、出たら聞かずにはいられません(笑) |
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![]() SWAMPSONG / 2003年作 / 87点 |
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3枚目。 ……変わってない。サビメロをどうにかしてほしいって思ってたのになぁ。彼らはこれで完成だと思っちゃてるみたいですね。だから、ノーサーに比べて日本の知名度がいまいちなんじゃないのかな? 声の弱さも原因かもしれないですけど。 でもまぁ、「これで完成!」って言ってもいい程のレベルではある事は確かなんだよね。その他大勢のB級メロデスバンドとは一線画す凄さとカッコよさはあるもん。でも、もっとこの国で売れたいなら、研究の余地ありだと思います。 お気に入りは「TORDAH」。この曲はサビが凄くはっきりしてる。で、そのサビでとんでもない早弾きを披露するツインギターがカッコよすぎる! これは名曲! 曲の流れをうまくする技術さえ身に付ければ、チルボドに並んでもおかしくない逸材だと思います。今度こそ次回に期待! |
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![]() THE BLACK WALTZ / 2006年作 / 90点 |
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とうとうやったな! 的な気持ちの4枚目。 基本路線は変わらないものの、大きな変更点が3点ほど。 @、Voのスタイルが叫びから重低音のグロウル声に変わった。 A、Keyが変わり、前のシンセ音から大仰なシンフォスタイルになった。 B、ほとんどの曲がアップテンポ。 で、総括しますと、間違いなくこれまでで最高の作品です。 スピード、アグッレッシブさ、そしてメロディー、全てが最高レベルだと思います。特に良いのはやはり新しいKey。チルボドのヤンネチックにいい所でジャンジャン! とキメるのもいいし、Gtだけではどーも煮え切らない(とオイラは思う)楽曲に素晴らしい彩りを添えてます。 アンティ兄弟のメロディーセンスもこれまでの中で最高。音を大きくしたら耳が切り刻まれるであろうスラッシュ的Gtサウンドも実にナイス(これは前からだったけど)。 お気に入りは「THE GROAN OF WIND」。ミドルナンバーですが、これほどクサいナンバーはカルマん中じゃなかなか聞けないよ。あー、GtもKeyもたまんねー。 有名バンドがどんどんモダン化していく中、北欧メロデスを支えられるのは君達とノーサーしかいない! と応援したくなる程の名盤だと思います。 |
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![]() FOR THE REVOLUTION / 2008年作 / 87点 |
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5枚目。基本的には前と同じ路線です。このバンドはまったくと言っていい程モダン化しないですね。素晴らしいと思います。 若干の違いと言えば、前に比べると若干音作りや展開がシンプルになっており、聞きやすくなっているかなと思います。スピード感が結構落ちていますが、このバンドの場合、それが低評価にはならないと思います。 ただ、メロディに関して言えば前の方が良かったかなと思います。ミドルはどれも印象的なメロディを配した秀逸な出来栄えなんですが(「Dead Man's Shadow」とか「Ready For Salvation」とかはかなりお気に入り!)、早めの曲がこのバンドの悪癖と言うべきかサビがどこなのかいまいち分からないパターンが多いんです。頭から尻尾までなかなかに悪くないと思うんですが、私はABメロは地味でもいいから、サビでは爆発してほしいと思っているのでちょっと辛かったです‥‥。 お気に入りは前述した2曲。どちらもミドルなんですが、最近のAMORPHISみたいな絶望的なまでに美しいメロディが堪能出来ます。 ちょい愚痴も言ってしまいましたが、高品質な作品である事に間違いはないです。最近ここまでストレートな北欧メロデスを聞かせるバンドもなかなかいないので頑張ってほしいと思います。 |
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![]() 12 GAUGE / 2010年作 / 90点 |
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6枚目。 前作はメロディは健在でしたが、若干大人しくなってしまいました。それも嫌いではなかったのですが、本作は再びアグレッシブさを取り戻しており、感触的には「THE BLACK WALTZ」に非常に近いものになっています。 本作の特徴と言えば、何と言っても「ソロ」でしょう。Gtソロにしろ、Keyソロにしろ、異常な程やたらめったら弾きまくられており、どの曲にも瞬きを忘れるほど圧倒されるソロがぶち込まれています。 そして、過去最高に「詰め込まれた」内容です。上記のソロもその内の一つですが、どの楽器の凄まじい程のテクニックを持っており、そしてそれを最初から最後までフルスロットルでぶちかましている為、軽いノリで聞いてもその情報量を理解出来ないと思います。しっかり身構えて正座して聞いて、初めて「奥深さ」が理解出来ると(少なくとも私は)思います。 が、それであっても「初期COBの進化した姿」と形容されるモダン化される事の無い分かりやすい抒情メロディ、一聴しただけで「これはカッコ良い!」と思えるフレーズがしっかりと配されており、このバランスは本当見事だと思います。 強烈なメロディが爆発する「One of Fail」や「Bullets Are Blind」、前作があったからこそ成り得た「Better Not To Tell」、珍しくシンガロングを誘う「Hook The Monster」、今の彼らが奏でる音楽の全てが詰め込まれた「12 Gauge」など、捨て曲ほぼ無し! やっぱり彼らは凄いです。 お気に入りは上に挙げましたが、強いて言えば「One of Fail」。このサビは反則、んでもってソロも反則的にカッコ良い! 久々にメロデスで名曲に出会えました。 相変わらず素晴らしいですね。ライブがあったら絶対に行くんですけど、なかなか来ないのが残念です。 |
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![]() SEVENTH SWAMPHONY / 2013年作 / 86点 |
