ヘヴィメタルレビュー1つ前の更新

BLOOD STAIN CHILD
(ブラッド ステイン チャイルド)
出身地‥‥‥日本
ジャンル‥‥メロディックデスメタル

AMATERAS / 2019年 / 80点
ベストアルバムを挟んでの8年ぶり6枚目。
前作「EPSILON」で歌っていた女性Vo・SOPHIAは脱退しており、本作は「MOZAIQ」の時に歌っていたSADEWが出戻ってます。だからなのか、前作ほどトランス色は強くなく、「MOZAIQ」と「EPSILON」の中間くらいかなと感じました。
相変わらず演奏レベルは恐ろしく高いし、疾走感は抜群で気持ち良いし、トランスとメロデスも融合具合もやっぱり上手いなと思います。昨今、日本のメロデスが勢いづいていますが、その先駆者としての面目は保っていると思います。
ただ、結論から言うと、十分な満足感は得られませんでした。一番の理由はサビがほぼノーマルボイス(この声もSADEW氏なんだよね?)で歌われており、これが微妙だからです。迫力あるデスボイスとは打って変わってナヨナヨしてるし、それ以前に歌メロが物凄く微妙で、高揚感が得られないんです。1曲目「New Space Order」からして微妙ですからね(ちなみに2曲目「Del-SOl 1.02」も)。ノーマルVoはSOPHIAに(ゲストという形でいいから)歌ってほしかった。おそらく、それだけでもかなり印象は変わったと思います。
お気に入りは「EARTH」。疾走感・歌メロ、共に本作最高レベルの1曲だと思います。
悪くはないけど、ノーマルボイスをどうにかしてほしいと思った1枚でした。


DERDIAN
(ダーディアン)
出身地‥‥‥イタリア
ジャンル‥‥メロディックパワーメタル

LIMBO / 2013年 / 84点
4枚目。
本作はレーベル無し、つまり自主製作となっています。レコード会社のサポートが得られない事が影響しているのか、前作は結構良かった音質が少々悪化しています(十分聞けるレベルですが)。しかし、その音楽性はいささかも変わっていません。クサく疾走するシンフォニックパワーメタル道をひた走っています。Voが変わっていますが、それほど大きな影響は無いかなと思います。まあ、前任者の方が良かったと思いますけど。
メロディのクサさも前作に比べて甲乙つけがたい出来栄えで、4枚目でも枯渇しないアイデアに脱帽です。今後もこの路線のまま、ぜひとも進み続けてもらいたいです。
お気に入りは「Forever In The Dark」。7分もあるナンバーですが、クッサクサのメロディに悶絶する事間違いナシ。本作は疾走一辺倒の曲より、「Forever In The Dark」や「Strange Journey」みたいな、緩急のあるナンバーの方がクサくて良いですね。


ETERNAL TEARS OF SORROW
(エターナル ティアーズ オブ ソロウ)
出身地‥‥フィンランド
ジャンル‥メロディックデスメタル

SAIVON LAPSI / 2013年 / 70点
7枚目。前作とまったく同じ路線の、メロウで耽美性の強いメロデスです。
幻想的でダークな美しさに満ちた世界観は相変わらずとても魅力的で、楽器陣もその世界を見事に表現できていると思います。が、非常に残念ながら本作はサビが微妙な曲が大変多く、ズキュンと来なかったというのが正直な意見。ボイスの方は仕方ないとして、せめてギターやキーボードのメロディはインパクトのある煽情的なモノを用意してほしかった。7分もある「Angelheart, Ravenheart (Act III: Saivon Lapsi)」なんて、ひたすらに退屈だと感じました。
お気に入りは「Dance Of December」。これでも過去作に比べたら地味ですけどね。
ちなみにこのレビューを書いているのは2022年です。つまり、発売から9年も経ってから書いてるわけです。んで、今の時点でまだ8枚目は出ておらず、ネタが尽きちゃったのかな?と思ってみたり。


FALCONER
(ファルコナー)
出身地‥‥スウェーデン
ジャンル‥メロディックパワーメタル

ARMOD / 2011年 / 73点
7枚目。
全曲スウェーデン語で歌われている本作は、前作を踏襲した、スピードを抑えたフォーク色の濃い楽曲が並んでいます。
女性Voを起用したり、時折「おおっ!」と思わせるメロディも飛び出したりと、良い部分もあるんですが、結論から言うと、全体的に微妙だと感じました。
理由は大きく2つ。1つはストレートな展開の曲が少なく、パッと聴き分かりにくいという事。プログレッシブとまでは言いませんが、どこがAメロBメロなのかよく分からない曲が多めだと感じました。もう1つが肝心のサビメロもイマイチだった事。コーラスなどもあまり使われない為、ながら聞きをしているとサラリと流れて行ってしまいます。
この2つの要素により、インパクトが極めて弱いわけです。2回3回と聞き込めばなかなかに味があるんですが、かなり時間がかかると思いますね。
お気に入りは「Griftefrid」。彼らにしてはとても珍しいブラストが使われている曲。おそらく本作の中で最も分かりやすい楽曲だと思います。


