ナイトメア | 出身地‥‥日本 ジャンル‥‥ヴィジュアル系 |
![]() ULTIMATE CIRCUS / 2003年作 / 70点 |
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21世紀ヴィジュアル系ブームの火付け役となった5人組のメジャー1枚目。 私、高校時代はヴィジュアル系を好んで聞いており、今でも決して嫌いじゃありません(かなり疎遠にはなってますが)。 久しぶりにこういう系の音楽を聞いて思ったのは「最近のヴィジュアル系はみんなテクニックがある」という事。彼らも見た目や歌い方は「まんま」なんですが、非常にテクニカルな演奏を聞かせてくれます。 XJAPANやLUNA SEAから影響を受けていると公言しており、個人的にはLUNA SEAからの影響を強く感じました。XJAPANのような一貫したドラマ性よりもバラエティの豊かさが顕著で、曲ごとにカラーが違う辺りはLUNA SEAそっくりです。 前述したように見た目や歌い方こそ「モロ」なんですがツインGtによるハモりや痺れるGtソロ、手数の多いDr(時たまツーバスドコドコをやったりする)、効果的に使われるKeyなど、ヘヴィメタルに近い‥‥と言ったら本人達すら怒るような気がしますが、実際共通する部分はあると思います。「muzzle, muzzle, muzzle」ではクラシックをカヴァーしてますし。 お気に入りは「HATE」。本作中最速のナンバー。メロディアスな歌メロが痺れます。こういうの、昔のヴィジュアル系はやってなかった気がするなぁ。 ドラマ性を感じる音楽なら何でも聞くって人は是非聞いてみてくださいな。 |
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![]() the WORLD Ruler / 2007年作 / 82点 |
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2、3枚目を吹っ飛ばして4枚目。理由は2、3枚目は音がしょぼくて聞く気になれないからです。 人気漫画「DEATH NOTE」のテレビアニメ版のOP、EDを担当した事によって一気にその知名度を上げた彼ら。私もそれで彼らを知った口だったりします。その2曲が収録されている本作はこれまでのショボショボっぽりが嘘のように音も演奏も逞しくなっており、雰囲気ばかりの他のヴィジュアル系とは明らかにレベルが違う所にまで達したと思います。 Voこそ相変わらずですが非常にパワフルになっており、Drの音も格段に向上。GtやBaは元々テクニックはあったと思ってましたが、本作でますますのレベルアップがされています。特にBaがカッコいいんだ。 音楽性はこれまでと同じで、LUNA SEAからの影響を感じさせるメロディアスロックですが、典型的なナンバー「the WORLD」、「Criminal baby」からファンキーな「Alice」、儚さが良い感じの「18歳」「アルミナ」、昔のヴィジュアル系では無かったスローテンポのへヴィナンバー「Black Sick Spider」までなかなかの曲が並んでおり、飽きる事無く楽しめます。 お気に入りは「アルミナ」。「DEATH NOTE」のEDに使われた曲です。こういう雰囲気の曲はへヴィメタルではなかなか出せないと思います。 何度も言ってしまいますが、ヴィジュアル系ってだけで聞かないのは本当に損だと思います。しっかり「音楽」を聞く人に聞いてもらいたいアルバムだと思います。 |
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![]() killer show / 2008年作 / 78点 |
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5枚目。 路線は変わりません。如何にもなV系ナンバーからファンキーな疾走ナンバー、哀愁漂うバラード‥‥。前作が気に入った人なら本作もきっと気に入ると思います。 ただメタラーからの視点で言うと、前作の方が良かったと思います。より大衆的な人気を得る為なのか、(あくまで私の耳にはですが)ポップな曲が増えており、暗さを伴ったドラマチックなナンバーが減っているのです。アニメ「脳噛ネウロ」のOPになった「DIRTY」、「CLAYMORE」のOPになった「レゾンデートル」なんかはカッコ良いですが(アニメ見てたんで特に印象が強かった)、他がどれも比較的ライトで、いまいちハマりきれません。 テクニシャン揃いである為、テクを堪能するだけでも面白いんですが(特にBaは素晴らしい)、曲全体だと印象が弱くなったように思います。 お気に入りは「パンドラ」。1曲目。裏声を使ったサビが憂いを帯びてて素敵です。こういうV系らしい浮遊感のある曲が後半にもあると嬉しかったのにな。 |
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![]() MAJESTICAL PARADE / 2009年作 / 74点 |
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6枚目。 相変わらずバラエティ豊かながらも、レベルの高い楽曲が並んでいます。ただ前作ほどカラフルではなく、本作はストレートなV系ナンバーが多いように思います。 質は高いし、テクニックも申し分無し。メロディもV系の中ではかなり良い方なのですが、これが何故だか良いとは思えないんです。最後までじっくり聞き、出た結論は「これまでに発表してきた曲を超えていない」という事だと分かりました。本作には「DIRTY」や「レゾンデートル」を超えるキラーチューンが無いんですよね‥‥。 また、比較的大人しい曲が多く、「うおおおっ! これから盛り上がるぜ!」という気分にまで達する事が出来ないんです。 贅肉が落ち、洗練されていったと言えば聞こえはいいかもしれませんが、彼らの場合、元々マッチョな体質ではなかったので、贅肉が落ちた事で痩せすぎてしまったように思いました。 お気に入りは「MASQUERADE」。ファンキーなリズムに妖艶なメロディが絶妙に絡み合っていて良かったです。 次はもっとハードなナンバーをたくさん入れてほしいな、と思います。 |
NAGLFAR (ナグルファー) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥ブラックメタル |
![]() DIABOLICAL / 1998年作 / 80点 |
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「死人の爪で出来た舟」という意味のスウェーデン出身のブラックメタルバンドの2枚目。 クールだが不穏極まりないGtリフ、おぞましい遠吠えを聞かすデスVo、そして時折鬼の如くブラストるDr‥‥と、内容は典型的なブラックメタル。シンフォニック度はそれほどではないにしろしっかりと入ってます。 しかし、それだけなら私は聞きません。この作品の優れてる点はミドルやブラックにしては非常に珍しいツーバスドコドコをバランス良く配分し、一本調子を避けている点。そして、時折非常に叙情的なメロディを聞かせるという点。これに尽きます。 特に前者は威力がデカい。これだけでどこかメロデス的な感じさえしてしまいます。この「メロデスっぽいけど、やっぱりブラック」という微妙な立ち位置が気に入りましたわ(笑)。 お気に入りは「12'TH RISING」。いきなりツーバスドコドコから始まる、極めてメロデスらしいブラックナンバー。俺、これくらいが一番好きかもしんないな。ブラックでは。 |
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![]() SHEOL / 2003年作 / 84点 |
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ジャケが超格好良くなった3枚目。 音やテクニックの上昇と共に、ブラック度も大幅にアップ。不快極まりない暗黒の殺戮劇が繰り広げられています。 他のブラックに比べればまだ聞きやすい方なんだと思いますが、ここまでになるとやっぱりキツい‥‥。どこを切っても「アギャーーー!」という大絶叫と、息継ぎする暇も無いくらいGt、Ba、Dr、Keyもカルテットラッシュ(?)。 単体で聞けば、間違いなく過去最高の出来ではあるんですが、密度が異常に濃い為、一気に聞くと大変疲労します‥‥。まあ、私は元々ブラックがそれほど得意というわけではないので、あまり参考にはならないかもしれないですけどね。 お気に入りは「BLACK GOD AFTERMATH」。これは良い曲です。 |
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![]() PARIAH / 2005年作 / 70点 |
