PANTERA (パンテラ) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥グルーヴメタル(?) |
![]() COWBOYS FROM HELL / 1990年作 / 93点 |
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アメリカ・テキサス州を拠点とするヘヴィメタルバンドのメジャーデビュー作にして5枚目。 「グルーヴメタル」や「モダン・ヘヴィネス」など、彼らの音楽を形容する時は色々な言葉が使われますが、それはつまりこれまで彼らのような音を出していたバンドがいなかったという事である。 個人的な言い方をすれば「非常にグルーヴィーなスラッシュメタル」と言った感じでしょうか? フィル・アンセルモの壮絶な絶叫、ダイムバッグ・ダレルのトゲトゲしいリフの嵐、レックス・ブラウンの重厚なBa捌き、ヴィニー・ポールの超気持ち良いドラミング。 スラッシュメタルのような鋭角で重苦しいサウンドなのに、タテノリを誘うリズムが満載なのである。 JUDAS PRIESTのような正統派の曲もあるし、METALLICAの作るバラードのような曲もある。でも、全体を通して聞けば「PATERAの曲」としか言い様が無いのです。 私が気に入ったのは(というか、ほとんどの人がそうだろうけど)、ダイムバッグ・ダレルのGt。ザクザク刻まれるリフは勿論、官能的なソロまで全てが超カッコイイです。 お気に入りは「Cowboys From Hell」と「Cemetery Gates」、「The Art Of Shredding」の3曲。「Cowboys〜」はPANTERAというバンドがどういうバンドなのかを端的に表している曲で、リフが最高にカッコイイです。「Cemetery〜」は前述した「METALLICAの作るバラードのような曲」、イントロの物悲しさが堪りません。最後の「The Art〜」は曲展開が素晴らしい1曲。疾走部分が超クールです。 音全体が軽いのが難点ですが、メタルを聞くならマスターピースです! |
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![]() VULGAR DISPLAY OF POWER / 1992年作 / 87点 |
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6枚目。タイトルを直訳すると「下劣なる力の誇示」。日本語タイトルの「俗悪」というのは結構当たってますね。それにしてもジャケットのインパクトが凄すぎます。 さて、PANTERA史上最高傑作と言われている本作ですが、基本路線は前作と変わっておりません。ただ、音がワンランクレベルアップしており、また重い曲は更に重く、早い曲は更に早くと、彼らの特色がよりはっきりと表現されたアルバムだと思います。 ただ、個人的には前作を超えるまでには至っていなかったと思います。理由はリフです。前作に比べると面白い(カッコイイ)リフが減ってしまったように思います。また、ミドルナンバーが増えたのも、バリエーションが減ったと思わせる一因かと思います。 それが「PANTERAだ!」と言われればもう何も言えませんが。。。 お気に入りは「Regular People (Conceit)」と「Hollow」。前者は一番がリフが気に入った曲。後者は前作の「Cemetery Gates」に匹敵する珠玉のバラード。後半ヘヴィになる所もステキ! |
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![]() FAR BEYOND DRIVEN / 1994年作 / 70点 |
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7枚目。 更にヘヴィで重苦しくなっており、この息苦しくなるような圧迫感は凄いです。 が、スピーディーな曲が皆無な事、「COWBOYS FROM HELL」の頃にはあった聞いていて面白いリフも無くなっており、確かにヘヴィではあるものの、正直それだけになってしまったという感じです。 |
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![]() THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL / 1996年作 / 60点 |
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8枚目。 更にヘヴィで重苦しくなっており、ここまでくると私はもう楽しむ事が出来ませんでした。 確かにグルーヴィですが、それだけしかないってのはさすがに面白くありません。メロディアスなリフな乗れるリズムがあってこそだと思うんですが‥‥。でもまあ、年代を考えればこういう作品になるというのも理解出来なくはないですが。 |
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![]() REINVENTING THE STEEL / 2000年作 / 75点 |
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9枚目にしてラストアルバム。 方向性は勿論まったくもって不変。当時ダレルとフィルの関係は劣悪だったらしいですが、こうして聴いている限りではそんな事は微塵も感じさせないのは素晴らしいです。 前作、前々作に比べると少しですがリフも面白くなっており、ちょっとですが楽しむ事が出来ました。が、相変わらずスローな重量感で押しまくるスタイルは固持されたままでした。というか、これがPANTERAの一般的なイメージなんでしょうけどね。 お気に入りは「You've Gotta Belong To It」。かなり変わったリフが面白い1曲です。 |
PARAGON (パラゴン) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥正統派メタル |
![]() FORGOTTEN PROPHECIES / 2007年作 / 50点 |
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ドイツ出身の男気メタルバンドの8枚目。 どこを切っても金太郎飴的な愚直なまでの超正統派メタルをやっています。Keyなど洒落た装飾は一切無く、Voは雄々しい雄叫びをあげ、ひたすらにへヴィメタル道を突っ走ってます。この方向性、音楽性はGRAVE DIGGERを彷彿とさせますな。 ただ、これが実につまらない‥‥。大きな理由は2点。1点はとにかくフックに乏しく歌メロが地味だという事。スピード感も似たようなものばかりなので、余計地味に感じられます。もう少しキャッチーさがあってもいいと思うんだけどなぁ。 もう一つは楽器。下手ではないですが、少なくとも「クール」とか「カッコイイ」という表現からは程遠い「荒い演奏」です。こういう音楽にはこういう演奏が合うのかもしれませんが、私はちょっときつかったです。 お気に入りは無し。今探してます。 正統派が好きで好きで好きでたまらない人はどうっすか? |
PARASITE INC. (パラサイト インク) |
出身地‥‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディックデスメタル |
![]() TIME TEARS DOWN / 2013年 / 90点 |
