TACERE (タセーレ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() BEAUTIFUL DARKNESS / 2007年作 / 70点 |
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フィンランド出身のシンフォニックバンドのデビュー作。 母国では「第2のNIGHTWISH」とか言われているらしいですが、確かにNIGHTWISHらしい荘厳なシンフォニックさは持っていますが、どちらかと言うとAFTER FOREVERに過剰なシンフォニック要素を付け加えたようなゴシカルな作風で、NIGHTWISH程のキャッチーさ、ファンタジックさは流石にありません。 ただ、テンポの良いスピード感、強力な男女ツインVoによる分かりやすいメロディ、暗くも幻想的でドラマチックな展開などはNIGHTWISHのファンにも十分にアピール出来る出来栄えです。1枚目で国内盤が出たり、雑誌「Burrn!」で高得点を貰えるのも頷けます。 特にVoが良いです。野太くてカッコいい男性Voと、パワフルながらしなやかさも持つ女性Voのデュエットは他には無い程に魅力的です。 ただ、曲によってはいかにもゴシック的(要は微妙な)サビだったり、後半になるに従ってプログレッシブな展開が増えたりと、いまいち最後までのめり込めなかったというのが正直な意見。またどの曲も似たようなものばかりなので、今後は曲の明確化も課題って所でしょう。個人的には「Bitter, Regressive」みたいなシンプルな曲ばっかりが良かったんですけどねぇ‥‥。 楽曲をよりシンプルで分かりやすいものにすれば、NIGHTWISHのオープニングアクトとして来日くらい出来そうなので、今後も頑張ってほしいです。 |
大鴉 (タイア) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥へヴィロック |
![]() SEEDS OF RAIN / 2007年作 / 89点 |
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日本の沖縄出身のへヴィロックバンドの2枚目。 私が入っているモバイルコンテンツ「ロックの魂」でVoの星花さんのコラムが掲載されていた事で知ったんですが、これまた珍しい音楽性のバンドです。日本版ゴシックメタルとでも言えばいいのでしょうかね? ミステリアスなKeyを配した女性Voのロックで、メタルらしいハードさは比較的抑え目で、J-ROCKに独特な感性を持ち込んだ感じって所だと思います。 非常に上手い女性Vo、決してでしゃばる事は無いものの随所で味のあるメロディを聞かせるGt、奇妙な音色を紡ぎ続けるKeyと、一度好きになったら抜け出せない中毒性があるのは間違いなく、いい意味で和風なアニメのテーマソングにぴったりな感じです。 比較対象としては陰陽座があるかもしれないですが、普遍的なヘヴィメタルに回帰している彼らに比べると、パワーでは負けますが、作品が醸し出す独特の雰囲気は明らかにこちらの方が上。和風なメロディも入っており、陰陽座の牙城を崩す時も遠くない!? お気に入りは「あさぎり」。この例えようが無いけど、たまらないサビメロが素敵すぎ! 面白い! これからも応援してます! |
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![]() EINSATZ / 2008年作 / 71点 |
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ニューシングル。シングルと知らずに購入してしまいました。 収録曲は5曲。3曲が新曲で残りは既存曲のニューアレンジ版です。 秀作だった2枚目と同様の、ちょっと和風な感じのへヴィロックです。新曲はどれもなかなかの出来栄えで、特別凄いとは思いませんでしたが、一瞬で彼らと分かるメロディが聞けます。 ただ、既存曲の方がダメダメでして‥‥。へヴィロックらしいアレンジではなく、つまらないトランスみたいなアレンジで、これが強烈につまらない。これは無くても良かったかな。 お気に入りは「BABBEL」。このメロディ、まさしく大鴉そのものです! 早くニューアルバムが聞きたいです。 |
TAI PHONG (タイ・フォン) |
出身地‥‥フランス ジャンル‥‥プログレッシブ・ロック |
![]() TAI PHONG / 1975年作 / 74点 |
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ベトナムとフランスの混血児兄弟からなる、プログレッシブ・ロックバンドの1枚目。75年作。 メタルではなく「ロック」なんですが、尊敬するOKW氏が大絶賛してたので、どんな音楽だろうと思って聞いてみました。 ここで聞ける音楽はプログレと言ってもそれほど厄介ではない、メロディ重視のプログレ。何と言っても小春日和を感じそうな幻想的で甘いメロディが最大の特徴。泣きまくりのGtとほんわかとしたKeyの掛け合いが心地良い。Voはハイトーンではかなりやばいが、まあイケるレベル。 んが! アルバムのほとんどバラードというのが個人的にはちと気になった。後半は同じトーンで永遠と続く曲もあり、さすがにだれる。気がついたら終わってた、なんて事も。 穏やかなメロディとかは高レベルだとは思うんですが、やっぱもう少しドカドカ言って欲しかったというのが素直な感想です。 お気に入りは「CREST」。前半のDrの連打が良かったです。 |
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![]() WINDOWS / 1976年作 / 72点 |
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2枚目。 基本路線は変わりなく、まろやかなメロディが紡がれるプログレロックです。76年作。 前にも増してバラードが増えた為、正直こっちの方が飽きが早かったです。っていうか、全9曲中8曲がバラードという構成はメロディ云々の前に無いだろう。唯一残った1曲もロックしてるのは前半のみ。いくらメロディが甘くても、これでは1枚一気に聞き通すのは難しいかと。 ロック系でも十分いいのが書けるんだから、もう少しバリエーションを増やしてほしかったな。って私が生まれる前の作品ですから、そんな事も言えないですけど。 お気に入りは「WHEN IT’S THE SEASON」。唯一ロックが入ってる曲です。 何でもこの後はみんなソロで活動を始めて後1枚だけ出して、解散しちゃうみたいです。プログレバンドはこういう所でもプログレってますね(苦笑)。 |
TALISMAN (タリスマン) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() BEST OF‥‥ / 1996年作 / 80点 |
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イングヴェイのバンドで色々と頑張ってきた人達が集まって出来たバンドのベスト。ジャケットの男の子の可愛らしさと真剣さが混じった超絶なまでに綺麗な顔が異様に印象に残ったので買いました。 その音楽性は混じりっ気無しの北欧ハードロック。透明感のあるKeyとキャッチーなメロディ、適度なスピード。とまぁ、メロハーに関してそれほど知識の無い私でも、「こりゃ、典型的だ」と思ってしまう程な感じです。 そりゃ、フェア・ウォーニングなんかに比べれば、メロディは充実はしてないですけど、メロハーとしては十分イケると思います。更にベストなので、どれも結構な出来だし。ジャケットの男の子の聡明な瞳がその全てを物語っているようですね。‥‥ってか、私、このジャケットの男の子、本当に好き。最初は女の子だと思ったよ。 お気に入りは「DAY BY DAY」と「I WILL BE WAITING」。どちらも流れるようなメロディが少し冷たい北欧の風を感じます。本当に何も知らないので、大した事も言えませんが、メロハー好きなら一度は聞いてみる事をお勧めします。 |
TEARS OF MAGDALENA (ティアーズ・オブ・マグダレーナ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() MYTHS AND LEGENDS / 2008年作 / 75点 |
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フィンランド出身のシンフォニックバンドの1枚目。 初期NIGHTWISHに似ているとポップには書かれていましたが、聞いてみると確かに美しいソプラノ女性Voがドラマチックなメタルナンバーを歌うという点では似ていますが、他の点でかなりの違いがあるように感じました。 まず男性Voがいます。これがかなり低めのデスVoで、下手したら女性Voよりも目立っています。また、NIGHTWISH程ストレート&キャッチーではなく、スローテンポが大部分で、歌メロを中心に添えた所謂芯のある楽曲が少なく、シンフォニックメタルと言うよりかはシンフォニックゴシックメタルと言った方が正しいように思います。THE SINS OF THY BELOVEDみたいな。 楽器はどれも上手いし、雰囲気もしっかり出ています。女性Voもしっかり歌えているし(歳は‥‥30代後半?)、クオリティには特にケチのつけ所も無いんですが、前述したように芯のある楽曲が少なく、聞き終えた後の印象が非常に薄いのが辛いです。個人的にはもっともっと高揚感を煽るようなメロディと劇的な展開がほしかったです。 お気に入りは「The Eastway」。イントロのヴァイオリンがヤバいくらい良いです。他は結構普通です。 NIGHTWISHを狙うなら、もっと躍動感を! |
TEN (テン) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() TEN / 1995年作 / 84点 |
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ゲイリー・ヒューズ(Vo)とヴィニー・バーンズ(Gt)が組んだメロハーバンドの1枚目。 ASIAにエッジの効いたGtが加味されたような、澄んだメロディを持ったメロディアスハードで、メタルとはちょっと違う、爽快な叙情性とドラマ性を兼ね備えたアルバムです。 疾走曲とかは無いんですが、とにかくゲイリーの癖の無い澄んだ歌声と、強弱をつけて泣きまくるヴィニーのGtが最高に良いんですわ。個人的にはフェア・ウォーニングと双璧を成すメロハーバンドだと思います。 ASIAばりのコーラス、美しさがありながら、同時に力強さのある楽曲、そしてグイグイと盛り上げるGtと、非常に出来は良いと思います。 ただ、これはメロハーの宿命だと思いますが、若干ローテンションの曲が多すぎて、中盤以降ダレてしまいます(特に4〜8辺り)。中盤以降に比較的早い曲とか、他とは違った曲とかを入れてくれると嬉しかったんですけどね。 お気に入りは「IT’S ALL ABOUT LOVE」と「LAMB TO THE SLAUGHTER」。どちらも美しすぎるメロディとパワフルなGtに昇天確実です。 |
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![]() THE NAME OF THE ROSE / 1996年作 / 90点 |
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前作からたった5ヵ月後に発売された2枚目。 5ヶ月しか経っていないので、それほど変わっていません。ただ、前に比べてハードな曲が増えてます。1発目から8分台というタイトル曲から来ますが、これが前に無かった程にハードでスピーディーな曲なんですよね。Gtの弾きまくり具合も尋常ではないし、これは名曲ですわ。 ゲイリーのVoはより表現力を増してるし、ヴィニーのGtの出番も前にも増して増えてるのも嬉しい。己の特徴、良さが何であるかをキチッと把握してるみたいです。 メロディの充実さも前作同様。ただ、早い曲が多いので、個人的にはこっちの方が良い曲が多いように感じました。体感速度は大事やね(汗)。 お気に入りは「THE NAME OF THE ROSE」と「DON’T CRY」。前者は説明した通り、後者は「泣くな」ってタイトルなのに、切なすぎるメロディに思わず涙。メロパワのような「WINGS OF THE STORM」もメッチャ好きっす。 |
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![]() THE ROBE / 1997年作 / 86点 |
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3枚目です。 荘厳なコーラス、更に前面に出てきた骨太のGtサウンド、味付けではなく確実にメインとなりつつあるKeyアレンジと、前作より更に大仰且つ壮大なスケールになっていて、ここまで来るとメロハーと言うより、シンフォニックロックとか言っても遜色が無いように思えてきました。 ただ、根幹となる部分には些かの揺らぎも無く、純度100%のTEN節は変わってません。ゲイリーの綺麗な歌声とコーラス、ヴィニーの顔が思わず綻んでしまう自由自在なGtワークと、今までが好きなら問題無く好きになれると思います。 しかし! メロディそのもので言えば前作の方が好きだったかなぁ。これはネタ切れと言うよりは、単純な個人の琴線具合によるので、人によってはこっちの方が好きって人も当然いると思います。私は「THE NAME OF THE ROSE」や「DON’T CRY」みたいな一撃必殺ナンバーが無かったように感じました。 お気に入りは「THE FATHOMS DEEP」。フックも無いダラダラとした感じの曲なんですが、サビがなーんか頭から離れないんですよね〜。何でだろ。 |
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![]() SPELLBOUND / 1998年作 / 90点 |
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ライブアルバムを挟んでの4枚目。 今までシンプルだったジャケから一転、クサメタルかと思わせるようなファンタジックジャケにビックリ。楽曲の方も彼らにとって初の1曲目インスト。で、繋がるように2曲目に入る構成とへヴィ・メタルな感じです。曲も全体的にハードロックと言うよりメタルに近く、ものすごーーーーく無理矢理に言うと「ラプソがハードロックをやるとこうなる」みたいな出来です。 ただ、やはりと言うか、最初の勢いが後半になってくるに従って緩んでくるんですよね。2曲目の「FEAR THE FORCE」とかはKeyも結構使っていい感じなのに、別の曲になると今までと全然変わってなかったりするんですよね。曲によって雰囲気が結構違うので、個人的にはもっと一貫性を持たせてほしかった。 お気に入りは「RED」。ゲイリー・ムーアが書きそうな郷愁を誘うナンバー。これ聞くとむしょうに旅に出たくなるんですよね。こんな曲も書けるなんて多彩だね。 |
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![]() BABYRON / 2000年作 / 75点 |
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5枚目。世間ではこのバンド最大の駄作とか。確かにそんな感じもしますね。 路線は今までと変わっていませんが、ミドルが全体を占めるようになり、正直飽きます。前までは数曲は結構なハードナンバーがあったんですが、これにはありません。熟練と言えば聞こえはいいかもしれませんが、どうもそれがいい方向に進んでいるとは思えない;; 今までの中で一番拝借が多いという話ですが、私はよくは分かりません。なので、そんな事はどうでもよく、とにかく、ベストを聞いた後だと冗長に感じます。 お気に入りは「BARICADE」。ダークでへヴィな感じがよろしい。 |
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![]() FAR BEYOND THE WORLD / 2001年作 / 78点 |
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6枚目です。 前よりかはメロディが充実しています。前はコンセプト作品だった為か、全体的にダークな感じがしていましたが、今回は明るく、非常にエコヒイキに言えばデビュー当時っぽいです。 でもですね‥‥何か、もうネタが尽きたのか? と言ってしまいそうな程、昔程の充実感はありません。ほんわかと包み込むようなメロディは健在なんですが、それだけだと飽きるっつうの。もっと、ハードなナンバーが欲しかったなぁ。 お気に入りは「STRANGE LAND」。正直、これ以外ずっと聞いていたいとは思えませんでした。でも、これはマジでいい。80年代の日本歌謡曲のような手垢塗れのベタベタな曲なんですが、いいもんはいい! サビを何度も何度もリピートしてくれるのが嬉しいね! |