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4枚目。 Voが変わった事以外に特に変わった点はありません。激早ナンバーのハイレベルブラックです。 ただ、このVoの交代が結構痛い‥‥。前のVoは禍々しさと同時に格好良さも持っていた。しかし、こちらのVoは禍々しさはあるんですが格好良さがあまり無い‥‥。ただボウボウと吼えてるだけではいかんと思うのですよ。 あと、ちょっと音悪くなってない? 特にDrの軽さが耳につくんですけど。でもまあ、私はこれくらいの音の厚さくらいが一番聞けるかも。 お気に入りは「A SWARM OF PLAGUES」。どんなバンドもイントロの次ってのはいい曲を持ってくるもんですな〜。 |
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![]() HARVEST / 2007年作 / 76点 |
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6枚目。 個人的に前作はあまり好きではありません。やっぱしVoの脱退による迫力の低下は否めなかった(音もあまり良いとは思えなかったし)。本作もそんな前作を踏襲した内容であるものの、かなり原点回帰を目指した感が見受けられます。 悲壮感の漂うメロディは勿論の事、前作で見事に置き去りにした血の吹き出るような迫力も後半になればなる程取り戻していき、ラストは爆走曲ばかり(7〜9はどれも秀逸です!)。 流石にイェンス・ライデン(前任Vo)の時程の迫力にまでは達してませんでしたが、「欠けた」事が如実に分かった前作よりはかなりエネルギーを取り戻したと思います。 私がブラックが苦手なので上記の点数ですが、メロディックブラック好きなら十分に満足する出来だと思いますよ。 お気に入りは「PLUTONIUM REVERIES」。本作中最大の爆走(ブラスト部分を除く)がある曲。不穏なメロディで爆走されると気持ち良いですね! |
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![]() TERAS / 2012年作 / 50点 |
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7枚目。 これまでのレビューを見れば分かりますが、4枚目以降、私が80点以上をつけばアルバムはありません。それはやっぱり初代Vo・イェンス・ライデンの脱退により大幅に減ってしまったメロディが原因です。傑作と呼ばれている3枚目「SHEOL」には冷徹な雰囲気ながら芳醇なメロディがたっぷりとありました。 しかし4枚目以降、そして本作にはもうあの頃のメロディはありません。決して低品質ではありません。ブラックメタルが好きな人なら本作もきっと気に入ると思います。しかし「メロディックブラックメタル」を愛する私ではどう頑張ってもこの点数が最高でした。どれを聞いても金太郎飴状態、不穏でありメロディアスではない楽曲は正直最後まで聞くのがちと辛かったかな。 お気に入りは「Come, Perdition」。唯一、初期のメロディを感じ取る事が出来た曲。これでもまだまだだと思いましたけどね。 こっちよりイェンスを追いかけた方がいいかもしれないっすね。 |
NAILDOWN (ネイルダウン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() WORLD DOMINATION / 2005年作 / 84点 |
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フィンランド出身のメロデスバンドの1枚目。 3枚目辺りのチルボドのメロデスに今流行りのモダンなノーマルVoが挿入されたタイプです。 ソイル・ワークのように全てがモダンなわけではなく、あくまでチルボド的アプローチにモダンなVoを入れてるので、結構新鮮だったりします。 ザグザグと刻まれるGtに、キラキラと恍惚を与えるKeyの絡み具合は上手いと思うし、Voもノーマル、デス共に格好良いと思います。 ただ、よくある事ですがノーマルVoで歌われるメロディーがいまいちつまらないのと、全体的にメリハリに欠けるきらいがあり、捨て曲もチラホラと見受けられます。 お気に入りは「NEXT INFINITY」。ノーサー並みの爆走を聞かせる心地良い一枚。 方向性が十分良いと思うので、今後は構成をカッチリさせてほしいですね。 |
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![]() DREAMCRUSHER / 2007年作 / 80点 |
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2枚目。 チルボドクローンのイメージが強かった前作からかなりの進歩が見られます。 まず、Gtが2本になったのでアグレッションがアップ。また、Keyはキラキラ系ではなくスペイシーな雰囲気にチェンジ。楽曲もがっつりしたリフでミドルで攻めてから爆走したりと、場面展開がより急になった感じがしました。結果、私が行き着いた結果は「北欧のバンドがメタルハードコアをやるとこうなる」です。 ただ、パワフルになったのは全然いいんですが、その分北欧的、要は美しいネオクラシカルなメロディが激減しており、どれも悪くは無いものの、キラーらしきモノが無く、どれも雰囲気とパワーだけでゴリ押しにしてる印象があります。 あと、サビでノーマル、コーラス、デスなど全部の音をぶちまけている為、詰め込みすぎな感じがして、正直うるさいと思う所もあります。 お気に入りは「LIKE I'D CARE」。一番シンプルなナンバー。私としてはこういうのが一番聞きやすくていいと思うんですけどね。メタルハードコアが好きな人は即買い。メロデス好きは試聴してから決めましょう。 |
NEGATIVE (ネガティブ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ゴシックロック |
![]() WAR OF LOVE / 2003年作 / 80点 |
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フィンランド出身のゴシックロックバンドの1枚目。 その音楽性を一言で言ってしまうと「ロックなTO/DIE/FOR」です。メタルらしい重さはほとんど無いんですが、薄青空を連想させるドラマチックなロックンロールが炸裂しています。 またハノイ・ロックスからも影響を受けてるっぽく、テンポの高い曲は妙に悪ぶっています。見た目もどちらかと言うとハノイ系です。Voは一見すると女性を見間違う程に美しいんですが、声は結構野太く、格好良いです。 ただ、まだ世間にこなれていないせいか、音が若干チープです。特にGtの音がインディーズっぽくてムカつきます。 お気に入りは「INSPRATION」。このアルバムで一番早い曲。疾走してて良いよ。 何か一般受けしてるのかしてないのかよく分からないんですが、個人的にはとても気に入っています。中毒的な良さがあると思います。 |
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![]() SWEET & DECEITFUL / 2004年作 / 90点 |
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2枚目。 おおっ! 成長してる! 特に音が(笑)。でも楽曲に関してもはっきりと成長の跡が伺えます。 まず、その物腰って言うんでしょうか。前は「CD化出来て嬉しい!」とばかりにボンボンやってた感じがありましたが、今回はしっかりと腰を落ち着けて1曲1曲を丁寧に作った感じが伺えます。 あとは、ゴシック系ナンバーの大幅なレベルアップ。前はハノイ系の方が好きでしたが、今回は音と彼らの姿勢のせいなのかゴシック系の方が「良い」と思えました。 最初に言った通り、Gtの音が非常にタイトになったので聞きやすさも十分。雰囲気もより良くなったし、素晴らしい進化だと思います。強いて苦言を言えばハノイ系はつまらなくなった事くらいかなと思います。 お気に入りは「In My Heaven」。サビで女性声が入るのが最高にいいですね! これからも良い曲を作ってくれる事を期待してます! |
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![]() ANORECTIC / 2006年作 / 70点 |
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3枚目。前作はHIMなどのゴシックロック系の作品として、私の中では非常に高評価でした。しかし、本作では同郷の英雄ハノイ・ロックスに通じるグラマラスなロックンロールな雰囲気を大幅に増強。 前から「そういう曲」はあったけど、ちょっと今回多すぎない?? 勿論、今までのような「寒空の下の美しいゴシックロック」もあるんですが、前ほどの肌寒さを感じる事は無く、結果として普通のロック好きには受け入れられそうなものの、マイナーメロディを愛するHR/HM好きにはちときつい内容になったといわざるを得ないと思います。 特に8曲目以降は歌メロの地味〜な何とも退屈な作品ばかりが並び、「この人達、何したいの?」と小首を傾げる事7回(笑)。 お気に入りは「Fading Yourself」。こういうのをもっと増やして欲しかったのに! 試聴で何となく嫌な予感はしてたけど、見事的中してしまいましたわ‥‥。 |