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7枚目。「セヴンス・シンフォニー」じゃないですよ、「セヴンス・スワンフォニー」ですからね! いつもと変わらない、決してモダン化せずにクサメロを撒き散らす王道メロデスを行っています。本作も爆走ナンバーはたくさんありますが、前作ほど猛烈なアグレッションは無く、(ほんの少しだけ)落ち着いた印象を受けました。まあ、そう感じる最大の理由は「One of Fail」のような必殺の1曲が無かったから、なんですが。 今までの彼らが好きならば、本作も大満足する事間違い無しだと思います。ただ、言った通り、前作ほどのパワーは無いので、その辺りはご了承くださいませ。あと、これはもしかしたら私だけかもしれないんですが、音質が微妙に悪くなってません? 特にGtとDrの音は前作の方が絶対に良かったと思うんですけど、気にせいかな‥‥。 お気に入りは「Seventh Swamphony」。出だしの強烈なブラストにはたまげましたが、メロディは彼ら以外の何物でもなかったです。 これからも同じ路線でお願いします。早く来日してよ! 行くからさ! |
KAMELOT (キャメロット) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE FOURTH LEGACY / 2000年作 / 88点 |
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アメリカ、フロリダ出身のエキゾチックメロパワバンドの4枚目。これがアメリカのバンドとは思えない程に北欧の匂いがします。 バンド名からしても分かるようにインド、エジプト辺りを感じるエピックな音楽で「NIGHTS OF ARABIA」なんて曲もあります。スピードもそんなに速くないし、超絶テクがあるというわけではないんですが、思慮深く練りこまれた楽曲は非常にドラマチックです。 まずVoが非常に上手い。ハイトーンが凄いというのではなく、艶っぽく感情的な歌い方をするんです。これがまた他の北欧バンドには無い「味」があるんです。 それと楽曲の数々。捨て曲らしいものが無く、どれも粒揃いで素晴らしいんです。これほどの曲を疾走に頼る事無く作れるのは彼らだけかと思います。 お気に入りは「UNTIL KINGDOM COME」。ほとんど疾走しない中で唯一の疾走曲。こういうのも作れるって事はやっぱりこの人達才能あります。 |
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![]() KARMA / 2001年作 / 90点 |
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5枚目。基本的な路線は変わらず、よりグレードアップした感じです。 ヴォーカルのロイ・カーンも馴染み、すっかりキャメロット節を作り出しています。他の楽器もより整合性がとれ、まとまりが出たように思います。今回は曲名でピックアップしてみましょう。 まずはイントロの次の怒涛の2曲。「Forever」と「Wings of Despair」。スピード感は無いんですが、しっとりと歌うカーンに乱舞するGtがいいです。 そして、マニアの涙腺を刺激してやまないのが「Don‘t You Cry」。切ないアコギと咽び泣くカーンの声が絡んで、最高に美しく、そして悲しいです。間違いなくこのアルバム最高の曲です。 他にもタイトル曲「Karma」のキーボード炸裂のサビ。「The Light Shines on You」もいい曲です。 今回怒涛曲は無いんですが、このバンドの売りはそこじゃないですし、メタル史上例を見ないしっとり系ヴォーカルによって、このバンドは一流になりましたね。名盤です。 |
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![]() EPICA / 2003年作 / 87点 |
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満を持してだされた6枚目。期待通りです。 今回はコンセプトアルバムで、曲の間にSEなどが入っています。楽曲の方は相変わらずのしっとり声に多少のアラビア要素の入ったメロパワで、相変わらず怒涛の疾走曲はありません。 つまり、前と変わっていません。前が好きならSEが入っていようが何だろうが好きにはなれると思います。 世間ではこちらの方が人気があるようですが、私は前の方が好きだったりします。全体的にシェイプアップして良くなったとは思いすが、1曲1曲のメロの良さは前の方がいいと思うんですよね。いくらラプソのルカが加勢していようとも、私は前の方が気に入っています。 お気に入りは「Lost&Dammnd」です。サビでのカーンの声の色っぽさは最高です。 |
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![]() THE BLACK HALO / 2005年作 / 88点 |
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7枚目にして最後のコンセプトアルバムなんだそうです。 雑誌なんかでは「へヴィでプログれった」なんて言われてますが、基本的な路線には変わりないです。生オーケストラを使ったり、色んなゲストを使ったりしていますし、へヴィでプログレな雰囲気も十分にありますが、まぁキャメロットが作ってる時点でもう彼らの音楽なんですよね。 カーンの声はより艶を増し、全体的により奥深い作品に仕上がっています。オーケストラもラプソディとは言わないものの、かなり重厚なモノになっていてGOOD。他のバンドがコーラなのに対してこのバンドは高めのコーヒーのような深い味わいがあります。それゆえ、初心者は「疾走少なめNO」とか言いそうですし、玄人も最初聞いた時点ではその最高の味を知る事は凄く難しいと思います。ですが、聞けば聞く程味が出てきて、ランクの上がる作品だと思います。 お気に入りは「WHEN THE LIGHT ARE DOWN」と「SENADE」。「MOMENTO MORI」も非常に味わい深いですが、前者2曲の方が即効性があります。 ここに来て完全な孤高の位置にまで来たと思います。単純なシンフォメタルやメロスピに飽きた人こそ「傑作だ」と言うような、レベルの高い作品です。今はこんな点ですが、時間が経てば90点台もイケそうですよ。 |
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![]() GHOST OPERA / 2007年作 / 85点 |
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8枚目。 エキゾチックかつ思慮深いドラマ性をしっとりと演出する孤高のヘヴィメタルは本作でも健在。 ただし、コンセプトから解放された割にはあまりにも変わらなさすぎる為、「EPICA」くらいから気になり始めていた「ドラマ性を際立たせる為に犠牲にしたキャッチーさ」や、「いまいちノリにくいリズム」などが妙に鼻についてしまったり‥‥。 十分ハイクオリティな作品ではあると思うんですが、キャメロットなら前のキャッチーさを取り戻すくらい簡単に出来るんじゃなかろうかと期待しちゃうんですよね。「NIGHT OF ARABIA」とか「KARMA」みたいな曲がもう一度聞きたい‥‥。 お気に入りは「SILENCE OF THE DARKNESS」。本作中最大の疾走曲。こういう単体でも十分に楽しめる作品を満載にしてほしいんだけどなぁ。染み付いてしまったドラマ性をそぎ落とすのは難しいのか‥‥。 |