GYZE
(ギゼ)
出身地‥‥日本
ジャンル‥メロディックデスメタル

ASIAN CHAOS / 2019年 / 87点
4枚目。
前作では、彼らの出身である北海道を意識した楽曲が並んでいましたが、本作は更にスケールアップし、「日本」をアルバム全体のテーマとしています。その結果、和楽器の使用や、和を意識したメロディがふんだんに使われており、海外のメロデスバンドとは一味違う“日本産”のオリジナリティが感じられる内容になっています。
相変わらずクサメロは十分に堪能できるし、疾走感も抜群です。演奏技術もプロダクションも一切文句はありません。ここまで優れたメロデスアルバムを作れるバンドはそういないと思います。ただ、結論から言うと、前作には及ばないと感じました。
最大の理由は「和にこだわりすぎている」という事。前作の北海道色は主にタイトルや歌詞程度で、曲自体は北欧色が濃かったのに対し、本作の「和」への意識は相当なレベル。歌詞には日本語が踊り、メロディもハッキリ言って「和ばっかり」です。故に後半は「くどい」と感じる事もありました。和の要素は半分程度にして、他はこれまで同様北欧メロデス路線の方が、メリハリがついて良かったのでは? また、時折入るノーマルVoも要らなかったかな。普通にデスVoオンリーの方がカッコ良かったと思います。
お気に入りは「Dragon Calling」。本作で最も「これまで」の色が濃い1曲。これにも和の要素はたっぷり入ってますけどね。
あと、X JAPANの「Forever Love」のカバーが入ってるんですが、これは完全に蛇足。何故バラードをアップテンポにした? やるなら、Voを全部Gtに代えて泣き泣きのバラードにすべきだったと思います。
なんか文句の方が多くなっちゃいましたが、優れたアルバムである事は間違いないと思いますよ。


INSOMNIUM
(インソムニアム)
出身………フィンランド
ジャンル…メロディックデスメタル

ONE FOR SORROW / 2011年 / 86点
フィンランド出身のメロデスバンドの5枚目。
AMORPHISの影響下にあるであろう、疾走に頼らない、メランコリックなメロディを丹念に紡ぐタイプのメロデスです。モダンな要素は一切無し、古き良き北欧のメロデスを徹底的に磨き上げた感じですね。
このバンドの良さはとにかくメロディが良い事が挙げられます。クサいと言っても差し支えないほど、抒情的で印象的なメロディがてんこ盛りなんです。例えスピード感が皆無でも、これだけメロメロならば十分に楽しめます。それでいながらデスボイスはなかなかの迫力で、「デスメタル」らしさも感じられるのも素晴らしいと思います。
お気に入りは「Only One Who Waits」。サビのメロディがたまらない1曲です。

SHADOWS OF THE DYING SUN / 2014年 / 90点
6枚目。
前作に比べて、更にメロディに寄った作りになっており、ガリガリ感はやや後退しています。ただ、そのメロディは幻想的な森の奥深くに誘い込まれるかのように魅惑的で、ガリガリ感の減退など何の問題もないと思えるほど素晴らしい出来栄えです。ここまで抒情性の高いメロディを持つバンドは早々いないと思います。こりゃ、先輩であるAMORPHISに一歩も引け劣らないレベルと言っても良いですね。
お気に入りは「Ephemeral」。サビメロがこれまた格好良いんです。


SERENITY IN MURDER
(セレニティ イン マーダー)
出身地‥‥日本
ジャンル‥メロディックデスメタル

THE HIGHEST OF DYSTOPIA / 2015年 / 85点
2枚目。
前作と同じく、ギターリフよりもキーボードアレンジの方が目立つ、雰囲気重視型メロデスです。とは言え、その幻想的で悲哀に満ちた世界観は更に磨きがかかり、雰囲気だけでなく純粋にメロディのインパクトも確実にレベルアップ、GYZEやTHOUSAND EYESとはスタイルは異なりますが、肩を並べるだけのクオリティに達していると思います。
ここまでのレベルに達しているもう1つの要因としてEmiの壮絶なデスボイスがあると思います。日本のメロデスバンドのVoってイマイチパッとしない声が多い気がするんですが、Emiの声は本当にカッコイイ。彼女の声のお陰で「攻撃性」を失わずに済んでいるんだと思います。
欠点は「曲が短い」事。3分台の短めの曲が多く、物足りなさを感じました。「試聴か?」という感じでフェードアウトして終わっちゃう曲もあるし、2分に満たない曲もありますからね。全曲1分ずつ長くしてもまったく問題無いと思いますね。
お気に入りは「Nocturnal Damned」。キーボードメロディが非常に「クサ」い1曲。途中に出てくる「和」のメロディもユニークで面白いと思います。