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ドイツ出身のメロデスバンドの1枚目。 YouTubeでたまたま見かけて気に入ったというイマドキな感じで知ったバンドです。で、近所のディスクユニオンで国内盤が売っていたので即購入(国内盤が出たのは2019年)。一聴して、「こりゃ、久々にイキの良いバンドが出てきたな!」と強く感じました。 音楽性は「ARE YOU DEAD YET?」以降のCHILDREN OF BODOMをもっとストレートにした感じのモダンなメロデスです。ノーマルヴォイスやKeyはほぼ使われておらず、ギターメロだけで勝負する非常に王道なメロデスです。 キレ味鋭いリフで突っ走りながら、サビではメロディアスな旋律を奏でてくれる楽曲は聞いてて実に気持ち良く、20代の頃、メロデスにハマりだした頃を思い出します。新鮮味はありませんが、CHILDREN OF BODOMやIN FLAMES、ARCH ENEMYなんかを聴いてメロデスに目覚めた人ならば確実にツボにハマるアルバムだと思います。 それにしても楽曲の充実度がハンパ無い。イントロに続く大爆走曲「Back For War」、典型的なメロデスナンバー「Time Tears Down」「Chaos Inside」、ちょっとメロブラっぽい「Function Or Perish」、4分間ひたすら爆走する「Armageddon 16 To 9」、サビがCOBみたいな「In The Dark」、本作で最もメロディアスなミドルナンバー「The End Of Illusions」、他とは毛色が違いキラキラしたKeyをたっぷり使った「Deadlife」など、捨て曲の無い極めて粒の揃ったアルバムです。 欠点はヴォーカルが一本調子だという事。カッコ悪いわけではないんですが、もっと抑揚をつけて「デスボイスだけど歌えれば」更に素晴らしくなると思います。 どれも良いんですが、強いてお気に入りを挙げるなら「Back For War」。この1曲の破壊力は凄いです。 実に素晴らしい新人が出てきましたね。彼らはこれからも追いかけようと思います! |
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![]() DEAD AND ALIVE / 2018年 / 85点 |
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2枚目。 前作に比べて5点下がっている事からも分かる通り、個人的にはちょっと残念な出来だったかなと思いました。 一番の理由はスピード感の減退です。曲自体は決して悪くはないんですが、ABメロのテンポがやたらとトロく、サビに行くまでが退屈だと感じる曲が多かったですね。 また、全体的にスマートというか細身になっており、前作の滾るようなパワーはあまり感じられませんでした。イキってた田舎の兄ちゃんが都会に染まってお洒落になっちゃった感じ(笑)。 パワーが減った分、サビのメロディアスさが強調されているとは思います。なので、メタル初心者はコッチの方が聞きやすいのかもしれませんが、個人的にはパワー不足だと感じました。曲数も減っちゃってるし。 お気に入りは「Sunset Overdrive」。メロメロの1曲。っていうか「サンセット オーバードライブ」ってなんかメロデスっぽくないお洒落なタイトルですね(笑)。 繰り返しますが、決して悪いアルバムではありません。十分、良質なメロデスアルバムだと思います。ただ、前作が良すぎただけなんです。 |
PATHFINDER (パスファインダー) |
出身地‥‥ポーランド ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() BEYOND THE SPACE, BEYOND THE TIME / 2010年作 / 70点 |
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ポーランド出身の若手シンフォニックメタルバンドの1枚目。 RHAPSODY OF FIREとDRAGONFORCEと合わせたような、疾走感抜群のシンフォニックメタルをやっています。 おそらく、方向性は相当日本人受けするスタイルだと思います。私もイントロを聞いた時は「うおっ! ここから超ド級のファンタジックワールドが炸裂するのか!?」と期待が高まりましたもん。しかし聞き終えた後に残った感想は「‥‥う〜ん、なんかイマイチ」というものでした。 理由は2つあります。一つは疾走感です。はっきり言って「早すぎ」です。早すぎて、シンフォニックアレンジが追い付いていないというか、合ってないと思うんです。 それと、ここが一番肝心なのですが、メロディがイマイチです。確かにシンフォニックアレンジは上手いし、所々に「おっ、これはイイね」と思わせる部分はあったんですが、全体にサビメロが弱くて、シンフォニックアレンジに歌メロが埋もれてしまっている気がしました。 早すぎる上にサビメロが弱いので、全体的に強弱に欠ける傾向があり、聞いてて非常に疲れるんです。この辺りは要改善だと思います。 とは言え、決して嫌いな方向性ではないし、鍛練を重ねていけばきっと凄いアルバムを作ってくれそうな気がします。 お気に入りは「Pathway To The Moon」。サビのクワイアが高揚感を煽ります。 次作に期待します! |
PERSEFONE (ペルセフォネ) |
出身地‥‥アンドラ ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() TRUTH INSIDE THE SHADES / 2004年作 / 85点 |
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フランスとスペインの国境沿いにある小さな小さな国アンドラ公国出身バンドの1枚目です。 珍しいお国柄はまあ置いておくとして、かなりのツワモノだと思います。「シンフォニックになったオーペス」とも呼べるような、プログレッシブな感性を思い切りぶち込んだシンフォニックデスです。 叫び、グロウル、ノーマルの3タイプのVo、メロデス、ブラック、ゴシック、ネオクラシカル、プログレ、ととにかく色んなものがいっぺんにぶち込まれており、一曲の中にそれらが組み込まれている為、なかなか一筋縄では行きません。 しかし、どのパートもすべからくドラマチックなのが素晴らしい。特に幻想性を強く反映させているKeyが大変良いんです。時にクラシカルなメロディーを紡ぐGtもいいし、Voも迫力があって申し分無し。 個人的にはDGMのようにABメロ、サビなどを明確にして欲しかったんですが、これはこれで長く聞ける作品だと思います。 お気に入りは「THE HAUNTING OF HUMANS DENAIL」。アコギ、ピアノ、ブラスト、疾走、デス、グロウル、ノーマル全部入りのラストナンバー。何か良く分からないけど、凄い感じがします。 これでもかなりの完成度です。次はもっと楽曲をストレートにしてほしいっすね! |
PERSUADER (パースエイダー) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() EVOLUTION PURGATORY / 2004年作 / 75点 |
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大規模なメタルコンテストで優勝したという「超ブラインド・ガーディアン」タイプの2枚目です。そう言えば某小説で「パースエイダー」ってな拳銃使ってるヤツがいたなぁ。 で、前述したように初めて聞いた時は本人達か? と思ってしまった程ブラインド・ガーディアンにそっくりです。Voのタイプ、コーラスの入れ方、マイティーなメロディー。正直、ここまで真似っ子でよくそのコンテンストで優勝なんか出来たなぁ、と思います。まあ、ここまで真似出来るのも凄いと言えば、凄いですけど。 ただ、先輩にはまだまだ及んでないと思います。とにかく印象に残るメロディーが少ない‥‥。雰囲気は物凄く出てるんですが、雰囲気だけで終わるばかり‥‥。また、ぶっ飛び方もまだまだ先輩を追い越せてないですね。元祖のDrはある意味化け物でしたけど。 お気に入りは「TO THE END」。これだけがピクッと来ました。他は‥‥覚えてない; 馬力はあるがまだハンドルの無い車。彼らはそんな感じです。次こそ悶絶メロディーを頼みます! |