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![]() RETURN TO EVERMORE / 2004年作 / 70点 |
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8枚目。うーん、ハッピーになりそうだ(笑)。 何とここに来てGtのヴィニーが脱退。後任には無名の若手さんが起用されました。 私はあまりこのバンドではGtは気にしてなかったんですが、いなくなって初めて気づきました。今回はGtがつまらない! 下手じゃないけど、全然激的じゃない! 額面通りやっていればいいてもんじゃないじゃん。 まぁ、それは置いておくとして曲そのものがかなり変わっております。前までのハードロックナンバーが減り、何かポップスみたいな曲が増えました。コーラスを多用し、緊張感よりは爽快感みたいなものが全面に出されています。 ただ、それも彼らの味で一つであり、個人的には嫌いじゃありません。前と同じ路線で退屈な曲を並べられるよりは路線変更した方がいいって事もあります。 お気に入りは「TEMPLE OF LOVE」。切ない歌メロと幸福感溢れるメロディのナンバーで前とは全然違う曲ですが、これはこれであり。 |
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![]() THE TWILIGHT CHRONICLES / 2006年作 / 60点 |
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8枚目。 個人的にはヴィニーが抜けた後のTENって、牙の抜けたただのロックバンドというイメージがあったんですが、本作もそんな感じです。 一度聞けば覚えられそうなキャッチーかつ、秋風漂う切ないメロディは、8枚目であっても不変ですが、エモーショナルさに欠ける地味なGt、ほとんどの曲が6分以上など、マイナス要因が耳について離れません。 しかも、楽曲の狭さも頂けません。バラードとミドルのみで構成されており、流しで聞いてるとおそらく明確な違いを感じ取る事は難しいのではないかと思います。 お気に入りは「THE PROLOGUE (THE ELYSIAN FIELDS − PART 1) / ROME」。冒頭にしていきなり12分の大曲。でも、これが結構良いのですよ! もう2〜4枚目くらいの充実したTENを聞く事は出来ないんでしょうかね‥‥。 |
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![]() STORMWARNING / 2011年作 / 60点 |
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4年半ぶりの9枚目。う〜む、まだ生きていたとは‥‥。 7、8枚目は私は元より世間的にもあまり評価は高くなく、果たしてその次に出たこのアルバムを手に取っているのはどれだけいるのか、などと邪推してみたり。んで、手に取った私の結論から言いますと「やっぱり変わっていなかった」でした。 確かにTENらしい哀愁はバッチシです。メロディも悪くないんですが‥‥。とにかく「覇気」が無い。もっとストレートに言うと勢いのある曲が少なく、曲全体の緩急が弱いんで、印象が非常に薄いんです。でもって、曲そのものが長いんで、ただでさえ薄味なのに更に薄くなってしまっているんです。 相変わらずGtも目立たないし、もっとこう何て言えばいいのかな、「張り合い」のある曲を作ってほしいですね。 聞けば聞くほど「昔はこうじゃなかったよな〜」と言わずにはいられない。もう一度「The Name Of The Rose」とか「Spellbound」みたいな曲が聞きたいな‥‥。 お気に入りは「Destiny」。唯一Gtがカッコイイと思った曲。 もはや彼らに昔の栄光が戻ってくる事は無いのだろうか‥‥。 |
TERRA NOVA (テラ・ノヴァ) |
出身地‥‥オランダ ジャンル‥‥ハードロック |
![]() LIVIN’IT UP / 1996年作 / 73点 |
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オランダ出身の爽やかハードロックバンドの1枚目。 「ハードロック」というジャンルで語られてはいますが、音楽性はハードポップに近く、とにかくメロディが非常に爽やかなのが特徴です。メタルらしい好戦的でドラマチックなメロディは無く、ASIAをもっともっと明るくしたような感じです。 普段ガリガリとした曲ばかり聞いていると、こういう清涼飲料水みたいな音楽はスッと胸に染み入るようで、とても爽快な気分になれます。メンバーのテクニックは確かだし、非メタラーの女の子に聞かせても何ら問題無いと思います。 ただ、ちょっと明る過ぎて長く聞いていると飽きるというのが個人的な意見。というか、これをメタルとかハードロックとかのジャンルに入れていいのか? という気がするんですが、どうなんですかね? お気に入りは「Come On」。爽快なメロディは春の日差しがよく似合います。 |
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![]() BREAK AWAY / 1997年作 / 76点 |
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2枚目。 前作に比べると若干哀愁を感じる曲が増え、個人的にはこれくらいが聞きやすくてちょうどいいかなと思います。 ベタベタのバラードや、妙にアメリカンな曲は相変わらず頂けないんですが、それが彼らの持ち味であり、それが許せないなら最初から聞くなって言われそうで怖いです。別に否定はしてないんですよ。たまにはそういう系の曲でもすんごく気に入る事とかがあるんで、そういうのを期待してるんです。 お気に入りは「Break Away」。これが正に「たまにすんごく気に入る曲」なんです(笑)。 |
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![]() MAKE MY DAY / 1999年作 / 60点 |
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3枚目。 これはいかん。いくら何でも明るすぎる。これはもうハードロックでもメタルでもない、ただのポップスですよ。 前作よりもバラエティに富んだ楽曲は確かに粒揃いですが、とにかく哀愁、切なさ、ドラマチック、と言ったへヴィメタルに使われる用語がことごとく似合わない。結婚式で流れていてもおかしくない曲の連続はさすがに背中が痒くなってしまいました。 ちょっと垣間見える哀愁が好きだった私としては、ちょっと辛い内容でやんした。でも、彼らの明るい音楽が好きな人は満足出来ると思いますよ。 |
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![]() ESCAPE / 2006年作 / 65点 |
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一度は解散したもの、復活を果たした4枚目。これまであまい良い事を書いてないのにどうして本作までレビューするのか? それは、全て一気にレンタルしたからです(実は買ったわけではないのです)。レンタルした以上、全部聞いて感想を書かないとそれはそれで失礼だと私は思うんです。 で、変わっておりません。子供の玩具ですか? と思う程に弱々しいDrのお陰でロックな雰囲気は過去最低ですが、彼らの場合、それが大した問題ではないと思います。 爽快なメロディは本作でも勿論健在ですが、2枚目に比較的近く少しは哀愁が漂っています。とは言っても所詮は「少し」なので、要はいつもの彼らです。 で、つまりはどういう事かと言うとやっぱり私は苦手でして、4枚目にしてようやく結論が出ました。 「私と彼らとは合わない!」と。 |
TERROR 2000 (テラー2000) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥スラッシュメタル |
![]() SLAUGHTERHOUSE SUPREMACY / 2000年作 / 67点 |
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SOILWORKやDARKANEのメンバーからなるデスラッシュメタルの1枚目。 SOILWORKのビョーン・ストリッドがVoを務めているものの、SOILWORKのようなメロディアスな部分はほとんど無く、竜頭蛇尾爆走する典型的なスラッシュメタルです。 演奏はしっかりしてるし、超がつく程アグレッシブだし、スラッシュメタルとしては十分合格点かと思いますが、個人的にはもっとメロディアスだと思っていただけに残念。 特に残念だったのがビョーンのVo。この頃の彼はただ普通にギャウギャウ叫んでいるだけでノーマルVoも一切使用せず、ちょっとつまらないんですよね〜(今を知ってるだけに余計にね)。 お気に入りは無し。どれも同じで私には判別がつきませんでした。 |
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![]() FASTER DISASTER / 2002年作 / 78点 |
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2枚目。 基本は勿論変わりませんが、少しはサビにも気を使うようになったり、Gtソロがに取り入れられるようになったり、スローになるパートがあったりと、前に比べるとかなり曲に緩急が出来てきたと思います。 ビョーンのVoが未だに変わってないのが残念ですが、妙に言葉(歌詞)が詰まっている曲でもしっかり叫びきるのは流石です。というか本作は言葉が多い曲が多いですな。 お気に入りは「Stalkers in the Night」。サビでの「Kill! Kill!」ってのがステキすぎます(笑)。 |
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![]() TERROR FOR SALE / 2005年作 / 75点 |
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3枚目。 おーおーおー、何か凄い事になってますね、今回は。 まずビョーンのVoが「今」のスタイルになったのは非常に嬉しいです。ノーマルVoは相変わらずまったくと言っていい程無いですが、彼はデスVoのまま歌う事が出来ますからね。 で、疾走感。間違いなく過去最高です。本当に最初から最後までシューマッハ並みにぶっ飛ばしてます。 で、最後におふざけ感です。これまでは比較的真面目にスラッシュしているという感じでしたが、今回は何だかふざけている感じが強いです。「King Kong Song」とか言葉遊びを楽しんでる感じが凄くありますからね。「Fed Up Anthem」も確信犯的に遊んでいるとしか思えません。それでもカッコ良く聞こえるんですから凄いですわ。 楽曲の充実さで言えば前作に一歩及びませんが、帯に書いてある「楽しいスラッシュ始めました」という奇妙な文言に偽り無しです。 お気に入りは「Five Star Prison」。サビの後ろで妙に可愛い声がちょっとだけ聞こえるのが面白いです(ビューンの奥さんという説あり)。 |
TESTAMENT (テスタメント) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥スラッシュメタル |
![]() LOW / 1994年作 / 83点 |
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アメリカ、サンフランシスコ出身のスラッシュメタルの6枚目。 所謂「ベイエリア・クランチ」と呼ばれるザクザク刻まれるリフを主体としたスラッシュメタルの代表格バンドで、SLAYERなどとは違って疾走感はそれほど無く、クールなリフの連続攻撃によるグルーヴ感が前面に押し出されています。 メロディアスなGtソロもしっかりフューチャーされており、私はSLAYERよりも聞きやすいと感じました。 本作はこれまでメロディアスな部分を担っていたテクニシャン、アレックス・スコルニック(Gt)が脱退した後の作品ですが、ザクザク刻まれるリフとチャック・ビリーの吐き捨てながらもしっかりと歌っているVoが非常にカッコ良く、一発で気に入ってしまいました。 似たような曲ばかりだし、前述したようにスピード感もあまり無いのですが、カッコ良いリフが絶え間なく刻まれ続けているので、とにかく爽快な気分になれます。 お気に入りは「All I Could Bleed」。ちょいプログレッシブなリズムと面白いリフが癖になる1曲です。 |
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![]() DEMONIC / 1997年作 / 70点 |
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7枚目。 これまでと同じ路線ですが、スピード感の更なる減退、メロディアスなGtソロの減退が目立ち、前作よりも地味な印象です。というか、実際暗い曲ばっかりなんですよね。 あとチャック・ビリーがデスVoばかり使い、メロディアスに歌ってくれないのが悲しい。ただのデスメタルみたいに聞こえる曲もかなりあります。これじゃ、私は満足出来ません。もっとリズミカルにノれる曲をお願いします。 お気に入りは「Demonic Refusal」。1発目、サビが分かりやすいです。こういう曲をもっと! |
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![]() THE GATHERING / 1999年作 / 80点 |
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8枚目。 前作の評判が良くなかったからか、本作は1曲目から全力疾走という感じで、その後も矢継ぎ早にファストナンバーの連続。非常に気持ちが良い作品になっています。 その要因の一つは間違いなくSLAYERのデイヴ・ロンバードがDrを担当している事でしょう。タイトで正確、しかしダイナミックなデイヴの超絶ドラミングがどの曲にも素晴らしい躍動感を与えています。 中盤以降から前作を踏襲したようなスピード感を抑えた暗めの曲が顔を出し始めてしまいますが、前作とはメンバーが違うってだけで何だかこっちはカッコ良く聞こえるから不思議です(笑)。 お気に入りは「D.N.R. (Do Not Resuscitate)」。1曲目を飾る超ファストナンバー。Gtソロは無いですが、デイヴの叩くDrの凄まじさにただただ圧倒されるばかりです。 |
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![]() FIRST STRIKE STILL DEADLY / 2001年作 / 89点 |
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9枚目、ではなく1、2枚目の楽曲を再録したセルフカヴァーアルバム。 私は「LOW」から彼らを聞き始めたので(珍しい?)、このアルバムで初めて初期の楽曲に触れました。 これを聞く限り、初期はそれほどグルーヴ感が押し出されていたわけではなく、初期METALLICAに近い直線的なスラッシュと言う感じに聞こえました。 邪悪さ、激しさで言えば「今」の作品の方に軍配が上がるかと思いますが、本作が「今」に負けない要因として、何と言ってもアレックス・スコルニックのGtソロがあります。「LOW」を聞いた時も「スラッシュバンドなのに随分とメロディアスなソロだな〜」と思ったもんですが、本作(初期)は更にメロディアスで、スラッシュが持つ激しさに不釣り合いな程です。しかしこれがまたいいんですわ〜。「First Strike Is Deadly」や「Over The Wall」のGtソロは本当、鳥肌が立つくらい最高です。 また、中盤にペースダウンする傾向のある最近の曲と違い、終始適度な疾走感を持つ曲が多いので最後までだれずに聞けるのもポイント高いです。 お気に入りはファン投票でも上位に食い込む「Over The Wall」。いや本当ね、何度も言うけどこの曲のGtソロは超カッコイイです。完璧に弾けたら気持ち良いだろうな〜。 |
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![]() THE FORMATION OF DAMNATION / 2008年作 / 82点 |