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BATTLE BEAST
(バトル ビースト)
出身‥‥‥フィンランド
ジャンル‥メロディックパワーメタル

UNHOLY SAVIOR / 2015年 / 85点
フィンランド出身のメロパワバンドの3枚目。
キーボードをたっぷりと使ったキャッチーで分かりやすい女性ヴォーカルメロディックパワーメタルです。キーの使い方が今風ではなく、ちょっと80年代風なのが特徴と言えるかも。
疾走する曲は2曲程度しかありませんが、そんな事は些細な事と思えるほど、歌メロがキャッチーで聴きやすく、それでいながらヘヴィメタルらしいパワフルさも感じられる、実に美味しい作品です。楽器陣の演奏も完璧ですが、特に本作をメジャーレベルにまで押し上げているのが、ヴォーカルのノーラ・ロウヒモです。男顔負けのパワフルな歌唱から女性らしい繊細な歌唱までパーフェクトに歌いこなす彼女がこのバンドのレベルを上げているのは間違いありません。見た目もかなりパワフルです(笑)。
会心の一撃な曲こそ見つけられませんでしたが、全ての曲が余裕で合格レベルという質の高さ。唯一気になったのがGt兼リーダーのアントン・カバネンによる男性ヴォーカルがあまりに個性的過ぎて受け付けなかった事くらいかな。
お気に入りは「Unholy Savior」。表題曲であり、BATTLE BEASTというバンドがどういう音楽を作っているのか、最もハッキリと表している曲だと思います。ちなみに、ポップ寄りな作風で賛否あったらしい「Touch In The Night」も、かなり好きです。

BRINGER OF PAIN / 2017年 / 90点
4枚目。
これまで全ての曲を作ってきたGtのアントン・カバネンが脱退(他のメンバーとの軋轢でクビに近い形だったとか)。新GtとしてKeyのヤンネ・ビョルクロトの弟であるヨーナ・ビョルクロトを迎えています。曲作りはこの兄弟を中心に、メンバー全員でやったらしいです。
さて、そんな感じで体制が大きく変わった本作ですが、キャッチーな歌メロを中心としたパワフルなメロパワという路線は変わっていません。若干メタル要素が減り、歌メロが更に前面に出た感があり、ココは好みによって賛否別れると思いますが、個人的にはまったく問題無いと思っています。そう思えるくらい、歌メロが印象的で良いんです。ノーラ・ロウヒモ姐さんの歌唱も相変わらず素晴らしい出来栄えです。
1発目を飾るこれぞバトビと言える「Straight To The Heart」、本作で最も疾走感のある「Bringer Of Pain」、北欧バンドらしい哀愁溢れる「Beyond The Burning Skies」、ラジオで流れていもおかしくなさそうなメジャー感のある「Familiar Hell」、勇壮なメロディがカッコイイ「Basterd Son Of Odin」など、どれも秀逸な出来です。ただ、8曲目以降はちょっとパンチに欠ける曲が多い気がします(汗)。
特にお気に入りは「Familiar Hell」、MVが動画サイトで見れるんですが、この曲を聴いてこのアルバムを買おうと決心しましたからね。それくらい好き。
リーダーの脱退も痛手にならず、むしろ更にメジャー感が出た気がします。