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![]() KARMA KILLER / 2008年作 / 84点 |
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4枚目。 前作は無理にロックンロールをしようとしてズッコケタ感がありましたが、今回は十八番である寒々とした雰囲気とタフなロックンロール魂が程良くブレンドされており、前回程空回りした感じは受けませんでした。 そんな中でも今回は特にロックンロールなナンバーがキャッチーで印象的です。「Dead As We」とか「Lust N' Needs」とか。 それにしてもヨンネ・アーロン(Vo)の成長ぶりには恐れ入ります。歌唱力の幅が枚数を重ねる毎に増していき、もはやデビュー当時のビジュアルありきって感じではなくなってます。まあ、見た目も更にカッコ良くはなってますが。本当、少女漫画の主人公が現実に出てきたようだ(笑)。 残念ながら2枚目の頃のような肺まで凍りそうな感覚は無くなりつつありますが、自身が目指している方向性と音楽がようやく一致し始めている感じがしました。 |
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![]() NEON / 2010年作 / 84点 |
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5枚目にして、ついにワールドワイドデビューを果たしました。 音楽性は哀愁漂う骨太ロックという前作の流れにありながら、サウンドスケールがググンと広がっており、「なるほど、これがワールドワイドというヤツか」なんて思ったりしました(笑)。 このスケールの大きさは個人的にはNICKELBACKに近いかなと思います。小さなクラブハウス程度では収まりきらない、アリーナクラスの「デカさ」を感じます。しかし彼ら流の「切なさ」「冷やかさ」もしっかり残っており、この進化はなかなかに凄いと思います。 メロディも充実しており、過去最高のスピード感を誇る「Since You've Been Gone」などはかなり良い出来だと思います。ただ、私の中では依然として「In My Heaven」が最高傑作であり、あれくらい「寒さ」を感じさせながら、なお且つスケールもデカかったら本当文句無かったんですけどね。 お気に入りはその「Since You've Been Gone」。うん、何度聞いてもカッコイイ。ちなみにRAINBOWのカヴァーじゃありませんのであしからず。 これからどういう進化を遂げるのか、個人的にはスケールはもう十分なので、今一度凍るような寒さを感じさせてほしいです。 |
NEW TROLLS (ニュー・トロルス) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥プログレッシブ・ロック |
![]() CONCERTO GROSSO N.1&N.2 / 1971年&1976年作 / 82点 |
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メタラーからも絶賛されているイタリアの古参プログレバンドの作品。 アート・ロック作品として今なお寵愛されている作品のようで、音楽性は当時のプログレッシブロックに壮大なオーケストラが挿入されている、所謂シンフォニックロックです。プログレバンドという位置づけではありますが、難解な箇所はほとんどありません(20分に及ぶ大作程度)。 ロックサウンドは当時の技術がまだ未熟だったので仕方ありませんが、大した事ありません。この作品の凄い所は今聞いても古さを感じさせない圧倒的なシンフォニックアレンジにあります。本物のオーケストラの音が終始哀愁と切なさの交じるメロディを奏でており、これが大変美味です。 別のレビューサイトで「上品なイタリアの悲恋映画のBGMのよう」と比喩されていましたが、まさにそんな感じで、枯葉舞う町並みを美しい男と女がゆっくりと歩いているような、そんな光景が目に浮かぶようなメロディが思い切り堪能出来ます。 そんな感じで、メロディはもう本当に完璧の一言です。ただ、私は正直ちょっと物足りなさを感じました。それはやはり「ロック」の部分です。はっきり言ってこの作品にはロックロールなパワーをほとんど感じません。オーケストラアレンジの無い楽曲に関してはそれが完全に悪い方向に作用しています。もっとロックしていても良かったんじゃないか、と個人的には思います。 お気に入りは「tempo:Moderato(FareYouWellDove)」。いや〜、このメロディは反則過ぎるでしょ!? ちなみに私が持っているのは71年作の「N1」と76年作の「N2」が一緒になったタイプです。 |
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![]() CONCERTO GROSSO - THE SEVEN SEASONS 2007年作 / 85点 |
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CONCERTO GROSSOシリーズ最新作。何と前作から31年経っての新作です。凄いわ、今更そのシリーズをやろうって思った事が(笑)。 私は前作の不満を「ロックしてる部分が少ない」と言いました。本作は音そのものの向上というのもあるんですが、その「ロックな要素」がかなり増えており個人的には大変嬉しいです。 ただ、その分なのか「秋の町並み」的な哀愁・抒情的なオーケストラアレンジがそのベクトルが変えており、若干ですが明るい、ポジティブなタイプになっています。「Barocco 'N' Roll」とか「Simply Angels」とか。 とは言っても、ロックナンバーとバラードの比率は3:7くらいですし、バラードはやっぱり胸キュンばっかりだし、結局このシリーズが好きならコケる事は無いと思うって事ですな。 お気に入りは前述した「Barocco 'N' Roll」。ノリの良いロックとオーケストラアレンジが絶妙な感覚で混じり合った奇妙ながら頭から離れない1曲。こういうの、アメリカのバンドとかは絶対に出来ないだろうなぁ。 |
NICKELBACK (ニッケルバック) |
出身地‥‥カナダ ジャンル‥‥へヴィ・ロック |
![]() SILVER SIDE UP / 2001年作 / 84点 |
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チャド・クルーガー率いるカナダのへヴィ・ロックバンドの出世作となった3枚目。これまたHR/HMでは語られない彼らではありますが、格好良いので書きます。書くったら書くんだ! 音楽性は非常にストレートかつ分かりやすいアメリカンヘヴィ・ロック。ドライブしながら聞くと最高なノリノリかつクールなロックです。 このバンド最大の特徴はやはりVoチャド・クルーガーの美声。まだ30ちょいのはずなのに「漢」を感じるいぶし銀の声は何物にも代えられない素晴らしさがあると思います。 また、曲によっては哀愁を感じさせるメロディを聞かせるのも特徴。多分これが無ければ私はニッケルバックを聞いてなかったと思います。 ただこのアルバムではその哀愁さはまだへヴィさの後ろに隠れている程度で、世界中で大ヒットした「HOW YOU REMIND ME」を含め、私はあんましハマれなかったというのが正直な意見。もっとサビでのメロディを洗練させてほしかった所。 お気に入りは「TOO BAD」。バラードみたいに始まるのに、ノリの良いサビが素敵過ぎ。ってこれはバラードなのかな? 後期メタリカとかコーンとかが好きなら一度聞いてみそ。 |
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![]() THE LONG ROAD / 2003年作 / 92点 |
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4枚目。ちなみに前作は600万枚、こっちは500万枚売れたんだって。凄いね。 で、へヴィさはそのままにアップテンポな曲が増え、そして私が彼らに最も求めていた哀愁さ、切ないメロディが倍増しになっており、個人的には今現在で紛れも無く最高傑作です。 実に素晴らしい作品だと思います。いぶし銀に磨きをかけるチャドの美声、時に激しく、時に切なく紡がれるGt(アコギあり)、曲をギュッと引き締めているBaとDr。全てが完璧。大ヒットの後は大抵ちとつまんなくなるのが世の常ですが、彼らはこっちの方が遥かに素晴らしいと思います。 「HOW YOU REMIND ME」より数億倍素晴らしい超名曲バラード「SOMEDAY」。そんな「SOMEDAY」に負けない「FEELIN’ WAY DAWN GOOD」。ABメロはメッチャ激しいのにサビでのチャドのVoがたまらなく切ない「BECAUSE OF YOU」等々、粒揃いの曲が目白押しです。 これでボートラで「HERO」(映画「スパイダーマン」のED)とか入ってたら95点以上は確実だったかもなぁ。何にしろ、ロック好きは聞かなきゃお話になりません。 |