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前作から9年もの歳月を経て出された9枚目。 本作の売りは勿論9年越しの1枚ってのもありますが、アレックス・スコルニック(Gt)が復帰してるって事の方が大きいでしょう。また、元SLAYERのポール・ボスタフ(Dr)が参加してるってのも個人的には嬉しいです。 とは言え、音楽性としては前作の延長線上にあるもので、初期の頃のようなストレートな疾走にクサいGtソロ‥ってのは聞けません。アレックスによるメロディアスなソロも勿論ありますが、昔ほど浮いたソロは披露していませんしね。 どれだけ歳月が経ってもTESTAMENT節は変わらずで、そういう意味で言えば過去の作品が好きなら本作も外す事は無いと思います。ただ、ミドルテンポがほとんどと言う個人的にはありがたくない部分もしっかり受け継がれておりますが。まあ、これも今更変わらないか。 お気に入りは「Henchman Ride」。中盤にある爆走曲。間奏部分でも疾走しまくるってのが嬉しかったです。 |
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![]() DARK ROOTS OF EARTH / 2012年作 / 82点 |
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4年ぶりの10枚目。 結論から言うと、前作とあまり変わってないですね。私は初期のスラッシュらしくないメロディアスなソロが入っているタイプが好きなんですが、本作は前作同様ザクザクした如何にもなスラッシュ。確かにこのザクザク感はクールでカッコ良い。アレックスのソロも相変わらず冴えていてカッコ良い。スラッシュアルバムとしては十二分に良い作品なんだと思いますが、ちょっと私の求めているものとは違うんですよね‥‥。 「なら、お前はスラッシュに向いてねえよ」とか言われそうですが、たぶんそうなんだと思います。私が求めているのはメロディなんだな、とこのアルバムを聞いてつくづく思いました。スラッシュメタルファンの皆さん、ごめんなさい。 お気に入りは「Native Blood」。ダークなメロディがなかなかに乙な一曲です。 やっぱり私はクサメタルとかの方が合ってるのかな、と思った一枚でした。 |
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![]() BROTHERHOOD OF THE SNAKE / 2016年 / 70点 |
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再び4年待たせた11枚目。 前作に比べるとスピード感があり、ザクザクとしたGtリフも攻撃力を増しています。みんな、それなりの歳のはずなのに凄いな‥‥。 スラッシュメタルが好きな人なら安定の出来栄えなのかもしれません。しかし、やっぱり私は満足できない‥‥。これはもう出来栄えがどうのという話じゃない。私がこの手の音楽は苦手という事です。 私は甘い炭酸ジュースが飲みたいのに、ノンアルコールビールが出てきた感じ。「どっちも喉がピリピリするからいいじゃん」と言う人もいるかもですが、全然違うんです。背伸びしてノンアルコールビールを飲もうとしたオイラが悪いって事です‥‥。 お気に入りは「The Pale King」。唯一気に入った曲。メロディアスなGtリフが素敵でした。 ↑の点数はあくまで私の満足度です。スラッシュメタルが好きなら絶対もっと点数は高いと思います。 |
THALION (タリオン) |
出身地‥‥ブラジル ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() ANOTHER SUN / 2004年作 / 65点 |
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ブラジル出身の女性Vo擁するバンドの1枚目。 ブラジルからってだけで「次のアングラ」と言われるのは流石に飽きましたが、やっぱこのバンドもそんな事言われてますね。まあ、音楽的に近いものはありますが、こっちはまだまだ新米さん。Gtの稚拙さはアングラを聞いた後だと失笑してしまいます。 アングラとの違いを言えば、Voが女性だという事。まだ当時18歳だったらしく全然パワー不足ですが、聞いててイヤな感じはしません(ちょいエヴァネッセンスのエイミーっぽい)。あとはプログレチックな展開が多いという事。複雑怪奇ってほどでもないのでアクセントとしてはいい感じ。ただ、その変わり疾走感は感じませんが。。 と、違いを挙げてはきましたが、結論としては全体的に作りも甘いし、テクニックも発展途上ってな感じなんで次の作品に期待ってとこでしょう。 お気に入りは「LONG FAREWELL」。プログレッシブな展開ながらもメロディアスなサビが良いっす。あと、アンドレ・マトスがVoをとる「FOLLOW THE WAY」は如何に彼に表現力があるか思い知らされるボートラです。 |
THE AGONIST (ジ・アゴニスト) |
出身地‥‥カナダ ジャンル‥‥メタルハードコア |
![]() ONCE ONLY IMAGINED / 2007年作 / 70点 |
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カナダ出身のメタルコアバンドの1枚目。 私、このバンドは2枚目から聞いており、バンドの音楽性などは↓の2枚目のレビューを読んで下さい。1枚目のレビューは「2枚目との違い」について語りたいと思います。 基本的な路線は1枚目である本作から既に出来上がっており、硬質なメタルコアとメリッサ嬢のゴシカルな歌声の奇妙な融合は本作でも十分に聞けます。 が、本作は2枚目に比べるとまだまだ荒削りだと思いました。何と言ってもサビメロが地味。何だか勢いだけで作っちゃいました的な匂いが凄いするんです(本人達はそんな風には思ってないと思いますが)。次はしっかり作り込んでほしいですね‥‥と既に2枚目を聞いていながら言ってみたり(笑)。いや、実際2枚目は凄い作り込んだと思いますよ。 |
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![]() LULLABIES FOR THE DORMANT MIND / 2008年作 / 82点 |
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カナダ出身のメタルコアバンドの2枚目。 基本的には典型的なメタルコアサウンドなんですが、このバンドは他とは違う点が2つあります。 1つは女性とは思えない壮絶なデスVo。メタルコアに女性Voと言えばIN THIS MOMENTが有名ですが、はっきり言ってこっちの方が150倍凶悪です。しかも青髪にドS顔‥‥。好きな人はたまらんでしょう(笑)。 そしてもう一つ、それがゴシック要素です。サビになると一転してゴシックメタルのような妖艶なメロディが飛び出すという他に例を見ないスタイルなのです。ここではVoも可憐な女性Voに変貌しており、正直同じ人が歌っているとは思えません。 という事で、まさしく「今」だからこそ生まれえたバンドと言えるでしょう。とにかく非常に珍しいスタイルではあるので、それだけでまず一聴してみてもいいかもしれません。 しかし、しっかり最後まで聞くと、正直物足りなさを感じました。まあ、私がメタルコアが大好きというわけではないというのもあるかもしれませんが、メタルコアとしてもゴシックとしても、いまいち中途半端なんですよね。きっとこれはサビのゴシックメロディがやや弱いというのがあると思います。これがもしSIRENIA並みのメロディを持っていたら80点後半つけても良かったかもしれません。 お気に入りは「Martyr Art」。まさにこのバンドならではの1曲。プログレッシブな展開、凶悪なメタルコア、そしてシンフォニックアレンジ満載のゴシカルなサビメロ。全てが綺麗に融合しております。 これからどうなっていくのか、気になる所です。 |
THE DUSKFALL (ザ・ダスクフォール) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() FRAILTY / 2002年作 / 85点 |
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元祖メロデス、ゲイツ・オブ・イシュターのメンバーがいるメロデスバンドの1枚目。IT’S COOL! 一言で言うと「これ以上無いくらい典型的北欧メロデス」です。Keyをまったく使用せず、ツインGtオンリーで叙情的メロディを紡ぐ様は初期イン・フレイムスに非常によく似ています。 とにかくクールで格好良いです。デスらしい禍々しさと、北欧的叙情メロデスのハイスピード融合がここまでクールでスタイリッシュに合わさった作品は早々無いですよ。 最近のバンドは色んな要素をぶち込んでますけど、このバンドは純粋にメロデスをやっている(1曲だけノーマル声入りあり)。その温故知新精神と、そしてそれでも古さを感じないメロディ作りに感服。 お気に入りは「AGORAPHOBIC」。まずど頭の超ハイスピードGtリフに感涙。で、間奏のクラシカルソロにまた感涙。メロデス史上に残る名曲だと断言できます! |
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![]() LIFETIME SUPPLY OF GUILT / 2006年作 / 80点 |
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1枚目は国内盤が出たのに、それ以降は何故か出ない、な3枚目。2枚目はまだ見た事がありません‥‥; 基本路線は変わらず、Keyレスのメロデスなんですが、メロディよりもアグレッション、ゴリゴリのリフを重視するような形になっており、迫力は増したものの、メロディはやや不満足な出来ってとこ。前は少しは見られたネオクラシカルなメロディもほとんどありません。 それ以外に関しては前からちと不満だったパスパスしたDrを始め、全然変わってないのであまり語る事はありません。良質なメロデスである事は認めるんですが、下手な小細工を一切しない分、注目されるであろうメロディが地味になったのは痛かったかなぁ。 お気に入りは「SHOOT IT IN」。最も最速、そして最もシンプルなナンバー。これでもうちっとメロディーが良ければ初期インフレのアルバムに入っていてもおかしくなかった! |
THE RASMUS (ザ・ラスマス) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディアス・ロック |
![]() DEAD LETTERS / 2004年作 / 82点 |
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フィンランド出身の4人組ロックバンドの4枚目にして日本デビュー作。 HIMと同じく、ゴシック系の香りプンプンのメロディアスなロックをやってます。ただ、こちらはKeyの装飾がほとんど無い為、HIMほど暗くなく、中には非常にポップな曲なども収録されてます。 個人的にはHIMくらい暗くてミステリアスな方が好みなんですが、ゴスポップとも言えそうなパターンの曲もこれはこれでOK。Voは結構軽めですが、雰囲気はたっぷり溢れてますし、他楽器も問題無し。 メロディもフィンランドらしい曇り空系で、これが一般に受けるならTO/DIE/FORだって受けていいと思うんですけどね〜。 お気に入りは「GUILTY」。サビの「ウォウォ〜」ってのが好き。 150万枚も売れたみたいですが、こういうのが売れていく時代になるなら、良いですね☆ |
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![]() HIDE FROM THE SUN / 2005年作 / 90点 |
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5枚目。 基本路線は変わらず、ゴシック系のロックです。前に比べるとポップ性を減退させ、よりダイナミックかつヘヴィになった印象を受けました。 それと特筆したいのが上記した影響からか、とにかくメロディが格段に良くなってます。メタルでのみ感じられる圧倒的なドラマ性と哀愁が前の数倍の威力で襲ってきます。前はあまり耳に入ってこなかったKey(Gt、Ba、Dr以外の楽器色々)による装飾も見事。 バラエティは前の方がありましたが、そんな事はこの胸を締め付けるメロディーの洪水の前では何の意味もありません。 お気に入りは「NIGHT AFTER NIGHT (Out Of THE Shadows)」と「IMMORTAL」。前者は「GUILTY」系で、一番この中で一般受けしそうな感じの曲です。後者は今までの彼らでは聞けなかったようなヘヴィリフが印象的な1曲。 素晴らしい進化ですね! まだ若いみたいですから、こういうアルバムをたくさん作ってほしいもんです。 |
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![]() BLACK ROSES / 2008年作 / 70点 |
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6枚目。 私は前作が大変気に入っており、本作にも多大な期待をしていました。更に「キャッチーな曲を作らせたら天下一」と言われるデズモンド・チャイルドをプロデューサーに迎えており、テンションはもはや天井知らずな程でした。 が、結果を言えば前作を超えるには至っておらず、正直私がこれまで聞いてきたアルバムの中で最も地味な出来だと思いました。 彼らの18番である胸を締め付ける哀愁のメロディーは些かも変わっていません。「デズモンドが関わっているのだから少しはポップになっているかも‥‥」と思っていましたが、まったくの杞憂でした。 が、前作で見られたヘヴィさが激減しており、4枚目「DEAD LETTERS」の頃のサウンド、つまりデジタルな装飾てんこ盛りのスタイルに戻っているのです。それも決して嫌いではないんですが、前作があまりにも気に入っていた為、「何故元に戻るんだよぉ!」という嘆きしか出てきません‥‥ 「Guilty」や「NO FEAR」、「LAST GENERATION」程のキラーチューンも収録されておらず、全ての曲が押し並べて72点なのです。ちょっとサビを変えるだけでモロツボに入りそうな気がするだけに本当残念です。 お気に入りは「DANGEROUS KIND」。最も歌メロが良いと思ったのがこれでした。ってか、これとあと1曲しかiPodに入れなかったですが。 次はまたヘヴィ路線で行ってほしいです。 |
THERION (セリオン) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥シンフォニックメタル |
![]() DEGGIAL / 2000年作 / 60点 |
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スウェーデン出身のシンフォニックメタルバンドの7枚目。 元々はデスメタルだったらしいですが、その後方向転換して、ドラマ性を重視したシンフォニックメタルになったらしいです。 このバンドの特徴は2つ。1つは専任Voがいないという事。Voはオーケストラの混声合唱のみで、クレジットにもVoの名前はありません。 そしてもう1つはそのシンフォニック性。ラプソディーのようなRPG的なものではなく、例えばピラミッドの謎みたいなミステリアスな神秘性が追求されています。よってマイティーな雰囲気は0。疾走曲も皆無で、格好良さを期待すると完璧にコケます。 しかしその雰囲気作りは超一級。メタル楽器よりもオーケストラ楽器を優先した音作りは混声合唱のお陰もあり、非常にマジカルでミステリアス。ゲームで言うなら洞窟の中の音楽な感じ。ラプソディーは戦闘シーンね。 ただ、それを考慮しても覇気が無さすぎます。全曲同じようなテンポで、14曲もノロノロと行かれると流石にダレます。メタル楽器も遊びレベルですからね。 お気に入りは「FLESH OF THE GODS」。唯一リードVoがいるから(笑)。 |
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![]() SECRET OF THE RUNES / 2001年作 / 70点 |
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8枚目。 まったく同じ路線です。ただ、前よりかはちょっとはダイナミックになったかな。とは言っても、やっぱりまだまだだけど。このバンドはヘヴィとかじゃなく、このマジカルな雰囲気に酔う事こそが良いのかもしんないです。 それと、4〜10曲目までのお尻が全て「〜ハイム」ってなってるのは歌詞見てて面白かったです(笑)。コンセプトらしいです。 お気に入りは「SEAWINDS」。最後を飾るアコギバラード。良いなぁ、とか思ったらアクセプトのカヴァーなんだと。 |
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![]() LEMURIA・SIRIUS B / 2004年作 / 84点 |