PINK CREAM 69 (ピンク・クリーム69) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ハードロック |
![]() SONIC DYNAMITE / 2000年作 / 83点 |
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現HELLOWEENのアンディ・デリスがいた事でも知られるドイツのハードロックバンドの7枚目。 ドイツと言ってもHELLOWEENのようなジャーマンメタルではなく、オーセンティックなハードロックなのが特徴です。 ここ日本ではFAIR WARNINGというメロハーのトップランナーがいるお陰で見事なまでに日陰生活を余儀なくされてる彼らですが、Voデヴィッド・リードマンの感情豊かな歌唱、確かな演奏陣、そして心地良く体に染み込む馴染み易い楽曲の数々は、どれも粒揃いの出来。 特筆するべき事はほとんど無いんですが、堅実な1枚だと思います。 お気に入りは「The Spirit」。ミドルテンポのパワーバラードなんですが、デヴィッドのウェットな歌唱が胸を掻き毟る大変良いナンバーです。 良いメロディのハードロックバンドがお探しの方は是非どうぞ。 |
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![]() ENDANGERED / 2002年作 / 81点 |
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8枚目。 路線に変わりはないものの、どの曲もへヴィになっており、ずっしりと重心が座った感じがします。しかも今回は疾走曲まであり、正統派ヘヴィメタルやメロスピが好きな人にもアピール出来るかも!?(いや‥‥それは難しいか) ただ「そんなのはメンマの数が3枚から4枚になっただけ」と言える程根幹にあるものは変わってなく、メロディに関して言えば前作の方が扇情力には優れていたかなと思います。 お気に入りは「Promised Land」。約束の島‥‥。そう、そんな感じのメロディなんです(意味不明)。 |
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![]() THUNDERDOME / 2004年作 / 86点 |
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9枚目。 やっぱし変わりありません。ただ、歌メロに関しては過去最高の充実さがあるのではないかと思います。 特に中だるみを感じる7〜10曲目辺りにガッツリとフックのある曲を持ってくるのはGOODチョイス。お陰で前半後半にやや捨て曲があるのを見事に忘れさせてくれます。まあ「My Sharona」はカバーですが、構成としては全然ありです。 お気に入りは「Here I Am」。デヴィッドの早口なサビがカッコいい! |
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![]() IN 10 SITY / 2007年作 / 60点 |
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10枚目。 ここまでくれば路線が変わるなんて事は無く、本作もこれまでと同じ路線です。 同じ路線ですが、メロディまでは続ける事が出来なかったようで、本作、メッチャ地味です。このレビューはCDを手にしてしばらくしてから書いているのですが、これを書いている今現在どんな曲が収録されていたのか、まったく覚えておりません。 元々インパクトのある曲をいっぱい書くバンドではありませんでしたが、それにしても本作の薄味っぷりと言ったら昆虫用ゼリーに近いなぁ‥‥。お気に入りは当然無し。 デビット・リードマンの声が好きなので聞いているんですが、次はどうするかな‥‥。 |
PLACE VENDOME (プラス・ヴァンドーム) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() PLACE VENDOME / 2005年作 / 75点 |
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元HELLOWEENのマイケル・キスクがVoをとるメロハープロジェクトの1枚目。 このプロジェクトの発案者はメタル系ライナーを読んでいれば一度はその名は見た事があるであろうPINK CREAM69のデニス・ワード。AOR(大人向けのロック)をやるという話から始まり、メタルとは距離を置いていたマイケルもそれならという感じで歌ったらしいです。 一言で言えば、かなりソフトなメロハーです。全編ミドルでハードなGtリフやソロなども控えめ。完全な歌モノで、曲によってはメロハーとすら呼べない程穏やかなものもあります。 マイケルもHELLOWEENで聞けたようなハイトーンはまったく使ってなく、メロディも切ない系ではなくポジティブで前向きな雰囲気が多いです。何も知らず聞いていればこれをHR/HMにすら入れなかったと思います。それくらいソフトで穏やかな作品です。真っ赤な鷲のジャケが不自然なくらいです。 非常に刺激の少ない作品なので、初めて聞いた時は地味だと思いましたが、ただ冷静に聞くとはこれはこれで決して悪くはありません。後半になっても良質のメロディが聞けるし、マイケルだとかって情報を消し去れば、十分イケる作品だと思います。「Magic Carpet Ride」というキラーチューンもありますしね(この曲は本当、いいよ!)。 メロハーが好きな人ならきっと気に入る作品だと思います。HELLOWEENを期待しては絶対いけませんぜ、旦那。 |
PLATITUDE (プラティチュード) |
出身地‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() SECRETS OF LIFE / 2003年作 / 80点 |
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イタリア出の若手バンドの1枚目。ツインGt、ツインKeyの7人編成。 その音楽性はマジェステックやイングヴェイからの影響を滲ませるピロピロKey入りメロパワです。シンフォニーXなプログレ臭も若干感じ、ソナタのような疾走馬鹿ではありません。 皆若いくせに、腰を降ろした演奏を披露しています。ハスキーなVoという点からも、トワイライトニングに近い感触ですね。個人的には的確にビートを刻むDrが大好き。 ただ、トワイライトニングに比べるとフックに欠ける感があり、歌メロが地味なものが多め。ブリッジまではワクワクするよるようなメロディでありながら、サビでの畳み掛けが弱いんですよね。 あと、前半にばかり早めの曲を持ってきたのもちょっとマイナス。これらに文句が無ければ、おそらく日本でもトワイライトニング並みに話題になっていてもおかしくなかったと思います。 お気に入りは「DANCE THRU THE FIRE」。マジェスティックが作ったと言ってもおかしくないようなネオクラチューン。こういうのが後半にもあったらね。 |
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![]() NINE / 2004年作 / 60点 |
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2枚目。 前までのネオクラの風味はかなり押さえられ、更にプログレが足された感じになりました。このプログレがかなりの曲者で、素直に疾走してくれる曲がありません。なにせ一曲目から変拍子で来ますからね。正直、これはキツイ‥‥。 全体的に見ても、プログレ臭がきつすぎて、いまいち記憶に残りません。別にプレグレるのは全然構わないんですが、DGMのようにメロディは大切にしてほしかった。ガリガリピロピロと言ってるだけで、どんな曲だったか思い出せません;; 前もメロディが完璧だったとは言えなかったんですからねぇ‥‥。 お気に入りは‥‥思い出せない。という事で特にはありません。素質的にはとてもいいもの持ってるだけに残念です。 |