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![]() ALL THE LIGHT REASONS / 2005年作 / 87点 |
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5枚目です。 基本路線は一切変わっていません。このバンドはどんだけ売れようとも馬鹿みたいに愚直ですね。本当、尊敬します。 前の変化としてはまあよくあるパターンですが「明確化」ってとこでしょうか。ハードな曲はよりハードに、バラードはより切なく、と言ったように楽曲に強弱がつけられたように感じます。 また音も曲によって若干変わっていたり(壮大さを感じるバラードならDrはスカーンとした音にしてるとか)と、工夫がはっきりと分かるのは嬉しいですね。今は亡きダイムバッグ・ダレルのGtをフューチャーした「SIDE OF A BULLET」なんかは新しい息吹をヒシヒシと感じます(ってかこれはパンテラのアウトテイクを改造して作ったらしいです)。 しかし、何でしょうね。今までバラードばかりでヒットしてきたからか、ちとバラードが多めな感じがします。どれも悪くはないんですが、ハードな曲の合間にフッと入っているのがいいわけでして、やや狙ってる感が見え残念。 お気に入りは「ANIMALS」。彼らの中でも最速な気がする激烈ナンバー。クィーンの超名曲をカヴァーした「WE WILL ROCK YOU」もチャドの美声が堪能出来る秀逸なナンバーです。 |
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![]() DARK HORSE / 2008年作 / 87点 |
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大きな変化を遂げた6枚目。 独特の重さとタフなリズムをキープしながらも、これまでのどのアルバムよりもキャッチーで極端な言い方をすればポップな作風になっています。どの曲もアップテンポでノリも良く、女の子とドライブしながら聞いてもいいくらいです。 代わりに屈強な漢臭さや哀愁はかなり減っており「IF EVERYONE CARED」のような胸を締め付けるような曲はありません。 これらの変化を受け入れられるかどうかで本作の評価は大きく変わると思います。 私はと言うと、確かに漢臭さが減ってしまった事は残念だと思いますが、これはこれでとても良いアルバムだと思います。決して彼ららしさが無くなってしまったわけではないし、身構える必要が無くなった分よりメジャーになったと思います。最後の曲は流石に「軽すぎ」な気もしましたけどね。 お気に入りは「S.E.X.」。タイトルがアレですが(笑)、タイトでクールなリズムとキャッチーなメロディが病みつきになります。珍しくGtソロがあるのもGOOD。 変わったけど実はそんなに変わってない、やっぱりクールな彼らが私は大好きです。 |
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![]() HERE AND NOW / 2011年作 / 86点 |
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7枚目。 前作が彼らにとっては異例とも言えるほど「ポップ」だった反動なのか、再びタフで男臭いヘヴィロック路線に戻っています。 それはそれで別に構わないんですが、全体的に歌メロが地味になってしまった感があります。「This Means War」や「Midnight Queen」とかは素直にカッコイイと思いましたが、「Bottoms Up」や「Gotta Get Me Some」なんかは正直地味に感じました。更に後半にはハードともバラードとも言えない曲が並んでおり、これがまた実に微妙‥‥。 超一流バンドではあるので、それではあっても極めて完成度が高い事は認めますが、個人的にはもう少し「突き抜けた感じ」が欲しかった所です。 お気に入りは「When We Stand Together」。アコギのメロディとサビの「イェイイェイ〜♪」ってのが好きです。 苦言も言ってしまいましたが、大好きなバンドではあるので、これからも応援はずっと続けていきますけどね。 |
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![]() NO FIXED ADDRESS / 2014年作 / 75点 |
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8枚目。あれ〜? 何か冴えないな〜。 チャドの渋声やタフなリズムと言った「ニッケルバック節」は変わらないものの、パワフルな楽曲が少なく、個人的にはかなり物足りない出来栄えでした。 要因としては「She Keeps Me Up」「Got Me Runnin' Round」「She Keeps Me Up」のようなチャラい曲がつまらなかった事、「Satellite」や「Miss You」のようなバラードが自分の心に響かなかった事が大きいですね。他はそこそこ悪くはなかったですが、「Burn It To The Ground」に匹敵するような胸が熱くなる曲はどこにもありませんでした。 お気に入りは「The Hammer's Coming Down」。彼ららしい哀愁とダイナミックさを堪能できる1曲です。 ちょっと意図の分からないアルバムだったかな‥‥。 |
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![]() FEED THE MACHINE / 2017年作 / 80点 |
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9枚目。 前作に比べると、ストレートな曲作りが戻っており、これについては大歓迎。んが、ガツンと来る1曲が無く、全体的にはかなり地味な印象を受けました。個人的にはもうちょっとハードなナンバーを増やして欲しかったですね。「Song On Fire」「After The Rain」「Home」「Every Time We're Together」などの静めな曲が多すぎます。あういうのは2曲あれば十分だったと思います。 お気に入りは「Silent Majority」。バラードとハードの真ん中辺りに位置する1曲。普遍的な良さを感じます。あと、ラストを飾る「The Betrayal (Act I)」もかなり良かったですね。これ、Gtメインの静かなインストナンバーなんですが、こういう曲も作れるだと感心しましたw |
NIGHTRAGE (ナイトレイジ) |
出身地‥‥ギリシャ ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
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元EXHUMATIONのGt、マリオス・イリオポウロス率いる(一応)メロディック・デスメタルバンドの1枚目。 もう片方のGtにはガス・Gがおり、本作は2人のテクニカルGtをフューチャーしたメロデスです。 ただ、INFLAMESのような分かりやすいドラマチックなメロディは微量で、基本はVoもGtも一体となってデスラッシュのようなカオスな音洪水をぶちまけています。 特に強烈なのがVo。唐辛子を死ぬ程食ったミカエル・スタンネ(DARK TRANQUILLITY)のような血ヘド塗れのVoがGtの倍以上の音で全編を覆い尽くしており、もはやVoが出ている所ではGtの音色を確認するのはかなり大変。いつも思うけど、よくこんな声出せるなぁ‥‥。 ガス・Gも明確なクサメロを弾くタイプのGtではないので、結果全編ガリガリギャウギャウのモンスターワールド(笑)。正直聞き終えた後は異常に疲れるだけでした‥‥。 |
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![]() DESCENT INTO CHAOS / 2005年作 / 72点 |
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2枚目。 基本は同じ。ただ、前よりかはちょっとはGtが前面に出ていて聞きやすくなったかも。 とは言ってもNON HUMAN LEVELのようなクールな切れ味も無いし、ARCH ENEMYのようなクサメロも無いので、やっぱり「ただうっさいだけ」で終わってしまうのが残念。 うん、やっぱり私ってメロディアスな音楽が好きなんだな。終わり。 |
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![]() A NEW DISEASE IS BORN / 2007年作 / 86点 |