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9枚目と10枚目。日本では2枚カップリングで発売されてます。 今までの冴えない雰囲気はどこへやら、本作からメタル楽器の出番が大幅に増えており、格好良さが10倍くらいになってます。 クサいと言っても差し支えないようなGtメロディーの連続、グルーヴィーになったBaとDr、更に混声合唱の他にノーマルVo、デスVoも登場し、マジカルな雰囲気は減退したけど、メタルらしくて私は好きです。 そして、何と言っても歌メロが印象深いモノになってるのが嬉しい。今までの「マジカルだけどそのまま終わり」ではない、はっきりと「歌」として印象付けさせようとしている歌メロがたまらんですわ。 それとクサいGtが合わさる事で、これはラプソディーとは別次元でシンフォニックメタルの最高峰と言えるんじゃないでしょうか? 伊達に総メンバー172人(!?)じゃないね。 2枚組を「長すぎ」と言う人もいるみたいですが、私はお得な感じがして嬉しいです。2枚目(SIRIUS B)の方がメタル度高いし、お腹いっぱいですわ。 お気に入りは「VOYAGE OF GURDJIEFF (THE Fourth WAY)」。「SIRIUS B」の最後を飾るナンバー。ラプソディーがやってもおかしくないようなアグレッシブかつ壮大な展開は涙物です。 |
THE SINS OF THY BELOVED (ザ・シンズ・オブ・ゼイ・ビラブド) |
出身地‥‥ノルウェー ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() PERPETUAL DESOLATION / 2000年作 / 80点 |
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ノルウェー出身のゴシックバンドの2枚目。教科書のようなゴシックです。 ツインKey、男と女の混合Vo、バイオリンを駆使したドラマチックな展開。と、ゴシックの教科書のような音楽です。特にバイオリンの乱舞はかなり強力で、これだけでもかなりの陶酔感が得られます。 スピードはかなりトロいですが、ゴシックって元々そういうもんだし、ドラマチックなのであんまり気にならない‥‥ですが、長いです。もっとコンパクトにしても良かったかなと思います。 お気に入りは「Forever」。とにかくバイオリンが素敵すぎる。7分近くある曲ですが、これはいい。 |
THE STORYTELLER (ザ・ストーリーテラー) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() CROSSROAD / 2001年作 / 78点 |
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スウェーデン出身の正統派バンドの2枚目。 ハンマーフォールに少々のフォーク・トラッド要素を入れたような感じの音楽で、Voはハンマーフォールの6倍上手いです(笑)。 疾走、ミドル、バラードと大方網羅されていて、間奏でのツインGtや、サビでのコーラスなどでヴァイキングとも言える勇壮なフォークメロディを聞かせるのはなかなか魅力的。ただ、それが何故か半分を占めている疾走曲ではまったくの皆無というのがわけ分からん。 ミドル系では存分にそれらが発揮されているのに、疾走曲はどれもただダダダダとリフを連打して、コーラスも何も無く歌うだけって‥‥何だかなぁ。 あと、酷くはないものの、工夫皆無な平坦な音作りも改善した方がいいと思います。コーラスもちゃちいし。。 お気に入りは「A PASSAGE THROUGH THE MOUNTAIN」。ミドルでツインGtが素敵でコーラスも素敵なブラインド・ガーディアンチックなナンバー。こういう感じで疾走曲もやってくれれば良かったのに。 |
THOUSAND EYES (サウザンド・アイズ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() BLOODY EMPIRE / 2013年作 / 90点 |
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日本のメロデスバンドの1枚目。 普通のメタラーの場合「LIGHTINGのギタリストであるKOUTA氏率いるメロデスバンド」と言った方がいいんだと思いますが、私の場合「同人バンドTHOUSAND LEAVESが装いも新たにメジャーデビュー!」と言った方がシックリ来たりします。 合体させるとLIGHTINGのギタリストでありTHOUSAND LEAVESのギタリストでもあるKOUTA氏(THOUSAND LEAVESの時はBach名義)率いるメロデスバンドの1枚目なのです。 ジャンル的にはTHOUSAND LEAVESと同じくAT THE GATESやVOLCANOに近い慟哭のメロディを垂れ流すデスラッシュです。獰猛なデスラッシュにズバッと切り込んでくるクサメロの攻撃力は極めて高く、日本人の琴線に触れまくりです。 ミドルもスローナンバーも一切無し。ひたすら我が道を突き進むスタイルも大歓迎です。 KOUTA氏以外のメンバーもベテラン揃いで、演奏・音質も最高。KOUTA氏ばかりに耳が行ってしまいそうですが、実はVoのDOUGEN氏もかなりのツワモノです。日本のメロデスってVoが弱いバンドが多いと思うんですが、DOUGEN氏は迫力もあるし表現力もある。SOIL WORKのビョーン・ストリッドに匹敵すると言っても過言ではないと思います。 ただ、正直な所、THOUSAND LEAVESの方がメロディアスだったかなとも思います。まあ、向こうはカヴァーであって原曲が元々クサいから、仕方ないと言えば仕方ないのかもしれませんが、でも「Immortal vengeance」とか「Darkest night」を超えるような曲が欲しかったというのが本音です。 お気に入りは「Eternal Flame」。タイトルからしてクサいですが、メロディもおおいにクサい。 メロデスが好きなら絶対避けて通れないアルバムだと思います! |
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![]() ENDLESS NIGHTMARE / 2015年 / 90点 |
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2枚目。 前作で鮮烈なデビューを飾り、日本のメロデスラッシュの夜明けとなった彼らなわけですが、本作も前作に勝るとも劣らない素晴らしい出来栄えです! 方向性は前作と一切変わってないですが、ちょっとミドルなナンバーがあったり、前作より更に激しいナンバーがあったりと、(ちょっとではありますが)バラエティ豊かになったと思います。 そして、どのナンバーにも必ずあるクサいと形容してに良いメロディアスなGtソロ! これがまた実に素晴らしい‥‥。激しくも美しい旋律、これこそが彼ら最大のポイントだと、私は思っています。 お気に入りは「Mirror Knight」と「One Thousand Eyes」。前者は実に彼ららしい1曲でスラッシーに突き進み、ズバッとクサメロをぶち込む名曲。そして後者は本作の最後を飾る1曲。ラスト1分30秒における息もつかせぬツインGtのソロが最高のカタルシスを生みます! 前作を超える素晴らしい2枚目です。メロデス、デスラッシュ好きは必聴です! |
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![]() DAY OF SALVATION / 2017年 / 90点 |
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3枚目。 基本路線は変わらず、勢いのあるメロデスラッシュです。ただ個人的にはこれまでのアルバムの中で最も「大人しい作品」だと感じました。 1枚目なんかは本当に竜頭蛇尾大疾走という感覚でしたが、本作は結構速度遅めのナンバーがあるんです。「Lost Forever」や「Cold Blood」、「Astral Skies」の3曲などがそれに該当します。ラストを飾る「Devastated Moment」もスピード感的には結構緩めだったかなと。まあ、「Day Of Salvation」や「Final Reign」と言ったいつもの爆走曲も勿論ありますけど(笑)。 ただ、それが悪いと言いたいわけではありません。早かろうが遅かろうがメロディアスな事に変わりは無く、緩急ができた事で私個人としては1曲1曲が差別化できて良かったとすら思います。実際、アルバム全体としては聞き疲れする事無く最後まで聞けたと思います。 お気に入りは「Devastated Moment」。さすがに前作のラストを飾った「One Thousand Eyes」ほどの凄まじさは無いものの、渋めのサビがカッコイイと感じました。 色々と言いましたが、素晴らしいアルバムである事に変わりはなし! メロデス、いやヘヴィメタル好きなら聞くべし! |
THOUSAND LEAVES (サウザンド リーヴズ) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥メロディックデスメタル |
![]() GOD FORSAKEN / 2011年作 / 80点 |
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同人サークルとして活躍しているメロデスプロジェクトの4枚目のアルバム。 基本メンバーはBach氏(バッハ氏)という人ただ一人で、この人は実は男気メタルバンドとして有名なLIGHTNINGのギタリストであるKOUTA氏だったりします。 同人ゲームとして非常に有名な弾幕系シューティングゲーム「東方プロジェクト」の音楽をデスメタル風にアレンジしたアルバムで(東方プロジェクトが分からない人はググって調べてみてくれ)、オリジナルアルバムではありません。 「じゃあ元になった音楽を知らないと楽しめないの?」と思う人もいるかもしれませんが、結論から言うとまったく知らなくても問題ありません。私も詳しくは知りませんし。そういう事を抜きにして、純粋なメロデスアルバムとして聞いてもまったく問題無いです。 さて、同人作品ではありますが、そのクオリティはメジャー作品に決して引け劣らない出来映えです。特に良いのがGtです。抒情的なメロディを「これでもかッ!」というほど垂れ流しながら爆走する様は物凄く気持ちが良いです。メロディのセンスも抜群で(これはさすがに原曲のお陰なのかもしれませんが)よくもまあここまで印象的なクサメロディばかり作れるなぁと感心します。スタイル的には屍忌蛇率いるVOLCANOに近いタイプと言えます。 同人作品なので一般のお店では売っていない事、ジャケットがアニメチックなので慣れない人だとレジに持って行くのがちょっと恥ずかしいと言った点もありますが、それを考慮してもメタラーなら聞いて絶対に損は無いと思います。 お気に入りは「Bright red season」。デスVo入りのナンバー。デスラッシュのように猪突猛進しながら抒情メロディを垂れ流してくれます。超気持ち良いです。 同人とあなどる事なかれ! |
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![]() IMMORTAL VENGEANCE / 2011年作 / 85点 |
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5枚目。 基本路線に変化はありません。デスVoが新しい人(ウェストヴィレッジ氏という人らしいです)に変わっており、個人的にはこちらの方が好きです。 相変わらずクサすぎるメロディをぶちかましながら突進するスタイルはカッコ良すぎます。Gtのテクニックも更に上昇しており、締める所は締め、かます所はかます、と緩急がついており、前作よりもタイトになった印象を受けました。もうね、「東方プロジェクト」がどうとか、一切気にしなくていいと思いますよ。私、気にしてないですし。まあ、ここから本家を知ろうって思うのもアリだと思いますけどね(秋葉原とか行けば売ってます)。 お気に入りは「Darkest night」。サビの超高速Gtメロディに昇天確実です!ちょっと原曲が聞いてみたくなりました。 メロデスマニアなら聞くべし! |
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![]() LUNATIC DAWN / 2012年作 / 85点 |
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6枚目。‥‥多分。違ってたら誰か教えて下さい。 本作は「東方紅魔郷」の楽曲を中心になってるんですが‥‥知らない人には分からないでしょうね。”持ってる”私ですら分からなかったですから(笑)。それくらい大幅なアレンジが加えられているので、繰り返し言っている気がしますが、原曲を知ってる知らないはもう全然気にする必要はありません。 極上のクサメロを垂れ流しながら爆走するお決まりのパターンはぶっちゃけ大して進化もしてないですが退化もしてないので、安心して聞けます。8曲中Vo入りの曲は4曲しかありませんが、インストゥルメンタルでも十分に楽しめるので問題ありません。Gtがメインのアルバムですからね。 お気に入りは「Reve Of Mirrors」。静かな出だしから始まり途中からクサメロを携えて爆走する1曲。スカッとするナンバーです。 |
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![]() BLOOD AND TEARS / 2013年作 / 80点 |
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もう何枚目なのか分かりません(泣)。とりあえず2013年に出た作品っす。 基本的に変わり無し! 慟哭のメロディがてんこ盛りの東方プロジェクトカバーメロデスです。以前よりもDrの音の迫力が増してますね。良い傾向だと思います。全8曲中、3曲でTHOUSAND EYESのVoも務めているDOUGEN氏が参加しています。もちろんVoとして、です。 にしても、出すペース早いよね(汗)。オリジナルの方は数年に1作出すくらいのペースなのに、こっちは1年で数作出しちゃってるし。実際、元ネタは既に相当数被っており、「んっ? これは前にも聞いたな」ってのが結構あります(もちろんアレンジが変わっていますが)。ゲームをプレイしている私としては、例えば「東方紅魔郷」をゲームプレイの順番通りにやってみるとか、そういうオリジナルにちなんだコンセプトがあると嬉しいですけどね。 お気に入りは「Dream In Mirrors」。ちょっと明るめの感じが良い感じなラストナンバー。 ところで、ジャケットに映ってる女の子って東方のキャラなのかな? 見ても思い当たるキャラがいないんですけど‥‥。 |
THRONE OF CHAOS (スローン・オブ・ケイオス) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・デスメタル |
![]() MENACE AND PRAYER / 2000年作 / 90点 |
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チルボドそっくりさんの1枚目。びっくりするくらい似ています。 音楽性は言った通りチルボドです。チルボド程技巧に凝ってるわけではないですが(あそこまで似せる事は出来ませんし)、非常に聞きやすく、クサいと言ってもいいツインGtや、適度にキラキラしているKey、迫力あるデスVo。そのどれもが高レベルです。ノーサーやインペラノンなどが好きな人なら間違いなく好きになるアルバムだと断言できます。 まあ、それ以上は言及にしようが無いアルバムでもあるんですけどね。 お気に入りは「From Clarity to Insanity」。文句なしに格好良い曲です。 |
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![]() PERVERTIGO / 2002年作 / 80点 |
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2枚目です。音楽性が一気に変わりました。 まず、Keyのキラキラ感が無くなり、演奏もタイトかつソリッドになり、正統派っぽい作りになっています。 そもそもデスVoをほとんど使用しなくなっており、ジャンル的にも「メロパワ」と言って差し支えないような音楽に様変わり。 しかし、それが焼き付け刃的に感じないのは、一重に彼らの卓越したソングライティンブセンスによる所。前には無かった洒落の聞いたタイトルや、根幹に流れる流麗なメロディはやはり非常に魅力的。部分部分になったデスVoも程よいエッセンスになってると思います。 ‥‥まあ、どちらが好みかと言われれば前作と答えると思いますが。。 お気に入りは「Truth and Tragdey」。凄く洒落た感じの曲なんですが、格好良いです。前と違うけどお勧めです。 |