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![]() SILENCE SPEAKS / 2005年作 / 73点 |
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3枚目。 前作のウネウネとした展開は相変わらずながらも、完全にGtを食ってしまっているKeyによる幻想的なメロディが大変心地良く、前作よりはうんと印象は良いです。 ただ、肝心の歌メロの地味さも変わらずでほとんどの曲が生殺し状態。「それがサビっすか!?」と突っ込みを入れたくなるナンバーばかりです。日本人に受ける音楽性でありながら大きく取り沙汰されないのは、この歌メロの地味だと再確認しましたわ。ちょっとメロディを変えるだけでSONATA ARCTICAクラスになれそうな予感がするだけに余計惜しいなと思います。 お気に入りは「TELL THE TRUTH」。サビはやっぱり地味ですが、前奏のKeyが非常に良いです。 激メロ求む! |
POISON BLACK (ポイズン・ブラック) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ゴシックロック |
![]() ESCAPLXSTACY / 2003年作 / 81点 |
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元センテンスドのVo、ヴィレ・レイヒアラがGtを務めるゴシックバンドの1枚目。このCDが発売された時はまだセンテンスドは解散してなかったですけど。 センテンスドとTO/DIE/FORの間を行くような、非常に聞きやすいロックスタイルゴシックメタルです。Voはヴィレではないんですが、いやらしく情感たっぷりの歌唱は退廃的な雰囲気にぴったり。あとGtのヴィレは上手いですよ、とっても。 ぶっちゃけ、TO/DIE/FORとかを好んで聞いてる人にとっては新鮮さ皆無の音楽性ではあるんですが、メロディの威力は大きいし、ミドルばかりだけど適度にフックにも富んでるので、最後まで飽きる事無く聞けると思います。 お気に入りは「EXCITER」。神秘的かつ不穏なKeyがいい味出してます。 一撃必殺こそないですが、ゴシック好きはチェックすべし! |
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![]() LUST STAINED DESPAIR / 2006年作 / 76点 |
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2枚目。 専任Voが脱退してしまった為、ヴィレがVoも兼任、結果として後期センテンスドに近い音楽性になってしまいました。 前作に比べるとかなりアグレッシブになっていて、ロックとしての骨格がより強化されたように感じます。その代わりにゴシックらしい陰鬱な雰囲気が随分と(まるでセンテンスドのラストアルバムのように)無くなってしまい、個人的には実に残念。 出来は全然悪く無いんですが、同じような事してるライバルは数多くいるので、その中で勝ち残るにはただひたすら絶望的なメロディを鍛錬する事だと私は思うんですけどねぇ。まあ、私がそんな音楽ばかり聞きたいってのもありますけど。 お気に入りは「Love Controlled Despair」。跳ねるようなリズムに、印象的なメロディが映える名曲です。 さすがにこの手のジャンルは食傷気味になってきたかも‥‥。 |
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![]() A DEAD HEAVY DAY / 2008年作 / 80点 |
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3枚目。 枚数を重ねる毎に耽美的な雰囲気が薄れ、更にロックンロール風になっています。ただ、猛烈にやる気を失わせる絶望的な歌メロ(でもキャッチー)は依然として健在で、メロディの質で言えば前作を上回っているかと思います。 ヴィレの男臭さを感じる枯れた歌唱や、タイトながらカッコイイGtリフなど、大きく進化していない代わりに退化もしてない事はおおいに評価すべきかと思いますが、やはりSENTENCEDの超名盤『THE COLD WHITE LIGHT』には遠く及んでいないなというのが率直な感想です。 違うバンドなんだから比べるのも失礼な気もしますが、やってる音楽性が似てるんだからこれはもう仕方ない事です。 お気に入りは「A Dead Heavy Day」。サビのバックで切なく泣いているピアノが素晴らしく良いです。う〜ん、死にたい(笑)。 セクシーな男性Voに酔いたい腐女子の皆さんにおススメです。 |
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![]() OF RUST AND BONES / 2010年作 / 82点 |
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4枚目。 基本路線は前作と変わりありません‥‥と言うか、最初からまったく変わっていないんですが。 本作は前作以上に印象的な悲しみのメロディが息付いており、胸の締め付け具合がハンパじゃありません。ヴィレの男らしいエロVoも更に磨きがかかり、実に堅実な成長ぶりだと思います。 ただ音作りが前作よりも軽く作られている事が残念でなりません。特にヴィレのVoです。個人的にはもっと声を重ねて「厚み」をつけてほしいんですよね。声1本だけなんで、時々Gtに負けちゃってるんです‥‥。ちょっと味気無い感じもしますし。そこが改善されればSENTENCEDの後も引き継げるかも? お気に入りは「Invisible」。8分もある絶望的に暗く、そして抒情的な1曲。これぞ真骨頂と言っても良いと思います。ボーナストラックの「Half Past Dead」は一転してスラッシュメタルです。これも悪くないですよ。 彼らが好きなら外す事は無い、堅実な1枚です。 |
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![]() DRIVE / 2011年作 / 75点 |
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5枚目。 アルバムを重ねる毎に哀愁や絶望的な雰囲気が減っていき、ハードロック的なヘヴィ感が増加してきている彼らですが、本作はアルバムタイトルの通り、非常にドライブ感のある、聞いてて心地良いハードロックアルバムに仕上がっています。 彼ららしい殺伐感、歌メロの哀愁が決して無くなったわけではないのですが、減っている事は間違いなく、個人的にはここまでロックにすり寄ってほしくなかったと思います。 ただ、過去と比べずに聞けば非常に男らしくてカッコイイアルバムである事は疑う余地は無く、このアルバムから方向性が変わったわけではないので、これまでの彼らのアルバムを順当に良いと思っている人なら、やはりこのアルバムも外さないとは思います。 お気に入りは「Scars」。実に彼ららしい1曲。影を感じるメロディがステキです。 |
POWER QUEST (パワー・クエスト) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() WINGS OF FOREVER / 2003年作 / 90点 |