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3枚目。 これまでのブルータルなメロデスという立ち位置は変わらないものの、見違えるようにメロディが充実しており、正直ここまで変化があるとは思いませんでした。 Voのトーマス・リンドバーグ(元AT THE GATES)から新Voに変わった事による聞きやすさのアップとクリーンVoの導入、ガス・G(FIRE WIND)脱退による新Gtの上手いメロディ運び(私はガスが苦手でして‥‥)、これらの要素が絶妙な融合を遂げ、過去最高のキャッチーさと聞きやすさを備える結果となりました。 ぶっちゃけブルータルさはかなり減退してしまいましたが、メロディ派の私としては「CLAYMAN」の頃のIN FRAMESを連想させる方向転換は大歓迎です。 お気に入りは「SCARS」と「A NEW DISEASE IS BORN」。前者は正にIN FRAMESな曲。サビの後のGtメロがカッコイイんだわ。後者はアコギメインのインストナンバー。メロデスバンドの作るアコギのインストって何でこんなにメロディを誘うんでしょうか? 新世紀メロデスバンドの有力株に認定! |
NIGHTSCAPE (ナイトスケイプ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() SYMPHONY OF THE NIGHT / 2005年作 / 80点 |
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平均年齢20歳の若手バンドの1枚目。 アクセンスターのような、Keyをたっぷり使った分かりやすいメロスピです。巷ではソナタっぽいとか言われてますが、それほど似ているとは思いませんでした。 まず、ソナタに比べると非常にクラシカルメロディが豊富です。その辺はシンフォニーXっぽいとも思います。また曲によってはオペラのような歌い回しがされているのも大きな違い。疾走曲にはあまり拘りが無いようで、全体的に聞くと案外マラソン程度のスピード感くらいしか感じません。 Voは上手いとは言えないですが、アクセンスターとかが聞けるなら十分合格点って所でしょう。 お気に入りは「THE HAUNTED HILL」。オペラ歌唱とクラシカルメロディ満載の一発目です。これは好きっす。 全体的にまだまだ垢抜けていない点も多く(フックに欠ける点とか)、修行が必要だとは思いますが、これから大きく成長すればソナタの牙城も夢ではない! |
NIGHTWISH (ナイトウィッシュ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
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フィンランド出身のフィメールシンフォニックメタルバンドの2ndアルバム。 オペラチックな歌い方をする女性Voをフロントに従えた、荘厳な雰囲気のシンフォニックメタルが彼らの身の上。女性Voメタルの草分け的存在であり、このバンドの前に似たような音楽をやってるバンドを、少なくとも私は知りません。 ミステリアスなジャケに相応しい、マイティーではないKey主体のシンフォニックメタルなんですが、しっかりと後ろを支えるGt、Ba、Dr、そして、フロントでドドンと構えながらも、決してKeyに引けをとらない見事なVoが2枚目にして既に完成されています。 スピード感こそありませんが、どの曲もフックに富み、印象的なメロディが満載。「夜の願い」というバンド名に恥じないドラマ性を感じずにはいられません。 某レビューサイトでは「ずっとオペラな歌う方をされると辛い」という意見もありましたが、唯一無二の世界感を構築している事は間違いなく事実であり、後に続々と後続者を生み出す事になる衝撃、そして私が「ゴシックメタル」もイケると思わせた作品でもあります。 今のメタルを知る者は避けて通るべからず。 |
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![]() WISHMASTER / 2000年作 / 93点 |
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3枚目です。前よりメジャーになりました。良く言うとキャッチーになり、悪く言うとポップになりました。 でも、私は全然これでいいと思います。相変わらずのターヤ嬢の華麗なる歌声と、ツォーマスの流麗なKeyは健在です。1曲1曲がコンパクトになり聞きやすくなっているし、何も悪くなどなっていないと思います。 「The Kinslayer」でみせる圧倒的な歌声、「Come Cover Me」で聞かせる程よいキャッチーさ、そして「Crownless」で初めて披露するスピードチューンと、バラエティにも富んでいます。 雄大さは前の方が高いですが、聞きやすさはこっちの方が上。というか前が好きなら迷わず買いの1枚です。お気に入りは上の3曲。どれも甲乙つけがたい名曲です。 |
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![]() CENTURY CHILD / 2002年作 / 77点 |
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4枚目です。ここでかなりの変化が見られます。 最大の原因はBaの脱退で、新たにマルコ・ヒエタラが参加。今までターヤ嬢だけだったVoに彼が入る事により、今までの「オペラのようなメタル」が「ツインVoのシンフォメタル」になっています。 これは普通のバンドならいい事なのかもしれませんが、ナイトウィッシュの場合はそれが特徴であり孤高のオリジナリティだったので、私としては残念です。 そして、このマルコが歌う歌う‥‥。今までのナイトウィッシュじゃないです。ターヤ嬢の方が少ないくらいです。確かにツォーマスのKeyセンスなんかはいいんですが、私はマルコのVoが邪魔に感じました。 全体的に悪くはないですが、前までの孤高さが無くなっています。お気に入りは特に無し。このバンドを知るなら前の2枚を買う事をお勧めします。 |
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![]() ONCE / 2004年作 / 95点 |
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5枚目です。前のアルバムは俺的には全然でしたが、ヨーロッパでは50万枚も売れたらしく、本作はそんな彼らの進化がはっきりと見てとれます。 これは凄いです! 前はまったくヒットしませんでしたが、これは強烈に気に入りました。何と言っても超壮大なオーケストラが使用されていて、信じられない位シンフォニックレベルが上がっています。ラプソと対等なのではないかと思うくらいです。もはやライブ実現は不可能なレベルです。 音楽性もかなり劇的になっています。今までKeyが完全に目立っていましたが、今回はGtもかなりガリガリ言っています。Drも重いです。そして一番気になっていた歌うBaマルコですが、今回はかなり控えめになっています。ちゃんと身分をわきまえた感じになっていますね。 1曲目の「Dark Chest of Wonders」から凄い事になっています。ど頭から炸裂するオーケストラにやられます。歌メロも素晴らしいです。2曲目の「Wish I had an Angel」はDrが電子的ですがいいです。ここでようやくマルコさんが登場。ターヤさんといいデュエットしてます。今回の彼はとっても許せます(笑)。 全曲語るときりが無いので省略しますが、あとは10分を超える「Ghost Love Score」も最高にドラマチックです。今までとはかなり路線の違うアルバムですが、個人的には過去最高です。全人類必聴の傑作です! |
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![]() DARK PASSION PLAY / 2007年作 / 94点 |
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Voのターヤ・トゥルネンが脱退してしまった6枚目。 「あのオペラ歌唱はもう聞けないの!?」と最初に聞いた時はさすがにガッカリしましたが、この作品を聞けばそれが杞憂であった事が分かります。 新Voアネット・オルツォン(スウェーデン人・子持ち)は確かにターヤとはまったく異なる「普通声」なんですが決して下手ではないし、NIGHTWISHが今まで築き上げてきた世界観を壊しているなんて事は無いと思います。 タイトルに「DARK」とあるように、本作はターヤに対する憎しみのこもった歌詞の楽曲が多いんですが(汗)、それ故にアグレッシブな曲が多く、美しく、高揚感を煽るメロディは前作を凌ぐ素晴らしさ! のっけから14分に及ぶ超大作「The Poet and The Pendulum」は「Ghost Love Score」に迫る勢いだし、Baマルコの歌が映える「Bye Bye Beautiful」は「Wish I Had An Angel」のよう。 他にも典型的ナンバー「Amaranth」「Whoever Brings The Night」、土着性の強いアコギナンバー「The Islander」、コルピクラーニばりのフォークの香りを漂わせる「Last of The Wilds」など、彼らにしか出来ないハイレベルなものばかり。 エンプのGtも前作同様ハードだし、本作でもって天才確定のツォーマス・ホロパイネンのKeyとオーケストラアレンジも荘厳にして華麗。ユッカのDrもタイトでGOOD。何と言ってもこの人は見た目が格好良い(笑)。 前作と比べるとどちらがいいか? と聞かれると僅かな差で前作の方がいいかなと思いますが、本作も本当に素晴らしいです。これからもこうして良作を出し続けてもらいたいです! |