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![]() LOSS ANGELS / 2004年作 / 84点 |
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3枚目です。このアルバムからバンド名を頭文字だけでの「TOC」へと変更。 前作の方向性を更に推し進めたような感じで、そこにゴシックな風味、ロックンロール的なグルーヴ感も加味されています。もはや1枚目の面影はどこにもありません。 今回は前の「FISTFUCKING&ALIENSEED」(フィストファックとエイリアンの卵)みたいなふざけた曲は無く、結構真面目。正直、前に比べると面白みにかけるんですが、出来そのものは前よりもきっちりと固まっていいと思います。 それと、メタルバンドのくせに「サタデーナイトフィーバー」みたいなメンバーの姿が素晴らしい。メタルバンドはわが道を行く人が多いですが、このバンドは時代の流れを理解しながら音楽をやっているという気がします。 お気に入りはボートラの「LOSS ANGELES LOSS ANGELES」。この曲だけ何故かシンフォメロスピです。確信犯なんだろうけど、気になっちゃうんだな。あと、デス声&爆走の「SMOKE ON THE WATER」のカバーもいい。こっちも絶対確信犯。 完全玄人向けだと思うが、慣れた方は聞いておきましょう。 |
THUNDERSTONE (サンダーストーン) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() THE BURNING / 2004年作 / 84点 |
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フィンランド出身のメロパワバンドの2枚目。 さて、フィンランドのメロパワと言えばストラトかソナタか、大体どっちかに分類されるもんですが(そうか?)、彼らは間違いなくストラト系。疾走に頼らない腰の座ったキラキラのメロパワをやってます(疾走系もありますが)。モリフェイドっぽくもありますね。 しっかり歌えてるVoに、バックを支えるKeyなど、楽器は問題無し。となると残りはやはりメロディになるんですが‥‥良くも悪くも普通って感じです。本当にこれ以上の言葉が見つかりません。クラスに一人はいる「勉強も運動も出来なくはない」と「出来る」とも「出来ない」とも言われない系。それが彼らです。型に嵌りすぎてますが、その型の中では実に堅実な仕事をしてるって感じです。 お気に入りは「ME, MY ENEMY」。日本盤の最後を飾るボートラ。音は悪いが、クラシカルな出だしが好き。メロパワ大好きっ子は買って損無しです。 |
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![]() TOOLS OF DESTRUCTION / 2005年作 / 84点 |
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3枚目。 音の質や、楽曲の雰囲気自体は前に比べるとかなり様になってきており、ここに来て先輩達の影から脱出しようという心意気が伺えるのは嬉しい限り。 しかし、メロディそのものはいい意味でも悪い意味でも大して変わりなく、結果的な感想は「おんなじやね」に終始してしまうのは何とも悲しいかな。 素質的にはかなりいいもん持ってるんだから、どんな方向性でもいいからもっと弾けてほしいというのが個人的な意見なんですけどね。でも、メロパワバンドがそういう事すると大抵プログレに走るんだよなぁ‥‥。 お気に入りは「I WILL COME AGAIN」。キャッチーなメロディーがGOOD。 やっぱしメロパワ大好きっ子は買って損無しです。 |
TIMELESS MIRACLE (タイムレス・ミラクル) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル |
![]() INTO THE ENCHANTED CAMBER / 2005年作 / 85点 |
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スウェーデン出身の爆走キラキラバンドの1枚目。 キラキラからヴァイオリン風まで様々に音色を変えるKeyに怒涛の疾走、そして極々普通のVoが乗る、典型的メロスピ。当然ソナタ程垢抜けてなくダーディアンとかに近い感じですね。キーパーメタルな味わいもふんだんにあります。 ほぼ全ての曲がファスト〜ハイスピードでかっ飛ばしますが、どれもそれなりにフックに富んでいて、飽きずに聞けます。歌メロもキャッチャーで良い。 ただ逆を言えば、ソツが無さすぎなので、このバンド独自のオリジナリティはほとんどありません。強いて言えばメンバーに長髪がいない事くらいか(そんなんかい)。 お気に入りは「CURSE OF THE WEREWOLF」と「THE GATES OF HELL」。前者は頭を飾る分かりやすいメロスピナンバー、後者はややフォーク調のメロパワ。こういうのもいいね。14分にも及ぶ「VOYAGE」も悪くないっす。 |
TIME REQUIEM (タイム・レクイエム) |
出身地‥‥スウェーデン ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() TIME REQUIEM / 2002年作 / 93点 |
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鍵盤馬鹿リチャード・アンダーソン率いるバンドの1枚目です。マジェスティックというバンド名でやっていたんですが、諸事情により名前を変えたようです。 音楽性はリチャードがKeyをやってるってだけで簡単に想像がつきそうなKey主体のメロパワです。クラシカルなメロディを「これでもかっ!」とぶちまけながら、5〜7分の長めのドラマチックナンバーが連発されていきます。Voを始め、他楽器も問題ありません。 兎にも角にもドラマチック極まりないメロディがたまりません。格調高いクラシックの荘厳なメロディをKey魔人リチャードが所狭しを弾きまくる様はとにかく気持ちが良い。プログレッシブな展開も見受けられるものの、緊張感のある展開を殺ぐ程ではありません。人によってはこれ「弾きすぎ」と非難する人もいるような気がしますが、私はここまでやってくれて何の文句もありませんよ。 聞いてるこっちの指がつりそうになるインスト「Brutal Menter」やドラマチックの極み「Watching the Tower of Skies」など、全曲山場の名盤です。 メタルらしいドラマ性と、世界屈指のKey馬鹿テクが聞きたい方は是非どうぞ。名盤! |
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![]() THE INNER CIRCLE OF REALITY / 2004年作 / 85点 |
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2枚目です。 基本的な路線は変わっていません。リズム隊が変わって、Drがとんでもなくうまい人になったので、より劇的になったとすら思います。でもやっぱり主役は鍵盤馬鹿リチャードです。 本作でより顕著になったのが歌メロです。勿論、今回も相変わらずかなーりいいんですが、クラシック的メロがよりはっきりしました。 ただ、いくら何でもクラシックすぎな気もします。「これは何かのクラシックのパクリなのではないか?」と思うようなサビメロなんかもポンポン出てきます。まぁ、聞いてて心地良いならそれでいいんですけど。 お気に入りは「ATTAR OF ROSES」と「HIDDEN MEMORIES」。前者はKeyとDrの劇的な掛け合いが凄すぎます! 後者はさっき言った通り、歌メロがクラシックまんまですが、良いモノは良いんで。 前に比べるとちょっと聞き劣りしますが、やっぱり凄い事に変わりはないです。機会があれば是非聞いてみてくださいな。それにしてもこのバンドは「サクリファイス」って言葉が好きですね(笑)。 |
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![]() OPTICAL ILLUSION / 2006年作 / 70点 |
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メンバーをほぼ総入れ替えしての3枚目。 元々プログレ色の強いバンドだったけど、枚数を重ねる毎に顕著になってきます。前はそれでもネオクラシカルなKeyに歌メロがあったから良かったけど、今回は何故かフュージョンやらロックに楽曲がシフトしていて、高揚感が得られないは、ウネウネしててよく分からないは、で印象は激薄。しかもボートラ入れて9曲しかないし。 テクはもう十分分かったからストレートでクサい頃に戻って欲しいです‥‥。 お気に入りは「SPHERE OF FANTASY」。唯一ストレートな曲です。 |
TNT (ティー・エヌ・ティー) |
出身地‥‥ノルウェー ジャンル‥‥メロディアス・ハード |
![]() INTUITION / 1989年作 / 87点 |
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ノルウェー出身のメロハーバンドの3枚目。89年作。北欧メタル史上に残る名盤だとか。ちなみに「INTUITION」とは「直観」(簡単に言えば知識)という意味です。 美しいコーラスを湛えたミドルテンポメインの北欧メタルで、何と言ってもVoのトニー・ハーネルのハイトーンが特徴的。 普通の人からしてみたら、この高音でキンキン言ってる感じのVoが癪に触るかもしれませんが、この音楽には彼の声こそがベストマッチであり、サビでのコーラスはどれも非常に美しいです。あるメタルレビューサイトでは「クリスタルボイス」なんて言われてます。 ハードさやエッジの効いた場面はほとんど無く、全体的に青い空がイメージ出来そうな爽快さに溢れており、しかしそれでも北欧らしい哀愁があるのがたまりません。 お気に入りは「INTUITION」。これを北欧メタルと呼ばずして何と呼ぶ! というくらい美しい名曲です。 |
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![]() MY RELIGION / 2004年作 / 65点 |
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売れ線に走ってコケ、一度解散してからまた復活して出た8枚目。 どうやら4〜7枚目は彼らのオリジナリティを殺して評価が悪かったようで、この作品は以前とメロハーです。15年も時が経ってるので音そのものは遥かにレベルアップしてるし、Voトニーの声は更に純度を増した感じです。 ただ、以前のような水晶のような美しさはありません。グルーヴ感はこちらの方がありますが、おそらく彼らにグルーヴ感を求めてる人なんていないでしょう。歌メロも地味なものが非常に多く、ずっと聞いていたいと思う曲はほんの僅か。 お気に入りは「LONELY NIGHTS」。1曲目がこれだったから「このアルバムは良い作品なんじゃないか!?」と一瞬思ってしまいました‥‥。 |
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![]() ALL THE WAY TO THE SUN / 2005年作 / 50点 |
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9枚目。 もうダメだ‥‥。美しさを完全に捨て、グルーヴ感、ロック感が全面に出た感じになってます。 美しくないし、歌メロは前より更に地味(聞いてて本気でムカついた)。格好良くもない、褒められる所ありません。 良いと思ったのがカヴァーの「WHAT A WONDERFUL WORLD」だけってのはねぇ‥‥? |
TO/DIE/FOR (トゥー・ダイ・フォー) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ゴシックメタル |
![]() ALL ETERNITY / 2000年作 / 80点 |
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フィンランド出身の五人組バンドの1枚目のアルバム。 このバンドの音楽は非常にジャンル分けが難しいバンドです。とりあえずゴシックに入れてますが、もっと突っ込んだ言い方とするならば「ゴシック的雰囲気のロック」です。かなりポップな歌メロと1曲3分程度の短さ。定番と言われているゴシックとは随分と違います。 Voはデスではなく普通の男声だし、雰囲気も荘厳という程、形式ぶったものではありません。 これをゴシックの基準として扱われると困りますが、様々なゴシックを聞いて耳が肥えた方は是非この新しいタイプのアルバムを聞いてほしいです。お気に入りは「Love in You」。結構ハードな曲ですが、それでもゴシックさは失っていません。 おそらく、彼らに影響を受けてHIMやネガティブやラスマスなんかが生まれたと思うんで、そう意味では聞いておくべきバンドだと思います。 |
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![]() EPILOGUE / 2001年作 / 81点 |
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2枚目です。前と変わっていませんが、もっと聞きやすくなったような気がします。 音は更にポップになり(あくまでへヴィメタル見地からのポップです)、Keyの目立ち具合も前作以上。ここまで来ると、もはや完全なTo/Die/For節と言えますね。Voの声もより粘っこくなり、エロエロになっています。 ゴシックらしい粘っこさと耽美が満載なのに、なのにポップ的な聞きやすさがある。このアルバムも非常にいい出来です。 お気に入りは「Crimsom Twins」。Gtメロがかなり萌えです(笑)。 |
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![]() JADED / 2003年作 / 94点 |
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エアロ○ミスとは何の関係も無い3枚目。 デビューから独特なスタイルを固辞してきた彼ら。私もそのスタイルは好きでしたが、歌メロに関しては大満足というわけではありませんでした。雰囲気ばかりが先行していた気がしてたんですよね。 しかし、3枚目でついに印象的かつキャッチーなメロディまでも導入。これがまた非常に良いんです。ゴシック的な耽美性、ミステリアスな雰囲気、ポップな解釈、そして物悲しい歌メロ。全てが合わさった瞬間、そこに生まれるは「最高の音楽」なのです。 アップテンポな曲が多いから聞き飽きる事も無いし、本当に捨て曲無し。 どの曲も素晴らしい出来なので、甲乙をつけられないんですが、強いて言えばタイトル曲の「Jaded」。サビでのVoの悲痛な声がたまらなくエロいです。傑作です! |
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![]() W / 2005年作 / 84点 |
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大幅なメンバーチェンジがあり、どうなる事やらと思ったが基本的なモノに変わりはない4枚目。アルバムタイトルのまんまですな。 ポップなゴシックに変わりはなく、今回は更にアコギなんかも取り入れてよりメランコリックになっています。U2のカヴァーが入ってる辺り、それを証明していますね。勿論、しっかりと彼ら色に染まっていますが。 しかし、やはり前が良すぎたのか、前に比べるとメロディが充実してないように思います。どーもサビメロにビビッとこないんですよね。ちょっとロックンロールっぽくなってない? ただ、上質なゴシックポップである事は変わりないし、ネガティブなんかが好きな人だったら間違いなく好きになれる作品だと思うので、大損って事は無いでしょう、多分。 お気に入りは「LIES」。彼らの中でも屈指のバラードだと思います。 |
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![]() WOUNDS WIDE OPEN / 2006年作 / 93点 |