CELESTY
(セレスティ)
出身‥‥‥フィンランド
ジャンル‥メロディックパワーメタル

VENDETTA / 2009年 / 87点
4枚目。
ヘヴィ路線だった前作から大きく変わり、大仰なオーケストラを用いたド級シンフォニックメタルになっています。曲調としては1枚目の頃に戻った感じですが、あの頃とはシンフォニック度も、そして演奏レベルも段違いと言っても良いほどレベルアップしています。
とは言っても、肝心なのはやはりメロディです。メロディが良くなければ、どんな形になろうとも高評価は与えられません。で、これが実に良い(笑)。悪くはなかったけど、イマイチ煮え切らなかったこれまでのアルバムとは打って変わり、「クサい」と言っても良いほど抒情的なメロディがてんこ盛りで、それでいながら演奏レベルも十分A級と呼べるレベルに達しており、クサメロを愛するメタラーならほぼ間違いなく気に入ると思います。
気になった点は、オーケストラサウンドがややモヤッとした感じだった事。もうちょっとジャンジャン!みたいな“締めたサウンド”にした方がタイトになって聴きやすくなるんじゃないかと思いました。
お気に入りは「Like Warriors」。RHAPSODY OF FIREがやってもまったくおかしくないシンフォニックパワーメタルナンバーです。サビでの女性コーラスが美味しい「Feared By Dawn」も好き。
4枚目にしてついに化けた感があります。ぜひともこの路線を続けて行ってもらいたいですね。


DERDIAN
(ダーディアン)
出身‥‥‥イタリア
ジャンル‥メロディックパワーメタル

NEW ERA Pt.3 THE APOCALYPSE / 2010年 / 85点
3枚目。
特に大きく変わる事無く、クサいメロディを垂れ流しながら疾走するメロスピ道をひた走っています。ちなみにこれまでは国内盤が出ていましたが、本作は出ていないようです……。
決定的な1曲こそ見当たりませんでしたが、逆に言えば極端につまらない曲というのも無く、全ての曲がクサく(笑)、哀愁メロディを愛する人なら最初から最後までたっぷり楽しめると思います。個人的にはもう少し音質をプロフェッショナルなレベルにくれれば、もっと嬉しかったんですが難しいのかな…?
お気に入りは「Dreams」。これぞDERDIAN節! と言える哀愁をまき散らしながら疾走する1曲です。


DGM
(ディージーエム)
出身‥‥‥イタリア
ジャンル‥プログレッシブメタル

MOMENTUM / 2013年 / 65点
8枚目です。
ここ最近のアルバムと同じく、もはやプログレ的要素ほぼ皆無の、スピーディーでエッジの効いたメロパワが展開されています。
相変わらず楽器陣の演奏は見事の一言で、卓越された技術を惜しみなく使いながら決して難解にはならず、「カッコイイ」と感じられるメロディ作曲能力には脱帽です。ただ、それに反してメインの歌メロは非常に地味で、全然耳に引っ掛かりません。いっその事デスボイスで歌ってくれよと言いたくなるレベルで地味です。前作は結構良かったのに……。リフなどの楽器陣のメロディが非常にカッコイイだけに、この歌メロの無味無臭っぷりは非常に残念でした。
お気に入りは今の所無し。聴き込めばいくつか気に入る曲が見つかるかもですが、そこまで聴き込むかどうか……。


GLADENFOLD
(グラッデンフォールド)
出身地……フィンランド
ジャンル…シンフォニックメタル

WHEN GODS DESCEND / 2019年 / 85点
前身バンドも含めると結成は2003年という、フィンランド出身のシンフォニックメタルバンドの2枚目。
基本はKeyをたっぷりと使ったファンタジックなシンフォニックメタルなんですが、そこにデスボイスがかなりの量使われているのがこのバンドの特徴です(どちらも同じ人が歌っている)。ノーマルボイスとデスボイスを両方使うバンドが今時珍しくもないですが、ここまでシンフォニックなメタルにここまでデスボイスを使うバンドは前例が無いと思います。
と、そういった珍しいスタイルを差し置いても、このバンドはなかなかに魅力的です。どの曲もファンタジックで印象的な劇的メロディ、一昔前の言葉で言えば「クサメロ」がシッカリと配されており、ノーマルボイスにしろデスボイスにしろ、歌メロもそこに上手くマッチングしていて、抒情的なメロディを愛する人ならばビビビと反応する事間違いなしだと思います。疾走感もかなりありますしね。特にKeyのメロディが美味しくて良いです。
ただ、まだまだ洗練されていないとも感じました。全体的にメリハリに欠け、曲が間延びしているような印象がある事、ノーマルボイスでのサビがややキャッチーさに欠ける傾向があると思います。今後そこをギュッとまとめられるようになれば、更に大きな話題になるんじゃないかなと思います。
お気に入りは「Brothers」。3分程度しかない曲ですが、このバンドがどういう音楽をやっているのかを最もコンパクトに伝えている曲だと思います。物悲しいアコギが印象的な「Ghosts Of Our Past」も良いと思います。