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![]() POETRY FOR THE POISONED / 2010年作 / 85点 |
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9枚目。 これまでと大きく変わらず、細部まで徹底的に作り込まれたドラマチックなヘヴィメタルです。今回も気合入りまくりであまりにも美しく想像力を刺激するジャケットから始まり、全4曲で構成された組曲「POETRY FOR THE POISONED」などの完成度の高さも凄まじいです。 もはやそこらへんのシンフォニックメタル勢が束になっても敵わない程のレベルの高さが伺えますが、残念ながら欠点も前作から見事に引き継がれています。 それはやっぱり「キャッチーな曲が少ない」という事です。ドラマ性を演出しすぎるあまり、曲単体の魅力に乏しいんですよね。1分台が3曲、2分台が1曲あり、それら「繋ぎ」を要する事自体、曲単体では成り立たない事を示しており、個人的にそういうのはあまり好きじゃありません。だってiPodでシャッフルして聞けないじゃん。 「Once Upon A Time」という典型的な彼らの曲もありましたが、過去の名曲「Center Of The Universe」や「Karma」に匹敵するまでには至っていませんでした。 お気に入りはその「Once Upon A Time」。こういうのをもっと増やしてほしい。もしくは単体で楽しめるミドルナンバーをお願いします。 これでキャッチーさが身につけば、日本でも絶対「大」ブレイクすると思うんですけどねぇ。残念だ‥‥。 |
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![]() SILVERTHORN / 2012年作 / 83点 |
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ついに大台の突入した10枚目。 看板シンガーであったロイ・カーンがなんと脱退!彼はこのバンドの紛れもない「顔」だったので、これを知った時は愕然としました。 そんな中発売された本作ですが、これがまたビックリ。新しいVoのトミー・カレヴィックが非常に上手く、ほとんどダメージが無いんです。というかこのトミーさん、明らかにロイの歌い方を意識してますね。でもそれがしっかり様になっちゃってるから凄い。 楽曲の方はトーマスさん(Gt)がいるので、特に変わり無し。妖艶でハイクオリティなメロパワです。ただ、最近の作品は「雰囲気」を重視するあまり歌メロなどがややオザナリになっていた感がありました。それを反省してか、本作の楽曲はどれもなかなかに勢いがあります。が、残念な事に歌メロはあまり進化していない。サラッと聞くと悪くないんだけどしっかり聞くと微妙に感じるというか‥‥。まあ一言で言うと「KARMA」や「EPICA」の方がうんと良かったね(汗)。どちらにしろ、歌メロはまだ地味のままだったなな、と感じました。 お気に入りは「Sacrimony (Angel Of Afterlife)」。イントロに続く2曲目。こういうのが来ると「おおっ、今回は凄くいいんじゃね?」って思っちゃうよね(笑)。 総括すれば、「Voが変わっても特に変わり無し」と言える作品でした。とりあえずVo問題は解決されたので、次は‥‥何だろ。よく分かんないや。 |
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![]() HAVEN / 2015年作 / 77点 |
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11枚目。 前作から加入したVoトミー・カレヴィックもすっかり板についた感がありますね。わざとなのか素なのかは分かりませんが、それくらいロイ・カーンに似ていて上手いという事です。 楽曲的には特に大きくは変わらず「妖艶な雰囲気のある高品質メロディックメタル」です。前作はやや勢いのある曲が多かったですが、本作もそんな感じで、雰囲気一辺倒ではないと思います。 ただ、個人的には少しストライクゾーンから外れており、イマイチだなと思う曲が多かったです。「Fallen Star」「Citizen Zero」「Liar Liar (Wasteland Monarchy)」「Revolution」とか雰囲気とかは凄く好きなんですが、メロディがどうもドスン!と来ないんですよね‥‥。KAMELOTは往々にしてそういう傾向があるんですが、本作は特にそう感じました。 お気に入りは「Veil Of Elysium」。アルバム「Ghost Opera」の「Silence Of The Darkness」的な感じの一曲。ってかリズムがソックリなんだよねw |
KARELIA (カレイラ) |
出身地‥‥フランス ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() USUAL TRAGEDY / 2004年作 / 84点 |
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フランス出身のメロパワバンドの1枚目。ジャケはメッチャ格好よいです。 さて、彼らの音楽はゴシック・メロパワと呼ばれていて、ちょっと珍しいです。新人のくせに疾走に頼る事無く、じっくり、しかも物悲しいドラマを聴かせようとしています。 確かにメロパワなんですが、そのドラマがやたらと暗い話の為、結果的にゴシックのような暗い音楽になってしまったんですな。 各演奏陣はしっかりしています。特に男のくせに3オクターブ出るというVoの人に脱帽です。オペラチックに歌ったと思ったら、突然ハイトーンで歌ったりするんだもん。凄いよ。 やろうとしている事は非常にいいんですが、ちょっとまとまってない感じもします。次の作品で完璧なモノを備えてくる可能性あり。期待しましょう。お気に入りは「Letter For An Angel」。一番分かりやすいです。 |
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![]() RAISE / 2005年作 / 84点 |