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またちょいとメンバーチェンジがあった5枚目。 前も決して悪くはなかったですが、彼らの作品の中では普通でした。しかし! 今回は大傑作「JADED」に勝るとも劣らない非常に良い出来だと思います。 まずKeyの装飾がかなり大仰になりました。部分部分ではナイトウィッシュすら髣髴とさせます。それとGtが上手い! 叙情的かつ泣きなメロディをいい所で挟むセンスは「憎いぜ!」の一言。 またアグレッションも過去最高。それなりに早い曲に挑戦したり、ザシュザシュとしたGtをメインにしてみたり、「Hey!」などの合いの手を入れてみたりなどの実験要素が多いにも関わらず、それらが全て彼ら色に染められているのはナイス。 メロディもKeyのお陰かあざといまでの哀愁と切なさに溢れております。でも、それでこそ彼ら。これくらいやってくれるなら、オイラも大満足です。 お気に入りは「LIKE NEVER BEFORE」と「LIQUID LIES」。前者は今までの中でも最速のナンバー。しかしそれよりサビでの「オーオー」って言う合いの手が最高。後者は彼らの中でも非常にノリの良い曲。サビでのGtのザクザク具合に悶絶! ちょっとナイトウィッシュの「WISH I HAD AN ANGEL」っぽいっすね。 メランコリック・ゴシック・ロックは彼らがいる限り安泰なのです! |
TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA (トビアス・サメッツ・アヴァンタジア) |
出身地‥‥ドイツ ジャンル‥‥ジャーマンメタル |
![]() THE METAL OPERA / 2001年作 / 85点 |
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エドガイのVo、トビアス・サメットのソロプロジェクト(?)の1枚目。 カイ・ハンセン(ガンマ・レイVo)やアンドレ・マトス(元アングラVo)、マーカス・グロスコフ(ハロウィンBa)など、錚々たるメンバーを集めたこのコンセプトアルバムは、一言で言ってしまえば「ややシンフォニックになった初期エドガイ」。骨太のジャーマンにファンタジーを表現する為にクワイヤなどが設けられてます。 ってかね、トビアスが歌っちゃってる時点で、もう変な変更なんてありえないわけよ。ハイトーンで「ああ〜〜〜」ってビブラートっちゃったら、もうエドガイ以外想像出来ないもん。 エドガイとの違いである、たくさんのVoなんですが、一度に全員を聞き分けるのは正直かなり難しいです。一発で分かったのは「FAREWELL」のシャロン嬢(ウィズイン・テンプテーションVo)くらい。ってこの人だけ性別が違うからか? ただ、楽曲のそのものレベル自体はどれもかなり高いのでエドガイやメロパワが好きな人なら安心して聞けると思います。 お気に入りは「THE GLORY OF ROME」。比較的明るい楽曲が多い中で、切ないマイナーメロディがGOODです。 |
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![]() THE METAL OPERA PT.II / 2002年作 / 84点 |
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身も蓋も無いタイトルの2枚目。 基本路線は一切変わってなく、参加してるメンバーもほとんど変わってません。いきなり結論から言うと、前が好きならこっちもOKって事です。 1曲目が一番長いという(14分!)曲配分は流石にどうかと思いましたが、曲の起承転結はとてもはっきりしてるし、それさえ乗り切れば後はコンパクトにまとまったキャッチーでやシンフォニックなジャーマンナンバーが目白押しです。 ただ、前に比べるとちょっと楽曲の幅が無い気が‥‥。あと、個人的には必殺の一撃が無かったのも悲しい所。全体的なレベルそのものはそこらへんのラプソマニアを蹴って捨てる程高いものではあるんですけどね。これだけ集まってこれか‥‥的な贅沢な悩みもあったりして。 お気に入りは「THE LOOKING GLASS」。今回は疾走系よりミドルの方が良いのが多かったかな〜。これは凄く好き。 |
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![]() THE SCARECROW / 2008年作 / 87点 |
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前作から6年もの歳月を経て発表された豪華プロジェクトの3枚目。 前2作は完成度は高かったものの、内容的には典型的なジャーマンメタルでした。しかし本作はミステリアスな重厚ミドルから、典型的疾走曲、ライトなハードロック、壮大なバラード、ケルト風メロディ満載の大作まで、メロディックメタルで出来そうな事はほぼ全てやられており、にも関わらず決して散漫な印象は無い、非常に聞き応えのある良作になっています。 そして、本作の特筆すべき所はやはり豪華なゲスト。中でもVo陣、ロイ・カーン、ヨルン・ランデ、アリス・クーパー辺りの存在感は抜群で、特にヨルン・ランデの歌唱は凄まじく「THE SCARECROW」は彼のお陰で魅力5割増しですよ。 疾走感、コテコテ感はかなり減退してしまいましたが、レベルの高さで言えば本作は間違いなく過去最高だし、私はトビーの作るミドルとかは大好きなので、全然OKです。 お気に入りは前述した「THE SCARECROW」。いやね、これは凄いよ。10分超えなのにまったくダレませんし、ヨルンの超絶Voは一度は聞いた方がいいと思います。そう言えば私の好きな10分超え作品はヨルンが歌ってばっかだな(MASTERPLANの「BLACK IN THE BURN」とか)。 これこそ新世紀メロパワ! 是非聞いてほしいです。 |
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![]() THE WICKED SYMPHONY / 2010年作 / 85点 |
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4枚目。尚、いずれ書くであろう「ANGEL OF BABYLON」と2枚同時発売なので、どっちが正式に「4枚目」なのかはよく分かりません(汗)。まあ、どっちでもいいんだけど(笑)。 基本的には前作と同じ、超ハイクオリティでバラエティに富んだメタル楽曲が並んでいます。ヨルン・ランデの声が決まりまくっているドラマチックナンバー「The Wicked Symphony」、アンドレ・マトスにこういう曲を歌わすか〜と変に納得してしまったミステリアスな「Blizzard On A Broken Mirror」、電子音も取り入れた「Crestfallen」、典型的な疾走曲「States Of Matter」など、メタラーなら必ず数曲は気に入る曲がある、優れたアルバムだと思います。 ただ、ミドルテンポが大半を占めている事。全て素晴らしい曲か? と言われれば、残念ながらYESとは言えない微妙な曲が多かったのも事実で、前作ほどの充実感は残念ながら得られませんでした。まあ、これは好みの問題ですけど。 お気に入りは「Dying For An Angel」。確かにメタルですが、メロディの作り方などがちょっとロックっぽい、まさしくトビアスらしい1曲。サビがBON JOVIみたいで格好良いです。 |
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![]() ANGEL OF BABYLON / 2010年作 / 73点 |
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5枚目‥‥と言っていいんでしょうかね? 「THE WICKED SYMPHONY」の続編に当たる作品で、発売日は同時でした。 が、これがまたビックリするくらい出来栄えに差があります。点数を見れば一目瞭然ですが、こっちの方が悪いです。 方向性は同じです。バラエティに富んだメロパワなんですが、こちらは何故か悲しいほどメロディが地味なんです。派手に出だしを飾っても、一番の盛り上がりで煮え切らない中途半端なメロディを持ってこられて興醒めという曲ばかりなんです。「Angel Of Babylon」、「Down In The Dark」、「Symphony Of Life」などがこれに該当し、実に口惜しい‥‥。サウンドは文句無しの出来栄えなのになあ。 お気に入りは「Stargazers」。1発目を飾る9分の大曲。にも関わらず疾走曲ってのが良いですね。これがその後も続けば‥‥。 他のレビューを見るとどこも結構な点数をつけているみたいですが、私は残念ですが出来ません。聞くなら「THE WICKED SYMPHONY」の方を断然お勧めします。 |
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![]() THE MYSTERY OF TIMES / 2013年作 / 75点 |
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6枚目。 相変わらず超豪華なゲスト陣(マイケル・キスク、ボブ・カトレイ、エリック・マーティン、ジョー・リン・ターナーなど)を迎えてのエピカルなメタルを披露しています。 楽曲の方も重厚でシンフォニックなミドル系、明るいメロディの疾走系、ポップスをも連想させるバラード系、といつものAVANTASIA印。 音質の良さ、ゲストVoの使い分けなど、聞き所はたくさんあるものの、個人的には「普通」という程度の感想でしたね。 理由としてはサビがイマイチな曲が多かったから。特に疾走系のサビはどーもノれない。まあ、ぶっちゃけ今に始まった事じゃなく、このバンドの疾走系は(私は)一貫してあんまし好きじゃないんですけどね(汗)。 逆に重厚なミドルは大好きなんですが、今回のアルバムではそっちもイマイチだったかな、と。もっと緩急をつけてサビでドガンとやってほしかったな。 まあ、これはアルバムの枚数を重ねれば良くなるってもんでもないので、次は良い曲が来るのを待ちますか。 お気に入りは「SPECTRES」。1曲目を飾るナンバー。イマイチな楽曲が多かった本作の中でもこの曲は別格。重厚な出だしに爽快なサビととても気に入りました。 決して悪くはないんだけど、彼らだったらもっと良いアルバムを作れるだろう、という期待を込めての点数にしました。 |
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![]() GHOSTLIGHTS / 2016年 / 84点 |
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3年ぶりの7枚目。何だかんだで結構枚数行ってるねw さて、3枚目「THE SCARECROW」を境にHELLOWEEN的メロパワから脱却し、壮大なメタルオペラな作風になった彼らですが、本作も当然ソッチ路線です。重厚なミドル、心地良い疾走曲、全然メタルらしくないバラードまで、幅広く網羅されています。 ちょっとここ最近の作品は足を延ばしすぎた結果、散漫になってしまいイマイチだと思っていたんですが、本作はなかなかに良いですね! 全体的に前作よりもメタルしてる曲が多く、気に入った曲が結構ありました。 特に元HELLOWEENのマイケル・キスクが参加した疾走曲「Ghostlights」と「Unchain The Light」が良い! どちらもキスクの衰える事の無い見事なハイトーンが使われており、ゾクゾクしました。 他、メッチャNIGHTWISHな「Master Of The Pendulum」も良かったですね。本家のマルコ・ヒエタラが参加しています。 欠点としては、前述したようにヘヴィメタルらしくない曲もやっぱりそこそこあり、それがことごとく面白くないって所ですかね。高品質だとは思うんですが、私の好みじゃないんだよな〜。 EDGUYがどうなってるかは知らんですが、少なくともコッチは末永く続けてほしいですね。 |
TORN (トーン) |
出身地‥‥日本 ジャンル‥‥へヴィ・ロック |
![]() 凍音 -TONE- / 2007年作 / 75点 |
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女性Voを擁する日本のへヴィロックバンドの1枚目。 女性Vo、やや和風なメロディと日本語歌詞、ダイナミックな演奏‥‥と色々な部分が大鴉に良く似ています。違いと言えば、大鴉がキャッチーなメロディをもって大衆性をアピールしているのに対して、こちらはより深くディープな音楽を追求しているって所でしょうか? ジャケットが象徴するかのようにアルバム全体が暗く、疾走の無い楽曲、咽び泣くアコギ、魂を絞るかのように歌われる悲痛なメロディなど、雰囲気作りは大鴉以上です。それは良いと思います。 ただ、雰囲気作りを意識しすぎたのか、平坦でやや退屈な場面が目立ち、サビメロも地味な曲が多かったりします。やはり私は単純に燃える曲の方が好きなので、何日かに分けて聞いたくらいです。 お気に入りは「漂流 -Cast Away-」。まさしく漂流してるかのような切ないメロディが癖になります。 今はまだこの点数ですが、これからどう進化していくのか楽しみです。 |
TONY MACAPINE (トニー・マカパイン) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メディック・パワーメタル |
![]() MAXIMUM SECURITY / 1987年作 / 84点 |
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トニー・マカパインなる黒人ギタリストによる、インストアルバムの2枚目。87年作。 「ネオクラ・インスト」アルバムとしては非常に誉れ高い作品のようで、確かに全編に弾きまくられるGtは圧巻。とは言っても、典型的な疾走ナンバーからしっとりバラード、グルーヴィーなナンバーまでバラエティに富んでます。でもやっぱりどれも弾きまくりですけど。ちなみにBaは元Mr・BIGのビリー・シーンです。 確かにGtは最高に格好良いし、テクも最高。非常に細かいのに一音一音がはっきり聞こえるのは、この人のレベルの高さが伺えます。メロディも悪くない。これが名盤と言われても納得の作品だと思います。 でもやっぱオイラは歌付きがいいかな。最初から最後までただの一言も声が無いのはやっぱしちょっと物足りない。クラシカルなGtは歌物の中にあってこそその真価を発揮出来るものなんだな、とか思いました。 お気に入りは「HUNDRED OF THOUSANDS」。本作中最大の疾走ナンバー。クリス・インペリテリ、ケリー・サイモンズ、そしてイングヴェイ、恐るるに足らず! |
TONY OHORA (トニー・オホーラ) |
出身地‥‥イギリス ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() ESCAPE INTO THE SUN / 2006年作 / 77点 |
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PRAYING MANTISでVoを担当していたトニー・オホーラのソロアルバム1枚目。 ここ日本では上記の情報ではさして話題になりませんが、日本盤が出ました。その理由はソングライティングを担当したのがご存じマグナス・カールソン氏だから、だと思います。 で、彼が作曲してるわけなので、当然音楽性は純正の北欧へヴィメタル。ぶっちゃけ、誰がVoをとろうとも彼が作曲をした時点で私の嗜好と一致するかは予想出来るってもんですが、まさしくその通り。決して嫌いな方向性ではないんですが、いまいち煮え切られないものでした。 それでもこうして購入したのはやはり中に数曲はキラリと光る曲があるからでして、「No More Innocence」や「Escape Into The Sun」なんかはなかなかに良かったです。 でもやっぱり全部が良いかと言われると‥‥な出来ですけど。 それにしてもマグナスはいくつバンドを掛け持ちすれば気が済むんでしょうね? |
TRICK OR TREAT (トリック オア トリート) |
出身地‥‥‥イタリア ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() Rabbits' Hill Pt. 1 / 2012年作 / 70点 |
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イタリア出身のメロパワバンドの3枚目のアルバム。 元々はHELLOWEENのトリビュートバンドだったらしく、キーパー時代のHELLOWEENからの影響モロ出しのジャーマンメロパワをやっています。心地良い疾走感で分かりやすいキャッチーなメロパワを披露する初心者向けのメタルアルバムと言えるでしょう。まあ、B級な事は間違いないんですけど。 他サイトを見ると「なかなか良い」みたいな評価が多いんですが、ぶっちゃけ私は「そんなに良くない」と思いました。確かにキャッチーなんですが、どれもイマイチ、いやイマサンなレベルなんですよね‥‥。HELLOWEENには遠く及ばないと正直思いました。演奏もB級だしな‥‥。 これからの研磨次第で化けるかもしれないですが、今はまだマニアが好む程度のレベルだと思いますね。 お気に入りは「Hampshire Landscape」。インストです(笑)。この曲のキーボードにはセンスを感じるな。 まだまだ成長段階。これからに期待です。 |