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ドラゴンフォースよりも早く現れたイギリスのハイスピードバンドの1枚目。ドラフォのGtが在籍しています。ビビるほどのスピードと超爽やかな歌メロでマニアを泣かせたにも関わらず、その後出た超巨大隕石ドラフォによって影の薄くなってなってしまった彼らですが、悪くはないです。 ドラフォと肩を並べるスピードと、キャッチーなメロは全編に渡って炸裂していますし、Voもちゃんと歌えています。Drが打ち込みという事を除けば何の問題もありません。‥ってそれがダメなのかなぁ? ドラフォは間奏部分がやたら長く、更に某中国人のかなりうざいGtが無い分、こちらの方が手軽に聞けます。1曲1曲がとてもコンパクトなんですよね。 お気に入りは「Far Away」。出だしのサビからして爽やかで爽快なナンバーです。彼らが同時にライヴやったらライヴタイトルは「ドラゴン・クエスト」で行きましょう(笑)。 |
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![]() NEVER WORLD / 2003年作 / 73点 |
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2枚目。なんか変わりましたね。色々と変わりました。 まず早い曲が減りました。全体的な感じでは半分くらいの速さになった感じがします。 そして、顕著に感じたのが「メロ」。前も明るい感じだったんですが、今回は輪をかけて明るくなっています。あとはKeyです。まるでヨーロッパかヴァン・ヘイレンかと思わせるような「パー」って音色になっています。 それと、声もなんか変わりましたね。前は結構無理なく歌っているように聞こえましたけど、今回明らかに無理しすぎ。ちゃんと歌えてはいるんですが初めて聞いた時は「こいつよく歌えるなぁ」と感心しました。 これらの大きな変化はちょっと残念でした。私はマイナーメロディによるドラマチックな楽曲を好みとしているんです。お気に入りは「TEMPLES OF FIRE」。かなーりVoが無理してますが、でも結構好きです。 |
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![]() MAGIC NEVER DIE / 2005年作 / 78点 |
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3枚目です。もはや完全にドラゴンフォースにお株を奪われてしまっており、これを持ってる人がどれだけいるか不明。 前作に引き続き、爽快感たっぷりのメロパワアルバムです。ミドルでいきなりメロハーばりのメロディになる辺りも前と変わっていません。 確かに聞いてて嫌な気分にはなりませんが、やっぱし刺激が足りないです。無理なハイトーンを出さなくなったVoや、パーと雰囲気を明るくするKeyとか嫌いじゃないんですけど、やっぱ私が彼らに求めているのは1枚目のような、交戦感情剥き出しの楽曲なんですよね。 後半になるに従ってメロハーナンバーが増えて行くし、「格好良い」の前に「爽やか」って感想が出てしまうのは、へヴィメタアルバムとしてはどうかな‥‥と。 お気に入りは「FIND MY HEAVEN」。イントロに続く2曲目です。こういうのがもっとあれば嬉しかったのに。 激烈さより、爽やかさが好みの人は聞いて損無しってアルバムです。 |
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![]() BLOOD ALLIANCE / 2011年作 / 60点 |
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4枚目‥ではなく5枚目。 1枚飛ばしてしまった事より、まだ活動していた事に驚いてしまいました(汗)。 妙に甲高い声だったVoが普通声の人に変わっていますが、基本路線は変わっていません。スピード感を重視したメロパワです。 が、つまらねー‥‥。こんなにつまらないバンドでしたっけ? とにかく歌メロが地味すぎ。Keyの方が遥かに印象的ですよ。更に前述したようにVoが普通声に人になっちゃっているので、輪をかけて地味になっており、正直最後まで聞くのが辛かったです。これなら確かにDRAGONFORCEに勝てないのも頷けるわ‥‥。 お気に入りは「Battle Stations」。1曲目のインスト。これを聞いた時には「おっ!?」と思ったんですけどね。 特に話題にもなってないっぽいし、もうそろそろさよならかもしれませんね、彼らとは。 ‥‥と思ったら、このアルバムをもって解散してしまったようです。そうか‥‥さようなら!(汗) |
PRAYING MANTIS (プレイング・マンティス) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディアスハード |
![]() PREDATOR IN DISGUISE / 1991年作 / 81点 |
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NWOBHM時にデビューし、日本でのみバカ受けした(らしい)メロハーバンドの2枚目。91年作。 ちなみに「PRAYING」とは「祈り」、「MANTIS」とは「カマキリ」という意味。つまり「祈りのカマキリ」? ‥‥意味分からんなぁ。 音楽性はクサいと言ってもいいくらいメロメロなGtやほんわかとしたKey、コーラスをふんだんに用いたメロハーです。私の耳には「ちょいハードなエイジア」みたいな感じで聞こえます。某掲示板には「メタルなチェッカーズ」なんて言われてました。 とにかくね、メロディがいいのですよ。80年代のロボットアニメを連想させる甘くて、幻想的なメロディが洪水のように溢れてきます。今聞けば「古臭い」とも言えなくもない音ですが、メロディは不変です! ただ、このアルバムは新加入したGtが持ち込んだアメリカンなテイストも入っているので、全てが完璧かと言うとそうでもないんですが。 お気に入りは「BORDERLINE」。ラストを飾る切ないバラード。ど頭の「CAN'T SEE THE ANGELS」もかなりいいdすが、私が気に入ったのはバラードの方でした。 |
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![]() A CRY FOR THE NEW WORLD / 1993年作 / 88点 |
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超名盤と言われている3枚目。 アメリカンテイストは完全払拭、更に非常に甘く、それでいて上手いVoが新加入した事により、彼らの描きたかったであろう世界観がほぼ完璧な形で描かれています。 前と同じ事言いますが、やはりこのバンドのメロディの美しさはハンパではありません。特にいいのがイントロ。「これはサビが超期待出来る!」と思わせる秀逸なイントロが揃っており、例えサビが地味だとしてもイントロのお陰で全体的な印象は非常に良いんです。 あとは捨て曲がほとんどありません。本当にどれも粒揃いで、早いとかミドルとかバラードとか、そんな事はどうでもよく思えます。それくらい曲がいいんです。 お気に入りは「LETTING GO」。エッジの効いた出だしとメロディアスなサビが悶絶を誘う、本作最大のハイライト! |
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![]() TO THE POWER OF TEN / 1995年作 / 80点 |