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2枚目です。 前作と同じく高揚感をまったく感じさせない、悲壮感漂うゴシック色の濃いメロパワなんですが、前に比べてよりシンフォニック度がアップし、代わりにスピード感、メロパワ度が下がりました。雰囲気などを満喫したい方はいいですが、ストレートなメタルを望んでいる人にはやや厳しい内容かな? Voは前よりも聞きやすくなり、メタル度は減ったものの、各楽器もうまくなっています。まぁ、問題はそこではなくメロディだと思うんですが、前の「悲壮感」「悲しみ」「絶望」と言った感じが好きだった人はこれも好きになれると思います。個人的にこの進化は悪くはないと思うんですが、やっぱもう少し早めの曲がほしい所。 キャメロットの「ザ・ブラック・ヘイロー」と同様に「味わいのある作品」ではあるんですが、キャメにはそれでもキャッチャーさがあった為、疾走曲がそれほどなくても聞けたんです。んが、彼らはキャッチャーさがまったく無いので気合を入れて聞かないとちと辛い。 ただ、一度でもトランス状態(?)になってしまえば、極寒の中で失意の内に息絶えていく男の気持ちになれますので、そういう意味では、凄い作品と言えるかも。 お気に入りは「CHILD HAS GONE」。子供が消えていくって嫌な意味ですが、情感溢れるいい曲ですよ。 玄人向けですが、出来はいいので聞いてみては? |
KELLY SIMON'S BLIND FAITH (ケリーサイモンズ・ブラインド・フェイス) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() SIGN OF THE TIMES / 1998年作 / 84点 |
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キリー・サイモンズなる純粋な日本人による自主制作アルバム1枚目。 その音楽性はイングヴェイに通じるネオクラ。しかし、ド派手にかまそうとするインギーに比べ、彼はかなり落ち着いているのが特徴。ハープシコード調のKeyと相まって、美しさが全面に押し出されています。 とにかく綺麗です。これほどまでに綺麗な音楽を奏でられる人が自分の国にいたとは思わなかった;; 声はハイトーンではなく、囁くような穏やかな声。それが更に音楽を荘厳で華麗なものにしています。自主制作盤ですが音は非常に良く、教会のテラスで踊る天使が見えます。 しかし! 全体を通して聞くとやや地味な感じがします。綺麗なのは十分に分かりますが、どうも一歩突き抜けるものが無いんですよね。小さくまとまりすぎているような気がするんです。私がもっと歳をとっていたら、もっと評価は高かったかもしれません。 お気に入りはタイトルインストの「SIGN OF THE TIMES」。終始疾走する激烈インストです。こういうのをもう少し増やしてほしかったなぁ。 |
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![]() THE RULE OF RIGHT / 2002年作 / 88点 |
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めでたく出ましたメジャー第2弾。何でも世界デビューしたみたいっす。ってか、メジャー1枚目はまだ未聴;; 基本路線は変わらずクラシカルなGtとキラキラKeyが落ち着きながらも乱舞するタイプ。しかし、前はややロック色が濃かったのに対して、今回は明らかにメタル寄り。Gt、Key共にかなり出番が増えており、全体的に早く派手になりました。 前はGtメロなどは良かったものの、歌メロが地味なものが多く印象が薄かったですが、今回はそちらも改善されています。疾走曲はド派手にかまし、バラードでもピアノが乱舞するなど、とにかく音の隙間が無くなり、「聞いてる!」って充実感が得られます。インストナンバーが減ったのもその一因かもしれないですね。 お気に入りは「STILL」と「NOW YOU TURN」。前者はピアノが美しすぎるバラードナンバー(英語版、日本語版両方あり)。後者は前では考えられなかった大疾走メロスピ。こういうのも出来るんだね! |
KIKO LOUREIRO (キコ・ルーレイロ) |
出身地‥‥ブラジル ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() NO GRAVITY / 2005年作 / 80点 |
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ブラジル至宝・ANGRAのGt、キコ・ルーレイロ初のソロ・アルバム。 オールインストゥルメンタルで、Dr以外は全てキコがやっています。DrはMASTERPLANのマイク・テラーナ。 本作はヘヴィメタルらしい疾走チューンから、ジャズやラテン系リズムを取り入れたリズミカルなナンバー、フュージョンっぽいフワフワした(?)ナンバーまで、幅広いジャンルが取り揃えられています。 私はテクニック至上主義ではなくメロディ主義なんですが、そんな私でもビクビクと来る圧倒的なテクニックはお見事。しかもテクのひけらかしに終わらない緩急の効いた楽曲、メロディも大事にした構成、とインストアルバムの中でも非常に聞きやすいアルバムだと思います。 「これにエドゥの歌メロがあればな〜」と思う曲も無くは無いですが(「Moment Of Truth」とか)、それを差し引いても、実に見事なGtインスト作品だと思います。 お気に入りは前述した「Moment Of Truth」。歌メロ部分をGtがやってるんですが、いつかANGRAのボートラとかに歌入りで入れてほしいです。 ANGRAに興味が無くても、聞いて損無しです。 |
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![]() FULLBLAST / 2009年作 / 75点 |
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3枚目。 2枚目はジャズ志向が強いらしいのでスルーしております。で、本作ですが、相変わらずメタル・ロックに拘らない幅広い音楽をキコが類稀なるギターテクで披露しています。歌物は一切入っていません。 うーん、やっぱりキコは上手いですね〜。ラファエルと共にANGRAの屋台骨を支えるだけの事はあります。しかし、正直な事を言わせてもらうなら、「聞くだけメタラー」である私にとってはギターの高度なテクニックなどどうでも良いのです。肝心なのは印象的な、心躍るメロディがあるかどうか。その点で言えば、本作は1枚目と何ら変わっておりません。後退もしていませんが、前進もしていません。 確かにカッコイイメタル曲もありますが、それと同じくらいしんみり聞かせるジャズチックな曲もあり、そちらはあまり触角が動きませんでした。この比率が変われば評価も変わるんですが、それはきっとキコ本人の意向とは違うんでしょうね‥‥。 お気に入りは「Corrosive Voices」。一番メタルしている曲。最近のANGRAの間奏部分なんかで聞けそうなスリリングな展開がたまりません。 ギターのテクまで知っている方なら必聴盤。でも、聴くだけメタラーでも買う価値ありの作品です。 |