TRIVIUM (トリヴィアム) |
出身地‥‥アメリカ ジャンル‥‥メタルハードコア |
![]() ASCENDANCY / 2005年作 / 85点 |
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アメリカ・フロリダ州出身の4人組バンドの2枚目にして日本デビュー作。 アメリカ発のメタルハードコアと言えば、やっぱしキルス〜やシャドウズ・フォールらが上げられますが、系統的にはこのバンドもその仲間。 しかし、それらの中でもこのバンドは格段にメタリカの影響を受けているのが特徴。まだスラッシュメタルだった頃のメタリカを現代的にアップデートした、なんて例えられる事もしばしば。私も確かにその通りだと思います。 デスVoとノーマルVo(エモい)をスイッチさせる展開やリフの組み立て方はもろハードコアですが、メロディはかなりスラッシュメタルよりで、そしてそれが決してダサくないのが良い。こういう所、最近の若いバンドは吸収、消化の仕方が上手ですね。 どの曲も超アグレッシブで、突進力も抜群なのでストレスがたまった時に聞けば気に入る事は間違い無しです。 お気に入りは「PULL HARDER ON THE STRINGS OF YOUR MARTYR」。サビメロもいいけど、ザクザク刻まれるリフが癖になります。 |
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![]() THE CRISADE / 2006年作 / 90点 |
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3枚目。 前回はデスとノーマルを使い分けるという歌い方でしたが、今回はデスはほぼ封印。Aメロ、Bメロ時でもノーマル声で歌っており、これがジェイムズ・ヘッドフィールドに激似。より初期メタリカに近づいた感じがします。 それ以外はほぼ変わってないですが、楽器レベルはどれも数段上がっており、特にGtソロが超絶に格好良くなってます。Gtソロでこんなに高揚感を得たのは久しぶりです。やっぱメタルにGtソロは必要だね(笑)。Drも格好良い(バスドラのタイミングが最高)。 曲も後半になっても勢いはまったく衰えないし(むしろ後半の方が盛り上がる)、こりゃ確かに散々褒められるのも納得。だって格好良いもん。 お気に入りは「TREAD THE FLOODS」。ハードコアとイエテボリメロデスの奇跡的な融合曲。こりゃ、名曲です。 |
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![]() SHOGUN(将軍) / 2009年作 / 85点 |
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4枚目。 我々日本人にとっては興味深いタイトルですが、内容が和風になっているわけではありません。ただ単に言葉の響きが良かったから、でしょうかね? さて、前作で80年代のMETALLICAへの接近は見せた彼らですが、本作では再び元のメタルコアに戻った感があります。デスVoの復活、ヘヴィなパートとメロディアスなパートの極端なまでのコントラストなどは特に顕著に立ち返りが伺えます。 とは言え、メロディアスな部分は過去最高にキャッチーだし、ヘヴィとメロウの対比も技術的にレベルアップした為か、非常にカッコ良く、様になっています。 ただ、個人的に3枚目が好きだった私にとってはこの進化はちょっと期待していたものとは違いました。 ヘヴィ&メロウの対比がカッコイイと先程書きましたが、ヘヴィ部分は正直つまらないし、基本ミドルナンバーばかりなのもどうも‥‥。それと、一撃必殺のキラーチューンが無いもの辛い。どれも平均点以上なんですが、90点以上が無いんですよね‥‥。 お気に入りは「INSURRECTION」。クールに疾走するサビがカッコイイです。 既にレベル的には最高地点に達しているので、あとはそれをどう料理するかの問題になりそうです。 |
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![]() IN WAVES / 2011年作 / 91点 |
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5枚目。 既にジャケットからして、これまでとは一線を画す雰囲気を湛えていますが、内容もそれが示す通り、今までとはかなりの変化が見られます。 とにかく歌メロ、リフ、曲展開、全てが非常に練り込まれており、今までのようにストレートに迫力が伝わってくるタイプの曲はあまり見受けられません。しかしこの練り込みがハンパではなく、このスタイルのアルバムでは初めてじっくり聞き込みたいと思うほどに丁寧に作られているんです。 これは完璧に私個人の意見ですが、今までの「俺はただ肉が欲しいんだっ!」的な獰猛さが無くなり、「モノクロの世界を旅する獣」みたいな少し冷めた、でも情熱は忘れていないみたいな世界を(本当に勝手だけど)想像しました。 歌メロはキャッチーながら独特なリフを持つ「In Waves」、全然キャッチーじゃないのに何故か頭から離れない「Dusk Dismantled」、歌メロに拘ったのが良く分かる「Black」や「Built To Fall」と、何から何まで本当によく練られており、例え疾走感が失ったとしても、私は彼らに新しい姿を見たと思いました。 お気に入りは「Dusk Dismantled」。本当、全然キャッチーさなんて無いんですが、頭から離れないんです。後半のアコギがこれまたイイんだ。 素晴らしい作品だと思います。これでまた一皮剥けましたな。 |
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![]() VENGEANCE FALLS / 2013年 / 75点 |
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6枚目。 前作が自分的にはクリティカルヒットだったので、次はどんな内容なのかと期待していました。 前作ほどシンプルではなく、パッと聞くといつものTRIVIUM節が炸裂してるメタルコアかなと思いました。が、スクリームする箇所は驚くほど少なく、爆走する曲も少しだけ。「飽くまで前作を通した上でのTRIVIUM節」という感じだと思いました。 ただ、そうは言っても正直ちょっと中途半端というか…。前作ほどクールではないし、かと言って「SHOGUN」ほどはっちゃけてるわけでもない。どっちつかずな感じがしましたね。あと、サビはほぼクリーンVoなんですが、歌メロが地味……。歌メロが良かったら、こういう評価にはならなかったかもしれません。 ちなみに私が持っているのは日本限定版で、R.E.M.の「Losing My Religion」のカヴァー曲が入っています。……これがまた驚くほど合わない(汗)。もっとクラシックなメタルナンバーにすればいいのに。 お気に入りは「To Believe」。歌い方がメッチャDISTURBEDw いいのか? でもカッコイイからいいやw 決して悪くはない。が、彼らのアルバムとして見るとイマイチだと思いました。 |
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![]() SILENCE IN THE SNOW / 2015年 / 80点 |
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7枚目。 「白いジャケットのアルバムはメタルバンドにとって大きな分岐点になる」なんて言われていますが、確かにその通り。過去最高に大人しい内容になっています。 デスVo一切無し。爆走無し。エクストリームな部分を全て排除し、完全な歌モノメタルになっています。彼らに「メタルコア」を期待していた人は壮大にズッコケると思いますね。 で、私はと言うと、ハッキリ申し上げますと「前作より良い」と思っています。確かに前のめりな勢いも胸躍るリフもありません。しかし、哀愁漂う歌メロがあります。歌メロの良さは過去最高だと思います。私はココを推したい。まあ、できればいつものメタルコアにこの歌メロが融合してくれれば文句なかったんですが、それはまた今度という事でw TRIVIUMというバンドに何を求めるかによって、このアルバムの評価は大きく変わると思います。私は勿論エクストリームなヘヴィメタルも大好きですが、正直、それ以上に哀愁漂う歌メロを求めていたりします。いくらリフがカッコ良くても歌メロがつまらなければ、私にとっては駄作なのです。だから私は前作よりも高評価なのです。 ……とは言ったものの、歌モノメタルとしては最高か? と言われるとそうでもない。歌メロのセンスはググンとレベルアップしていますが、元が低かったんだから、まだまだです(汗)。まだまだ上はいます。また、彼らの作るメタルコアも好きではあるので、前述したように歌メロの質は維持しつつもメタルコアしてれば、素晴らしい作品が生まれると考えています。 お気に入りは「The Thing That's Killing Me」。このメロディ、良いね! これにメタルコア的な要素が加われば、もう怖いモノは無いよ! |
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![]() THE SIN AND THE SENTENCE / 2017年 / 87点 |
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8枚目。 前作は個人的にはそれほど悪いとは思わなかったんですが、世間の評価はかなり厳しいモノでした。で、一方の本作は「メタルコアのTRIVIUMが戻ってきた!」なんて大絶賛されていました。私は「そういう評価」ではないんですが、とても充実した良作だという事は間違いないと思いました。 まず、前作ほど大人しくはないです。初期ほどゴリゴリに突き進みはしませんが、スクリームや疾走も戻ってきており、十分にメタルコアな音だと思います。そこに前作で培った「メロウな歌」がプラスされています。それが決して「どっちも中途半端」になっておらず、どちらも十分に楽しめる出来栄えになっています。 本作が素晴らしいのはそのバランスの良さなんですよね。時に激しく、時にメロウ、どちらもレベルが高くて楽しめる。この絶妙な匙加減が良作たる理由だと感じています。更に自分が気に入ったのは「Gtソロ」。これまでこのバンドのGtソロはあまり耳には残らなかったんですが、本作はかなりメロディアスなGtソロが入っており、これも高評価です。 一撃必殺の1曲は無いんですが、ほぼ全ての曲が水準以上の出来栄えで、トータルの評価が高いアルバムだったと思います。 お気に入りは「Beyond Oblivion」。サビがメロウで飽きずに聞ける1曲だと思います。 さて、次はどんな変化があるのか、楽しみです。 |
TURISAS (チュリサス) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥ヴァイキング・デスメタル |
![]() BATTLE METAL / 2004年作 / 86点 |
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フィンランド出身のやりすぎヴァイキングメタルバンドの1枚目。色々と期待されてましたけどね。 ミニシングル(?)がマニアの中で話題になっていましたが、ようやくフルアルバムが出ました。音楽性は勇壮なヴァイキングメタル。エンシフェルムのように、クサいメロディに疾走というスタイルではなく、クサい事に違いはないんですが、メタル楽器以外も効果的に用いた超シンフォニックかつ思慮深い(雰囲気を重視した)作品です。疾走系もかなり少なめです。 エンシフェルムのような単純にアドレナリンがベタ漏れという感じではなく、雰囲気、流れを大事にしており、作りこみ具合、完成度で言えばエンシフェルムを軽く凌駕しています。その分、分かり易い高揚感はあまり得られず、ずっしりと構える必要があるとも言えます。どちらが好きかは個人の裁量による所が大きいと思いますが、ヴァイキングらしいメロディは満載なので、私はこっちも大好きです。 お気に入りはタイトル曲の「BATTLE METAL」。これだけは分かりやすいメロディ満載で出だし5秒で悶絶出来ます。この曲の為だけに買ってもいいと思います。2枚目に期待しましょうや。 |
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![]() THE VARANGIAN WAY / 2007年作 / 86点 |
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2枚目。 前作はそれなりに期待されていたものの、デモの時と比べるとあまり燃えてないという理由で不評だったような気がしましたが、本作を聞けばそも仕方ないと思えてきます。 ヴァイキングメタルである事は変わりないですが、分かりやすいメロディやスピード感が無く、Keyでふんだんに雰囲気を作り上げ、史実に基づいた物語を丁寧に歌い上げています。一言で言うならMOONSORROWに近い音楽性になっています(あそこほど長くはないですけど)。 即効性は前作よりも更に下になってしまいましたが、大海原を旅する屈強な海賊達の世界観の構築は前作を遥かに凌いでおり、それはそれは見事です。デス声はほとんど使わず雄々しい男達のコーラスが用いてる点、時折使われるアコーディオンなどがより味を出しています。 また、先ほど分かりやすいメロディは無いと書きましたが、世界にどっぷりとハマれば全てがキラーと言える程の完成度とメロディは確かにあるので、地味になったとは解釈しないで下さい。ENSIFERUMに比べればって事ですよ。 お気に入りは「Fields Of Gold」。前作の「Battle Metal」に匹敵する名曲です。このKeyのメロディは日本人じゃ作れんわな。 ヴァイキングという世界そのものが好きな人なら最高傑作になる作品だと思います。 |
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![]() STAND UP AND FIGHT / 2011年作 / 82点 |
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3枚目。「立て、そして戦え」ってタイトルがステキ過ぎます(笑)。 基本路線は前作と同じで、オーケストラをふんだんに用いた重厚なヴァイキングメタルです。1枚目からヴァイキングメタルバンドの中でも屈指の「世界観重視」に重きを置いていたバンドでしたが、本作では更にその方向性を推し進めており、もはや「シンフォニックヴァイキングメタル」と呼んでも差し支えないほどにド派手な世界観を表現しています。RHAPSODY OF FIREと一緒にライブしたらえらい事になりそうです(汗)。 派手な音は大好きですし、描いている世界観も大好物です。が、その代わりに激減している「ヘヴィメタルとしての高揚感」が何とももどかしいのも事実。完全にオーケストラが前に出ており、Gtソロどころか、Gtリフでさえろくに聞こえません。この辺りが評価の別れ目になりそうな感じです。 私個人としては、もう少しバランスをとってほしいと思っています。ここまで来るとヘヴィメタルと言うよりかは「RPGゲームの音楽をオーケストラで再現してみました」と言った感じに聞こえてしまいます。 これも嫌いじゃないんですが「ヘヴィメタルに求めているもの」とは若干違うと言わざるをえません。「Venetoi! - Prasinoi!」なんてヘヴィメタルには全然聞こえないし、「End Of An Empire」なんかはまんま「ファイナルファンタジーのボス戦をオーケストラでやってみました」って感じですしね。 何度も言うようですけど、嫌いと言ってるわけじゃないんですからね。 お気に入りは「Take The Day!」。一番「ヘヴィメタル」っぽい曲。これも装飾テンコ盛りですが、サビメロがカッコイイ! 彼らを期に「シンフォニックヴァイキングメタル」が普及するか、気になる所です。 |
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![]() TURISAS2013 / 2013年作 / 70点 |