GRAVEWORM
(グレイヴワーム)
出身地……イタリア
ジャンル…メロディックデスメタル

AS THE ANGELS REACH THE BEAUTY / 1999年 / 85点
イタリア出身のメロディックデス/ゴシックメタルバンドの2枚目。
アルバムの順番に並べてはいますが、私がコレを聴いたのは実は8枚目の後で、更に2012年にリマスターされたバージョンです。まあ、オリジナル版聞いた事無いんで比べられませんけど(汗)。
さて、このバンドは海外では分かりませんが、少なくとも日本においては本アルバムと次の3枚目が特に高評価です。8枚目まで聞いて、私もそう感じています。キーボードやヴァイオリンをフルに使ったシンフォニックなメロデス/ゴシックメタルは、幻想的で悲哀とクサさに満ち溢れており、実に美味。泣き喚くようなデスVoもこの音楽性に合っていると思います。疾走感はありませんが、この甘美なメロディの前にスピードなどどうでもいい気すらしますね。むしろスローなテンポだからこそ良いんだと思います。
メロディのインパクトで言えば次作の方に軍配が上がりますが、本アルバムも非常にメロディアスで聴きやすいのでお勧めです。
お気に入りは「A Dreaming Beauty」。このバンドらしさ100%の曲。これを1発目に持ってくるのが素晴らしいです。


SERENITY
(セレニティ)
出身地……オーストリア
ジャンル…メロディックパワーメタル

DEATH & LEGACY / 2011年 / 78点
3枚目。
前作と同じくシンフォニックでメロディアス、でもスピードには頼らない「シンフォニックになったKAMELOT」な作品です。Voを含めて、全ての楽器陣の演奏も極めてタイトでハイレベル。危なっかしい部分は一切無く、安心して聴けると思います。
が、大変残念な事に、肝心の歌メロがこの素晴らしい環境にイマイチ追い付いていません。AメロBメロは凄く良くて期待度も上がるんですんが、満を持して出てきたサビが「え〜、そこでそういうメロディなの?」と思っちゃう感じなんですよね。良い曲ももちろんあるんですが、アルバム全体にそういう地味な曲が満遍なく散りばめられていて、正直印象はあまり良くないです。また、スピード感がどれもほとんど一緒というのも印象を悪くさせてしまう要因かと思います。「またこんな感じかよ…」とか思っちゃうんですよね。2曲くらい爆走曲があっても良かったんじゃないかな。
お気に入りは「My Legacy」。ラストを飾る1曲です。これも過去の名曲に比べれば地味だと思いますが、このアルバムの中では一番良かったと思います。

WAR OF AGES / 2013年 / 83点
4枚目。
2枚目辺りから目に見えて減ってきていたプログレッシブな要素がほぼ消滅し、過去最高にストレートな作風になっています。
前作はイマイチメロディが弱い曲が多く、個人的にはあまり満足できなかったんですが、本作はストレートな作風になったからか、メロディもそこそこ良くなっていると思います。「The Art Of War」や「Symphony For The Quiet」なんかはその変化がよく分かります。
ただ、その一方で「The Matricide」や「Tannenberg」「Age Of Glory」などはまだ一歩突き抜けていない感じで非常にもどかしいんですよね。こういう曲が無くなれば、少なくとも日本ではもっともっと話題になると思うんですけどね……。
お気に入りは「The Art Of War」。彼らの中でもかなりスピード感のある曲です。こういうのが前半にあるとアルバム全体の印象が良くなるんですよね。
もはや形は完全に固まっています。あとは良い曲を生み出すだけです。


SKYMNING
(スキムニング)
出身………スウェーデン
ジャンル…メロディックデスメタル

STORMCHOIRS / 1999年 / 80点
スウェーデン出身のメロデスバンドの1枚目。
キーボード無し、ツインギターによる抒情的なメロディ満載のメロデスで、「初期IN FLAMES系」と言えば分かってくれるかと思います。実際、その頃に出たアルバムですしね。
ハッキリ言えばB級です。ヴォーカルは一本調子な上に弱々しいし、演奏もドタバタしていて拙さが見て取れます。音質も決して良くはありません。しかし、全編を通して溢れ出る抒情メロディ、一昔前の言い方をすれば「クサメロ」が非常に魅力的で、上記欠点を考慮しても、「もっと聴かせてくれ!」と言いたくなってしまう中毒性があるんです。このメロディのクサさは同郷のDISPATCHEDに引け劣らないと思います……って、この例え分かりにくい?
演奏レベル、音質が上がれば、間違いなくもっと高評価を得られると思いますね。
お気に入りは「Above」と「At the Fields of Megiddo」。どちらも疾走感抜群の曲で、サビでのギターメロがたまらなくクサくて最高です。
是非このままの路線で続けてほしいんですが、ネットで調べた感じだと2枚目以降はインダストリアルな方向に行った上に3枚目出して解散しちゃったらしいです。残念……。

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