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Voに元MSGのゲイリー・バーデンが加入した4枚目。 世間的には「ゲイリーのVoはカマキリには合わない」や「泣きが少ない」なんて言われ駄作扱いされてるみたいですが、私はゲイリーの声は好きだし、泣いてりゃ何でもOKとも思ってないので、別にそこはマイナスではありません。となると、もう単純に私の琴線に触れるメロディがあるか無いか、になるんですが、残念ながら前作には及びませんでした。 彼らの持ち味は美しくも、決して爽快にはなれない哀愁のメロディだと思うんですが、結構晴天爽快なナンバーが多く、どうもググッと切なくなれませんでした。そういうのが好きな人にとっては最高とも言えなくもないですが。 これはゲイリーのせいでも泣きのせいでもなく、ただ単に今回は個人的ヒット曲が無かったという事だと思うんですけどね。 お気に入りは「ONLY THE CHILDREN CRY」。泣き泣きのGtから入り、適度に疾走しながら叙情メロディを垂れ流す典型的な彼らのナンバー。しかし、それだからこそ好きなのです! |
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![]() FOREVER IN TIME / 1998年作 / 90点 |
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またVoが変わっての5枚目。 不変です! Drがスカスカになったけど、Voが上手くなったから許す! で、早々本題に入りますが、良いメロディが多かったか少なかったか、です。答えは「YES」です。今回は良かったですね! 6〜7分の曲が多かったんですが、どれも壮麗なコーラスをふんだんに用いており、美しさは天下一品。更にどれも適度な湿り気と叙情性を持っている。これこそマンティスです。 世間では「A CRY FOR〜」を最高傑作に挙げている人が多いですが、私は絶対こちらの方がいいと思います。マジで頭の先から尻尾まであんこ詰まりまくりです。 お気に入りは「THE DAY THE SUN TURNED COLD」。今までの彼らの中でも間違いなく最高速度を誇る疾走曲。「BEST YEARS」も勿論好きですが、強いてあげるなら前者です! メロディを愛する人なら決して避けて通れない世紀の名盤だと思いますよ☆ |
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![]() NOWHERE TO HIDE / 2000年作 / 86点 |
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6枚目。不変です! しかもDrは迫力アップしたし、メンバーも変わっていません(笑)。 で、今までは「ダサい」と言ってもまあ間違いではなかったような音でしたが、今回からやや最近のメタルっぽい雰囲気になっています。 とは言っても根底にあるものは変わっていません。私はこの「方向性は変えず、音は最近のタイプへシフトする」というのは大歓迎です。これ出来る人、実はそんなにいないと思うんですよ。 流石に前作ほどの感動は無かったですが、高品質である事に変わりはありません。 お気に入りは「YOU'll NEVER KNOW」。分かりやすいキャッチーさは無いんですが、奥深いメロディはハマれば抜けられないと思います。 |
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![]() SANCTUARY / 2009年作 / 83点 |
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6年ぶりの新作(前作は未レビュー)。トロイ兄弟以外はメンバーが一新されていますが、元々この二人のプロジェクトみたいな感じだったので問題ありません。 さて、彼らの18番と言える「クサくてメロディアスな軟弱ロック」はここでも健在すぎる程健在で、これまでの彼らが好きなら人なら満足出来る内容だと思います。もっとも、本作は今までの中でも一番「良好なサウンド」で、「軟弱」という言葉はさすがに似合わなくなっていますが(笑)。 ただ、これまでのアルバムに比べるとクサさは幾分抑えられており、全体的に硬質なロックという印象を受けました。日本人の私からするとちょっと物足りなさを感じる内容ですが、ワールドワイドで見ると正しい選択な気もします(笑)。日本人の「クサさ好き」はちょっと度を超えてますからな。 お気に入りは「Touch The Rainbow」。これぞマンティス! と言えるクサすぎるメロディが堪りません。「昔はこんな曲がゴロゴロしてたのになぁ」なんて思っちゃダメですよ。今を見なきゃ。 それにしても、今になってこういう作品が世に出るというのは何だか嬉しいですな。時代はまた繰り返すってとこでしょうか? |
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![]() LEGACY / 2015年作 / 70点 |
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再び6年ぶりの10枚目。 前回同様、音質は非常にクリアで問題無し。またVoが変わっているようですが、このバンドはもうそれが当たり前なので、もはや何も言うまいw 要はトロイ兄弟の書くメロディが良いかどうか、その一点に限られてくると思います。 結論から言うと、本作は「NO」でした。イマイチなメロディが極めて多い。半音変えるだけで凄く変わりそうな気がするだけに、聞いてて生殺しになった気がします。 お気に入りは「All I See」。この曲のサビは哀愁が漂っていて良いですね。 |
PREY FOR NOTHING (プレイ フォー ナッシング) |
出身地‥‥イスラエル ジャンル‥‥デスメタル |
![]() AGAINST ALL GOOD AND EVIL / 2012年作 / 70点 |
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中東の国イスラエル出身のメロデスバンドの2枚目。 長い間メタルを聞いてますが、イスラエル出身ってのは初めてかもしれません。どうもイスラエルとか聞くと内紛とか近隣諸国とのイザコザとかで物騒なイメージしかないんですが、メタルやってる人達もいるんですね〜。 音楽性はプログレッシブな要素の非常に強いデスメタルです。他の方のレビューを読む限りDEATHからの影響が強いらしいですが、私はDEATHを聞いた事が無いのでよく分かりません。私個人の感想としてはデスメタルとは言ってもヨーロピアンな抒情性はほとんど感じられず、終始慌ただしくゴリゴリとした変化球を飛ばしまくるタイプだと思いました。 何の予備知識も無く聞いたのですが、ちょっと失敗したかも‥‥。やっぱりもう少しメロディアスな旋律が欲しいなと思いましたね。テクニックは申し分無いし、デスVoもカッコイイです。時折「おおっ!」と来るメロディも飛び出すのでセンスもあると思うのですが、どーも私の望む方向には展開してくれません‥‥。 お気に入りは特に無し。どれも癖のある展開が多すぎる為、一度聞いたくらいではよく分かりませんでした。まあ、印象的なメロディが少ないってのもありますが。 レベルが高い事は認めますが、方向性を変えない限り、私はちょっとファンにはなれないです‥‥。 |
PRIMAL FEAR (プライマル・フィアー) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥正統派ヘヴィ・メタル |
![]() BLACK SUN / 2002年作 / 80点 |
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元ガンマ・レイのラルフ・シーパーズ(Vo)を擁する正統派ヘヴィ・メタルバンドの5枚目。 私はてっきりガンマ・レイみたいなクサいジャーマン・メタルかと思ったんですが、まったく違い、ジューダス・プリーストに代表されるような超が付くほど正統派なヘヴィ・メタルでした。 「ヘヴィ・メタルとはこういう事を言うのだ! ボウズ!」と断言してもいいようなスタイルで、ツインGtを終始ガリガリ言わせながら、ラルフの耳障り一歩手前のハイトーンが炸裂してます。美旋律も無ければ、哀愁も無く、Keyも無く、コーラスもありません。 しかし、この馬鹿まっしぐらのファイティングスタイルの前では些細な事のように思えてしまうから不思議です。ひたすらに激しく、愚直なまでにヘヴィメタルであろうとするその姿勢は、私は大好きです。 うるさくて結構、やかましくて結構、それがヘヴィメタルなのだ! お気に入りは「LIGHTYEARS FROM HOME」。凄まじい勢いでぶっ飛ばす名曲です! 正直歌メロは地味なのが多いんですが、勢いだけで最後まで行けるから凄い。 |