KILLSWITCH ENGAGE (キルスウィッチ・エンゲイジ) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メタルハードコア |
![]() ALIVE OR JUST BREATHING / 2002年作 / 80点 |
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アメリカ出身のメタルハードコアバンドの2枚目。これが新しい時代の流れなのかもしれません、な1枚です。 「メタルハードコア」というのは何でも「ヘヴィメタルの叙情性と、ハードコアの激しさを足したもの」だとか。ただ、私は「ハードコア」と呼ばれる音楽をあまり知りませんので、そんな私なりの解釈で言えば「パンテラ+アークエネミー」って所でしょうか。 なんかいまいち例えにくい音楽なんですけど、悪くはないです。アークエネミーみたいなデスラッシュ系が好きな人なら聞いて損は無いと思います。ただ、まだまだメロディが好みではなかったのが残念です。 お気に入りは「SELF LOVORUTION」。サビのノーマル声もいいし、時たま泣くギターがいいです。 |
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![]() THE END OF HEARTACHE / 2004年作 / 90点 |
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3枚目。 基本的な路線は変わりません。相変わらずゴリンゴリンのリフに、ちとスローなテンポ。迫力満点のデスと叙情的なノーマルの使い分け。ハードコアなのかメタルなのかも相変わらずよく分かりません。 でも、前に比べてぐっとメロディアスになったと思います。特にノーマルVoでのメロは前に比べると段違いでよくなりました。この声の質が如何にもハードコアっぽく思うんですけど、どうですか? 個人的にはもっとスピード感がほしい所なんですけど、どうもMA勢はスピードよりもリフを重視するんですよね。でも、このバンドにはそれは求めません。ザクザク刻まれるリフは確かに格好良いし、体が切られるような感じはするんです。それを体感するのがこのバンドの楽しみ方なんですよね。 お気に入りは「ROSE OF SHARYN」。スピード感の無い中で、唯一シンプルに疾走するナンバーです。かと言ってリフが疎かになっているわけではないです。これは名曲っすね。 MA勢の中では一番好きなバンドです。これからも頑張ってくださいっす。 |
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![]() AS DAYLIGHT DIES / 2006年作 / 85点 |
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4枚目。 思い返せば、私にとって初めての「メタルハードコア」は彼らでした。ディスクユニオンお茶の水館の試聴器で聞いた時は「こ、これが新世紀のへヴィメタルだ!」と、思ったもんです。 さて、そんな素晴らしい3枚目の次ですが、本作も大変素晴らしい出来です。メタルハードコアらしい肉食系のガリガリ感とハワード・ジョーンズの最高にカッコイイデス&ノーマルVo、そしてスッと胸に染みる叙情的なメロディ。最近のメタルハードコア系は積極的にメロディを取り入れてますが、代わりにガリガリ感を失ってしまうケースが多い。その点、やっぱりオリジネイターは上手くバランスが取れており、格の違いを見せつけてくれます。 ただ、前作より良いか? と言われると残念ながらYESとは答えられません。本作も十分メロディアスですが、前作の方が良かったと思います。また、後半に行くに従ってスピード感がどんどん落ちていくので、最後まで気合が持続しないのが残念でした。 お気に入りは「THIS IS ABSOLUTION」。歌メロが最もキャッチーなナンバー。後半にもこうのがあればなぁ。 文句も言いましたが、彼らを聞かずしてメタルハードコアを語るなかれ! |
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![]() KILLSWITCH ENGAGE / 2009年作 / 73点 |
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バンド名をアルバムタイトルに持ってきた5枚目。アメリカでは初登場で5位をマークしたんだとか、凄いね! 基本路線はまったく変わっておらず、彼ら流のメタルコアが全編ぎっしりと詰め込まれています。色々と手を変え、品を変えるバンドが多い中で笑えるくらい変化が無いのは大変良い事です。 が、正直に言うと今回は少々バラエティが狭いように感じました。ガリガリと突き進みサビでトーンダウンで流麗なメロディを聞かせるというパターンがずっと続き、しかもそのメロディがどれもこれもイマイチ‥‥。 私が生まれて初めて聞いて心の底からビビった「Rose Of Sharyn」のような一撃必殺の曲も無く、ちょっと消化不良でした。 お気に入りは「This Is Goodbye」。典型的な彼らの曲。でもそれがカッコ良い! 既に「型」は完全に出来上がっているので、後は良いメロディの曲が生まれるのを待つだけなんですけどね〜。次に期待! |
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![]() INCARNATE / 2016年 / 70点 |
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1枚飛ばして7枚目。 Voがハワードが病気療養の為に脱退、初代Voのジェシー・リーチが再び出戻っています。 で、肝心の出来ですが‥‥なんかつまらんな。骨組み自体はいつものKSEなんですが、歌メロもリフも全体的に地味でイマイチ記憶に残らない。ボーッと聞いてるとただただガリガリやって吠えてるだけな気がしてきます。言い過ぎかな(汗)。 何なんだろうな、こういうの。言った通り、いつものKSEと言えばその通りなんだけど、つまらない以外の感想が出てこない。全体的にダークで疾走感が無いというのも、当然理由としてはあるんだろうけど。私の耳がちょっとやそっとのメロディじゃ満足しなくなったのか、彼らのアイデアが枯渇してきたのか‥‥。 お気に入りは「Until The Day」。サビの時のGtメロディが爽快で良いです。‥というか、これ以外に気に入った曲が無かった‥‥。 他人事みたいな言い方するけど、難しいもんだね、ずっと続けるのって。 |
KINGFISHER SKY (キングフィッシャー・スカイ) |
出身地‥‥オランダ ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() HALLWAY OF DREAMS / 2007年作 / 77点 |