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![]() IMAGINAERUM / 2011年作 / 86点 |
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7枚目。 何でも本作は同名の映画とリンクして作られた作品らしいです。映画は‥‥日本じゃ公開されないんだろうな、きっと。 さて、それはさておき本作の評価ですが、結論から言うと前作を超える事は出来ませんでした。まず掴みが悪い。前作は「The Poet And The Pendulum」、「Bye Bye Beautiful」、「Amaranth」という超強力な3連発から始まった為、その後は微妙でもトータルの印象は非常に良かったんです。が、本作は前半に微妙なナンバーを持ってきている為、イマイチ印象が良くない。個人的には「Storytime」や「Ghost River」は彼らの中では「中」の出来だったと思います。 これ以外にもジャズ風の曲があったりちょい長の小曲があったりと変にバラエティに富んでいて、純粋にヘヴィメタルとしてのパワーが弱いかなと感じました。これは映画とリンクした弊害だと思ってます。 とは言いつつも、そこはフィンランド1の人気バンド。音質は相変わらずとんでもなく素晴らしいし、良い曲もいっぱいありました。哀愁ダダ漏れの「I Want My Tears Back」やヨーロピアンな切なさを感じる「Turn Loose The Mermaids」、純粋にカッコイイと思った「Last Ride Of The Day」などは非常に優秀で、決して駄作なんかではありません。アネット・オルツォンも表現力を増しており、もはやターヤの面影を気にする必要も無いと思います(この後脱退しちゃったらしいですが‥‥)。 総論から言うと残念な部分もあったけど、トップバンドのパワーは健在って感じです。 お気に入りは「I Want My Tears Back」。これは本当にイイよ! メタリックな演奏に絡む笛(?)の音がもう本当に素晴らしいんです! メロディマニアは間奏に悶絶する事間違い無し。こういうのばっかり作って欲しいな。 |
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![]() ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL / 2015年 / 88点 |
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8枚目。 Voのアネット・オルツォンが脱退。代わりにやってきたのは元AFTER FOREVERのフロール・ヤンセン。彼女の声はちょうどターヤとアネットの中間くらいで良い人選だと思いますね。あと、イリアン・パイプス奏者(「Elan」とかで聞けるバグパイプみたいな楽器)トロイ・ドノクリーも正式に加入しています。コッチはあんまり話題にならないのが悲しいww 前作はコンセプトアルバム(でいいんだよね?)だったせいか、曲単体で聞くとやや物足りなさを感じましたが、本作は「DARK PASSION PLAY」の流れに近く、シンフォニックなナンバー、フォーキッシュなナンバー、壮大な長大曲など、いつものNIGHTWISHに戻っています。 トップクラスのバンドなので、本作も十分に良作だとは思います。が、厳しく言うと、どの曲も過去の焼き回し的なモノが多く、ちょっと新鮮味が無かったかなと。シングルになった「Elan」も、「Amaranth」や「NEMO」なんかに比べたら全然小粒な感じがしましたし。また、ラストを飾る24分にも及ぶ「The Greatest Show On Earth」もさすがに長すぎ。10分くらいにまとめてくれたらもっと良かったと思います。 お気に入りは「Endless Forms Most Beautiful」。実にNIGHTWISHらしい1曲。これを中盤に持ってくる辺りに彼らのセンスの良さが光っています。 88点なのに文句も言っちゃうという贅沢なレビューになっちゃいましたが、応援の裏返しでもあります。これからも頑張って下さいね。 |
NOCTURNAL RITES (ノクターナル・ライツ) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE SACRED TALISMAN / 1999年作 / 84点 |
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スウェーデン出身のクサメタルバンドの3枚目にして日本デビュー作。 ツインGtがクサすぎるメロディを奏でる典型的メロパワで疾走感は抜群。ミドル域でノビノビと歌うVoと、ハイロードの2ndからKeyを控えめにしたって表現が一番合ってそうな感じです。 一度聞いたしばらく頭のリピートしてしまいそうなGtメロ、ハーモニーを駆使しながら朗々と歌われるVoメロも強烈にクサい。最近洗練したメタルばかり聞いていたので、垢抜けなくもやたらとクサいメロディは胸に染み渡りますわ(笑)。 後半も疾走曲を連発するという日本人にとっては嬉しい構成なんですが、ちょっと歌メロが似すぎな感じもします。パッと聞いたらどれがどの曲か分からないでしょうね。そこだけが残念。 お気に入りは「HOLD ON TO THE FLAMES」。爽快感抜群のメロディが最高っす。 B級な匂いはプンプンしますが、決して音が悪いわけでもないし、楽器も皆さんうまいですし、是非聞いて欲しい作品だと思います。 |
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![]() AFTER LIFE / 2000年作 / 86点 |
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4枚目。 いきなりですが、前と同じようなクサメタルを期待するとかなりコケます。まずVoが非常に力強い人にバトンタッチ。それに合わせてか楽曲の方もクサメタルから一気にパワフルな正統派にチェンジしました。 このかなりのイメチェンに前までのファンは戸惑うかもしれません。しかし、この進化した姿を私はおおいに認めたいです。 だって、格好良いんだもん! この新Voは凄いよ。どの声域でもちゃんと歌えてるし、しっかり一本芯が通っている。正統派になった他の楽器に関しても決して焼き付け刃なんかじゃなくて、ちゃんと出来てるのもいいし。確かに前のクサメタルもいいけど、こっちも非常に良いと思います。 お気に入りはタイトル曲の「After Life」。メタルマニアならこの曲を聞いて何も感じないわけがない! 超格好良いですよ。正統派が好きな人にお勧めの作品です。 |
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![]() SHADOWLAND / 2002年作 / 90点 |
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5枚目。まったく変わっていません。ですが、より堅く剛直になりました。 前と同じ路線ですが、更にタイトかつダイナミックなサウンドになり、2枚目のクサメタルの影はまったくありません。しかし、ここまでメロディアスでここまでヘヴィな作品には早々お目にかかれないと思います。 金髪シャウトVo・ジョニーも更に進化しており、このバンドの顔として、立派に役目を果たしています。というか、ジョニーがいなければ、もはやノクタとは言えなくなっている気さえします。 お気に入りは「Vengence」(意味は復讐)。最初から怒涛の疾走をぶちかまし、最後まで行ってくれます。サビも最高に格好良いです。 |
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![]() NEW WORLD MESSIAH / 2004年作 / 92点 |
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6枚目です。まったく変わっていません。相変わらずの超剛直正統派ヘヴィ・メタルです。 基本は勿論変わっていませんが、本作では男らしさが更に上がっており、ブラガのような雄々しいコーラス、シンガロングを誘うパートが増えています。 疾走感は若干遅くなってはいますが、ミドルでも決してダレる事は無いし、安心印の作品と言えると思います。 常套文句ですが、今までの路線が好きなら間違いなく買いの1枚です。最近のバンドでここまで正統派を貫くバンドは貴重です。お気に入りは「Against the World」。サビの壮大なコーラスが最高です。 |
