X JAPAN
(エックス・ジャパン)
出身地‥‥日本
ジャンル‥‥メロディック・スピードメタル

VANISHING VISION / 1988年作 / 89点
日本で一番有名なメタルバンドのインディーズ時代の作品。
彼らを「メタル」のカテゴリーに入れるべきなのか悩みましたが、超絶なハイトーン、唸りまくるツインGtとDr、長い間奏、ドラマチックな展開、英語の歌詞が多いと、はやりメタルとしての要素が多いのでここに書きたいと思います。

さて、この頃はまだ荒削りですが、すでにその風格は見えています。ガリガリ言いまくりながらも、時に美しいアルペジオを聞かせる故HIDEとPATAのGt、己の限界にチャレンジしているようなTOSHIのハイトーン、的確にビートを刻むTAIJIのBa、そして、とんでもないスピードでDrを叩き、時に美しいピアノが咲き乱れるYOSHIKIのテクニック。当時の日本のメタルバンドの中でも一流のモノが伺えます。

お気に入りは2曲目「VANISHING LOVE」。初めて聞いた時はビビりました。

BLUE BLOOD / 1989年作 / 99点
メジャー第1弾。
メタルアルバムでありながら100万枚以上のセールスを記録し、その後の後続者達に計り知れない影響をもたらした大傑作。彼らをメタルというならば、私が生まれて初めて出会ったメタルアルバムという事になります。音楽性は前の延長ですが、全てがタイトになり、メジャー級になりました。

1曲目の壮大なイントロから2曲目「BLUE BLOOD」が始まった瞬間にもう昇天です。ライブではあまり演奏されませんでしたが、あまりにも格好良すぎます。間奏部分のGtメロが死ぬほど痺れます。
その後も続々と名曲が並びます。彼らを語る時には絶対に外せない「WEEK END」、「紅」、「X」もちゃんと収録。
そして激しい曲の間にスッと入る「ENDLESS RAIN」のようなあまりにも美しいバラード。ここまでギャップのある曲を作れるYOSHIKIは私は天才だと思います。その後も名曲は続き、10分にも及ぶ大曲「ROSE OF PAIN」。最後は物悲しい「UNFINISHED」で終わりです。

もう全部最高! 当時高校生だった私(この時すでに彼らは解散してましたが)は1日中何度もこれを聞いては「はぁ」とため息をついていました。

私よりも年上の人がレインボーやジューダス・プリースト、はたまたブラック・サバスなどを聞いてこちらの世界に入ったのならば、私はこのアルバムから入りました。(何故かその後ヴィジュアル系に走ってしまいましたが‥‥)。生涯忘れないであろう、このアルバム。お気に入りは全部です! どれがいいなんて言えません!

JEALOUSY / 1991年作 / 98点
メジャー第2弾。全てでグレードアップしています。

各個人のテクニックは更に上がり、YOSHIKIのソングライティングにもますます磨きがかかっています。オーケストラの頻度も上がり、このドラマ性は筆舌に尽くしがたい!

今回はYOSHIKI以外の人達も曲製作の携わっていて、PATAの作るアメリカン・ロックな曲、TAIJIの作る超悲しい曲、そしてHIDEの作る艶のある曲とバラエティにも富んでいます。
正直、PATAの曲はあまりにもKISSなどに似ているので面白くありませんが、TAIJIの書いた「VOICELESS SCREAMING」の悲しさはX史上最高です。HIDEの作る曲は歌詞が何とも彼らしく、いいですね。「LOVE REPLICA」のメロなんかかなりクサいですし。
最後はお得意の泣き満載の「SAY ANYTHING」で大団円。

これもマストです。

ART OF LIFE / 1993年作 / 99点
1曲30分と言うラプソディもビックリのシングル(?)。ちなみにTAIJIが脱退してHEATHになりました。

その音楽性ですが、30分もあるので疾走一直線というわけではありません。まずは落ち着いた感じで入り、途中から怒涛の疾走が始まります。そのままサビ、間奏、サビ、間奏と矢継ぎ早に続きます。HIDEとPATAの美しいギターメロ、よりクリアになったTOSHIの声。最高! そして15分を過ぎた辺りからYOSIHIKIの狂ったかのようなピアノの乱舞! これが10分くらい続くんだから凄い。そして最後は再び疾走、大仰なオーケストラを使い、壮大に終わります。

30分の中に彼らが今までやってきた事の全てが凝縮されています。まさしくタイトルの通りです。ライヴ盤もありますが、どちらもいいです。っていうか、ライヴでやったんだ、この曲。Xを語るならやっぱし外せません。名盤!

DAHLIA / 1996年作 / 93点
前作から5年の歳月を経て出されたメジャー3枚目。オリジナルアルバムとしては最後の作品となります。海外に進出して向こうに同名のバンドがいたのでこの作品から名前をX JAPANにしました。

これは時代の変化なのでしょう。ハードな曲が減り、バラードが多くなりました。怒涛の疾走曲は1曲目の「DAHLIA」のみです。やたらポップになってしまった「RUSTY NAIL」。電子音を入れてしまった「DRAIN」。今までとはかなり違います。
しかし、「DAHLIA」は超格好良いし、「RUSTY NAIL」だってKeyがかなりクサいです。さらにXJAPAN史上に燦然と輝く名バラード「TEARS」、「FOREVER LOVE」が入っているからいいのです。

その後、彼らはそれぞれの道を歩き、HIDEは謎の死、TOSHIは宗教に入れ込んでしまうといった悲劇が待ち構えていますが、彼らが残したモノはあまりにも大きかったと断言できます。彼らがいなければ、きっとグレイもルナシーもラルク・アン・シエルもいなかったでしょう。
日本が世界でも屈指のメタル国になる事もなかったかもしれません。私は生涯、彼らの事を忘れないと誓います。


XANDRIA
(キサンドリア)
出身地‥‥ドイツ
ジャンル‥‥ゴシックメタル

INDIA / 2005年作 / 82点
ドイツ出身のゴシックバンドの3枚目。
オーケストラをふんだんに用いた壮大なゴシックメタルで、デスVoは無し。メタル楽器もしっかり後ろ舞台を支えており、曲構成もメロ→サビとシンプル。ウィズイン・テンプテーションやシレーニアと同系列です。

Voは浮遊系で聞きやすいですし、疾走曲こそ無いですが、どれも非常にコンパクトでまとまりがあります。
ただ、分かりやすいのは前半だけで後半になっていくに従って、展開が複雑というか、シンプルさが無くなり、如何にもゴシック的な曲が増えるのは残念な所。それでも今まで聞いた中ではかなり良い方だとは思いますけどね。

お気に入りは「IN LOVE WITH THE DARKNESS」。ちょっとインドっぽいメロディーと浮遊感と恍惚感の得られるサビメロが秀逸です。
ほとんど衝動買いだったんですが、これはなかなか良いと思います。皆さんも見つけたら是非どうでしょう?

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