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WITHIN TEMPTATIONの元Dr率いるシンフォニックメタルバンドの1枚目。多分、これって日本じゃあんまし売りにはならんよね‥‥。 さて、多くの人がWITHIN〜のような音楽をイメージするかと思いますが、実際はかなり方向性が異なっており、ファンタジックな雰囲気はほとんど無く、BLACKMORE’S NIGHTをちょっとだけへヴィにさせたような牧歌的な色合いの強いメタルをやっています。 キャンディス・ナイト嬢似の女性Voによって歌われるメロディは農村に住む娘が淡い恋を歌うかのように素朴でたおやかな世界です。私は何故か「ゲド戦記」を想像してしまいました。スピード感は皆無に近く、Keyによる派手な装飾よりもアコギや笛などで小さくまとめられています。 WITHIN〜やへヴィメタルそのものを期待すると思いきりコケますが、これはこれで非常に味があり、中毒性を持っていると思います。リーダーのせいかもしれませんが、Drリズムが妙にハマるんですよね。 ただ、キラーチューンらしきものが見当たらないので、何度も聞きたくなるんですが、印象には残りづらいかなとも思います。 お気に入りは「HER WHITE DRESS」。「彼女の白い洋服」、そう確かにそんな感じの曲です(意味分からんって?)。 メタルとは言い難い音楽ですが、BLACKMORE’S NIGHTが好きなら聞いて損無しだと思います。 |
KING OF ASGARD (キング オブ アスガード) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥ヴァイキングメタル |
![]() Fi'mbulvintr / 2011年作 / 77点 |
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スウェーデン出身のヴァイキングメタルバンドの1枚目。 Keyを用いない硬派なスタイルのヴァイキングメタルで、伝説のヴァイキングメタルバンドMITHOTYNの元メンバーがいたりします。雰囲気的にはISTAPPに良く似ていて、雄々しいデスVoと抒情的なGtで鬱蒼としたヴァイキングワールドを展開しています。 国内盤が出ただけあって音質も良く、楽器陣に特に問題はありません。特に迫力のあるVoと生々しいDrが大変良いですね。 が、肝心のメロディがイマイチ弱い。雰囲気は凄く良く出てます。メロディも決してダメダメというわけではないのですが、イマイチ突き抜けていない。具体的に言うと、結構ブラックメタル寄りが部分が多く、私が期待していたヴァイキングメロディはちょっと少なかったように感じました。もっともっと印象的なメロディを用意してほしかったかな、と思います。こう考えるとMITHOTYNのリーダーだったステファン・ヴァイナーホールのメロディセンスってやっぱり凄かったんだな、と思います。 お気に入りは「The Last Journey」。冒頭の女性Voが大変素晴らしい。こんなメロディばっかりを期待してたんだけどなぁ。 苦言も言ってしまいましたが、ヴァイキングメタラーなら聞いて損はしないと思いますよ。 |
KISSIN' DYNAMITE (キッシン・ダイナマイト) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥正統派ヘヴィメタル |
![]() ADDICTED TO METAL / 2010年作 / 88点 |
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ドイツ出身の超若手メタルバンドの2枚目。2枚目なのに、メンバーの平均年齢はまだ20歳以下というから驚きです。 便宜上、何かしらのジャンルをつけなくてはいけないと思ったので、正統派ヘヴィメタルとしました。実際、彼らの根底にあるのは普遍的なヘヴィメタルである事は間違いないと思います。ザクザクとしたリフ、ハイトーンもこなすVo。しかし、それでありながら歌メロはWIG WAMのようにキャッチーで、曲によってはCRAZY LIXXのようにハードロックであったりと、曲の振り幅は実に広く、これはきっと歳をとったおっさん達では出来ない芸当だと思います。 とまあ、けったいなモノ言いをしてしまいましたが、とにかく曲の充実度はハンパじゃありません。ウド・ダークシュナイダーがゲスト参加した「Addicted To Metal」、キャッチーすぎる「Run For Your Life」や「Hysteria」、「We Want More」。メタリックな「All Against All」など、捨て曲はほとんどありません。ここまで充実したアルバムを聞いたのは久しぶりですよ。 お気に入りは‥‥全部! どれもシングルカットOKな出来です。 いやぁ、完全にダークホースでした。これでまだ20歳以下とは信じられません。これから更に枚数を重ねていけば、いずれとんでもないアルバムを作ってくれるんじゃないかと思います。超期待の新人です! |
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![]() MONEY, SEX & POWER / 2012年作 / 80点 |
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3枚目。 方向性自体は変わっておらず、ノリの良いロックチューンからメタリックなナンバーまで勢いよくぶっ飛ばしています。 では今回は何故前作に比べると8点も点数が低いのか。それは「メロディ」に他なりません。今回は前作の充実度に比べるとどーにも今一歩という感じがしました。また、前作がどちらかというとメタリックなナンバーが多めだったのに対して、本作はロックナンバーの比率が大きい。故に湿り気のあるメロディが弱くなっており、これが点数の低下に繋がりました。 あと、これは本当に個人的な意見になるんですが、タイトルに「MONEY」とか「SEX」とか入れないでほしいですね。急に安っぽくなってしまう感じがするんです。特に「SEX」はやめてほしい。エッチだからっていうんじゃなくて、大抵「ヤリてえんだ!」みたいなくだらない歌詞になるからです。‥‥でも「Sex Is War」は結構良い歌なんだよなぁ。タイトル最悪だけど。 お気に入りは「Going All In」。一番「ヘヴィメタル」してると感じた1曲。こういう湿り気のある曲ばっかりにしてほしいんだけどなぁ。 |
KIVIMETSAN DRUIDI (キヴィメトサン・ドルイディ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ヴァイキングメタル |
![]() SHADOWHEART / 2008年作 / 80点 |