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![]() GRAND ILLUSION / 2005年作 / 92点 |
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バンド結成10周年目にして7枚目。 ここまで来るともう変わりようが無いらしく、今回も基本路線は同じですが、Drの音が少しだけ軽くなったので(シンバルがパシンパシン言う)、へヴィさと流麗さが混じったような感じになっています。 当然ながら楽器に問題は無く、超強力なVoジョニーの歌唱力には益々磨きがかかり、更にはメロディーもより洗練され、安定して聞けます。試聴せずにレジに持っていけるアルバムは貴重です。もはやこのバンドはこの声でなくては成立せんな。 疾走系が更に減り、ミドルがメインと言ってもいい感じにはなってしまいましたが、このバンドはヘヴィレベルもかなりのものなので、遅くなろうとも飽きません。スピードが減ったら声と重いドラムを楽しめばいいじゃない?(アントワネット風) お気に入りは「STILL ALIVE」。このサビの昂揚感と言ったら何だ! アイアン・セイヴァー恐るるに足らず! 実に安定し、素晴らしい作品だと思います。是非来日してほしいですね。コングラチュエーション! |
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![]() THE 8TH SIN / 2007年作 / 90点 |
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メロディックパワーメタルキング、堂々の8枚目。 ゴージャスな装飾をやや抑えたシンプルながら力強いサウンドをバックに歌われるメロディは、ドラマ性を強調した前作よりもかなりキャッチーで覚えやすいものばかり。ライトな雰囲気すらあるものの、ジョニーのスーパーパワフルな歌唱なら立派なヘヴィメタルになっちゃうから面白い。 「VENGEANCE」、「STILL ALIVE」程の名曲こそ無かったものの、どの曲もそれらに後一歩の所まで迫る程の充実さを持っているのが素晴らしい。特に本作最速の「Not Like You」の格好良さ、ピアノ一本のバラード「Me」は鳥肌が立つ程に素晴らしい出来。やっぱりVoが上手いバンドは違うね〜。 特別目新しい事はしてないですし、相変わらず疾走系はもうやらなくなってしまいましたが、彼らの場合、ずっとこのまま良質のメロパワナンバーを生み出してくれれば誰も文句は言いませんよ。 一般の人にメロパワとは何かを教えるなら彼らしかいない! |
NON HUMAN LEVEL (ノン・ヒューマン・レベル) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥デスラッシュメタル |
![]() NON HUMAN LEVEL / 2006年作 / 88点 |
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元ARCH ENEMYのピーター・ウィルドアー(Dr)がVoを務めるデスラッシュバンドの1枚目。 ピーターがDrを務めるDRKANEのクリストファー(Gt)がリーダーのバンドらしいですが、ゴチャゴチャしててよく分からないので割愛(笑)。本作はソリッドなGtが乱舞しまくる分かりやすいデスラッシュです。 メロディアスなGtソロを取り入れたSLAYERと形容出来そうなスタイルで、デスラッシュという言葉から想像出来る程の暴虐性はありませんが(メタラーからすれば、ですけど)、ソリッドに攻めまくるGtがとにかく超クールで格好良い! どの曲も1/3近くはGtソロなんですが(汗)、クラシカルでありながら決して甘口にはならないビターな大人のソリッドモーション(何だそりゃ)にクラクラ。私、別にGtソロが好きなわけでもないんですが、流石にこれは「かっ、格好良い!」と思いました。 お気に入りは「Personal Hell」。圧倒的スピード感、気も狂わんばかりのGtソロの嵐に八つ裂きにされました(汗)。 クールで格好良いGtが聞きたい人はとりあえず抑えておきましょう。 |
NORTHER (ノーサー) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() DREAMS OF ENDLESS WAR / 2002年作 / 89点 |
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チルボドの子分として現れたメロデス新鋭の1枚目。1枚目にして日本盤が出る辺り、その実力が伺えます。 その音楽性はチルボドをもっとストレートにした感じです。チルボドは各テクニックを披露する為なのか、スピード感はあまりありませんが、彼らはスピードを殺す事無く、キラキラメロデスをやっています。その分、テクニックに関してはチルボドの方が上だと思いますが。 ですが、彼らはかなりいいです。テクニック自体もなかなかありますし、何と言ってもそのスピード感が、チルボドでは味わえなかった陶酔感を与えてくれます。 それと声がいいです。アレキシの声はお世辞でも迫力があるとは言えませんが、こちらはかなり鋭くていいです。飢えた狼みたいです。 全曲疾走していて、どれも似たような印象がありますが、どれもいいですのでお勧めです。お気に入りは1曲目の「Darkest Time」。頭から最後まで疾走していて、非常に格好良いです。 |
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![]() MIRROR OF MADNESS / 2003年作 / 80点 |
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2枚目です。路線変更しています。前までのアグレッシブな路線から冷たさを強調した静かな感じになっています。 曲の途中で突然静かになって美しいピアノが入るといった技が盛り込まれていたり、ミドルチューンが主流になっていたりしています。声は変わらないので、静かな感じに狼の唸り声が融合して格好良いです。 人によってはこちらの方がいいという話もありますが、私の前のスピード感満載の方が好きですね。 お気に入りはボーナストラックのカヴァー。何とパンクバンド、オフスプリングの「Smash」です。かなり意外ですが、これがまた不思議なくらいマッチしています。声はデスです。でも、これが最高です。 |
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![]() DEATH UNLIMETED / 2004年作 / 93点 |
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3枚目です。また変わりました。 前の静か路線が不評だったからか、1枚目の頃に戻っています。しかし、ただの出戻りではありません。 これはいいです! Vo、Gt、共に迫力が3倍になりました。とくに声はチルボドを軽く超えて、悪魔の域に入っています。こんな声が出せたらいいなぁ。女はみんな逃げるよ。 ガリガリとしたGtにキラキラKeyの絡みもレベルアップしています。素直に格好良いです。でもブラックという事は無く、高レベルのメロデスをキープしているのが素晴らしい。 さて、私がこのアルバムを最高という理由は3曲目「Death Unlimeted」です。 これはデスメタ史上に残る超名曲です! ゆっくりした感じから始まって突然爆走! 超暴虐的な声を超残酷で歌詞を歌います。そして一端静かになってそして……「ファック ユーアー ダァイ! (くたばれ!)」の超絶叫びです! これが最高に格好良いです! そのまままた爆走し、サビはみんなして大合唱です。 私がデスメタに求めている、スピード、迫力、アグレッシブ、全てが最高の形で昇華されています! この1曲の為だけに買っても損はしないアルバムです。名盤! |
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![]() TILL DEATH UNITES US / 2006年作 / 87点 |
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またタイトルに「DEATH」が入ってる4枚目。 前作はアグレッション、そしてメロディーが絶妙の具合で融合した名盤でしたが、本作は更にアグレッションが磨かれ、クサメロが減退、端的に言うとブラックメタルっぽくなってます。 さすがにクサメロが減りすぎなんじゃないの? と最初こそ思いましたが、聞き込む内に案外悪くないように思えてきました。確かにアグレッションばかりが目立ってますが、メロディーの本質は変わってないし、ノーマルVoの増加も悪い事とは思いません。 ただ、そうやって考慮しても、前作程粒揃いってわけじゃないし(まあ「DEATH UNLIMITED」級の曲がポンポン出来たら怖いけど)、ペトリのウルフVoも少々曇りがち。国内盤はミニアルバムが全曲入ってますが、正直微妙なのが多い‥‥。 お気に入りは「NORTHER」と「SCREAM」。前者はバンド名を冠した疾走曲。歌詞が今までの曲のタイトルから出来てるというセンスが良いです。後者は本作の中でも最も昔を彷彿とさせる曲です。 |