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4枚目。なんと安直なアルバムタイトルだ‥‥。 うわっ! 何じゃこりゃ! これが本当にTURISASの新アルバムなのか? と思った程に大きな変化があります。 まずは何と言ってもシンフォニックアレンジが激減した事。全体的にバンド楽器だけの演奏になっており、非常にシンプルになっています。また、音楽性もこれまでの「戦う戦士の音楽一辺倒」からKORPIKLAANIのような陽気な雰囲気の曲が増えており、正直かなり印象は変わりました。一言で言うと「軽く」なってる。 って言うか、何があったのさ? もう重厚なドラマを描く事に飽きちゃったわけ? 正直、この方向性は全然歓迎できません。初めて「Battle Metal」を聞いた時の高揚感は今でも忘れません。でも、その高揚感はもうここには(ほぼ)無い。 見た目だけはますます元気になってるけど、それ故にこの音楽性の変化は残念だと思います。 お気に入りは「We Ride Together」。ラストを飾るナンバー。ちょっとだけ惹き付けられる部分があったかな、と思います。 ボーナストラックで日本で演奏された「Battle Metal」が入っています(「トーキョー」って言ってるし)。やっぱりこの頃の方がいいね、と改めて思っちゃったよww |
TWILIGHT FORCE (トワイライト・フォース) |
出身‥‥‥スウェーデン ジャンル‥シンフォニックメタル |
![]() TALES OF ANCIENT PROPHECIES / 2014年 / 90点 |
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スウェーデン出身のシンフォニックメタルバンドの1枚目。 久々に聴いたね、こういうタイプのメタルを。そして、メタルを聴き始めた頃の気持ちに戻れました(笑)。音楽性はRHAPSODY OF FIRE直系のシンフォニックメタルで、良くも悪くも現在のラプソが無くしてしまった疾走感、恥ずかしさMAXのクサさが満載です。 世界観も徹底しており、メンバー写真もロードオブザリング風。曲名も「Enchanted Dragon Of Wisdom」「Twilight Horizon」「Sword Of Magic Steel」と言った感じで、もうニヤニヤが止まりません(笑)。 ‥‥なんかギャグっぽい言い方になってしまいましたが、大真面目に言わせてもらうと本当に素晴らしい作品だと思います。心地良い疾走感、一度聞いただけで覚えられるキャッチーな歌メロ、キラキラとしたKeyの音色‥‥。1〜3枚目辺りのラプソが持っていたケミストリーがココにはあると思います。確かにB級っぽさはありますが、逆に言えばB級だけが持ち得る素晴らしさに満ち溢れています。むしろA級にはならずにこのままでいてほしいです。 捨て曲は一切無し。強いて言えば、1曲目の「Enchanted Dragon Of Wisdom」。この曲を聴いただけで絶対買おうと決めました。ボーナストラックはHELLOWEENの「Eagle Fly Free」と、これまた狙いすましたかのような選曲です。 ファンタジックなシンフォニックメタルが好きなら絶対聴くべき1枚です。 |
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![]() HEROES OF MIGHTY MAGIC / 2016年 / 80点 |
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2枚目。世間では前作よりもコチラの方が良いという意見が多い気がしますが、私個人としては前作の方が良かったかなと思いました。 方向性は変わらず、激メロ満載のシンフォニックメタルです。前作に比べてシンフォニック度がググッと上がっており、良くも悪くもRHAPSODY OF FIREと同じ進化を遂げている気がします。 そこは別に良いんです。私が前作の方が良いと思った理由がメロディです。一言で言うと「明るくなりすぎ」です。前作がバトル曲メインだったとすれば本作はエンディング曲ばっかりな感じなんです。ディズニー映画の音楽っぽいとすら感じました。最後に1曲入っているならともかく、最初から最後までずっとこの調子はちょっといただけません。曲のバリエーションも似たり寄ったりで一本調子になってしまった気がするし。9〜10分の大曲が2曲もあるのも胃もたれ気味でした。もっと攻撃的な曲や暗い曲もあった方がアルバム全体に緩急ができて聴きやすかったのではないかとすごく感じました。 お気に入りは「Riders of the Dawn」。唯一攻撃性を感じた1曲。こういう曲が良いんだけどな〜。 客観的に見れば完成度は高いが、好みの問題で好きになれなかった1枚。次の作品はどんな感じになるんでしょうか‥? |
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![]() DAWN OF THE DRAGONSTAR / 2019年 / 85点 |
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3枚目。 前作は個人的には明るいメロディが多すぎて、ちょっと一本調子な感じがしたんですが、本作はバラエティーに富んでおり、牧歌的な曲や戦闘的な曲、ダークな曲、更には中華風な曲などもあり、緩急があって良いと思いました。シンフォニック度も若干抑えられており、メタル楽器がシッカリと響いていて、ギターソロなども良い塩梅です。10分越えの曲を1曲にして、それを最後に持ってきたのも正解だったと思います。 アルバムを重ねる毎に芋っぽさも消えていき、全体的な完成度で言えば間違いなく最高だと思います。 ただ、Voがちょっと気になります。新Voのアレッサンドロ・コンティは、LUCA TURILLI'S RHAPSODYなどでも歌っている人で、キチンと歌えてはいるんですが、キーンとした高音の歌い方がちょっと好きになれないんですよね。個人的には前Voのクリスチャン・エリクソンの方が好みでした。 お気に入りは「Long Live The King」と「Hydra」。前者はお祭り的な雰囲気のあるメロディが印象的な1曲、後者は前作には無かったダークさ・攻撃性のある1曲。どちらも良かったと思います。 もはや、シンフォニックメタルのトップにまで来た感があります。次はどんな作品になるのか、楽しみですね。 |
TWILIGHT GUARDIANS (トワイライト・ガーディアンズ) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() WASTELAND / 2004年作 / 90点 |
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メロパワ産国フィンランド出身の5人組の2枚目。私は名盤だと思います! その音楽性は典型的メロパワ。ドリームテイルの1stなんかに通じるKeyキラキラのメロパワです。世間での評価は「声が面白くない」「よくあるパターン」「歌メロがいまいち地味」など、よくないモノが多いんですが、私は何故か異常な程気に入ってしまいました。 確かに「彼らならでは」と呼べるモノは無いんですが、私好みにジャンジャン言ってくれるKey。変にハイトーンを使わず中域でしっとりと歌うVo。やたらシンバルをぶったたき、盛り上げるDrと、「特徴が無い」を「全部が良く出来ている」と勝手に解釈させていただきます。 そして一番気になるのが歌メロですが、個人的にはドリームテイルの1stやサイレントフォースの3rdにかなり迫っていると思います。聞いた瞬間ビクビクとは来なかったんですが、聞く度にジワジワと良さが出てきました。 お気に入りは「WEAK GENERATION」と「KING OF THE WASTELAND」。前者は疾走がいい感じ。後者はパワーバラードですが歌メロがすんばらしい! これはメロパワ史上に残る超名曲だと(あくまで私は)思います。間奏でのクワイアも最高じゃん! このアルバムにこんな高得点つけるヤツなんざ私くらいな気がしますが、気に入ってしまったんだから仕方ない。「本当かよ?」ってな気持ちで聞いてください。多分、1000人に1人くらいは私と同じ感想のはずです! |
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![]() SINTRADE / 2006年作 / 80点 |
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3枚目。 かなり期待してたんですが、何か地味になりました。前作にあった疾走曲が激減し、ミドルで勝負するスタイルに。 これが面白くない‥‥。何かメロディまで地味になった感じがします。ライナーでプログレとか言ってましたが、どうしてメロパワバンドはネタが尽きるとミドル、プログレに走ろうとするんですかねぇ‥‥。実際プログレと言う程ややこしくはなってないですが、つまらなくなったのは間違いないです。 お気に入りは「WANDERER」。どれかと言われればこれかな? ってか疾走系がボートラの2曲だけってのが納得できん! ふーむ、消化不良! 次はまた疾走系を期待しています! |
TWILIGHTNING (トワイライトニング) |
出身地‥‥フィンランド ジャンル‥‥メロディック・パワーメタル |
![]() DELIRIUM VEIL / 2003年作 / 90点 |
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フィンランド出身のメロパワバンドの1枚目。 音楽性を一言で言うと、遅くなったソナタです。若いくせに疾走の頼る事無く、ミドル〜ハイで勝負しています。しかし、ミドルでありながらどの曲もフックに富んでおり、少々プログレッシブな展開を見せるものの、それが難解という事は全然無いし、サクサクッと聞けてしまうのがお見事。 そしてこういうバンド一番の問題はVoですが、ちゃんと歌えています。ハイトーンも上手いですし、無闇に「アアアアッ!」って言わないのもいいです(笑)。 疾走マニアやクサメロを愛する人には物足りないと思いますが、これはこれで非常に味のある作品だと思います。解説では「80年代の良きメタルを現代的に蘇らせた」とありましたが、確かにそんな感じもしました。 お気に入りは「AT THE FORGE」と、「JESTER REALM」。前者は歌に入る前のGtが超格好良いです。前者はサビに入る前のGtが入らない部分の歌メロがいいですね。ってどっちも微妙な所が好きだな。 |
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![]() PLAGUE−HOUSE PUPPET SHOW / 2004年作 / 91点 |
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2枚目。スピードは前に比べると更に遅くなったものの、ツインGtの唸り具合は前作以上。このバンドの要はより強化された感じです。 やはりこのバンドのメロディの上手さは凄いです。安易にクサメロに落ち着く事無く、正統派的な色合いを備えながらも、手を変え品を変えつつ、己の音楽性を貫く。これ、そう簡単に出来る事じゃないと思います。 あと、スピード云々と言いましたが、ボートラとして数曲結構なスピード曲が入っているので(無理矢理作らされたらしいです‥‥)、全体的なイメージは前よりもいいかもしれません。 お気に入りは「Goddess Of Fortune」(ボートラ)。Aメロが良いと思える曲は貴重ですね。Voのハイトーンが冴え渡る名曲だと思います。 何でもジャケの絵を変える為に発売日がのびたらしいですが、そんな事する必要あったのか? とにかく、現代メタルを聞くなら避けて通れないバンドだと思います。 |
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![]() SWINELORDS / 2007年作 / 55点 |
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Keyが脱退してしまった3枚目。後任は入れず、5人でやっていくそうです。 1枚目、2枚目、共にそれなりに高い評価を受けていた彼らですが、本作は評価を受ける前にあまりレビューを見ません。先行シングルがつまらなかったり、雑誌「BURRN!」で低評価だった事が原因だと思いますが、私も正直もの凄くつまらない作品だと思います。 とにかく北欧メロディがほぼ消え去っており、骨太の正統派へヴィメタルに変貌。しかもそれには飽き足らず、プログレッシブなアレンジを至る所に加えており、へヴィメタルとも言えないようなスタイルになっています。 これが良くない。ぶっちゃけ、全然方向性が分かりません。アレンジが良いとも思えないし、メロディも大した事無いし。何だか聞いてて疲れるんですよね。 お気に入りは無し。まだ聞き込む気にもなりません。もう来日は‥‥無いかな。 |
TWO OF A KIND (トゥー・オブ・ア・カインド) |
出身地‥‥オランダ ジャンル‥‥ハードロック |
![]() TWO OF A KIND / 2007年作 / 78点 |
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TERRA NOVAの中心人物フレッド・ヘンドリクスのバックアップの元に結成された女性2人組デュオの1枚目。ジャケットは超美麗でナイス! ちなみにバンド名を訳すと「2人は双子」とかって意味らしいです。 上記から想像出来る通り、TERRA NOVAを彷彿とさせる爽快なハードポップです。ただ、歌っているのが女性というだけで随分と印象が異なり、何だかちょっとロックしているABBAって感じがします。 女性2人は見た目も歳も随分と違うんですが(それなりに美人だと思います)、実に上手く、ロックな低音から美しいハイトーンまでこなしております。 私はTERRA NOVAの陽気すぎる楽曲が苦手で、4枚目でさようならをしてしまいましたが、本作は陽気さよりも切なさが若干ですが勝っている印象で、なかなかに悪くありません。「Into The Fire」なんてTERRA NOVAでは聞いた事の無い一風変わった曲で楽しめました。 突き抜けたものはありませんが、こちらは出る度に手にしてもいいかなと思います。 お気に入りは前述した「Into The Fire」。これはいいですね! こちらは是非とも頑張ってもらいたいです。 |
TYR (テュール) |
出身地‥‥フェロー諸島 ジャンル‥‥ヴァイキング・メタル |
![]() BY THE LIGHT OF THE NORTHERN STAR / 2009年作 / 83点 |
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デンマーク自治領であるフェロー諸島出身のヴァイキンガーによる5枚目。 甲冑を身にまとった男の姿からして予想出来ますが、勇壮で逞しいヴァイキングメタルをやっています。Keyをまったく使わず、あくまでGtで戦う漢を描いている点などはAMON AMARTHと似ていますが、大きく異なる点もあります。 まずはVoです。デスVoは一切無く、全てノーマルVoで歌われています。これが非常に「ヴァイキング」の雰囲気を醸し出しており、これでまず「デスVoはダメ」という人にもお勧めでき、敷居はグッと低くなっています。 そして、曲です。初心者でも「あっ、これがヴァイキングメタルって言うんだ」と言っちゃいそうなほど分かりやすいメロディがてんこ盛りなのです。疾走曲も結構ありますし、前述したノーマルVoと合わせて「聞き易さ」は数あるヴァイキングメタルの中でもトップクラスです。 ただ、全体的にややプログレッシブな展開が多く(特にDr)、イマイチノリきれない事、また分かりやすいメロディが多いと書きましたが、ENSIFERUMほどクサいと言うわけでもなく、結果的に「悪くないんだけど、すんごく良くもない」という感想になってしまうのが非常に残念です。 メロディと展開をもっと劇的にすれば日本でも人気が出ると思いますね。 お気に入りは「By the Light of the Northern Star」。「北極星の光によって」ってタイトルも素敵すぎますが、本作中最もシンプルな構成&疾走&クサいコーラス、とヴァイキングメタルに求められているもの全てを高水準で満たした名曲です。 これなら国内版が出てもおかしくないと思うんだけどなぁ。次から是非出して下さい。 |
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![]() THE LAY OF THRYM / 2011年作 / 82点 |
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6枚目。国内盤が出たらしいです(未確認情報)。 客観的に言えばより多くの人に支持されそうな正当な進化を辿っており、疾走感あり、男らしいクワイアあり、分かりやすいメロディあり、この手のバンドにしては演奏技術も高く、ヴァイキング初心者でも安心して聞ける好盤だと思います。 ただ、個人的にはちょっと正統派になりすぎているかな、と思いました。もっと泥臭い楽曲もあって良かったんじゃないかな、と。一言で言えば「演奏もメロディも洗練されすぎている」と感じました。まあ、その傾向は前作からもあったので、そこに苦言を呈すのはナンセンスなのかもしれないですけどね。 お気に入りは「Hall Of Freedom」。疾走感溢れる展開と、分かりやすいメロディが実に心地良い1曲です。 洗練されたヴァイキングメタルが聞きたい人はどうぞ。 |