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フィンランド出身のヴァイキングメタルバンドの1枚目。久々のジャケ買い作品です。しっかし読みにくいバンド名だ(汗)。 TURISASとFINTROLLを足して、そこに可憐な女性Voを加えたフォークメタルをやっています。 ツインGtとKeyで終始クサいメロディを垂れ流しながら、時折ブラストも入れる程の疾走感を持っており、上記バンドの他ENSIFERUMやKORPIKLAANIなんかが好きな人にも受けそうな分かりやすさがあります。 しかし、日本盤は出ていません。よくよく冷静になって聞くとそれも頷ける箇所がチラホラと‥‥。 まず、曲構成が複雑でどこがサビなのか分かりにくく、通して聞いてもなかなか単体で印象に残りません。また、この手のバンドで女性Voをフロントに添えるのは大変珍しいですが、まだまだ説得力に乏しく、添え物的な感じが否めません。 そんなVoも含め、楽曲をもっとストレート&カッチリとさせれば日本盤デビューも難しくないと思います。(Drの音の改善も頼みます)。 お気に入りは「Burden」。爆走しながらピ〜ヒャラ〜と笛のようなKeyが乱舞しまくするサビがステキすぎます。 まだまだ若そうなバンドなのでこれからに期待出来そうです。 |
KIUAS (キウアス) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE SPIRIT OF UKKO / 2005年作 / 80点 |
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メタル名産地フィンランド出の1枚目。ちなみにバンド名はサウナの中にあるストーブの名前なんだそうです。 音楽性ですが、これがまた実に斬新です。最初に1曲目を聞いた時は「メロデスか?」と思えるようなアグレッシブメロディなのに、そこに乗るのは完全なクリーンVo。よく「これでVoがクリーンだったらメロパワだ」なんて言われるメロデスがいますが(インペラノンとか)、このバンドはまるで逆。これでVoがデスだったら、完璧にメロデスです。 しかし、珍しいからと言ってそれだけでOKと言うわけではなく、歌メロが地味なのが多く、アグレッシブだけが目立っている感じを受けました。勇壮さは感じますが、ブラガ、アイアン・セイヴァーなどに比べるとかなり地味です。 お気に入りは「WARRIOR SOUL」。これが一番分かりやすいメロディだったかな。 やろうとしている事は格好良いと思いますが、あと一歩。次の作品でどう化けるのか、とても気になりますね。頑張ってください! |
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![]() REFORMATION / 2006年作 / 70点 |
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2枚目です。 1枚目はそれなりに注目されていたと思うんですが、2枚目は何だか地味〜に出ましたね。 基本路線は変わらずデスメタみたいなメロディーに普通Voが乗るスタイル。既に一度聞いてるので目新しさはありません。 さて、肝心のメロディーですが‥‥時折ビビッと来るものもあるものの、半分近くが捨て曲。つまり、そこもあんまし変わってないって事です。 個人的にはもっともっと印象的なメロディーとかを増やしてほしいんですけどね‥‥。 お気に入りは「THE NEW CHAPTER」。これが一番いいかな。 ずっとこんな調子ならいずれ日本盤が出なくなる可能性ありっす。。 |
KORPIKLAANI (コルピクラーニ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥フォークメタル |
![]() SPIRIT OF THE FOREST / 2003年作 / 85点 |
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フィンランド出身のフォークメタルの1枚目。「SPIRIT OF THE FOREST」(森の魂)というタイトルなのに邦題が「翔びだせ!コルピクラーニ」ってな感じにされちゃう程色々とネタにされてますが、決して侮れないと思います。 ポルカメタルと呼ばれ異彩を放っていたフィントロールと同系列で語られるであろうフォークでトラッドな要素が満載のメタルが彼らの身の上。 終始、森の悪魔に取り付かれたかのように疾駆しており、Gtなどもかなり前に出てメタルらしさもあるんですが、特筆すべきはヴァイオリン、フルート、アコーディオンなどの民謡メロディを奏でる楽器の異常なまでの出番の多さ。 Gtを食う程にこれでもかと「チャララ〜」と掻き鳴らされる民謡メロディは常に陽気で、でもたまにキュッとなるような哀愁さを持っており(特にインストは笑い無しで感動出来ます)、強烈な即効性と、彼らが単なるお笑いバンドではないという才能を感じずにはいられません。 お気に入りは「GOD Of WIND」。爆走する曲の中でひたすら咽び泣くアーコディオンがいい味出しすぎです。 フォークメタルというジャンルを極端なまでにディフォルメすると彼らのような音楽になるんでしょうね。そういう音楽が好きな人は聞くと死ぬね(笑)。 |
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![]() VOICE OF WILDERNESS / 2005年作 / 90点 |
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2枚目。邦題は「荒野のコルピクラーニ」(笑)。 基本路線は変わらないものの、疾走感、陽気さが倍増しになっており、哀愁さこそ減ってしまいましたが、オリジナリティは完全なものになってます。 相変わらずデスなのかただ唸ってるだけなのか微妙なVoは好みではないんですが、もはやお笑いでは済まされないクオリティの高さは見事です。 お気に入りは「PINE WOODS」。民謡メロディーが悶絶に次ぐ悶絶でたまらない超爆走ナンバー。正直、オイラはインストナンバーの方が好きだったりします。 |
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![]() TALES ALONG THIS ROAD / 2006年作 / 90点 |
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3枚目。邦題「世にもコルピな物語」(もういいんじゃね?)。 前作を更にブラッシュアップさせた内容で、相変わらずアコーディオン、笛、ヴァイオリンなどは大活躍しています。Vo入りはどれも爆走に次ぐ爆走。一方インストでは思慮深いフォークメタルを聞かせています。 どれも似たような作風なので、一気に聞くとどれがどれだかまるで分かりませんが、もはや「この曲が‥」とか言うレベルではなくなってる気がします。 お気に入りは「RISE」。徹底的に爆走、そしてチャララ〜、です。 おそらく、このバンドは解散するまでこの路線だけで行くんでしょうね〜。 |
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![]() KORVEN KUNINGAS / 2008年作 / 83点 |