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![]() N / 2008年作 / 82点 |
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やけにタイトルがシンプルになった5枚目。 基本的には前作と同じ路線なんですが、ちょっとだけ昔に戻ったような感じがします。 昔というのは当然、初期の北欧メロディ。とは言ってもクサいと形容出来る程戻っているわけでもなく、個人的には「DEATH UNLIMITED」と「TILL DEATH UNITES US」の中間くらいのような音楽性だと思いました。後輩ですが、NAILDOWNに近いタイプだと言えます。 荒涼としたKeyの出番がかなり増えており、それが昔に戻ったと意識させているんだと思いますが、モダンな色合いもしっかり受け継がれており、このありそうで実はあまりない「北欧モダンメロデス」は彼らのオリジナリティだと言っていいでしょう。 ただ、間違いなくカッコいいサウンドではあるんですが、決め手に欠けるメロディが少なく、アグレッションで言えばメタルコア勢にも勝てていないわけで‥‥。屈指の名曲「DEATH UNLIMITED」に追いつく曲も見つける事は出来ず、小粒なイメージは拭えませんでした。 お気に入りは「Always & Never」。本作中、最も「ダンサンブル」な曲。こういう曲って面白いね。 人によってはまだ中途半端と言うかもしれません。私自身も結構そう思ってます。もう何枚かアルバムを重ねれば、すっごい作品を作りそうな気がしますよ。 |
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![]() CIRCLE REGENERATED / 2011年作 / 75点 |
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6枚目。 このバンドの顔であったVo&Gtのペトリ・リンドロスが脱退。新Voを加えた新章‥‥と言った所でしょうか。 音楽性は前作の延長線上で、北欧の抒情性はKeyの雰囲気程度に抑えられており、モダンな勢いがメインのメロデスです。 極めてクリアな音質、心地良い疾走感、寒々しいKeyの装飾など、中堅バンドらしい堅実さに溢れた作品です。モダンになったとは言え、北欧らしいフィーリングもしっかり残っており、この絶妙なコース取りが出来るバンドってそう多くないと思います。 でも良くないんですよね〜(汗)。理由はとっても簡単でして「サビでのノーマルメロディがつまらない」からです。Aメロ、Bメロがカッコイイ感じで来ているのに、サビで急につまならくなっちゃうんです。ぶっちゃけて言うならノーマルVoはいらないと思います。ずっとデスVoのままでいい。その方が絶対カッコイイと思います。ノーマルVoの中に女性Voまで入れちゃってますが、んな事しなくてよろしい! お気に入りは「Truth」。サビでの絞り出すようなノーマルVoが印象的でした。 決して悪い作品ではないんだけど、このバンドの「良い作品」を知っているだけに、どうしてもキツイ点数になってしまいます。次はどんな作品を出してくるんだろう? |
NOSTRADAMEUS (ノストラダムス) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥ジャーマンメタル |
![]() WORDS OF NOSTRADAMEUS / 2000年作 / 60点 |
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もしも私がバンドを組むんだとしたら絶対にこんな名前はつけたくない、な感じのバンドの一枚目。例の預言者の名前ですな。さて、そんな彼らの音楽性は分りやすい疾走ジャーマンメタルです。ハロウィンあたりと比べるのが一番いいんでしょうけど、彼らに失礼な気もします。 楽器は皆うまくできていて、とにかく馬鹿みたいに疾走しています。「だったらドラフォみたいに有名になっててもいいんじゃないの?」と聞く前は思っていましたが、聞いて有名にならない理由が分かりました。 メロが恐ろしいくらいつまらないんです。 メロがつまらない+疾走=どれも同じ=一枚聞く気になれない。という公式が出来てしまいました。今までたくさんのメタルアルバムを聞いてきましたが、これほどメロがつまらないと思ったバンドもあまりいないですね。マジでどれも同じ曲に聞こえます。お気に入りは特に無し。 マジで一歩飛び出た曲が無いです。お金が余って仕方ない人だけが聞くべき作品だと思います。 |
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![]() THE PROPHET OF EVIL / 2001年作 / 70点 |
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お金が余った人だけとか言ってたわりに手にしてしまった2枚目。ちょっと進化が見られます。 一番の変更点は疾走1本槍ではなくなったという事。ミドルなんかも入れてさすがに「どれも同じ」には聞こえなくなりました。ですが、メロのつまらなさは相変わらずで、私の耳では当たり曲はほとんどありませんでした。 お気に入りはイントロの次の「THE PROPHET OF EVIL」。これだけはちょっとだけ「おっ」と思いました。 |
NUCLEAR BLAST ALLSTARS (ニュークリアブラスト・オールスターズ) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥色々 |
![]() INTO THE LIGHT / 2007年作 / 84点 |
ヨーロッパ最大のインディーズメタルレーベルNUCLEAR BLAST(ニュークリア・ブラスト)の設立20周年を記念して作られたプロジェクトアルバム。 RAGEのヴィクター・スモールスキ(Gt)が陣頭指揮をとった本作は超豪華なVoが最大の特徴。同じRAGEのピーヴィー・ワーグナー、EDGUYのトビアス・サメット、SONATA ARCTICAのトニー・カッコ、BLIND GUARDIANのハンスィ・キアシュ、HELLOWEENのアンディ・デリス、そして現NIGHTWISHのマルコ・ヒエタラと元NIGHTWISHのターヤ・トゥルネン等々。いやぁ、凄いですな〜。 で、楽曲の方はと言うとヴィクターが手掛けているわけで、RAGEにかなり近いです。しかし、そこはベテラン・ヴィクター、器用にそれぞれのVoに合った感じに作り分けており、これが実に小憎らしい。トビアスの時はキャッチーに、ピーヴィーの時はへヴィに、そしてターヤの時は妖艶に、と根幹にある雰囲気は変わっていないのにカラーの異なる楽曲は聞いてて面白いです。 一発のキラーが無い事や、プロジェクトなので続きが無い(OUT OF THE DARKってのがありますが)のでこの点ですが、なかなかによく出来ているので、聞いて損無しです。 お気に入りは「Terrified」。ピーヴィーがVoをとるへヴィでプログレッシブな1曲。中間のベースソロが超カッコイイです! ちなみに、NUCLEAR BLASTの会社ってドイツのど田舎にあるらしいです。行ってみたいなぁ。 |
![]() OUT OF THE DARK / 2007年作 / 70点 |
メロパワ主体だった「INTO THE LIGHT」とは正反対のデスメタルを主体とした記念プロジェクト第二弾。陣頭指揮をとったのは元SOIL WORKのピーター・ウィッチャーズ。 「INTO THE LIGHT」と同じく、豪華なVoが特徴で、こちらはIN FRAMESのアンダース・フリーデン、元SCAR SYMMETRYのクリスチャン・アルヴェスタム、SOIL WORKのビョーン”スピード”ストリッドなどが参戦。若い所だとSONIC SYNDICATEのリチャード・スンネソン&ローランド・ヨハンソンなんかもいます。 楽曲も「INTO THE LIGHT」をお手本にしたのでしょう、各Voに合わせて曲が作り分けられており、典型的なデスメタルからブラストを取り入れたブラックっぽい曲まで、幅広いです。 ただし、所謂「メロデス」的な曲が存在せず、個人的にはちょっと物足りなさを感じました。あくまでVoが主体で、Gtメロが主役の曲が無いんですよね。また、Vo陣も(私からしてみたら)「INTO THE LIGHT」の方が豪華だったように思います。 お気に入りは「The Overshadowing」。元SCAR SYMMETRYのクリスチャン・アルヴェスタムが担当したスラッシーな曲。SCAR SYMMETRYを意識しまくったメロディが気に入りました。 個人的には「INTO THE LIGHT」の方が良かったと思いますが、デスメタ好きはこちらをどうぞ。せっかくならCHILDREN OF BODOMのアレキシとかも出てほしかったな〜。 |