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![]() DEVIL'S GROUND / 2004年作 / 81点 |
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5枚目。 まったく変わりなし。もうちょっと歌メロをキャッチーなものにしてほしいんだけど、歌ってる本人は今のままでも十分に気持ち良さそうだ。。 お気に入りは「IN METAL」。タイトルからいいじゃん! |
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![]() SEVEN SEALS / 2005年作 / 85点 |
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6枚目。 前に比べるとまとまりが出たように思います。前はただ闇雲にぶっ飛ばすような曲も見受けられたものの、今回は緩急もしっかりとつけており、早い曲からミドルテンポの曲、更には大仰なオーケストラを使ったバラードまで収録されており、嬉しい事に歌メロも前程地味ではなくなってます。 「俺達ヘヴィメタル馬鹿です!」的お笑い感と、熱すぎる情熱はやや冷めてしまった感じはありますが、聞きやすさ、出来の良さは間違いなくこちらの方が上と断言していいと思います。 私は特別固定のジャンルに拘りがあるわけではないので、印象に残ったこちらの方が好みです。 お気に入りは「ROLLERCOASTER」。サビの「Burn!Burn!Burn!」ってのが何かたまらなく好きなんですよね〜。 |
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![]() NEW RELIGION / 2007年作 / 86点 |
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7枚目。 これまではとにかく愚直に正統派の道を歩んできた彼らですが、ここにきて様々な実験的要素が加えられています。 まず何と言ってもEPICAのシモーネ・シモンズとデュエットした「Everytime It Rains」です。女性Voを取り入れたゴシカルなパワーバラードなんて今まで無かったですからね。しかしこれが良く出来てるんです。 他にも3つの曲からなる組曲「Fighting The Darkness」があったり、電子音やオーケストラを取り入れた曲もあったりと、新しい要素が入ってるんですが、全体として聞いてみるとPRIMAL FEAR以外の何物でない。この「全てを消化して自身の血肉にする」テクニックはお見事です。 分かりやすい曲は前よりキャッチーに、ドラマチックな曲はググンとドラマチックになっており、素晴らしい進化だと思います。 お気に入りは「NEW RELIGION」。タイトルトラックです。これぞPRIMAL FEARな明快な曲。実験も悪くはないけど、やっぱしこういうのは血が滾るね。 |
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![]() 16.6 (BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD) 2009年作 / 80点 |
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8枚目。 前作からバラエティ豊かになり、楽曲毎に色々な側面を見せるようになった彼らですが、本作でも同じ傾向で、昔のような正統派一直線ではありません。 直線的な疾走曲、じっくりと聴かせるミドルナンバー、そしてちょっとした実験曲などがバランス良く配分されています。かのマグナス・カールソンが加入していますが、その影響はあまり無いように感じられました。 ラルフの衰え知らずの超強力Vo、「THE EXORCIST」などで聞けるガッツィーなGtリフなどはやっぱりカッコ良く、相変わらずクオリティは高いんですが、本作はちょっと捨て曲が多かったように思います。特に中盤のミドル曲は地味なものが多く、そこに1曲良いのがあれば、随分印象も違っていたと思います。 お気に入りはその「THE EXORCIST」。後半を飾る疾走曲。これが一番カッコ良かったです。「ROLLERCOASTER」に匹敵する程ではなかったですが。 これからも順調に枚数を重ねて欲しいですな。 |
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![]() UNBREAKABLE / 2012年作 / 86点 |
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9枚目。 前作、前々作は彼らにはしては珍しく実験的な曲もありましたが、本作は初期の実直な正統派メタルアルバムになっています。なお、本作からGtとしてアレックス・バイロット(SILENT FORCEのGt)が参加しており、もう片方のマグナス・カールソンと合わせて何気に豪華です。あくまでマニアなメタラーから見て、ですが(汗)。 前述したように、本作は特に奇をてらわず素直に正統派メタル作品になっています。やっぱり慣れた作風だと風格がありますね。彼ららしい無駄の無い極めてレベルの高い楽曲は疾走、ミドル、バラードと配分も申し分無し。演奏陣もヘタレは一人としておらず、このジャンルでここまで質の高い作品を出せるバンドは早々いないんじゃないか、と思います。 捨て曲無しの神盤かと聞かれるとさすがにYESとは言えませんが、ヘヴィメタルが好きな人なら迷わず手に取って間違いはない作品だと思います。 お気に入りは「Metal Nation」。本作の中では比較的地味なナンバーなんですが、絶妙にキャッチーなサビが凄く好きだったりします。 安心して聞けますね、彼らは。これからも期待してます☆ |
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![]() DELIVERING THE BLACK / 2014年作 / 74点 |
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10枚目。 前作と同じく「ヘヴィメタルのお手本」とも言えるような力強い正統派ヘヴィメタルです。 それなりに名のある人達が名を連ねているのに音楽性に微塵も変化が無いのは、このバンドに求められている音楽が何なのかを皆が理解しているからなんでしょう。 ‥‥と、一応は褒めたものの、個人的にはイマイチだなと思いました。それは歌メロがパッとしないから。元々歌メロよりも勢いとパワーでぶっ飛ばすタイプの曲が多いバンドではありますが、それでも毎回「おっ? これはカッコイイね!」って言う曲が3〜4曲くらいはあったんですよね。 ですが、今回は(個人的に良いと思ったのは)1曲のみ。他のは勢いはカッコイイと思いましたが、iPodに入れてずっと聴いていたいか? と言われると「むむむ‥」ってなっちゃう感じでした。 お気に入りは「Never Pray For Justice」。サビの時にバックで流れるギターがクールでカッコイイと思いました。あっ、歌メロは地味ッス(汗)。 苦言も呈しましたが、好きなバンドではあるので、これからも聴きますw |
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![]() RULEBREAKER / 2016年作 / 85点 |