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5枚目。‥‥ってあれ、1枚聞き逃してる!? と、4枚目をスルーしてしまう程何も変わっていません。歌メロ、リズム、曲展開、全てがおおいなるマンネリ化の真っ只中にあります。まあ、もう彼らはこれでいいんだと思いますけど。 でも、私の意見はと言うと流石に飽きてきました。彼らの作るメロディって陽気だけどドラマチックではないんですよね〜。もっと切なさが感じられるメロディを作ってくれれば、私も大満足なんですけどね。あとVoが歌ってるのか叫んでるのか分からない。どちらにしても今ではちょっと中途半端なので、歌うならもっとしっかり歌ってほしいって気もします。‥‥期待するだけ的外れだとは重々分かっておりますよ。 お気に入りは「Kipumylly」。これくらい物悲しいメロディの方が私は好みなんです。 |
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![]() KARKELO / 2009年作 / 80点 |
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6枚目。 ‥‥書く事がありません。メタル界は頑固な人が多いので、何枚アルバムを出そうとも変わらない人ってのが結構いますが、彼らもその中の1つ。 本当にまったく変化がありません。「陽気なフォーキーメタル」はここでも完全に健在です。無理矢理違いを探しだすとすれば「ちょっと疾走曲が減った」って事くらいでしょうか? マラソン程度の曲が多く、昔のように「もうどの曲がどれなのか全然分からない」という事は無くなっています。今は「普通に」分かりません(汗)。 個人的にはやっぱりもう少し哀愁が欲しいです。陽気過ぎて、いまいちハマれないんですよね‥‥。ちなみに私の中で彼らの最高曲は「Pine Woods」です。これに勝る曲はありません。 で、このアルバムのお気に入りは「Mettanpeiton Valtiaalle」です。珍しく6分くらいある大曲ですが、アコーディオンのメロディが好きです。本当、これくらいがいいんだよな〜。 |
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![]() UKON WACKA / 2011年作 / 83点 |
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7枚目。 これまでの作品に比べるとメタル楽器が前に出ており、リフにしろリズムにもしろタフになった印象があります。またバカみたいに爆走する曲がほぼ無くなり、全体的にファスト程度の速さで真面目にフォークメタルをやっている感じに聞こえます。 とは言え、メロディの質そのものはコルピ以外の何物でもないので、彼らの音楽性が好きなら本作も大きく外す事は無いでしょう。今更変わられても困るし(笑)。 お気に入りは「Korvesta Liha」。珍しいくらいGtが前面に出ている1曲。でもリフがガッシリしていて、サビの疾走部分は素直にカッコイイと思いました。またMotorheadのカヴァーである「Iron Fist」は意外と忠実に演奏されていて興味深かったです。まあ、それ以上に選曲が興味深かったですけど。 変わらない彼らに敬礼! |
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![]() MANALA / 2012年作 / 78点 |
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8枚目。 前作同様、ミドルや普通のテンポの曲も聞かせられる程の構成力が高さが伺えます。本作はアコースティックギターを前面に押し出した静かな曲が多く、以前のバカ騒ぎな雰囲気は随分と控えめになっています。が、メロディ自体はいつもと変わらないコルピ節。結局、最後まで聞くと「今日もコルピだったな‥」という感想になってしまいます。‥‥まっ、それが彼らの望みだとは思いますが(汗)。 お気に入りは「Ruumiinmultaa/亡骸とワイルド荒野」。ミドルテンポなナンバーですが、それでもちゃんと聞ける構成力の高さを評価したいなと思います。 |
KOTIPELTO (コティペルト) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() WAITING FOR THE DAWN / 2002年作 / 75点 |
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STRATOVARIUSのVo、小ティモことティモ・コティペルトのソロアルバム1枚目。 はてさて、彼のソロアルバムとはどんな音楽なのだろう、とドキドキしましたが何て事はないSTRATOVARIUSと同じ路線のメロパワでした。 とは言ってもそれほど様式美が強いわけではなく、比較的オーソドックスなメロパワが展開されています。疾走ばかりというわけでもないですし、Keyキラキラってわけでもありません。 小ティモの声はハイトーンがちょいヤバいという理由で日本ではいまいち受けてなく、勿論本作でも同じ声ではあるんですが、ストラトに比べるとトーンを抑えたナンバーが多い為、意外と無理なく聴けます。 お気に入りは「BEAUTY HAS COME」。ファンタジックなアコギが良い味を出しているバラードです。 まだまだ曲にフックが足らず、ミドルが多すぎて後半以降飽きる作品ですが、これからに期待出来そうな感じです。 |
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![]() COLDNESS / 2004年作 / 72点 |
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2枚目。 同じです。何にも変わっていません。ちょっと各楽器のクオリティが上がってますが、特筆すべき事でもないです(じゃあ書くなって?)。 ただ、前にも増して疾走曲が減り(僅か1曲のみ)、ミドルばかりなので流石に飽きます。ど疾走じゃなくてもいいんで、せめてファストナンバーとかあってもいいと思うんだけどなぁ。 お気に入りは「REASONS」。ビデオクリップもついてたしね。 次も同じだとちょっと嫌だなぁ‥‥。 |
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![]() SERENITY / 2007年作 / 73点 |
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3枚目。 ミドルメインの楽曲、微妙な歌メロと、一切変わっていません。ほんの少しだけファストな曲が増えましたが(前作より1点多いのはその為)、もっともっと改善が必要なのではないか、と。 お気に入りは「ONCE UPON A TIME」。一発目の疾走曲です。 |