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11枚目。 ゴロゴロとメンバー替えがあって、本作はトリプルギター編成になってたりしてるようですが、まあ、このバンドはラルフ・シーパーズ(Vo)とマット・シナー(Ba)がいれば問題無いよねw というわけで、特に大きな変化は無く、愚直なまでに王道のヘヴィメタルを展開しています。剛直なリフ、見事にハイトーンをこなすVo、タイトなリズム、全てが愛すべきメタルですわ。 残念ながら彼らのメロディは私の嗜好ど真ん中ではないので、90点台を与える事は出来ませんが、ミドルからファストナンバーまでシッカリと取り揃えたベテランらしい高品質な作品である事は間違いないです。 とりあえず彼らを聞いてまったく心が揺れない人間はとっととメタル聞くのをやめた方が良いと思いますw お気に入りは「Bullets & Tears」。このリフ、この歌メロ、これで何も感じないヤツはメタル聞くのを(以下略)。 |
PRIVATE LINE (プライベート・ライン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ハードロック |
![]() 21 CENTURY PIRATES / 2004年作 / 84点 |
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フィンランド出身のモトリー・クルー大好きっ子達の1枚目。 音楽性は言った通り、初期モトリー・クルー直径の悪ノリハードロック。まずね、Voがそっくりなんですよ、ヴィンス・ニールに。甘さを感じる所なんか特に似てると思います。他の楽器もまんまモトリーをお手本にしてる感じです。「LIVE WARE」をカヴァーしてますけど、本当そっくりですからね。 しかし、それだけではなく、曲によってはネガティブのようなゴシック性を打ち出したものもあります。ネガティブは悪ノリ系が面白くなかったですが、こっちはどっちも上手く出来ているのがいいですね。 お気に入りは「1−800−OUT−OFーNOWHERE」と「CHEERLEARDERS&DOPEDEALERS」。前者は非常に分かりやすいロックナンバー。後者は「チアリーダーとヤクの売人」という素敵過ぎるタイトルのミドルナンバー。本当にタイトル通りの雰囲気なのがよろしい。 個人的にモトリークルーが好きなんで、ちとエコヒイキしちゃってますけど、そうでなくても質は高いと思いますよ。 |
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![]() EVEL KNIEVEL FACTOR / 2007年作 / 87点 |
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2枚目。 根幹のハードロック魂はそのままに、楽曲は前作を遥かに凌ぐ充実したものになっております! とにかく全体的にアグレッシブになっており、一気に最後まで聞ける代物になっているのが嬉しい。前はゴシックロック風の曲もチラホラ見受けられましたが、本作ではそれがほぼ消滅。シンガロングを誘う勇ましいロックンナンバーが増えています。 フックも絶妙で、いい感じの所でググッと聞く者を引きつけるセンスもギラリと光ります。「こりゃいいサビが来そうだ」と思わせるブリッジも聞いててワクワクします。本当、クールでカッコイイという表現が似合います。 お気に入りは「Prozac Nation」と「TOKYO」。前者はとにかくGtがカッコ良すぎます。また拳を振り上げずにはいられないサビもナイス。後者は日本盤ボーナストラックで、眠らない街の虚しさを表現するかのような哀愁漂うGtメロディがモロツボに来ました。 素晴らしい進化です。あまり注目をされていないような気もするんですが、是非来日とかしてほしいです。 |
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![]() DEAD DECADE / 2011年作 / 89点 |
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3枚目。 2枚目にして大化けしましたが、本作も前作に劣らない傑作ロックアルバムだと思います。 ロックの醍醐味であるダイナミックな演奏、一度聞いたら二度目からは合唱出来そうなキャッチーなメロディ、そして時折聞かれる哀愁のメロディ、と彼らに求めらているものは全て余裕でクリアしていると断言出来ます。とにかくどの曲にもフックと印象的なメロディがバッチリ配されており、それが最後の最後まで持続しているのが凄いです。 北欧らしい冷たさは残念ながらかなり減退してしまいましたが(特に後半は明るめの曲が続きます)、それを補って余りあるほど曲が良く、個人的にはNEGATIVE、更にはHIMなどをも凌駕したと思っています。 お気に入りは「Dead Decade」と「13th Step From The Grave」。前者は哀愁とダークさの漂うサビが最高にナイスな1曲。後者はデジタル音も意欲的に取り入れたカラフルなナンバー。でもそれでも様になっているから凄い! 北欧ロックを堪能したいなら彼らは外せないと思います! |
PYRAMAZE (プリメイズ) |
出身地‥‥デンマーク ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() MELANCHOLY BEAST / 2004年作 / 83点 |
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デンマーク出身のメロパワバンドの1枚目。CCCDが付いてるよ! ライナーではしきりにクイーンズライチっぽいと言ってますが、私はそっちを聞いた事が無いので、純粋にこのバンドの感想をば。 で、多少のプログレ臭を漂わせるメロパワです。適度な疾走感、適度にキラキラのKey、テクニカルでうまいGt、そしてちょっと香るプログレの香り。とまあ、仲間で言えばDGMとかになるんでしょうかね。DGM程強烈な印象が無いのは、Voやメロディがやや弱いからだと思います。 でも、全体的に良く出来てます。プログレをやる人達はみんなテクニックがありますけど、このバンドもそれをうまく具現化する力があると思います。たださっきも言った通り、DGM程個性を主張していないので、良いバンドとは思うものの、凄いバンドとまでは言えません。次はもっと曲ごとにバラエティを持ってほしい所。 お気に入りは「LEGEND」と「POWER OF IMAGNATION」。共に6分以上ある大作ですが、メロディがタイトル通りメランコリーなので最後までじんわりを聞けます。ボートラの「WIZARD」もドラマチックで良いっす。 |
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![]() LEGEND OF THE BONE CARVER / 2006年作 / 87点 |
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2枚目です。CCCDは無くなってました。不評だったからかな? で、Keyの出番が非常に多くなり、全体的に大仰になり、故にドラマチックさが上がったと思います。疾走! って曲こそないですが、どれもうまくまとまってるし、後半になってもトーンが落ちないのはポイント高し。 特に出だし3曲の威力はかなりのもの。サビでジャーンを響くKeyと哀愁漂う歌メロが素晴らしいです。 個人的にはVoにもっと余裕があってほしいと思うんですけど、歌えてないわけではないので、目を細める程でもないか。 お気に入りは「THE BIRTH」。出だし1曲目(イントロは除いて)。明るくなりきれない歌メロが印象深し。 何か話題に上らないバンドですけど、悪くは無いと思いますよ。DGMとかが好きなら聞いて損無し。 |